母屋のテキストでは「やりたいことがわからなかったら大変」という論理矛盾の話をしているのだが、ここでは何故そうなるのかサイドの視点で見ていこう。
人間の動機形成は、「自意識発(自発)」と「無意識発(反動)」に大きく分けて二つある、前者はほとんど説明の必用無いだろう、注意する点は前者:自発という動機形成が「なんか新しく買う」とか「これまで試した事の無い選択肢を考える」「忘れてしまった事を思い出そうと思案する」ように『前例主義で運用できない事象』が、そのもっぱらであるところだ。
そこで問題の「無意識発(反動)」って動機形成だが、道徳的志向なんかから考えるとわかりやすい。
電車に並ぶたびに「ちょっと待てよこれは道徳的に考えるとだね〜」と思案顔で佇む人はいない。快不快でその選択は選ばれる。考えたり思ったりする事は無く、むしろ「そうしないと耐えられない」とか(嫌な感じとか)って現象になる。
精神分析が発見したのは、その続きの以下の部分だ、
本来自分自身の美意識や人生観と、この「そうしないと耐えれない」って奴が「矛盾していたら?」、“自分”では受け入れがたいのに、ハムレットじゃないが、これが葛藤や悩みで誰にでもあることで、人生をしみじみ感じこそすれ、葛藤単体には何ら問題ではない。
もし、「その葛藤が無意識に沈んで、“自分”では感じられなかったら?」
そんな事が有り得るのか?
フロイドは無意識を発見したというより「顕在化すべき葛藤が、無意識に抑圧されて“自分”では感じられない事がある」という現象を発見したと言っていい。
個別に証明するほうがわかりやすいだろう、
@「テストの時の記憶喪失」や、「ど忘れ」。
みなさんご存知のとおり「自意識が大事だから覚えとけよっ」と何回言いきかせても、そう簡単に『中の人』は、その肝心要な時に「大事な事だと言いきかせた事を忘れて慌てる」。んでもって全然関係無いときや必用もないときに
「 あ っ 」、
A「癖」、まったく自分じゃ覚えが無い。
B「悪い癖」、まったく自分じゃ憶えが無いくせに人迷惑
C「悪癖」、自分でもわかっているくせに止まらない
Dそして『夢』
フロイドの夢判断に出てくる「象徴化リスト」を面白がって読むのが最もナンセンスなフロイドの読み方で、象徴化ってのは「自意識にバレないようにする細工」であって、大事な部分は「自意識にバレるとマズイ欲求の存在が、ストレスとして睡眠の障害(イライラする事や心配事があると人は「眠れない」)となる事で、びっくりして目を覚まさないように“大丈夫やってるやってる”という関連付けされ、置き換えられたナンセンスなストーリーを見る事で、なんとなく納得し“ひとりで勝手に安心して"睡眠を継続するために前意識的分野が無意識リードで夢を見ている」という部分で、この「マンマで見ない現象」の解読に“象徴化”の検証を用いた。
『正夢』なんてのも、自意識では気が付かない動物的直感象が「なんか気になるため」、無意識分野(深層意識)の活動をマスキングする自意識が睡眠中に「見てしまう」と、考えるとスムーズに解釈できる。
「なんとなく○○な気がするんだよね」という台詞は、きっかけも無く出る事は無い。
自意識の活動で忙しいと「○○な気がしている」のに自分で、気が付かないからだ。
※このケースでも視界の片隅には入っているので、「あ〜後から考えると変な感じがしてたんだよな〜」「おいおい、今言うなよ遅いっての」等というやりとりになる。
特に自分でもワケのわからない夢が問題なのではない。(夢のナンセンスチェックしているのじゃないのだから)
何故って「脳内の関連付けは、けっこう場当たり的で、何の印象でそれを覚えているのか自分でも予想がつかない」からだ(脳の研究でも、複雑な図形が▽や○◇など基本的な部位に分解されて関連付けされているという研究報告もある)。
ナンセンスで当たり前
「いやぁ何故だかわかんないんだけれど、思い出すんだよな〜“餃子”と言えば中3の同級生の沢井、なんでかな〜」
こんな台詞は誰にでもある。
こんな事もある
「 あ っ 、『市民ケーン』」満員電車内。
そりゃ自意識が前も後もわからなくなっている睡眠中に、そんな関連付けの山で構成された話がナンセンスにならないワケがない。
反対にマトモな夢も見る、
それはそれで夢ってのは自意識に驚異(目が醒めるほど)でなければいいのであって、「米→寿司」のようにマトモな連想だってなきゃおかしいでしょうよ、楽しい夢ならそのままの方が“やってるやってる”なんだし。
で、これまたそのの「夢」が失敗する事もある(なんてったって、自意識がまるで監視していないんだから)。
「あーびっくりしたっ」(“悪夢”)
ここに重要な発見がある、
「明日は遠足だ」
「明日は受験だ」
そして眠れない日
そして、そもそも『夢(“将来の"という枕詞の付く奴)』が、反動形成のついた対象性投影である事。
フロイドが発見したのは、この連想性の中から鬱症状や自律神経失調(当時で言えばヒステリー)時に、解決の糸口となる「抑圧された欲動」を発見した事だ。
つまり、覚醒時にまったく(その「対象性=キャッチ」となる反動形成すら行為の選択肢にすらない)関連性のある行為が「選択肢にすらない」動機形成自体の未認知現象。
それは『自立的に解消する可能性が全く無い慢性的ストレス』で、自意識には不快感や極度の緊張としてしか感じられなかったり、ふとしたきっかけで(偶然の)関連性でまるで覚醒するように感じられる原因不明のストレスになる。
或いは「自分では極自然なな感情的な振る舞いだと思っているのに、周辺にまるで理解されない言動」、
◇再び道徳的な情緒意識に話を戻す
人は自分の快不快ポイントを自由自在に操作できないし、まるで他人事のように「こりゃなんでだ?」と素の状態で考える事は有り得ない。
しかし、「ある経験」や、「なんだそうだったのか!」のような関連付けの修正(なんかよくわからないものが、その“形”というか「なんでかな」がわかった瞬間の感覚)があった時、快不快ポイントは大胆に変更される。
「なんだ、夫婦だったんですか!」
「えーーーっ、負けたんですかタイソンが!」
「だから紅茶と一緒に飲むと身体にいんですか」
印象記憶と言えばいいのか、通常自意識が関与しない関連付け内容を認知できる記憶。後天的な論理付け(自意識の関与)られた新規の記憶。
なんとなく精神分析の過程がわかってもらえるだろうか?
「やりたい事という得体の知れない『抽象概念でしか認知の許されていない欲動』は、構造的に解決しないし、解決は抑圧の暴露になるので、絶対許しがたい」
■これを『脅迫(強迫)構造』と言う。
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