2024年03月10日

『非婚・晩婚化』の意味はもっと深いというか”決定的”な転換点

<後から少し校正と追記、3/11また追記、そしてまた少し修正>

『共同幻想』”社会適応”時代が崩壊し、(造語と言うか文字通りに)「歩留り適応者の台頭」が社会現象として台頭した(=過半数超えたの意)象徴的な出来事だ。

なんか「歩留り適応者」などというと、「中途半端には適応してるんでしょ?」と思われるかも知れないが、『共同幻想』”適応社会”の優先事項は極端なぐらいの同調性(画一化)であり、価値観なりが何から何まで一緒(私も同じですって奴)であることで機能するもので、
個別に”そこは適応しませんから”とバラついただけでもう崩壊なんです。
(欧米の場合は極端なぐらい『キリスト教』の解釈が同一、というゴリゴリに道徳倫理だけの価値観統一手法の『共同幻想』:日曜日に家族で教会に通い価値観の統一を図る《異端は火あぶり、リベラルは悪魔崇拝》)
そこに素で同調圧力が通じない局面が個別に散見しただけで、(人が違えば”そこは適応しない局面”がまた別になるのだから何をするにも誰かが異論をはさむことになる)
”たったそれだけで”同調圧力予定調和の論理(俗に言う「空気」のこと)が道徳的にも正しいかのような社会的強迫構造は崩れてしまう。
 ↓
『非婚・晩婚化』を経て
 ↓
同調圧力や予定調和(空気読め)は「ハラスメントである」に転じた
(或いは、同調圧力は「いじめの構造である」という批判)
●つまり道徳的正当性の幻想はおろか、『共同幻想』”適応社会”のシステムは人権侵害の烙印を押されたってことです(逆転して”昔の悪い慣習”にカウントされた)。
この状況を崩壊と呼ばずしてどうするのってな、

そこで今回は大きな転換点となった『非婚・晩婚化』の意味とその背景を心理学的に解釈していこうと思う(説明するまでもなく”適応者”には早婚傾向がある)。

<ここから本題>
■『非婚・晩婚化』で否定されたのは「”仲間”は誰でもOK」に代表される『共同幻想』社会の性対象斡旋のシステムだ。
近世から産業革命後の近代にかけて(古代以前の習俗は正直推測でしかないので不明とする)、産業も第一次産業が主体であり、日本の戦国大名においても石高(コメの生産高)でスケールを評価したほどだ(欧米貴族や王家も荘園だよね)。不動産価値の主たる部分も耕作地であることがわかる。
俺は世界史専門とかないので、日本の話から進めていくけども、
奴隷文化の無い日本の場合特に地方の村社会は(第一次産業従事者)「土地資産の相続を嫡男総取り+人手が必要なので労働者としても多産であること」を軸に経営されてきた。
反対に言えば、このシステムが壊れたら村の経済は破綻するワケ(当時の場合=死)。

いかに”村社会存続のための社会システムを構築するのか?”これは命がかかった最優先事項であり、このシステムを思いついた村だけが生き残り、生き残りたい村はこぞってそれを模倣した。
それが『共同幻想』”社会適応”なるシステムです。
(公家や武家などは近代化の中に埋没していったので”例外事項とする”)
●長男には確実に『縁談』で結婚してもらわなければいけないし
●この場合の”家”とは=産業であり=現代で言えば法人に近い
●ある意味『縁談』は株の持ち合いじゃないが、法人の人事に近い判断が求められ「間違っても当事者が勝手に選んでいい訳がない」
(合わせて農奴扱いの次男以降の身の振り方も”親権と言うより社長の人事権”により上から決められる《飢饉になると上方や江戸の商人、娘なら女郎屋に売り払われる》人事なので「売られる児童は親に感謝の挨拶をして出奔する」のが正しい慣習)
●また隣村はもう敵の領地とかもある訳だから「農家の相手は基本同じ村からや血縁による斡旋」でなければならない(信用ならないよそ者が入って村の秩序が壊れてはいけないからだ)
 ↑
随分昔話だろと思う方いるかもだが、
どこぞの暴走族「スペクター」総長の妹が「隠れて関東連合のチンピラ構成員と交際してる」のがバレたらどうなるよ?
或いは、本州における「部落の結婚差別」があったのはついこないだの話だぜ。
はたまた現代社会においても”マスメディアにおける不倫批判が意味わからない件”(宗教的戒律違反かのような追及が行われている)
上記のエスニックな慣習は、近代から続く”村社会の慣習《『共同幻想』》”が代々継承されてきた成れの果てだ。


■そして生まれたシステムが
「”仲間”は誰でもOK」に代表される『共同幻想』社会の性対象斡旋制度だ。
これには「不純異性交遊や猥褻《有害》図書やゲームの取り締まり」などの性的行動の保守系取り締まりが両輪となって(言う事きけば性対象を斡旋するという)”社会適応”に囲い込む仕組みだ。
逆らえば生涯性交すらさせないぞという脅し。
「これエディプス・コンプレックスの去勢恐怖そのまんまです」
(※戦前の婚姻は7割が『縁談』である。戦前歌謡曲などの習俗には「結婚と恋愛が違う件」があけすけにというか《悪びれたり悲劇的にもならず》ごく当たり前に歌われていた。)
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戦後GHQは財閥解体に代表されるように、日本の名家の力もバラバラにして弱体化したかったので(勿論天皇家もだ《藤原家の末裔から妃を取る慣習が失われた》)「自由恋愛」と称して”ある意味親権の制限”を行った。=近世から近代の社会秩序が”崩れ”ます。
 ↑
これが良いとか悪いとかの話にならんのは、その後の実態もたいして違わないものだからです。
●現代の”適応者”による婚姻の6割以上は「同級生・同僚・友人の紹介」であり、はい全部”仲間から”であり、差配する上位権威がばらけただけの話です(スクールカーストになってみたり、会社の上下関係であったり、友人関係におけるポジションだったり)。
下手すると戦前の見合い『縁談』の方が選択肢が多かったのかもしれない。
 ↑
時にイジメなどで被害者が錯覚から自殺に追い込まれてしまうのは、この仲間との関係性が(”家幻想”のような)生殺与奪の自らの生存圏《閉鎖的環境》であるかのように”勘違い”してしまうからです(前述『共同幻想』囲い込みの仕組みが強烈に効いてる=さらには「適応強迫」が示唆される)。
「周囲や出先の対人関係があたかも自分の限られた(他では生きていけない)生存圏であるかのような錯覚」←本来こういう囲い込み自体が(多様性の否定であり、監禁による拘禁反応のような事象も起きる)人権侵害だってのに
※事実近代までは「異端は村八分で事実上殺害に追い込んだ」

<ここまで読めばわかると思いますが>


■『非婚・晩婚』の選択とは→そういう話は冗談じゃ無いからと、
「”仲間”は誰でもOK(始まりは”仲間はみんな友達”)」に代表される『共同幻想』社会の性対象斡旋制度への全否定だということです。

(非婚はともかく晩婚ってのはいかにも「歩留り」的選択で、表立って親世代から圧力かけられないようにひたすら先送りした結果で、意図して”晩婚したかった”てな事でも無いのでしょうよww=真意は”プチ非婚”)←これを可能としたのは文明化や高学歴による社会の世俗化であり、個人における”性欲のサブカル・オルタナ広義展開”の拡大です(去勢恐怖の脅しが効かなくなった:「間に合ってます」)。
 ↓
「日本の場合はサラリーマン社会による核家族化だとか、地方の都市化」などとして観測されたりしていた(上方や江戸は昔から”婚姻率の低いサブカル都市国家”《戦後時代ですら「都会に遊びに行く=悪いこと」だったのだから←有害図書と同じ扱いだったのさ》)

自動的に”(性交の斡旋が示唆される)仲間関係の否定”でもある
これが現代の交友関係の否定とも取れる世論調査統計の背景です。

■もうひとつの大きな転換点は「プライバシー保護法の施行」
『個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律: 2003年5月施行)』

※個人にも秘密の保有を認めず(「水臭い友達でしょ」「私たちも話せないことなの?」「何子はクラスの男子で誰が好き?」)、仲間同士で情報共有することを結束の旨とする『共同幻想』社会適応システムにとって致命的な決定打となる。
親も子供に対し「あなた、誰かいい人いないの?」などにわかに言えなくなった(セクハラかしら)。


●仲間関係の否定に及ぶ理由は実に簡単で、
そこに4人いる場合「何を食べたいか?」
予定調和が悪癖とされる現代「カレー、蕎麦、焼肉、回転すし」と別れます。
仲間同士の力関係で「ファミレス行こうか」となった場合、渋々従う形になる3人にとってこれは「パワハラであり人権侵害」になります。
嫌だと言った場合「どうしてなのか」尋ねることはプライバシー侵害ですから(答える必要は無い)、その場で(次回は君の希望店ねなど)調整してとかそういう話になりません。

・「なんとなく、団体行動って嫌だね」という”逆の空気”が登場します。
これが、「群れて行動するとかDQNじゃん」などの”侮辱的発言”に露見してるということです。
※「歩留り」階層の約半数は”偽装適応”により、”適応者”に調子合せているので「歩留り」階層の中でも堂々と自分の意見を発言する者は限られており、DQN蔑視のような婉曲的表現でこの”逆空気”を伝えている。
※現代の子供は、いい歳こいた男同士が(友達関係などで)群れで行動してる様を見て「ホモソサエティじゃん」とか疑問視する時代になってます(最近の子供はLGBTのことも知ってるから)。←これは”DQNじゃん”の活用形

てなワケですよ
(労組の組織率が下がって社会党が消滅したように、社会現象として普通にそうなる:『共同幻想』適応社会の崩壊)

■反対に個性化により人が集散することは別現象として起きます
たとえばBABYMETALのライブに訪れた個別のファンが、公衆の駅前などで互いの存在を確認しサインを送りエールの交換などをし「それぞれ帰途に就く《シンガーばんばひろふみ氏証言》」のように(個別の趣味性の高さから”適応者”の友人関係を超えた親和性を感じるが《プライバシーを尊重し名前も名乗らず二度と会うことも無い》)、何か互いに名乗ることになったハプニングがあれば別かも知れませんが(これもまた腐れ縁)、妙な交友関係で証明しなくても「その考えに至った者同士のシンパシー」ってのはありますよ。←反復しますが”妙な交友関係で証明する必要無く”友人である理解が及ぶ現象。
同時にこれは”個性化の証明”である。
 ↓
※「同じになってちゃダメだろ」なご意見あるかと思いますが、プロ野球のファンは12種類にしかなりませんしww、個性の本質はそこに至る分岐ルート含めてであり「この話は”偶然そこで交差するポイント”の親和性や蓋然性」です。→登山家達が難関に挑む前の八合目で”誰とも知らない誰”に、それ以前もそれ以降の登坂ルートも違うのだが、その時だけは「ピッケルあげて挨拶されたら」こちらもピッケルあげて答える時の親和性が(しかも双方命かけてる)、”適応者”の交友レベルを100倍超える親和性やリスペクトなのだって話です。


posted by kagewari at 20:37 | 心理学テキスト「Why not」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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