2024年01月06日

巨匠小津安二郎から学ぶ『共同幻想』適応話法(名作『お早う』から)

<1/7”会話法”だと語呂が悪いのでタイトル含めて”話法”に修正>

吉本隆明の『共同幻想論』が1968年だから、
実にその10年前1959年(昭和34)の作品である。
いつものことだが、小津は当時の市井の人々の暮らしをそのまま描く、
<簡単なあらすじは>
定年間近な家庭で子供とTV購入めぐって親子喧嘩、
近所にはその夫婦と同居する妹が時々翻訳を頼む失業中の通称英語の先生がいるのだが、、

親子喧嘩において
「お前はくだらなことばかり言って黙ってなさい」
「大人だってくだらないことばかり言ってるよ。こんにちは、今日はお天気ですね、ごきげんいかがですか、お早うございます、中身のないことばかり言ってるじゃないか」
「屁理屈ばかりいって、少し黙ってなさい」

(これを契機に子供の兄弟は学校含めていっさい口をきかなくなってしまい、先生から言われた給食費のこともなんとかジェスチャーで伝えようとする始末。ご近所にも挨拶しなかったものだから近所の井戸端会議であらぬ噂を流され夫婦の妻には悪評が立ってしまう。)

劇中、失業中のご近所と居酒屋で
「最近子供がTVTVとうるさくてかないません」
「はーそうですか」
「他人によってはTVを観るとバカになると言いますね」
「そうなんですか、あなたどう思います?(隣席の赤の他人へ)」
「一億層白痴論ですね、ええ困った事です」
などと流れつつも、この失業中だったご近所が電気製品のセールスに就職したと聞き
「どうですか?何かひとつ、就職記念に、月賦でも購入できますよ」
「そうですね、何かお祝いに何かお願いしないといけないですね」
からの、

最後には観念して、
子供達のために(退職間近で月賦も心配なのだが)TVを購入するのだった。
はしゃぐ子供に
「こら、静かにしないとTV返しちゃうぞ」
「嘘だーい、お父さん顔が笑ってるもん」(まいったなと退散する笠智衆)

劇中にて
(翻訳プータローの姉が)
「さっき翻訳頼みにきたお嬢さんのこと、あなた好きなんでしょ」
「さあどうだろ、仕事の話をしにきているだけなんだから」
「あなたもいい加減いしなさいよ、大事なことは言わないとわからないんだから」
(これが伏線となり)

エンディングで伏線回収
(都心への電車、駅のホーム)
お嬢さんを見つける翻訳プータロー(佐田啓二)
「いいお天気ですね」
「ええとっても」
「あの雲変わった形ですね」
「ほんと、変わった形の雲ですね」
<<<ジャジャーーーーン The End>>>

■こういう話なんだが、小津は巧みに『共同幻想』適応者の同調圧力話法を日常性のコアにおいて当時の習俗を描いているんだけど、
これ現代の心理学で言えばですね、
「『共同幻想』”適応者”の会話」というテーマになります。


『共同幻想』適応話法では、基本追従以外の個人的意見は一切発言してはいかんのです。
(そもそも『共同幻想』論では人に合わせる”適応”が優先で、個人的意見は禁止である)

”適応者”達と調子を合わせるとは、
「ダヨネー言葉の活用形をマシンガンのように元気な笑顔で連ねること」であり、
「そうですか、大変ですね」
「わかります、ですよね」
「へーそりゃ驚いた、びっくりしますよね」
「お疲れ様です、大変だったでしょう」
「ごきげんよう、いいお天気ですね」
「それは本当ですか、いやはやまいったな〜」
「いいと思いますよ、私も賛成です」
 ↑
だいたい上記のようなダヨネー活用形以外の話は発言禁止なんです。
というかそれ以外のやりとりには脳がついていかないんです。
(ネタフリも時事ネタや具体的事象であり、個人的意見では無い)

極論、”適応者”は個人的意見を聞きとれないんです。
(まったく頭に入らないに近い:「えっ何」ってフェイントかまされたように感じるんです)

<テーマを『共同幻想』適応話法に絞って、つづく>



posted by kagewari at 23:14 | 心理学テキスト「Why not」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【web投げ銭(記事リクエスト)】
amazonギフトカードによる『web投げ銭』の受付
amazonトップページより→ギフトカード購入→Eメールタイプを選択
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B004N3APGO/
「2. 詳細を入力する」に金額、配送Eメールあて先info@kagewari.sakura.ne.jpを入力
詳細は以下記事参照
記事リクエスト再開
https://kagewari.seesaa.net/article/500418743.html

<収益は当事務所運営経費に当てさせていただきます>

<利用料金の値上げ24.1/23,8/2>
値上げの経緯は以下
https://kagewari.seesaa.net/article/502153223.html
https://kagewari.seesaa.net/article/504221178.html
<送信先メールアドレスの変更24.1/25>
サーバ移転に伴い送信先メールアドレスが変更されてますご注意ください
→送信先info@kagewari.sakura.ne.jp


【注意事項】
・ブログタイトル下の利用規約を必ず読んでください
・プライバシー保護のためお名前は”HN”でお願いします
・メッセージ欄「記事リクエスト」が可能
※リクエストは”記事内において引用される可能性”がある点留意の上、プライバシー保護の範囲内で記載ください(記事内引用に合意したものとします)
※縁起物的なカンパは少額でも歓迎しますが、意味のわからない反論を”100円以下で連発する依頼”は偽計業務妨害に相当する準違法行為であることを理解できない方はご遠慮ください
■返信記事を予定する際の目安
24.8/2料金改定【ドトールコーヒーメニュー、ハニーカフェ・オレMサイズ410円から】受付します

・ガタガタ文句があるなら問い合わせメールなど利用すればいいわけで(着信拒否など対応可能なので業務妨害とは言い難い:それでも1回は送れるし)考えて利用してくれたまへ
※問い合わせ代表アカウント(レンタルサーバ提供)はGmailへの送信に安定性がないため、私から返信ある場合は予備のGmailアカウントから返信となる場合があります。

必ずリクエストに答えるなどの対応は”できません”が
(閉鎖された「コメント欄」や『公開掲示板』の補完として)
可能な限り質問等には答えていこうと思います

※送信にはAmazonのアカウントが必要です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■■『有料相談』の依頼は以下Pから■■■
https://kagewari.sakura.ne.jp/kage2.htm

現在は基本的に『簡易相談(依頼文2000文字まで)7,700円』『簡易相談ハーフ(依頼文1000文字まで)4,000円』「テーマ限定300文字1,000円」のみの受付です
(※サポートの200文字500円は『簡易相談』の後に週に2回まで利用可能)
(『簡易相談』の利用は原則月1回のみです《ハーフは月2回まで》、テーマ限定は週2回まで)

■ご存知と思いますが、レンタルサーバアカウントの多くはgmailへの送信に安定性がありません(受信に関する障害報告はありません)。gmailからの依頼の場合にはセキュリティを担保した別途専用アカウントを用意しています。

相談のコースや方法などやり取りの後に、
有料相談専用アカウントのメールアドレスをお伝えします
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
comments他

・コメント欄は『公開掲示板』同様に原則削除禁止です
(基本的に削除依頼には応じられません、削除依頼は投稿禁止ワードとなってます)

・SPAM対策として一部キャリアからの投稿がIP規制の対象となってます
(同規制キャリアから登録抜けによる投稿がある場合、投稿は自動削除されると同時に規制IPに追加登録されます)



現在コメント欄閉鎖中 (2014.7.26〜)



タグクラウド