そもそも”いいこと悪い事”みたいな抽象概念があてこまれてるのは何故なのでしょうか。
■『共同幻想』論の原理原則に戻りますが、
古代から近代まで庶民が文字すら読めないぐらいに食うことに一杯一杯だった時代、
貴族や神官や王侯貴族や出家した宗教信徒など、特権階級だけが勉学他多くの知見を独占しますから、彼らが公衆衛生など発見したことを無学で無知蒙昧な庶民に伝達しこれを共有させる場合、「どうしてなのか?」の論理的根拠を説明することは不可能ですね?
そこで、彼らは「神罰があたる」とか「地獄に落ちる」などの重要性の比喩だけでそれを伝えます。
(事の深刻さを伝えるため、時に神事で生贄捧げたり、違反する者を拷問処刑もする)
↑
(どうしてなのか知らなくていいから、めんどくさいことを聞くな)
「いいことなの!悪い事なの!それだけわかっていればいいから」←”いい悪い論”の発明です
●つまり”いい悪い論”ってのは
「どうしてなのか知らなくていいから、めんどくさいことを聞くな」の代名詞みたいなもので、
それがどうしてなのかの論理的解釈を避ける論議になります。
(いっとう最初にそれをいいこと悪い事と定義付けた神官や宗教信者が「どうしてそう思ったのか」をスルーしている。)
■但し行動選択的には生物学的にもそれで十分なのです。
生物学で「刷り込み」って言えば鳥類の研究などでよく出る話ですが
(ひな鳥は目が見えた時最初に見たものを親だと思うなど《報道やドキュメンタリーなどで、ひな鳥がイエネコなど見当違いな動物の後をズラズラ並ぶ話が登場する理由》)
危険な場所の回避や、逃げる先や方法など、
言語を持たない動物達が「どうしてなのか」を理解してから実践するなどまだるっこしいことする余裕がある筈が無く、「行動規範を鵜呑みで理解する様」が刷り込みです。
↑
そのまんま『共同幻想』への”適応”と概念は同じですよ。
(※ですから聖書では救世主や予言者を羊飼いにたとえ「導くもの」としている)
「どうしてそうなのか?」なんて論議は生活が豊かになり高学歴化して以降の話である。
(一般庶民が近代の特権階級同等の知見を保有することで同じ立場になってるという事。)
↑
”いい悪い論”ってのは無知蒙昧な子供や子羊を対象にした”大事なことの比喩”であり、どうしてなのかの中身の論議をすっ飛ばした話になるので、大人同士の論議にならんのです。
だから→「道徳的反射”いい悪い論”」持込み禁止規約になってんのさ。
ましてや、
この世に「いいこと、悪いこと」など(いやいや始まりは抽象概念で、そもそも代名詞やで)、その実物っての?普遍的概念があるとか思っていたらトンチキもいいところで(どこぞのカルト新興宗教信者と同じ)、そんなもんあるワケ無いじゃん。
「かくかくしかじかだからそれを”いいこと”と呼ぼう」
「かくかくしかじかだから、それは”悪い事”です」
などなど、古代から近代までの賢人がそう(代入)当て込んだもので、
【”いい悪い”ってさ、言えば代名詞やで】
論理の本旨は(いいとか悪いに代入される前の)→「何々とは、かくかくしかじかだと思う」って当時の哲学だから。
<話は戻って>
■「どうして行動選択的には生物学的にもそれで十分なのか?」
↑
そのまんま『共同幻想』への”適応”と概念は同じですよ。
=行動選択的にはどうしてそう定義されてるのか知らなくても、言語を持たない動物なら結果に対して”適応”するだけで十分だからだよ。
(※逆説→「だから長く関係して人語を理解するようになったネコには自我《自分》の萌芽がみられるのさ」)
よくさ、
■「言葉だけならわかるとか、頭だけならわかるけど」なんて言葉がありますね?
(これは適応論の裏返しなのさ)
「もっとわかりやすく、”いいことなんだよ!””悪いことだからダメ!”とか要約して説明して欲しい」って意味なのよ(=「私は”適応系なので”どうしてなのかを考える脳のナントカ野《シミュレーション領域》が発達しておらずワカリマセン」)。
↓
●反対に言えば”適応者”曰く「それはいいことだから、そうだよね、これは悪いことだね、そうなんだね」で体感的にも十分なんですって事さ。
↑
【さて何が十分なのか?】
●子供は見様見真似で言語を覚えるので「語彙じゃ無くて用例で覚えてるんです」
(だから的を得る・的を射るなどどっちが正しいのかわからない言葉もそのまま通用する)
ブスの語彙を間違えていても、使い道は語源に沿ったもので代々継承されてんの。
(どうしてなのかは、どういう時に使うのかの用例でカバーしてるワケ:これを「身体で覚える」とか言う場合もある)
これは人間以外の動物達の刷り込みの合理性と同じ(だから彼らは言語など必要が無い)。
※但し、言語を話す人類ヒト科は”その反対”なのだから。高学歴化などで自我構造も複雑になり個性化が進むと「その合理性が逆に足枷ともなる」←どうしてなのかが曖昧なままだと自我は不安定になる=”いい悪い論”が「強迫心理」のオンパレードになるとかな
(原始時代から近代までの賢人達と同じ立ち位置になるってこと→「現代人であることは、古くは仏陀から近代の思想家並みにあれこれ考えないといけなくなるのと等価」なのだよ←わかる?同じ悩みが浮上すんの)
■この例が適切なのかはともあれ、日本的に言えばさ
【近代まではどんな意味か知らない”南無阿弥陀仏”唱えるだけで死の恐怖から逃れられたが、現代社会においては「南無阿弥陀仏とはどういう意味で仏陀は何がいいたかったの?」を知らないことがむしろ死の恐怖を増幅させることもある】←みたいな構造、
■補足で上記に出てくる「ブス論の誤謬」の解説しておくと
(詳しくはサイドバーコンテンツのブス論読んでくれ)
ブス《附子》の中国における感じの語源は「トリカブトの根」のことで、薬物作用で無表情や元気の無い状態になる様を示したもので、造作としての外見容姿のことでは無い(言えば表情のこと)。
これを『共同幻想』適応者は外見容姿が”悪い”様と勘違いして使用するケースが多いが、
(=今回のテーマ”そういう表情は悪い事だからね”と代入されている)
↓
この言語の使い方用例は、語源に従ったものになっている(つまり、実は造作としての外見容姿が悪いという意味では使用しない:兄弟喧嘩で女児に「このブス」が使用されるように”悪口の代名詞なんだな”ってのが根本であることを知ってる)。
すると、都合が悪いことが出てくる(本来の意味は外見容姿ののことでは無いからだ)
そこで言葉の意味を取り違えた”適応者”が考え付いたのが、
「ブスだけと愛嬌がある、美人じゃないけどカワイイ」など矛盾を回避する造語を行い補完した。
しかし?(更に展開がある)
”非適応”で、本当の意味を用例として知らない日本人は、”適応者”達のブスの誤用を「誤用されてる言葉の意味で受け取ってしまう」(”適応者”達は、ブスが外見容姿のことでは無いことを用例《身体》で覚えている=適応)。
そこにトンデモ級の「醜形恐怖」というド錯覚が登場するワケです。
↑
【意味わかりませんか?】
(多くの読者は「あーーーそういうことか!」と膝打ってると思いますが)
●”非適応”とは第二外国語を覚えるように単語帳の言葉の意味で言語を知的に理解していく側面もあり、
(ひょっとするとだが、非適応系児童ってのは脳の発達が早くて言語に適応するのではなく、言語をまず言葉として習熟する傾向があるのかもしれない。)
●上記に対して”適応”とは言葉の語彙理解は正確では無く、時々取り違えるが、言葉を”用例”で覚えている状態の事である。
(ブスが造作上の外見容姿の事だと間違えて理解しているが、その用法は「本来の語彙、無表情不愛想な表情に対して使用している」)。
この”適応者は”100人が100人「そうだよ外見が”悪い”ことだよ」と言いますが(語彙間違いも共有されているため)、
彼らはそういう意味で(用例として)使用していないんです。
↓
■本来の語彙である「無表情や不愛想や元気の無い様」に使用している
→更に言えば「”適応社会”のルールは仲間の前では笑顔で元気に」であるため、「無表情や不愛想や元気の無い様」を”それは悪い事だからね”と要約された代名詞で覚えいてる=「ブスは外見が”悪い”ことだよ」(ハイここから伝言ゲームの語彙間違いの始まり)=そのこころは?「外見が無表情な不愛想、不安でオドオドしているなど、表情や態度が、”適応者”のルールに違反していること」という意味なのさ。
(造形としての外見容姿の話じゃないんだよ、、)
↑
困った事に(『共同幻想』適応論→”適応者”はどうしてなのかを上記のように説明できないので)
100人に100人聞いても”適応者”からは「外見が”悪い”事」の答えしか返ってきません。
(語彙の理解は正確では無く、間違えたまま共有されると修正も効かなくなる)
それを”非適応者”が言葉で聞いてもワカラナイんですよ。
”適応者”人格には「どうしてなのか?」を説明する能力が致命的に欠けていて(個人的意見も禁止だし)、詰め寄っても「そうなんだから、そういうことなの!」しか返ってきません。
↑
これさ、文化人類学や社会学や言語学や生物学からの心理学的に『共同幻想』適応論を理解していないとわからんのです。
ですからね、ド錯覚した上で整形手術してみなさいよ、
(実は誰も造形としての外見容姿のことなど言って無いのに)
斜め上どころか、話が異世界まで乖離してしまい、
アナザーワールドから戻ってこれなくなります。
<こぼれ話、”適応者”あるある>
「醜形恐怖でブスガーとか言って悩んでる人っ時々いるけどさ、そんなこと言われたらアタシの方がブスだよねww」
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