2023年08月18日

”家幻想”を誤解してる人がいるようだけれど、「その主体は(人では無く)家屋である”家”ですよ」

■古くは、”家督や家名”という概念を守るための結社が「家族」であり、
同じ家に住んでいる者のことを家族というのです(同じ家で暮す一族のこと)。
ですから近代では、嫡男総取りの相続において大家族主義で跡取りが両親と本家に暮らしましたね(近代の家で親の介護云々というのは、その親の資産を全て相続することと交換条件でした)。
これが戦後の財閥解体なども関係する相続の法改正で長男が全部持っていくとかが無くなり(端的に言えば次男以降の地位が向上)、
相続も家名もクソも、サラリーマン世帯の核家族には「何を原則とする一族なのか」”家幻想”の存在意義を失ったんです。
 ↑
”家幻想”は『宗教』ではないけれど、その慣習には戒律に近い”しきたり”があった。そこが崩壊したってことだから、『宗教』にたとえれば「時代の変化で世俗化(形骸化)、脱会したに等しい」。

■平成生まれ以降の方はご存じないと思いますが、
昭和までのマイホームとは(分譲マンションではなく)土地付き戸建てのことであり、彼らがそこに執着したのは「家が無ければ家族では無い」からです(仮住まい一族になってしまう)。

ですからね、概念として「一度家から出たらもう家族では無いの」
(ヤクザで言えば「足洗ったものは」みたいな意味)

メンタル関係の事案において
「まずひとり暮らしを勧めている」のはそういうことで
(この段階でもう”親ガー”とか言えなくなるからです)
何も血縁社会と断交とかならなくてもいいのですが(それも極端に過ぎるだろ)、「一族から脱会することで見えてくるものもあるワケ」(「強迫心理」の”ネタバレ崩壊”とか)
●仮住まいかもしれないが、(これもGHQかな)日本の借地借家法は”特権”にも近い契約者有利の契約であり、「ひとりぐらしによって自分のウチの世帯主になる」ってのはエディプスのハードルを外形的に切り下げます。

※北欧の一部が親の所得に関係無く、高校生からだったかな「親では無く生徒個人に独立のための(アパート契約金含む)奨学金制度を有する」のは”そういう意味”で(ある意味子供の自主独立権を尊重するため、親権を制限している)、仮にベーシックインカムで子供個人にも所得があればその段階で完全な独立です。


■ガチ保守派のみなさんは、「家族意識の伝統ガー」とか言うと思うんですが、
経済成長によりサラリーマン社会となっている段階で、農家が資産の全てを長男に相続させる大家族主義を原則とする習俗を維持しようなんて到底不可能なんです。
近代の強い父親は、先祖をバックに”何代目当主”としての地位があったから強かったのであり、その権威の裏付けが無ければ単なる仕事に追われ疲れた中高年男性に過ぎません。
(社会の変遷に応じて、変えるべきところは変えないといけないし、その前に核家族化など現実は先に進んでしまいます。)

つまり、現代においても”家幻想”の慣習法的在り方で言えば
「家族とは、同じ家に同居する一族の事」である点は同じであり、
小規模化による(単身世帯の激増)、”家幻想”の崩壊は現在進行形で急速に進んでいる。


posted by kagewari at 06:18 | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【web投げ銭(記事リクエスト)】
amazonギフトカードによる『web投げ銭』の受付
amazonトップページよりギフトカード購入→Eメールタイプを選択
同ページの「2. 詳細を入力する」に金額と、配送Eメールあて先kagewari@cside.comを入力
詳細は以下記事参照
記事リクエスト再開
https://kagewari.seesaa.net/article/500418743.html

<収益は当事務所運営経費に当てさせていただきます>

【注意事項】
・ブログタイトル下の利用規約を必ず読んでください
・プライバシー保護のためお名前は”HN”でお願いします
・メッセージ欄「記事リクエスト」が可能
※リクエストは”記事内において引用される可能性”がある点留意の上、プライバシー保護の範囲内で記載ください(記事内引用に合意したものとします)
※縁起物的なカンパは少額でも歓迎しますが、意味のわからない反論を”100円以下で連発する依頼”は偽計業務妨害に相当する準違法行為であることを理解できない方はご遠慮ください
■返信記事を予定する際の目安
【ドトールコーヒーのメニューにありそうな金額から(現在250円〜)】受付します

・ガタガタ文句があるなら問い合わせメールなど利用すればいいわけで(着信拒否など対応可能なので業務妨害とは言い難い:それでも1回は送れるし)考えて利用してくれたまへ

必ずリクエストに答えるなどの対応は”できません”が
(閉鎖された「コメント欄」や『公開掲示板』の補完として)
可能な限り質問等には答えていこうと思います

※送信にはAmazonのアカウントが必要です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
comments他

・コメント欄は『公開掲示板』同様に原則削除禁止です
(基本的に削除依頼には応じられません、削除依頼は投稿禁止ワードとなってます)

・SPAM対策として一部キャリアからの投稿がIP規制の対象となってます
(同規制キャリアから登録抜けによる投稿がある場合、投稿は自動削除されると同時に規制IPに追加登録されます)



現在コメント欄閉鎖中 (2014.7.26〜)



タグクラウド