2023年04月05日

プロ野球開幕して思う→「投影とは何か」考えてみる

映画やドラマにおける楽しみ方として「感情移入」ってありますが、
これ「投影」のことだよね。
(哲学の鏡像論なんてのもあれこれあるようだが)
素朴に言うとさ、自分ってものは(ロボット漫画の操縦者みたいなもので)「運転席からの景色」としてしかわからない(自分の手足も視界には入るけどさw)。
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現実世界の認知ってのは、自分が主人公というより「目の前に展開しているドラマを観る視聴者」の趣のが強かったりする。
そりゃさ、口座残高調べたり、目の前の食い物について感想述べたり”没入感”あるのは確かだけれど、ゲームやってる感覚と大差ないって言うと語弊あるかな(でもそれに近いものだったりするでしょ)、自分をプレーヤーとして客観視することはなかなか難しい。

そこで、ドラマにおける「感情移入」や、プロスポーツにおけるチームやプレーヤーのファンとして勝敗に一喜一憂する様は「あたかも自分がそこに参加しているような」投入→投影があっての”快感代謝”だよね。ベタなところからプロ野球の贔屓チームの構造を見て見よう。
・マスメディアのプロパガンダ(典型例が昭和の巨人人気)
《これは陰謀論でも何でもなく歴史的事実として占領軍が指示したもの》
・阪神タイガースに代表されるような地域性(地縁『共同幻想』ゲマインシャフト)
・Jリーグを参考に、古田のプロ野球選手会主導改革以降の地域性の拡大(福岡ホークスであり、北海道ハムであり、東北イーグルス《地縁細分化》)←これは高校野球の応援ベースを考えれば誰でもわかることで、広範に共有されやすいという意味で『共同幻想』の構造を考えた場合(地域性は一概に幻想とは言えないが)”地元チーム”というフラグは、自己を「投影」しやすい条件のひとつになる。
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コンテンツとしての魅力ってのは、投影の利便性って表現はどうかと思うけどw
こんな風に楽しんでくださいねって部分がわかりやすいほど大衆性にも繋がる。
(”こんな風に楽しんでくださいね”←明らかな”普遍性っぽい『共同幻想』”になってるでしょ《日本代表に典型的だけど、母国語や国籍などに代表される仮想普遍性=そこまでネタバレする必然性の無い幻想のこと》)

■昭和のプロ野球人気が急速に衰退したのは、
Jリーグの登場もあるけれど、メディアのあからさまなプロパガンダが酷すぎて、逆に『共同幻想』をネタバレ崩壊させたとも言える。
古田が戦った読売ナベツネの1リーグ構想ってのは古くは戦後日本がGHQに命じられた八百長プロ野球人気など(当時の話で言えば力道山のプロレスも同じである)、とっくの昔に戦後日本といっしょに終わったのだから(ナベツネもいつまでフィクサー気取りだよって)、”ベタな地域性”のオーソドックスなモデルに再構築しようとしたもので、
加えて、Jリーグに続きバスケやバレーもプロ化する中で「昭和のような人気では無いからこそ」→どこかのプロ野球チームを応援することに(幾分かの個性化が機能し)「投影」の利便性が高まった。


※まー言わせてもらえば、「その人物像が好きになる」という部分から野村ヤクルトを応援していた階層って昔からあって(昭和における「歩留り」階層の始まりみたいなものさ)《落合を例外に、江夏人気や江本人気や門田人気から赤ヘルブームまで、←全て野村監督関連だ》、
この野村が単身で(しかも政治では無く”野球だけの対決で”)読売ナベツネを追い詰める中(史実だが読売はCIAのエージェントグループだったから)、読売グループTVメディアのバッシングに始まり米国の息かかった東京地検が佐知代婦人を逮捕するってな、日本政界の縮図みたいなさ(ノムさんがいい人だなんて言わないけどよ《現在からは想像つかないと思うけど”この時代は小沢一郎にもそんな側面あった”のさ》)、
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その復讐戦じゃないけど、
プロ野球労組によるストライキを敢行し12球団を守った(野村の弟子である)古田は、組織と世論の力でナベツネをやっつける
(一部には古田が監督など現場に戻れないのはオーナー会議などからの圧力とも言われる)
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この歴史的系譜が、当時の社会情勢をそのまんま「投影」しているのだから、
後に各地域12球団性となって以降、地域性とは限らず(それもひとつの12分化個性だから)個々人が贔屓チームを見つけやすくなっている。
(=「投影」の利便性《一部個性化にも対応し始めた》)プロスポーツ自体多様化してるのも大きいよね(個人的にはプロサッカー選手の海外挑戦もプロ野球に好循環してると思う)。

●応援するチームの勝敗に一喜一憂しながら、何気に自分とは何かを(仮想的に客観視するってのか)劇画調に体感するってのかしら。
12球団だけでなく、選手個人に及べば非常に選択肢は細分化されており(芸能音楽政治などより選択の母数は多いと思う)どの球団の誰を応援しているって図式は(箱庭なんとかじゃないけども)セルフイメージの投影に他ならない(活躍を夢見てばかりじゃないですよ。マイナーな選手を応援してるファンも多いからね《そのプレイぶりに生き様重ねるとか》)。←場合によるとだが《よっぽどそのスポーツに詳しい場合》、その人の人格タイプのおおよそがわかる。
返す返すも選手達には頭が下がるというか感謝しか無いです(MLBでも引退後多くの元選手が事業に失敗し破産する《年俸が高い思う人いるかもだけど「宝くじあたった人が必ずしも幸福にならない法則」ここにもあるんだよね》、ほぼ生涯をスポーツに使うから他のことがわからないまま引退するため→だからさ、一般カタギ階層で貧乏でも様々な経験や勉強してることは財産なんだわ)。
プロスポーツが社会のメンタルに及ぼす影響は公益に近いものだと思う。




posted by kagewari at 17:28 | TrackBack(0) | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする



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