モデルとして戦前の軍国主義時代の日本で考えてみる。
(話をわかりやすくするために、少し脚色してます《イメージ強調》)
■当時なぜ軍国教育などと知られるものが存在したかと言えば、
近代は、国が生き残るためには列強との戦争が避けられない時代でしたので、
一丸となるため(八紘一宇)、
「軍事国家を肯定する人格に無理でも多数を同化適応させるため」です。
でなければ日本の軍事力は弱体化し、欧米列強の植民地となる可能性すらあった時代。
(この場合同化適応の反対は”世俗化”→つまり”世俗化”を禁じる事になります)
・女性の身だしなみなど厳しく管理されていたし(戦後ミニスカブームの真逆)
・教育現場では「男女七歳にして席を同じうせず」男女同席無し
・流行歌はまだ大丈夫でしたが《検閲はあった》、欧米の文化には規制が入る
・勿論若者の不純異性交遊は厳しく規制
・婚姻はその7割以上が『縁談』であり、「自由恋愛」の概念は「小説の話」的なるもの
(ここはどうGHQが関与したのかわかりませんが、皇室における戦後も関係してきます)
↑
広義展開の禁止によって、
『共同幻想』の定めた”狭義の性欲世界観”への人格の同化適応を進めます。
(勿論当時は国も貧しく、国家的敗北はダイレクトに《当時は個人的にも運命共同体であった》自分の郷里や家族の命運にも直接関わっていたので、「お国のために」と「家族のために」は重なっており、明快な自己決定による選択も多くあったと思います。←【権威の正統性も強かった】)
↑
しかし、仮に「それで本当に日本の国体保持が確実なら、多数派も安泰で心配ありませんが(無いってことはないと思うが理論的にはそうなる)」、戦争に勝てる保証はどこにもありません。
敗戦という少数派に転じる「不安(弱点)」を伴ったものになります。
※教育現場における厳しい体罰や、軍における「極端な体育会系の組織論」他、末端でそれがエスカレートしたのは(内閣もそこまで求めていなかったと思います)、そういう不安が招いたものでは無いでしょうか。同時に軍部における「戦域の無謀な拡大路線」にも繋がっていたように思います(共産主義者の工作はありましたが「それにレスポンスする素地があって」成功したものでしょう)。
■さて、私がこのパート(まとめ)で何が言いたいのかと言えば、
日本で起きた『草食男子』に始まる大規模な「歩留り」化(『共同幻想』崩壊世俗化)、
前記事の末尾付近と、関連記事:「退屈したら死ぬ病」を軽く考えている方へ(めんどくさいほどの長文です)末尾に書いた
https://kagewari.seesaa.net/article/493910096.html
↓
※そしてこの世代にはセクハラの動機が構成されることがほとんど無い
(そんなめんどくさい過剰な性欲が無い)
あたかも”狭義の性欲”が最小単位に縮小したように。
(それは黙ってみてりゃ、『非婚・晩婚化』が起きるのはバカでもわかりますよね。)
↑
この現象の真逆が起きたのだろうってことです。
(教育現場や軍隊では、セクハラの代わりに大パワハラ状態だったのであり)
『共同幻想』の定めた(戦前なら欧米化を含む世俗化を禁止し《広義展開禁止》)”狭義の性欲世界観”には、国家の戦争までオンザレールの背景となった
●過去記事で「欧州過激フェミニストの言うことにも実は意図がある」ってとこで書いた、
近代の『共同幻想』社会が人権侵害級なのは”これ当たり前”で必然だった
https://kagewari.seesaa.net/article/490496442.html
奴ら(過激欧州フェミ)が何にカチンときたのかと言えば、
■『共同幻想』社会における暗黙のゲームの論理「仲間同士は全員OKルール」(告白された側が断る時に「ゴメンナサイ」と謝罪しないといけない《キモチワルイ恋愛リアリティーショー》=基本ルールは《同じ社会の仲間の告白は》OKの筈が前提となっている)、ここを勝手な思い込みで(『共同幻想』崩壊後も同ルールがバリバリ有効とノリノリで)「今日食事にどう?(僕と性交オッケーイ?:断る場合君が謝罪するんだぜ)」と声をかける行為は、「そういうルールとか現代にはもうネーから主義者」にとってはガチのセクハラとなるためです。
※しかもそこに”同調圧力”かかっているという、、
これつまりね、
「『共同幻想』の定めた”狭義の性欲世界観(適応者の世界)」←ここには【狭義の性欲を盛る傾向があって】→(それが「歩留り」社会になって次々とセクハラ認定されていったように)一歩間違えば(そこに「反動形成」一段かめばなおさら)トンデモ級のエキセントリックな動機を構成する十分な下地があるってことです。
※欧米の場合はDVの背景と説明するほうがわかりいいかもしれない。
(前述の軍国主義時代の体罰や、組織内暴力などにも被る点である)
●これがまた、旧『共同幻想』社会を(強迫的の次には)犯罪的だと言ってるかのように勘違いする方いるかもしれないが、「そういう意味では無い」から。
徳川300年みたいに長く安定して続くのであれば(同化適応率も全国8割越えなど)、それは”民族性”などの話に収れんするんです。
しかし、前回の戦後の価値が逆転した件と同じで(戦後派からみると戦前権威は全員軍国主義者に見える)、現代若者多数派の「歩留り」達から見れば、『共同幻想』社会”適応者”人格は「ブラック人格」なんですよ(そしてDQNを嫌悪する心理にも繋がる)。
↑
この辺の琴線ってのかな、
昭和初期世代の現代の高齢者は肌でわかっているところがあり(戦前戦後を経験してる)
・終活は団塊世代ですが、高齢者からも積極的に墓じまいなんて話もチラホラ出る時代で、(なんでしょう「あたかも若い世代から戦犯扱いはされたくないというか」)とにかく老後は子供に迷惑かけたくないって世論調査をよく耳にします。
「相続されることのないマイホームを買ったのにさ」
■何がいいとか悪いとかそういう話では無く、
この辺の時代の変遷と社会構造と個人心理の関係性ってのは、誰にとってもどこかしこで関係している話なのでは無いだろうかと思うのさ。
また、保守系政治家が(社会や政治だけでなく個人の自我構造がついていくのも大変だから)改革改革となんでも急速に変えるものでは無いってのにも論理的根拠はあるんです。
↑
個人的には若干違う考えを持っており(自称保守リベラルですから)
伝統文化をリスペクトしつつ(ブラックだからと言って善悪論争を持ち込むべきではない)、「変化の方向性が”読める”なら先手を打てるでしょ」という考えです(そこを政治家の能力に求めたい《有権者も「民主主義」なんですから主権者として自分の意見を発信するなど責任果たすべきだろうと》)。
※遅らせようとしても止められないものもあるからです。
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