「エピソード記憶」を思い出す時、『興奮』も追体験される。
それが快なら感動かもしれないし、思い出かもしれないが、
それが不快なら教訓かもしれないし、ルサンチマンかもしれない。
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無意識状態の脳にとってその区別は意味を成さず(『自意識』の判定が必要)
「エピソード記憶なのか否かに過ぎない」
=『興奮』を伴う記憶か、否かに過ぎない
■事実快感代謝を巡る「エピソード記憶」には、『自意識』が関与しても、快なのか不快なのか判然としないものも多く(激辛、わさび、珍味、ジェットコースター、甲子園の勝利と敗戦、性行為、出産、博打における勝利と敗戦《負けても又次やりたくなる》)、無意識下の脳にそれが主体的に判別できたらむしろ異常現象である。
更に言えば、PTSDやトラウマ現象或いはスポーツにおけるイップスのように、
「エピソード記憶」は、『自意識』に対して上位であり(何故なら『興奮』は脳内物質の分泌を伴うものなのだから言葉にするなら「我を忘れて」など”本能の残滓”にダイレクトに影響し《典型例、体罰や躾「俗に言う身体で覚える」》)、フロイト自我論で言えば”超自我”を構成するからだ。
また、「エピソード記憶」は非論理的な情報では無く、概念(それはどういうことか)と結合する。
(概念の結合することで記憶として意味を成す)
一見それは『自意識』の関与にも思えるが、
その場合の関与とは『被る(こうむる)』認知の従属的なものであり(ショックが先だから)、
↓
「エピソード記憶」の解除は、
後から「それは過去である」認識のもとで、”ネタバレ”(実際それはどういうことだったのか)によって『興奮』の”幻滅”によって行われる(申し送り事項や但し書きが付く)。
「歴史的解釈」みたいなことだ。
しかし解除のためには、その記憶と向き合うことが必要なので(デバッグ)、
PTSDは容易に解決しない。
解除時において重要なのは、
・それが圧倒的に過去であること(風化)
・現在進行形では無くレアな状況であり本質的には現在の脅威では無いこと
・精神分析など、第三者の関与も有効であること(歴史家の解説を先に読んでも「そういうことだったのか」の寛解《かんかい》フラグとなる)
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そもそも「エピソード記憶」の解除における合理性に同意があるのかってことだ
(関係する悩みの解決を本気で望んでいるのか?)
■時に「悩みがある」ことそれ自体を表現したいだけの場合もあるため、
(解決したい意図は不明瞭《主たる目的がナルチシズム(自己愛)である場合》)
当事者自身も、そこはっきりしない場合も少なくない。
何故なら、悩みの吐露時にも「エピソード記憶」追体験における『興奮』が想起されるからだ。
(『興奮』伴うネタを”幻滅《ガッカリする方向へ》”ネタバレされることは誰にでも抵抗が起きる)
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これが、ネタバレを代行する第三者への”無限反論”が起きる理由のひとつ
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事実、これは構造的にも言えることで、
「エピソード記憶」は『自意識』に対して常に上位概念となるからである。
(フロイト的には超自我を構成する重要な要素)
●しかし、確実に言えることは
どれほど感動のコンテンツも繰り返す度に(その都度何か再発見でもしない限り)風化は起きるし(飽きるともいう)、”無限反論”はやればやるほど後戻りのできない矛盾に満ちたものになるため(統計DATAを頭から否定するなど)、自らの”無限反論”が虚無感(これも風化の一種)を倍増させる。「巨人軍は永久に不滅です」なんて言葉もあるが(他に「リメンバーパールハーバー」「アラモ砦を忘れるな」)、巨人軍の社会的存在なんてものは実際凋落しているワケだし、米国の知識階層の間ではパールハーバーにしてもアラモ砦にしても歴史的検証のテーブルに乗っている。
逆説的に言えば「風化しないエピソード記憶など無い」
全てにおいて論理的合理性(理性による啓蒙)が絶対などとは言わないが(合理的に解釈される芸術ってのもオカシナ話だ)、考えることを否定したら「どこの人類ヒト科か」って話にもなる。
快にしても不快にしても「どうしてそうなる」を考えることは人類ヒト科の商売みたいなものだろ?
芸術で言えば、批評が『感動』を深めることもあるのだから(エピソード記憶の質ってものを考える時にも必要なプロセスだ)、論理的合理性を全否定するのもまたオカシナ話だ。
これもまた「程度の問題」って話じゃなかろうか、
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