諫山氏は影響受けた作品をいくつか挙げてますが(同時代的な人ならだいたい共通体験的な表現として取り込まれている的なことなので、今回はそれはともかくとします。)
なんと言っても戦争をモチーフに、物語が古代からWW1、2の一部までの史実を再構成する形で語られているのが特徴です。
故に作品のテーマは普遍的でありワールドワイドな人気となってます。
【作品のコア部分は】
・ユダヤ人ゲットー
・WW1前後の欧州大陸国家の戦乱
・WW2の(ある意味ヨーロッパのユダヤ人と同じ)米国の日系人収容所
・WW2の米軍日系人部隊「第442連隊戦闘団」
wiki:士官などを除くほとんどの隊員が日系アメリカ人により構成されていた。ヨーロッパ戦線に投入され、枢軸国相手に勇戦敢闘した。その激闘ぶりは連隊に従軍した約14,000人のうち、死傷率は314%であり、この数字は一人平均三回以上死ぬような大けがをしたということを示している。そして9,486人がパープルハート章(日本語では名誉負傷章、名誉戦傷章、名誉戦死傷章などとも訳される)を獲得した。アメリカ合衆国史上もっとも多くの勲章を受けた部隊としても知られる。
・WW2のヒトラー「マダガスカル計画」(収容したユダヤ人を全てマダガスカル島へ移住させる計画)
ヒトラーはアフリカ戦線に勝利の後、ポーランドに集められたユダヤ人をマダガスカル島へ移住させる計画を持っていた(故にポーランド人によるユダヤ人虐殺《ポグロム》が酷過ぎると”人道的に”ドイツ収容所になんてトンチンカンな話があったり、英国と対立したエルサレムのシオニストユダヤ人がナチスとの協力を模索するなどの動きもあった)、しかし戦況の悪化から移送予定のユダヤ人の行き先が無くなり「その場(アウシュビッツ)でなんとかしろ」的指令の中、暗黙の了解でガス室による虐殺へと展開していく(史実的に当時のドイツ軍はポグロムによるリンチ殺人よりガス室のが人道的だと考えていたトンデモ逸話もある)。
・WW2における真珠湾攻撃
・WW2における日本海軍による潜水艦を用いた米国本土攻撃計画
(実際にそれに近い偵察行動や小規模攻撃もあったようで、その噂や不安が戦争初期に西海岸で広まった話をモチーフにしたバロディ映画1941《監督スピルバーグ》などがある)
・マンハッタン計画で核兵器(最終兵器)を開発したのはユダヤ人
・戦後日本の憲法9条
以降原作ネタバレを含みます、
作品の時代設定は概ねWW1に近い、
悪魔の末裔と蔑まれるエルディア人(ユダヤ人)が、自らパラディ島(マダガスカル島)に移住しており、残されたエルディア人(ユダヤ人)は敵性国民として収容所(日系人収容所)に入れられた、
収容所の日系人達は「誰よりもマーレ(米国)に忠誠を誓う姿を示すため志願兵となりエルディア人(日系人)部隊が創立され、最前線へ投入された」
●この部隊が(史実とは逆に)日本に見立てたパラディ島へ”逆真珠湾攻撃(壁を破壊する巨人)”を行ったとしたら?(米国も躊躇した同じ日系人による日本への攻撃)
勿論この”逆真珠湾攻撃”は「広島・長崎」的な作戦をイメージさせている
●史実とは別に、この攻撃を受けたパラディ島住人が(鎖国していたので周囲の国政を知らない)
「完全に切れて、マジ悪魔として世界に復讐する物語」
↑
この国にはカールフリッツ王による「不戦の契り」という縛りがあり(自らパラディ島へ移住する前のエルディア人同士の「巨人大戦」の残酷さから《ピカソのゲルニカ的に》王は不戦を誓う)、
周囲の国がどんなにパラディ島をあしらっても「本来は(憲法9条のように)抵抗できない」筈だったが(王家カール・フリッツの意思)、
主人公たちはそれを回避(ユミルの意思を継承した『進撃の巨人』の意思)、
密かに巨人として格納されていた巨大兵器(核兵器並に世界を滅ぼせる)を発動する(世界の”それ以外の人達は絶滅寸前まで追い込まれ”、、、)←それを知り密かに封じ込めを画策していたのが”大陸のタイバー家”
作中登場する巨人は「戦艦や空母、核兵器」に置き換えるとわかりやすいか、
そして、これらの最終兵器は仮に世界がWW2並の軍事力を得れば対抗できず、
「今の世代で使用しないと世界を滅ぼせない」のだとしたら?
(米軍の核兵器使用正当化の理屈と同じ→先にやらないとこっちがやられる)
↓
「完全に切れて、マジ悪魔として世界に復讐する物語」だけでなく、
「今やらなけれが、島全体が滅亡させられる状況に追い込まれている」のであり(カール・フリッツとタイバー家が画策した狙いが「パラディ島エルディア人の全滅」であったのは事実)、
↓
他に選択肢があるのかって?無いワケです
(基本的に物語の構成上「パラディ島のエルディア人が巨人の力を”使えない”」とこがポイント←自覚が無い、何故滅ぼされるのかわからない→抵抗するのが自然)
↑
これの抵抗を阻止するため、フリッツ王家は始祖を隠蔽し続けそのまま王家の血統滅亡を画策しているが、(ユミルから託された意思なのか)『進撃の巨人』継承者がそれを許さない。
始祖の巨人が王家の血筋から分離する事は”道を介するユミルリンクが切れる”こととなり、ユミルの手から離れたとこで”野良始祖の巨人”が9つの巨人の一人として利用され続けるだけ。
●そして(カールやタイバーの画策を覆し)悪魔と化して世界を滅ぼす進撃に(これを天罰のように理解した)世界は、人種や民族を呪う行為が(初代エルディア王が奴隷ユミルに対して行った行為)、本当の悪魔を創造してしまうことを知る。←そのまんま(ユミルは真の姿を取り戻しただけ)、
<<<更に原作の諫山氏が心理学の知見あるのかわからないが>>>
この島に隠された最終兵器なり、巨人の力の源泉は、
古代文明を模した時代の神話を発端とし、
その時に何があったのかというと、
「一人の奴隷少女(この時代の奴隷は舌を抜かれている)が酷い目に合い、死の直前に巨人兵器の核と接触」→古代の王が奴隷から少女を引き上げ妾のような立場へ引き上げるが、立場的に報われること無く(封建時代の女性差別をイメージさせる感じで所詮奴隷)、少女は死を選ぶ、
死後の何次元世界で、この少女は『退行化』し巨人兵器と接触した当時の年齢として生きている
この異次元の幼女から、巨人兵器が”その子孫”へ送られており(王家の命令は絶対)、
↑
主人公はこの少女を「お前は自由だ」と奴隷解放する、
●開放されるのが、『退行化』した幼女の復讐にあることが鍵
(これに獲りこまれた主人公も「幼児化」している)
自分が奴隷であった古代文明を全て滅ぼすかの如く、
(時代は変遷しちゃってるから)現生を滅ぼそうとする。
テーマとして語られる話の鍵である”自由”は、
『退行化』した奴隷幼女の復讐として発現するため、
ド・反動化しており既に自由(素の意思)では無い。
(幼女の『自意識』は復讐の強迫に《『抑圧』》塗りつぶされており「自由では無い」っちゅうワケ)
「主人公達がこの自由の矛盾を覆し、残された人類を救えるか?」←イマココ
奴隷幼女が唯一(反動化せずに)素朴に思っていた自由への憧れとは、
(自分の自由では無く)世話していた「豚小屋の豚を逃がしたこと」なんだが、
その責任を負われ死刑同然の罰を受けている(この罰がキッカケで巨人の力を得る)→そういう自由にはトラウマがある(絶対ダメなこと)
「罰せられるとか無いから、そもそも逃げる以前に(君自身が)どこに行くのも自由なんだよ」と、説得するにも幼女の生きた時代は、凄惨な奴隷制度のある古代文明なワケでして、、
(それもまた人間の本性だろと原作の諫山氏は言いたいのだと思う→現世は民度や教育で矯正された未来があるかもしれないが、神罰下ってやっとわかったのか状態なんでしょ→だとすりゃ古代それが人類の本性じゃん)
↑
作中の時代は、幼女の子孫エルディア人が「悪魔の末裔」として呪われているのだから、
幼女としては「はっ?ふざけんな」って話
【大人ユミルの意思は自分の代で巨人の力も終わらせることを含んでいた】→これ勝手に子供達にその能力を継承させちゃったのは、人間である初代エルディア王なワケで(アタシのせいじゃないからな)
■アルミンはこれをどう説得すんの?→「死んでいんだよ」って意味になってしまう
そんな事言われても幼女ユミルには、巨人化能力をストップさせる力は無いんだぜ?←そのつもりだったけど初代エルディア王により継承させられてしまったんだから(それ止められなかった)。
(※おそらく、巨人の力《永遠の命になってしまった原因》を手放すと少女は成仏できる:幼女の成仏とこの世から巨人の力が消滅するのは同義であり、無数のエルディア人達の故人の記憶もそこに成仏できずに集まっている←発想としては、ジークによるエルディア人不妊化・民族尊厳死計画は正しい、)
どうやって終わらせるのか注目
【ここまで物語造れただけで天才であり、結末がどうであってもブラボーです】
個人的予測としては?
・アルミンが説得するには幼女ユミルの記憶に触れなければならない
・そもそも幼女を奴隷から解放しないといけない(現在は奴隷の復讐)
・獲りこまれたエレンを大人に(正気に)戻さないといけない
アルミン「エレン起きて」からの(エレンの自我さえ復活できれば未来は変えられるかも)
「エレンが”何らかの方法で”ユミルを説得(大人ユミル登場)」かな?
(”地鳴らし”だけはこれでストップする→超大型巨人達は砂に戻る)
『進撃の巨人』は素で悪魔(人間の鏡像)として神話に(人類への戒め)、
勿論物語に登場する「巨人化能力」ってのは、「知恵の実を使って大量破壊兵器を作る人類」の暗喩だろうから、綺麗に「巨人化能力」だけ消えるってのは、考え難い(それを示すために「武器の進歩により巨人の力が意味を成さなくなる時代」が背景になっているからね)。
いずれにしてもよく考えられた話だよ、
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