”ワンセットの事象”ってのがあります
「寿司とわさび」「ロックにエレキギター」「茶道に和服」「巨人に長嶋」「日本に天皇」「イーストウッドに44マグナム」「室伏にハンマー」「ネコにまたたび」「犬には骨」「昭和の朝には新聞」「電車で通勤」
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キャラクターから概念のようなものまでさまざまな固定観念的な”何”がありますが、
たいがいの事項は「『興奮』と結合されたイメージのセット」です。
■エピソード記憶の話からやりましょうか
通常の記憶はいつまでも作業メモリに置いておけませんから、しかるべき後に脳が勝手に分解圧縮して格納領域にしまってしまいます(なんらかのインデックスでも思い出さない限り引き出せなくなる)。
試験勉強で苦労する理由と、同時に一夜漬けとか直前まで資料見ているのがそこそこ有効な理由です。
これに対して「逆に忘れ難い記憶」というのがあり、
それをエピソード記憶と呼びます(最強事例がトラウマ)
”衝撃の”だとか”驚いて”だとか”印象的な”などの事象を物語のように一連の記憶として別途格納するものです(ストーリー仕立てで話せることもその特徴)。
これは忘れようとしても忘れられなかったりします。
ちょっと話逸れますが、さっきの”インデックスでも思い出さない限り引き出せなくなる”に戻しましょうか。
割と有名な”記憶法”ってありますね、
絶対に忘れっこ無い身体の部位に関連付けるってやり方です。
「耳119番救急車」「口44マグナムのモデルナンバーは29」「足、、、」とかやる手法、
記憶の構造として忘れない部位に(脳の記憶領域的に別枠と思われ)関連付けるって手法です。
さて、ここで話を戻しますが、
脳にとって”『興奮』ネタ”を忘れたら大変です(捕食獣で言えばこの季節には鳥の渡りがあってあの水辺でやすやすとひな鳥がゲットできるとか、草食動物なら季節の渡りの時にあの大河を通るにはこのポイントのここでしか深さ的に無理なんだよなどなど)、
特に「退屈したら死ぬ病の人類ヒト科の場合」→それは生命線でもある。
故に、『興奮』にまつわる関連事項は忘れないのです。
【重要なポイントとして】「『興奮』と結合する形」でね(それを思い出すと当時の『興奮』もその予告編的部分だけ脳内で再現される)。
さあ、フェチシズムが成立する仕組みがもうわかったかなと思います。
(説明しなくてもいいですよね)
そして、トラウマなどの現象において、関連する”付属品”のような記憶もくっついてくるって話です。
●やっかいなのはここで
例えば、実際によくある話ですが、
「子供の時熱があることを家人に言えず、そしらぬふりして白玉ぜんざいを食べたら、廊下で切なく嘔吐した(あっこれ実話だww)」
以降しばらくの期間(20年近くかな)白玉そのものが苦手になってしまった。
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さあ。お立合いこの話のやっかいなのはどこ?
それ以降の白玉には何ら不快原因はありませんよね。
しかし、脳が記憶の再現で不快『興奮』の予告編を持ってくるんです。
それはあたかも白玉が凄く嫌いだとか、不安があるかのような錯覚を発生させる。
■もし こ れ が 対人関係不快『興奮』だったとしたら?
似たような構図になるだけで、
そのシチュエーションとなるだけで、自動的に不快『興奮』の予告編が脳内で想起されます。
(ゴルフのイップスなどのケースを当て込めばその意味わかる筈)
「強迫心理」の影響で、『被(こうむる)』スタンスに半ば固定化されている『自意識』は、本当に不快な事象が起きたのだと思ってしまいます(認知が受動系パッシブだからです←主導的ではないので相手側の心理は想像するほか無い)。
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時に被害妄想と勘違いされる”アレ”が発生する仕組みです。
当時の不快『興奮』に何が結合しているのかってそれは個人で千差万別なので、特定できません。
(一般的にも”誰それの地雷を踏んだ”だとか、”誰々にとっての何とかフラグじゃないか”などと知られる、誰にでもある現象です。)
●ゴルフのイップスに至ってはさ、プロゴルファーだってなるんだぜ?
この現象を心理学的知見なしに説明できる向きは滅多にないでしょう。
一度ハマると滅多なことでは抜け出せない
(これが輪をかけて大変なのは、『興奮』は脳にとって最強の贅沢ですから脳はその『興奮』獲得でハッピーなんです、そして「是非またやりたい」と、←そらプロゴルファーにとっては地獄でしょう。)
「『興奮』と周辺事象が結合する脳特有の現象です」
再現回数が多すぎれば中毒症状を発現する可能性すらある。
<オマケ>
この『興奮』との結合、
”ナンセンスながらありそうな話”を考えてみましょうか。
入浴とかシャワーと言えば爽快感含めて過小ではありますが『興奮』案件です
●ある朝寝坊の若者がいるとします
彼はいつも出社ギリギリに起きるものだから、朝ご飯を食べる時間がありません。
ふと思いつきました
「シャワーを浴びるときにカップラーメンぐらい食べられるのではないか?」
「後で歯磨きできるから一石二鳥だ」と、
その思い付きは自分でもお気に入りのひとつになり(脳内でBGMも発生”チャンチャカチャーン”)、
以来彼は時々(朝寝坊と関係ない時にも)浴室でカップラーメンを食べることがありました。
かれこれ10年ほどの年月が経ち、彼は結婚もし今は子供もいます。
「ねえあなた、又お風呂でラーメン食べたでしょ」
「え、いやぁ、ラーメンなんか食べてませんひょ、、」
「匂いでわかるのよ!!もう本当に止めて恥ずかしいから、何回言えばわかるの!!」
そう叱責される度に、
彼は薄っすらと涙を浮かべ切なくなるのでした…。
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