<この現状を生み出している「『共同幻想』崩れ社会」を論じてみようと思う>
タイトルとの繋がりで始めるのが一番わかりやすいと思う。
所謂(『共同幻想』という概念を知らない)欧米社会が編み出した用語である
「定型発達(typical development:典型的・ステレオタイプな開発)」
この用語が間違いの始まり
(ニンゲンの人格に標準タイプなどという定義は存在しないのだから)
勿論この意図は
■『共同幻想』社会適応型として望ましい人格タイプとなる
昔の日本の言葉なら「竹を割ったなんとやら」などいろいろあるじゃないですか。
さて『共同幻想』論において、文明が発達し先進国化が進むと”自ずと『共同幻想』は都度壊れる”件説明してきました(明治維新の時には「江戸封建時代『共同幻想』」が壊れ、戦後には「産業革命帝国主義『共同幻想』」が壊れ、平成にかけて「昭和高度経済成長『共同幻想』」が壊れた)。
「パックスアメリカーナ」じゅあないけれど、
その都度権力なり権威なりがそれに代わる『共同幻想』を掲げ革命なり改革なりを進めていれば、『共同幻想』は入れ替わるだけで”崩壊プロセスが長期に継続する”ことは無い。
■しかし文明化により、当事国が先進国化するに従い(人権主義・個性化多様化の時代)、
そもそも社会の運用を『共同幻想』なるドグマ的概念で纏める事自体が前近代的と認識される。
勿論、その都度保守系の反動的揺り戻しはあるけれど、
男女雇用機会均等法などに代表されるように、「『共同幻想』に依らない社会」の模索は法制化されており(現代においては「家庭内体罰の違法化など」)、この流れは変わらない。
※時代の変化するポイントで「オカルト終末論が何故か流行する」のも、集合無意識論みたいな筋の悪い仮説を持ち出さなくても、上記を踏まえて考えればなんとなくご理解いただけるかと。
●というか論理的に変えられない
一度ネタバレした幻想は、プロパガンダのような手法で集団心理を誘導することができないからだ。
(フェイクニュースとバレちゃったデマで人をもう一度誘導しようとしても無理って事)
高学歴社会となっている事もそこに加わり、
(プライバシー保護法案や、メディアリテラシー論や、医療のインフォームドコンセント《 informed consent》などもそう)
予めメニュー化・マニュアル化された概念を、その原理原則までは各人考えずに「常識だから、それが普通だから」とワンセットで「鵜呑み導入」するという『共同幻想』方式は、文明社会の民度として終わっている。
「事の善し悪しなり美意識なり、各人が原理原則論に至るまで自分で考え選択する」
↑
これが、現代高学歴社会の個人の在り方だし、
それが人権として憲法により保護される”中身”である。
つまりさ
「定型発達(typical development:典型的・ステレオタイプな開発)」
などと呼ばれる”定型”の定義が消滅したのよ。
(日本語流で言うならば「普通の人」って概念は有名無実化した)
故に
「発達障害」などという診療上の分類が病気である筈も無く
(実際そんな病気は無い←心理学から言わせtもらえば誤診←誤解のないように付記するけど”その分類に意味は無い”って事ね、本質的には神経症であるとか「強迫心理」の問題など”他にあるだろ”ってこと)、
自身を「定型者である」かのように認識することも既に”妄想”でしか無い。
●確かに言語として「健常者」なる言葉は残るだろうけれど、
それは「未だに(終わった)『共同幻想』にオンザレール適応する少数派の俗称」となり、
ぶっちゃけで言えばさ、
臨床系・精神科系の言うところの「ナントカ障害シリーズ」の診断は、心理学的に間違ってる。
(前回書いたように、そりゃ彼らはフロイト心理学に対して見ざる聞かざるだからね。←あたかも禁忌のまじないか何かだと思っているかのように。)
そもそもがさ、
メンタル問題の原因やその理由を「わかりません」と豪語する彼らが、いったいどれほど意味のある診断ができるんだっちゅうの。考えれば誰でもわかることでしょ。
(※ひとつ極論すると、当該人物の行動がどれほどキテレツでも当人自身が自分の自我に違和感なり、問題意識を持っていない限り、『共同幻想』ワードで言えば”全員健常者”だからね。←だから問題が無いってワケでは無いが。→「違うでしょ」と”投げかること”《も自然環境の一部だから》それを抑制するのもまた不自然だからね。)
■勿論、臨床系や精神科がその診断をしているのであれば(親が勝手に持ち込む子供を例外に)
当人も心理面に問題意識があるって事になる。
この場合、(ナントカ障害なる診断は間違いだが)「強迫心理」が介在する神経症として原因の究明や分析が必要な”何か”があるのは事実であり、
↑↑↑
つまりさ、
だというのに「ナントカ障害」なる勘違い診断を
(言っている医師もそのつもりないだろうに)
↓
「わかりました、原因はナントカ障害って病気だからなんですね」という更に斜め上の理解で固定化してしまうことは、問題の解決を遠ざけるだけでしかない。
<次回「そしてオンザレールな『共同幻想』社会適応の現場では何が起きるのか?」へつづく>
<<<<今回のED>>>>
様々な意味を込めて
最強のJAZZヴォーカル『Billie Holiday-Strange fruit』
(確かStrange fruitとは、黒人差別が酷かった時代に”吊るされた遺体”を指す言葉だったかと)
スタンダードから『Billie Holiday - Body And Soul (1957)』
ビリー・ホリディは独特の(ビブラートでは無い)節回しが特徴で、
彼女以降にこの歌唱法を可能とするヴォーカルは登場していない。
(いうまでもないけど、美空ひばり先生などもかなり意識していたとこもあるだろうと思います。)
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