2019年02月21日

リアリズムと不条理(ある意味『共同幻想』バカフィルターの話なのかも)

今回は小ネタかもしれないのだけれど、
非常に興味深い題材があった、
今季のアニメは意欲作が多いのだが(題材的にはモブサイコ2期でもよかったんだが)

■往年の手塚治虫先生作『どろろ』が時代に追いついた
(原作は「エディプスコンプレックス」の元ネタとなる紀元前のギリシャ神話『オイディプス王』や、誰もがご存じ『モーゼの十戒』を下地にしている)
評論家筋では、手塚治虫が(当時水木しげるなどの流行から)「自分にも妖怪ものを書けないか」的な発想に由来する説があるようだけれど、そこはわからない。

内容がダークすぎて当時は全く売れずに打ち切りとなるのだけれど、後年に与えた影響は大きく(「ベルセルク」なんかそのままま「どろろ」のモチーフがベースになってる)、異色作として有名。
(手塚的には『ブラックジャック』の系譜だと思う→どろろはピノコのような存在でもある)

現代にリメイクされた「どろろ」が海外の反響動画などで”別次元”の様相を見せている
●明らかに悲劇におけるカタルシスって水準では”無い”
それは「不条理による実存」そのものであり(リアリズムを踏破した”何か”)

ちょっと話をその前提に戻そう、
文学でも哲学でも演劇でも芸術でも映画でもドラマでもアニメでも漫画でもスポーツでも、感動で人の人生に影響を与えるなんざ話には事欠か無い。
(「あしたのジョー」なんて想像超えるものだろうし、歌に救われたなんて話もある。)

それって何?「時にはフィクションでお話しだよ?」

そして人が考えるって何(或は動機形成とかさ)?

語弊あるかもだけれど、
■人間は各人その脳に世界を持っている
そして”理解される現実”がそれを超える事は”無い”。
理解できない事象は(当時者にとって)この世に存在しないのも同じである。

逆に言えば?
この世に存在しない事をやらかすのが創造(想像)だけれど、
それって何?「脳内には在る事だから」その希求だよね(成功すれば実現となる)。
それって常に成功しなけりゃ意味のないことんだろうか?
事がさ、理解って事に及ぶと別次元の話になる。
「あーそうか、そうだったのか」
世界を理解する←これって現実とは違う、実存領域の話だから。
「わかる(=在る)」
故に、感動のフィクションは脳内世界において”在る世界”であり、人の自我において現実との区別は無い(当時者の脳内においてはね)。
 ↓
●量子論オカルトみたいに「観察者の視点により現実が改変される」なんて話では無く
●はたまた「二次元嫁」とかの話をしようってのでもない(笑
精神分析にしても、記憶の中から”考えられていない””説明されていない”時系列(推理小説における謎解き)をネタバレ展開して「そうだったのか」と(抑圧されていた)世界を解放する行為だし、
芸術やエンタメとして高いレベルのリアリティー(そうだと思える仕組み)を持つコンテンツはフィクション・ノンフィクションに関わらず自我に影響を与える。
時にそれは演劇や映画における感動だったりするワケで、

少なくともさ、
(影響を与えるネタが文学や演劇や映画であっても)
影響を受けた自我が変化するのだとしたら、
当時者の自我が変化するって形で”現実は改変”されたのであり、、、
それは「考える事で現実は変化する」ことの証明である。


ノンフィクションや歴史解釈にしても、
(学会が認める正史から平家や秦氏がペルシャ系ユダヤ人説まで)
「どう考えるのか?」って部分がキモで(フォトグラファーや画家に表現される”そこに在るもの”だって千差万別である)、
そ も そ も が
現実世界神羅万象全てにおいて何が本当にあって何がフィクションなのかなんて誰にもわかりゃしないし、むしろわからない事の方が多い。←現実母数の総量を認識することなど寿命が1千年あっても不可能だろうし、
(事が物理学の多元宇宙論や多次元論や量子論に至っては現実に”在る”ことでも想像も及ばないっての方がよっぽど自然)

故に芸術やエンタメの世界においてリアリティーを担保するものは、
(作者にとって実際に在る事のメタファーだったりするだから)
「”ほとんど”そこに実存する」ワケです
作品には「理解の及ぶ視聴者の心を動かす世界(そう認識される現実)が実存する」


■【重要なのは】理解が及ばないと感動しないって事ですがぁ
難解な映画も解説やネタバレ読むと理解できるってことがありますよね
芸術などの鑑賞もしかり、
(ここは精神分析のように第三者の説明などで、はじめてそこに思考が及ぶのと同じ仕組み)

さてここでお立合い
人間個々人の理解や認知を観察する上でとても参考になるのが
音楽や映画やアニメなどの「反応(リアクション)動画」です
●特に『海外の反応』として知られる様々な動画が誰でも観察可能で有意なサンプルになります
(俺、この「海外の反応」を人間の認知観察的にめっちゃ観るのですが)
非常に面白かったのが冒頭説明の、手塚作品アニメリメイク『どろろ』第六話です
(昨今アニメの反応動画は、欧米系だけでなく中東系に及び人種を超えて広く観察できるコンテンツになってます)

※引用動画はありがたいことに有志が翻訳をつけている日本語動画を紹介します

<<<ここでわかることは、>>>
『共同幻想』認知フィルターきつい人(所謂オンザレール社会適応度の高い『共同幻想』系人格)、
理解が及ばないんですよ、、
作品意図がわからずに(無反応とは言わないが)アクションシーンだけにアホみたいに極端に興奮して、不条理な展開にまったくついていけてない。
理解が及ぶ人との間に「大きな大きな乖離」があって、
(ベタで下品な言い方すると「バカだからわからない」)

『単独者』的にそこを理解し視聴後に延々と語る人との差異があまりにも大きいって事です
(そらね「理解の及ばないバカ」だからこそ『共同幻想』社会は平然とイジメなんぞが可能なワケでさ、、←やっかいな事に現代米国あたりではこの状態も発達障害だと分類されているようで…)

注:このお題を理解して感動なりするのが正しいとか言ってんじゃないからね。そこは間違えないように。少なくとも自分に興味のあるコンテンツを視聴しているワケだから、(獲得利得として考えるなら)より多くの『興奮』を獲得しているほど”得”なワケで、「音楽と羞恥心論」同様にバカの壁が無い人は「ひょっとするとそのネタで一週間は幸福」となるが、「壁によってアクションシーンの30秒だけで面白いって利得が終わる場合もある」って事。それは観察者の自我によって大きく変わるって事がこの話のポイントです。
 ↑↓
そこに暗示されているのは『共同幻想』バカフィルターってのは(社会学的に)適応当事者を構造的に欲求不満にする構造があるって話でもある。
(※勿論その発端には原始時代における気象災害などの不安への耐性(鈍感さ)獲得の狙いがあったとしてもさ。)


などなど実例を紹介していきましょう
■一番手は
確かどっかで説明されていたと思うのだけれど、南アの方らしいです



■二番手は
(普段気楽に視聴するのがスタイルの筈なんですが)
ドクターコース研修中とのことなので、医療関係の方のようで、
この日は小児神経科帰りとのこともあって以下の反応だったのか、



■三番手は(youtubeではなくニコ動なのでURLのみ)
以前にも何かで紹介したことあったと思いますが、
映画学の現役学生の方とのこと説明も専門的です。
【字幕】ドライバーニキによる『どろろ』6話レビュー【海外の反応】
https://www.nicovideo.jp/watch/sm34652313


●オマケ、翻訳者の方のスキルが凄い点も紹介したいとこの方も

テロップの入れ方が絶妙杉ww


●更にオマケ2
最初にちょっと書いてますが(ネタはモブサイコでもよかった的な)
以下登場のみなさんはベテランリアクター揃いなので、だいたい作品意図を理解されている方ですが、そこにある各人各様の違いが面白いところです。
「モブサイコ100U7話」から
(やはりドライバーニキ最強でしょう)



■■■心理学的に最も重要なことは(てかあたりまえのことだけどさ)■■■
上記に紹介した4者(+マルチ)は「同じストーリーを観ている」ってことです。
それは?
仮に同じ過去(記憶)を共有したとしても、観察者の視点で得られる興奮量も受け取る内容も、事象の理解も当事者が違えばそれほどまでに違う
(ましてや今回引用していない「反応さっぱりの『共同幻想』フィルターの人」も加えたらトンデモの差になる)
 ↓↓↓
人間の自我は「何をどう思うのか」で決まるのであって、
「どんな事象があったのか」だけでは決まらない
ってこと

そして、理解が及べば及ぶほどに(『抑圧』問題解決の更にその向こうに)そこに何を見出してどう考えるのかってプロセスは深まる。←ひょっとしてそれは構造上の”自我強度”なんて話に及ぶのかも知れない。

<「どろろ」「モブサイコU」視聴で無い方はamazonプライムなどでも視聴可能のようです>
優れた作品ですから興味のある方は上記等でご覧ください




<<<今回のEDは海外の反響繋がりでゲーム「キングダムハーツV」から>>>
■流石アニメと違って世界的売上を目論むゲームにおけるビッグネームは最大公約数である『共同幻想』保守総動員となり(お馴染みディズニーキャラも総動員)、
リアクターの階層がガラッと変貌します。
(アニメの反響では滅多にお目にかかれれない)WASPのお嬢さんも続々と登場、
いきなり反響動画の背景にもファンシーなお嬢さんのお部屋が増えてまいります(笑

音楽はこのシリーズで有名な大御所『宇多田ヒカル』氏
日本においてアルバム販売数において最大のビッグネームであり、
膨大な『共同幻想』適応人格すら自在に揺さぶる悪魔的才能をいかんなく発揮しており、
「流石」としか言えません。
(米国版も今年発売みたいなのでこれ相当世界的に売れるのではないかと)


●まずは販売前のトレーラー反響動画から



●EDタイトルでもある主題歌『誓い"Don't Think Twice" 』
英語版発売前に日本語版を聴いて「どうしても歌いたくて悶絶するファンの動画」



●そして日本語版から宇多田ヒカル『誓い』

このお方はcoverで歌っちゃう人です
宇多田氏は流石の大物なので、著作権的にreaction動画を探すのは難しく、英語バージョンをcoverで「歌ってみた」動画の方が多かったりしますね。
(この動画が著作権的に現在削除対象となっていないのはちょっと謎←ひょっとして意図的に残されるセレクトが行われているのかしら?「実際に審査を受けて許可を受けた」プレイ動画も存在してますね。→音楽やアニメなんかも優れたリアクターには許可出すべきですよ)




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