『ヴェニスの商人』とルターの罪悪感
http://kagewari.seesaa.net/article/462564295.html
■まずフロイト心理学ではお馴染みのリビドーとデストルドーだけども、
(とにかくフロイト心理学でも仮説の域を出ていない、日本語訳死の衝動論が誤解されまくりなので、このブログでもデストルドーは説明避けてきたとこあるんだけど。)
Libido(ラテン) destrudo(ドイツ語だとTodestrieb)
triebが本能みたいな意味で(Todestrieb直訳すると《死の神》タナトスの本能)、
語尾で考えれば両者doだから(リブ・doとタナトス・do)、
(※エロス神(生)とタナトス神(死)の”タナトス”ね)
且つLiフロイトが定義するbidoは「性欲などの”その元になるエネルギー”」みたいな意味なので(性と呼ぶより”生”の本能)、
なんだかんだと、それが英訳〜日本語訳の流れで”狭義の性欲”と記載されるのは本来おかしな話で、
↓
このブログではリビドーを”広義の性欲”と呼んでいるけれど、
いわば、快感獲得を能動的に模索する動機形成から”見た場合”の「未だ方向性定まらず囂々とした欲求のカオス」が”リビドー”であり、
それが”反動化”し(逆方向)、或は退行エスカレートの方角に舵を切ってしまう(強迫的)動機形成から”見た場合”の「未だ方向性定まらず囂々とした欲求のカオス」が”デストルドー”であり、
■ストレスの根本は「囂々とした欲求のカオス」で”同じもの”だから
↑
※勿論ここのデストルドー解釈は俺の判断も入っているから心理学の学会的にどうこうって話じゃないけれどさ、
(フロイト心理学において「昇華」と「デストルドー」の話は”ちょぅと失敗しちゃった系”というか”説明不足で終わった論”だと”俺は”考えている。)
■■■経済で考える方がわかりやすいのさ■■■
欲求というのは『需要』の総体であり
●リビドー系とは”インフレ”経済成長:投資・消費需要
●デストルドー系とは”デフレ”経済縮小:蓄財・貨幣需要
(不況に《石油ショックのような外的要因の値上がり》インフレが同居すればスタグフレーションである。つまり反動係数論で考えれば《反動係数レバレッジは外的要因による値上げと同じなので》、メンタル問題を「自我経済がスタグフレーション状態だ」と捉える事もできる。)
でー言語的にそれを展開し(意味とかは変えて無いから)、
俺のブログではそれを
●『抗(あらがう)』
(時間軸的に主体は能動で方角は自由《:未来》→リベラリズム←※間違っても左翼って意味じゃないよww)
●『被(こうむる)』
(時間軸的に主体は受動で方向は用例《:過去》→権威・道徳史観)
のように「リビドー・デストルドー論」を、ロジカル構造で成立している自我ロジックの「文法・文章構造」に置き換えて論証乃至説明できると考えている訳ですよ。
おわかりいただけます?
日本語訳でリビドーをそのまんま”性欲”と訳しちゃうとこの辺の展開が全然理解できない事になっちゃう訳よ。
てなわけで、
■■■<話は経済学に戻ってだ>■■■
英国の貴族であり同時に経済学者だったマクロ経済学の元祖ケインズ(John Maynard Keynes)
(※ケインズは改宗派ユダヤ人である哲学者ウィトゲンシュタインとも交流があったと知られている。Ludwig Josef Johann Wittgenstein:なんつーか哲学難しいので「言語論理学」みたいな人かな。)
ケインズは「投資無き資本主義は崩壊する」ところから、
その分析においてフロイト心理学に影響を受けて、
●投資や消費はエロス(抗(あらがう)であり:未来:生:新陳代謝と成長)
●勤労や倹約はタナトス(被(こうむる)であり:用例:死:アポトーシス的縮小リストラ)
∴故に:「政府が有効需要の不足を補う公共投資などの経済刺激策を打たないと、経済はデフレで縮小し続け破綻する」と説いたワケ
え〜、、そんなところから、
公共投資・内需拡大政策でお馴染みの近代経済学の金字塔「ケインズ経済学」に至るワケですよ。
↓
(ある意味近代初期の経済は帝国主義・植民地投資という”拡張主義”によりデフレ破綻を免れていたが、第二次大戦後帝国主義そのものが崩壊するワケで→ここは現代のグローバリズム新自由主義台頭との関係にも表れている。)
↓↓↓
■■■ケインズ経済学が無かったら列強は先進国へシフトできなかった■■■
(つか財政規律論などの反動により先祖返りすると→グローバリズム覇権主義に頼る誤った焼畑農業方式に戻っちゃうんだけどさ、、←ここが新自由主義批判の根本ね)
つまりさ、
直接では無いけれど、フロイト先生が登場した結果、
(何の因果律か知らないが)
(フロイトとケインズの)『民主主義的資本主義経済』はアンチ・マルクスとして「忌むべき『共産主義』を打破し」現在の先進国経済に至るワケで、
さー考えてくださいよ
ケインズが最も重要視した”タナトス的経済破綻論”でやり玉に挙がってんのが何か?って
↓
※ここに至る数本の記事読んだ方には理解いただけると思いますが
ル タ ー の 罪悪感 そ の ま ん ま の事です
(言い換えればケインズ経済学は宗教改革の延長上にある)
(説明するまでも無く、ルターの罪悪感が反動化したのがマルクスの『共産主義』)
でー「ルターの罪悪感」を憲法に書いちゃっている国はどこ?
ドイツです
憲法にあたる『連邦共和国基本法』に財政規律条項を書いてしまうという…。
ドイツがWWUの件を何でもかんでも”ナチスのせい”にして根本的な反省が無いと批判されているのはココなのよ。
ロスチャイルドなんぞのいる英国がEU設立当初から自国通貨ポンドを死守し、
その後ブレグジットと呼ばれるUE脱退を選択したのは「そりゃそうでしょ」な話で、
↓
■EUにおいてドイツが主要国家であり且つEU加盟条件に財政規律条項を持っている限り「いつか必ずEU破綻するから」っての”わかりきった話”でした。
それこそだね”∴故に”EUは帝国主義顔負けの拡張覇権主義で次々と東欧の飲み込み《ロシアとの密約》「EU拡大がNATO拡大に繋がる形で東欧に手を出さない」←この約束をあっさり破った。結果ウクライナにまで手を出してロシアが大激怒って顛末にもなっており←俺はこの紛争の発端もWWU同様にポーランドじゃね?と思っている。
(東欧拡張が行き詰るとドイツは覇権先を中国に切り替えてみたが、現在絶賛破綻中ww)
●本来のEU設立意図は、東西冷戦終結後に東ドイツを併合した大ドイツが再び覇権国家とならないように英仏がそれを取り込むことであった。
つーかフランスの思惑は大EUになることによって多額の農業補助金をせしめようって腹でさ、
結果的にそれが、WWU時代の独逸第三帝国と同じ領土を次々とEU加盟させるに至り「EUってさドイツ第四帝国なの?」とフランス人批評家に揶揄されるに至り、
(ロシアが「マジ侵略だろそれ」と怒るのももっともなのよ。)
ドイツは「違うから違うから」と必死なために、
↓
ユダヤ虐殺ホロコーストの反対を行こうと(ドイツ人気質的罪悪感により)、
無尽蔵にモスリム難民を受け入れ、(これも人権派の皮肉なのか)事実上の奴隷階級とした。
それが現在ドイツ国民からも総スカンだと、、。
↑
(※ドイツ財界の意向的には、緊縮財政法があるためドイツの投資刺激は領土拡張帝国主義か人口増以外に不可能だってどん詰まり状況が無意識にわかっていたのかも知れない。)
●●●皇帝メルケルの退位も決定しました●●●
■心理学のテーマ的にはですね
先進国の台頭はフロイトとケインズによる貢献が大きく、
(勿論その底流・暗韻には「アンチ『共同幻想』・アンチ『共産主義』」がある)
そんな先進国だからこそ、
発展段階説的に『共同幻想』崩壊の過渡期において、(引きこもりニート問題を含む)自我メンタル問題も派生するのだけど、
潮流的にそれは後期先進国特有の現象であり、
更にその先に『単独者』時代へと繋がる社会現象の一断面である。
またそんな『単独者』時代ってのは、決してそのまんま個人主義という意味では”無く”て、
(強迫心理や反動係数による欲求エスカレーション構造外と無関係な”素朴な能動性”を前提とするのだから)
合理的判断として、社会契約的な意味における「国家や法治主義などを前提・肯定するもの」であり(合理的社会性)、実体経済を越えてフリーエコノミー拡大へと連なる経済原則に適応するべく、社会学的変遷の中でおきている現象な訳です。
説明にあるように、
国家や法治主義だけで無く、言語や通貨もそうだけれど(いずれも『共同幻想』の一種)
ファンダメンタルな社会インフラ『共同幻想』は保守されますから、完全にこの世から『共同幻想』が駆逐されるとかは”あり得ない”。
「その線引きはどこにあるの?」と聞かれれば、
地方ローカル『共同幻想』に見られるように、境界線はグレーです。
人間が二人以上集まれば「こういうことだよね?」の共有概念→その瞬間それは既成概念となり、動作は固定観念となるように、刹那な『共同幻想』はどこにでも発生します。
ですから社会学的な意味の「『共同幻想』崩壊」はこの世界から『共同幻想』が消滅するって意味では無いし、
長嶋茂雄の「読売巨人軍は永遠です」じゃないけどさ、
文化としてのスポーツや軍隊などの”固有組織”も継続します。
説明するまでも無く「確信犯的『共同幻想』再選択者」という自我スタンスもあり得る。
(ザックリ言えばさ「自営業、フリーランスの時代」が来ても、「官僚公務員や組織人として正社員や特定クラブチーム所属選手を選択する人もいるだろう」って事。)
しかしだ
●『共同幻想』が社会学的に国家や社会を支配するシステムとして機能する時代は終わるって話。
それが『共同幻想』崩壊プロセスであり、『単独者』時代の幕開けなのよ。
めんどくさいかも知れないが、
個人自我ロジックのメンタル経済問題を考える時に、
社会現象として上部構造なり外郭なりでそれがどういう意味なのか?それを俯瞰する視点は必要になってくる。
■「一人乗りの小舟の設計をする時に、海が荒れているのか凪なのか?外的環境を無視するとかあり得ない」ワケだからね。
なんつーかさ、個人自我のメンタル経済問題って話もだ、
人類文明創生から封建主義へ、中世欧州の宗教革命を経て帝国主義へ(日本においては伝統文明封建国家から戦国時代・江戸時代の平和を経て明治維新)、そして『共産主義』台頭と冷戦時代、
フロイトやケインズの経済学によって西側資本主義国は先進国にテイクオフし、
ソ連崩壊による冷戦の終結と、先進国における『共同幻想』崩壊プロセスの始まり。
「全ては関連事項」だから。
「今日の晩飯はとんかつかカレーライスか?(或は即興で何か作るか)」
この素朴で単純な能動的動機形成と選択って命題は、
無数の屍を踏破してきた人類文明の延長上にある”特権”なんです。
スゲーことなワケ(それホントなんだってばよ)、
ゲームやっている人なら誰でもわかることだと思うけどゲームの本質は「選択と賭け」でしょ?
(※音楽の歴史詳しい人なら同じような変遷書けると思う。ネイティブな民族音楽の台頭から、貴族をパトロンとするクラッシック権威主義音楽の系譜からのバンド形式音楽の台頭、そしてビートルズ登場以来のシンガーソングライター時代、同時進行で資本をバックにしたレーベルの音楽とインディ系、後に「youtubeで歌ってみたや演奏してみた」コンテンツの登場、、、などなどね。)
↑
これさ、建築だとか芸術だとか経営論から宗教学・哲学・社会学・言語学まで様々なセクターで同様現象が観測されその変遷が書ける筈。
当初の予定には無かったが、
存外に昨今の記事が渾身のシリーズとなったのでこの原稿も基本用語に入れておこう。
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