2018年06月07日

事実認定における”断定”と「強迫心理」

(6/9 この原稿もかなり重要に思うので基本用語リンクに入れておきます)

どうにも(心理学がどうとかともかく)メンタル問題に関して「社会的に理解が及ばない」ところあるので、まずそこから始めますが、
90年代ぐらいでしょうか、米国で特定の抗鬱剤が大流行していたころ「全米でうん百万人が精神的な疾病や問題を抱えている」なんて(出所のよくわからない統計で)報じられていたりしたものです。
(ウォール街の住人は薬なしにやっていけないとかまことしやかに語られたものです)

また「所謂閉鎖病棟に事実上強制入院禁固罪状態」な”患者”とされている人や(現在欧州では同入院措置そのものが禁止だし日本にも十何年も前からWHOがしつこく改善勧告出してる)、精神科通院歴のある人の犯罪発生率は所謂一般人と変わらないなど(この話も統計の出所はよくわからないのだが)、至極当たり前の話が”あたかも特別な事”のように語られていたりする。←冗談ではない話。
(※この話は過去に何度も書いてきたけれど俺が刑法39条に反対の理由として「動機形成の点から、意図して犯罪行為をワザワザ選択する上で『自意識』が関与しない事などありえない」的に説明している。←ある意味理論的に『自意識』に抑圧傾向のある精神的問題を抱えている個人は、主体的行為全般を企画・選択する事自体難しいのだから違法行為実行の可能性はむしろ低い推論が成り立つ。→故に「必ず犯罪の責任は問える」という結論。)

某NH○の放送で「意味不明に禁固うん十年級の事実上の強制入院患者のドキュメンタリー」があったが、その行動規範は実にどこにでもいる(どちらか言えば『共同幻想』な)人そのもので、彼を主人公として複数の同様事例から解放された患者の話が続くんだが「ショーシャンクの空に」かと思ったわ。

■重要なことですが、様々な局面で派生する精神的問題はその機能として通常の自我論の中において説明可能である以上(その可能性は誰にでもある)、何か特定の自我に疾病や疾患のように発生するのでは”無い”。

このブログで繰り返し指摘している「強迫心理」と「抑圧される『自意識』」の問題ってのは、(誰にでもある心理的状況に起因する不快状況などが)それが自我構造論的に”恒常化”したり、高い頻度で繰り返される可能性を論じているもので、
「ぶっちゃけ”ナントカ病”のような病気は”無い”」
(※確かに遺伝的問題が別途ある場合もあるだろうけど、逆に言えば”それは精神病では無い”ワケだから。)
誰にでもあるごく普通の腹痛ありますよね?仮にその時々ある腹痛が四六時中恒常化したらどうなります?事象自体は誰にでもある胃腸の具合が悪い程度だとしても、これ毎日何度も反復してたら日常生活に支障きたすでしょ?←メンタル問題ってのはそういう話しです。
 ↑
この話をする場合慎重になる背景の一つに、オンザレールな『共同幻想』業界において鬱症状などを「怠け病やらやる気の問題」など、あっちの世界の誤解や偏見に繋がる(彼らの専売特許の”いじめ機能”そのままに)ネタにされては困るからで、
●アホらしい誤解の心配が無いのであれば
「特定の自我に疾病や疾患のように発生するのでは”無い”」って部分は優先的に論じられる事項。

ここの話の背景として、
何故いろいろめんどくさい無理解があるのかと言えば、
■結局のところ「強迫心理とは何か」って事がそう簡単には理解できないってところに行きつく。
 ↑↓
困った事に、それは”論理的”に「容易に理解されない事が証明」されているのも同然なんです。
=心理学が「誰にでも理解できるものではない学問である理由」にも通じている。
(※この辺経済学における状況にも似た部分があると思う。)

■「強迫心理」ってのは”そんな人”みたいな人格があるのでは”無く”(無意識人格なんて言葉としてもう矛盾してますから)、”概念”なんだけれど、
経済学で言えば「やたらと財政再建に拘り口を開けば緊縮財政論になる人」とか想像してもらえるとわかりやすいかも知れない。
「こうなったらこうなる、そしてこの話は凄く大事な(『自意識』の主体性を上回る)上位概念である」←みたいな”固定的に筋立てられた考えや予断・想定”の事。

言語論ってほどの話じゃないが、そこ文法表現上に顕著なのが”断定調”です
●さてここで問題です「ニワトリが先か、卵が先か?」
『自意識』が(上位概念に)行動抑制(抑圧)されているから、その概念は自動的に”断定調”になる(『自意識』には「そうかな〜、どなんだろう」などと考える余地が”無い”のだから)。
或は?
それだけ”断定”されているのだから、もはや『自意識』には(そんな上位概念に)介入の余地が無いのだ。←と考える事もできる。
(どちらもあっているので、どちらがどうって事は無いんだけどさ、)


いずれにしても
「こうなったら、絶対こうなるし、いつもそうに”決まっている”」
上記のような概念が高い頻度で日常性やらプライベートな空間においても影響を及ぼし続ける場合、「緊縮財政論の偏屈オヤジが蕎麦屋の勘定でもやたらと熱くなる」みたいな状況が連続したり反復したりするワケです。
(やれ電気代で緊縮財政論的断定、やれ靴紐の結び方にも緊縮財政論的断定、浴室内でも緊縮財政論的断定、爪を切りだしたらもう緊縮財政論的断定、、みたいに。)

そして、「その『興奮』した話の筋立てには”必ず断定や断言”が織り込まれる」事になります。
『自意識』の上位概念が認知の論旨になっているんだから、当たり前の事なんだけど、、
極論するとだね、
「話の流れに”断定”がある場合、その段階で”それは(自分の)意見”では”無く”、”上位概念”に言わされているだけだって話」
(信念に基づく断言はOK←常に論議の余地や雄弁に語る持論があるのだから)

●それは誰にでもある
「(『自意識』真剣に私利私欲《自己責任》で反抗的《批判的》に考えたことが無く)鵜呑みにしている上位概念」は全て「強迫心理」です。
心理学の話を持ち出せばやれ超自我との関係がどうたらめんどくさくなるんだけれど、論理構造自体は何ら特別な話では無い。
 ↓
オンザレール適応時の『共同幻想』も論理的には「強迫心理」なワケだけど、『共同幻想』社会の場合はその強迫性を「だよね、(絶対)そうだよね」と同調圧力の中で半ば強引なゴンセンサスとしてしまうので(力技の”構成員同士だけは”合理性を担保する=強迫性は無く合意の上です心理となり)、構成員であり続ける限り心理的に追い詰められるようなストレスにはならないが、何の因果か知らないが訳あって、しぶしぶ適応意思も無いのにどこぞの『共同幻想』社会に参加させられた身にとってはトンデモ級のストレスとなる(論理的には「強迫心理」そのものであるため)。

かくいう『共同幻想』だって、アフター5に解散して自宅にもどれば解放されるワケで、
恒常的に『自意識』を抑圧する事は無い。
(基本オンザレールは『歩留り』選択による”契約”に過ぎないので、同僚関係であるとか友人関係などの『共同幻想』空間発生時だけ強制起動するものの、プライベートな時間にまでそれが及ぶ事は無い。)

■故にメンタル問題と、思春期における『反抗期』の関係性がキモになるわけで、
(※幼児期に典型的にみられる”なんちゃって道徳”の刷り込みと同様に)
幼児には何らかの事情で、どうにも”抗え無い(批判的視点をもてない)”上位概念が何らかの事情で、何れかの権威者を対象に構成され、何かの事情で思春期になっても尚反抗(批判的思考)の対象にもならなかった場合(典型事例は欧米や中東における宗教的戒律)、
その概念は時間制限も空間制限も無く『自意識』を拘束(『抑圧』)する結果となる。

問題なのは「強迫心理」では無くって(そんなもん誰でも『自意識』によって反抗的思考が行われればその強迫性は解除される)、
フロイトが言わんとしているのは、そこに「コンプレックス」であるとか「反動形成」のような”事情”が起点となって、あたかも聖域化したかのように残留した場合、とんでも無い事になりますねって話です。

たとえ、たとえですよ、
脳に機能障害があって、意思表明などに成約があったとしてもだ、
『自意識』の活動が顕在なら、当事者困った事にはならんのです。
(※歩行速度にどれだけ個人差があっても、歩くって行為に差異は無いから。)
自我ってのはロジカルに構成されてますから、
その論理構成のフローにおいて、(入れ子構造の)上位概念としてトンデモなモジュールがあれば、下部構造のプログラムをなんぼいじってもどうにもならんワケでさ、
 ↑↓
上位概念として書く個別な規定や設定が問題なのでは”無く”(強迫心理は誰にでもある)、
そういった類のモジュールの書かれ方(書かれる位置関係)が問題なんです。

どーして<強<a<b<『自意識』/『自意識』>/b>/a>/強>←この構造の「一番大外にトンデモな概念がハマってるのか?」
でー、フロイトは、そんな突拍子も無い大外にそれがハマるにはレバレッジ(反動形成)効かせた何かの要因(コンプレックス:関連性に合理性を欠く異なる心理の複合状態)が関係しているんだねと論じている訳なんだわ。

●だからこそ(信念や美意識による”断言”では”無く”)日常表現ですら普通に”断定調”の文法表現が行われる場合、もうその段階で”ヤバい”んです。
注:語られる事象の真偽とそれは全く関係ありません。
「昨日さ、本当に課長見たんだって、嘘じゃないから、ほら画像も撮ってあるから」
「ちょっと見せてみ、どうかな〜そうともいえなくもないが絶対とは言い切れないでしょ」
「え、そんな事無いでしょ、これ課長でしょ」
「そうかな〜、てかそこに課長がいるいないが何か重要なのか?」
 ↑
このシーンで、鍵となるのは課長存否の”是非じゃない”んですよ
課長がいるいないは別として、何故そこに重要な関心があるのか?←この事情こそコアであり話をしようと思った意図そのものなワケです。

仮に(その画像が思い切り課長のクローズアップでも)?
当事者的に、そこに課長がいようがいまいがどうでもいい場合、
「えー、課長じゃないとかあり得ないでしょww(獏」で”終わる”話だが、
(※むしろ、そこに課長がいるいないについて《事の是非はともかく》どういう意図の関心があったのかがテーマになる→課長が怒った笑ったでは”無く”、話のコアは「当該人物の課長に対する関心」ですから。)

ところが、
(いったい何が始まったのか?)
「俺が嘘ついているってのか!!」←このようになった場合、
この段階で”何か変”なんですよ。
(注:前段説明のとおり、この話のコアは「当該人物の課長に対する関心」であって、その時の課長の存否や立ち振る舞いでは”無い”、当該人物が何故課長の話を持ち出したのかって言えば、それをお題に以降の「当該人物の課長に対する関心事項」を展開するためだからです。)
 ↑
●かわっていただけるでしょうか
前述の話の”違和感”の原因は、
(意味もわからずに超越的な理由で)「課長の存否や立ち振る舞い」が(自分の『自意識』管理者責任権限を越える)重大事項として(絶対事項として)断言されているところに尽きるんです。

凄く重要なので繰り返しますが、実際にそこに課長がいたのか、はたまたどんな立ち振る舞いだったのかってところは、「あくまで以降の課長との関係性の本題を切りだすためのネタフリに過ぎない」。
(極論、そこに課長がいようがいまいがどーだっていんです)
ところが、いるいないだとか何をしたかにをしていたって課長サイドの逸話が最大の重要事項として語られていたら、それは”何か変”なんですよ。
(※課長の概念が『自意識』に超越的である上位概念化していないとそれはあり得ない。)
「課長の存否や立ち振る舞い」にやたら興奮しているワリには、その後の本題がさっぱり腰砕けな(とりたてて当事者との関係性も語られず)中身の無い話になってしまう(そりゃそうです『自意識』抑圧されていて本気出してませんから)。


「憲法改正反対!反対!絶対反対!」
「反対も賛成もどうでもいんだが、君そもそも国家と憲法或は憲法典との関係とかどう思っているワケかね?」
(本来なら)
「ワイマールなんとかかんとかなんちゃらどうたら、英国の何かこうしたどうした」←絶好調で論説が始まるべきところですよね?
(ところが)
「え?絶対ダメですから、政治とか嫌いなんです。この反対の気持ちが嘘だって言うんですか!!反対!反対!反対!反対!」
(はい、一発でそれ「強迫心理」だから)



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