「いやいや、電波が聞こえる的な現象は誰にでも日常あることだから」
今回はそんな話です。
■空耳とは何か
「タモリ倶楽部の空耳アワー」で検索してください。
(洋楽の外国語歌詞が日本語に聞こえるとこんなに変みたいな伝統の企画コーナー)
「そうだと言われると確かに(そう)聞こえる、空耳アワーのコーナーです」ってな具合です。
音楽における代表的な空耳といえば(意味取り違え空耳)、
昭和のアニメ巨人の星の主題歌、
「おもい〜こんだぁあら(思い込んだら)」このシーンにおいて主人公星飛雄馬がトレーニングのためにグラウンドローラーを引いているのですが、この絵から「重いコンダラ(ローラーがこのような名前の器具だと勘違い)」と聞き違えていた人が多数いたこともあまりにも有名です。
かくかくしかじか、歌の世界では無数の聞き違えや空耳あるワケですが、
●最強なのはどれか?
洋楽における外国語の歌詞です、
洋楽を鼻歌で適当に歌う場合、100%に近い人がヘンテコ英語やなんちゃって英語でしか歌えず(使用されている英単語が中学生レベルでも)、歌詞カード無しに単語を聞きとる事は至難の技です。
「何故なのか?」
日本語の歌ですら正確に聞き取れないのです「英語の歌詞なら尚更」
いえいえ、それだけではないでしょう。
人間は言語ってものを(前述の外国語が聞き取れないのがその典型)「ある程度先読みしてリスニングしてます」。
つまり日常会話などは、シーンに応じてや、話の前後の流れから相手の言いそうな会話の流れを”聞く前からシミュレーション”しており、実際に耳にする時には「答え合わせするように」聞いているワケですよ。
(脳内には既に歌詞カードがある状態)
ですから、外国語の聞き取りは容易ならざる事になるのです。
●かくいう私は、東京暮らしうん十年ですが
それでも営団地下鉄の「発車サイン音が鳴りましたら、無理なご乗車はご遠慮願います」
今でも延々としつこくいつもいつも毎度の事聞き違えます。
「発車サイン音」←この単語が頭に入っておらず、
「発車サインオン??」が転じて(何故か「発車サンイオン」に聞こえており)、
いっつも「発車”酸””イオン”、、イオン?(電解質の水溶液)って」と聞こえるのです。
わかっていても、毎度聞き間違えます。
■さて、この現象言い換えればどうなります?
予め自分の脳内で想像できない会話や単語はほとんど聞き取れず、
加えて、予め自分の脳内で強迫的に認識される概念や単語は「相手が言ってもいないのにそう聞こえる(空耳)」って事です。
↑
これは誰にでもある現象で、心理的にどうであるとか無関係の話。
たとえば?
(脳内)「あら〜、このバックきっとお高いわね。1万はするわね」
「すいません、これはお幾ら万円かしら?」
「5千円になりますね」
「えー5万円!」
「いえいえ5千円5千円ですよ、今クリアランスセールですから」
「ビックリしちゃったわ、あらそうそれはお得ね」
↑
こんな感じの状況は誰にでもある。
故に
「え、ゴメンナサイ聞き取れなくて、何て?」←このフレーズは日常生活で山ほど出てきます。
接客業など対人関係の多い業務などしていれば、1日に1回は使うフレーズでしょう。
「え?」とか「は?」とか「ん?」とか「?(表情だけ)」←この状況が間に入らない会話はあり得ないほどです。
●確かに人間の聴覚は、他の個体の鳴き声などの音声を聞き取るように(アラートなどの警告情報もありますので)特定の周波数の感度を上げており、そこそこ暗騒音が含まれても人間の声をある程度抽出して聞き取ることができます。
しかしそれも程度問題です。
そ も そ も サルの鳴き声 などの 単純フレーズに特化、しているだけで、
人間が後天的に会得した言語などの難解な音声はぶっちゃけ誰にとっても聞き取り難い。
(周波数からいったら音声の波形なんて千差万別だし←単純な動物の鳴き声の方が統一的な周波数の波形になると思う。)
ですから、歌謡曲ではサビで大声になるんです。
ですから、歌舞伎の決め台詞はあれほど極端な表現になるんです。
ですから「念のため後ほど確認の書面をお送りします」という慣行があるんです。
■更に付け加えると「聞きなおさずになんとなく聞こえる関係」ってのがあります。
「阿吽の呼吸」って奴です(極端に言えば目配せだけで意思を伝えられる)
同じ共同体の構成員同士だとか、旧知の仲の知人同士などなど、
この場合聴感精度があがるのではない事は明らか。
事前の脳内シミュレーションの”先読み”制度が上昇しているからです。
さて、そうなると、
関係の希薄な赤の他人などの会話は、聞きなおさなければほとんど聞き取れない事になります。
関係が希薄なれば、なるほどこの難易度は高くなる。
『共同幻想』適応人格者は、『単独者』が何言ってんのかよく聞き取れないし、
『単独者』からして、『共同幻想』適応者同士の仲間内の会話はさっぱり聞き取れません。
(互いに騒音に近いジャンルになる)
故に、
「はーそうですね〜」「はいはいそうですか」←よく聞こえていないのに調子合わせる生返事なる言語まで登場します。
■さていくつかの条件を合わせて考えてみると?
ここから心理学ですが、
・他人の会話は基本的によく聞き取れない
・関係が疎遠になればなるほど何を言ったのかわからない
・脳内で予め先読みしていない言語や内容はまったく認知できない
・逆にやたら強く意識した先読みが脳内にあると、(脳内言語に)やたら聞き違える
・関係の希薄な赤の他人などとの会話に「え?スイマセンもう一度」が入らない会話はまず無い
・更に言えば、対人関係に障害がある場合、「え?」などの聞きお直しは行動選択のオプションとしてもあり得ない級の行動になる
<結論>
他人に「あなたはなんだかんだである」と(揶揄したり悪評などの)明解に聞こえていたら。
ほぼ100%その声は”電波”です。
(発言者は、自分の脳内の強迫心理である。)
仮に、それに類する、似通った怪訝な様子の発言が相手にあったのだとしても、
当該人物は、その内容を100倍ほどにデフォルメした”意図”として聞き取ってしまいます。
(赤の他人の友人同士の笑い声を自分に対する嘲笑と聞き違えるなんざ、状況によっては人類全員において日常茶飯事の事です。→新しいアバンギャルドな服を着た初日は誰にでもこの現象が起きる。)
(※説明するまでも無く当該人物がナルチシストの場合、逆の現象となる。→「さっきすれ違った人までに好感あるのね、もういや〜ね〜」)
よく「新参者が『共同幻想』社会に、新たに参加した当初、孤立感を感じる」なんて現象ありますね。この孤立感のトリガーには、「周囲の会話がよく聞き取れない」って要素もあるんです。
つまり、
その反対、
「自分に対する悪評が明解に聞きとれている」なんて現象は、ほぼほぼこの世に存在しません。
↑↓
●例外事項は、面と向かって喧嘩腰で相手が悪評の啖呵を切った場合ですが、
その売られた喧嘩の場合も返しの典型台詞は何でしょう?
「んだと、この野郎!もう一遍言ってみろ!」←聞き取れていないんですよ(笑
ですから重要な会議では議事録残すし、
個人的な相談では、静かな場所で密談形式になりますし、
大事な話は「額突き合わせて」ほどの近い距離になりますし、
政治家は料亭に行くんです。
スーパーの販売員はだからあんなに声を張り上げるんです、
選挙になったら大音量のスピーカーが必要なんです、
街中や日常生活において、「え?」「は?」「ん?」「?(表情だけ)」が入らない会話は無い。
●通常、何言ってんのか聞き取れないもんです。
妙に、(悪評系の言葉が)しっかり聞き取れていたら?
それは電波です。
(※てかそもそも論として、関係希薄な赤の他人が何をどう思っているのかなど、犬が何を考えているのかほど「どうでもいいことである」ワケで、そこにやたらと自分との関係性についての執着がある時点で、既に強迫的思考の結果である事は説明の必要も無い。)
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