自我構造論的には「(昭和的)オンザレールな『共同幻想』適応自我」と、「現代メンタル問題にもなり得る自我」の基本構造は”同じ”です。
●背景事情的にオンザレールな『共同幻想』適応ケースには事後追認的な『歩留り』選択が派生するため、社会的強迫関連の不安やエスカレートする『興奮』などありつつも”一定幅に収まる”ため、当事者に「メンタル問題と認知されることはほとんどありません」。
(※エスカレートする『興奮』の存在は、当時のエンタメにおける熱血ドラマのようなシナリオを多数派生させた。)
このように説明すると、
「にわかに信じがたい」思われる方いらっしゃるかもですが、
仮に現代社会において、
「自らはお国のために命をいとわず、国体に異議唱えるような輩がいれば躊躇なく暴力に及ぶ」人物が唐突にタイムスリップして登場したら?
↓
■実際にほとんど同じ状況が現実に発生した事例があります。
昭和世代には有名な「戦後帰還兵小野田さん」です。
(戦争終結を知らず、フィリピンに30年間潜伏しひとり戦闘を続けていた人物。)
彼は戦後日本の『共同幻想』を受け入れられなかったのか、一度ブラジルへ移住、
反戦どころか、その後右翼的活動家として帰国、東京で亡くなられておりますが(wikiなどにも詳しく記載あります)、
(※確かにダイ・ハードな小野田さんが当時においても異例な水準の確信犯的選択人格であったことも類推されるので、典型事例と呼ぶには違うと思いますが、彼が戦中『共同幻想』社会適応人格であった事は事実。)
同様に、国が違えば『共同幻想』も全く違うワケで、
近代以前に限れば『共同幻想』とは(近現代の法治国家へ連なる)「社会統治のための概念」であることがわかります(なので時代や国が変わると中身も変わる)。
(当時の左翼活動家には、小野田さんの振る舞いは「軍国時代の洗脳」としか思えなかったのでしょう。)
注:「(慣習法的)憲法と(名文法的)憲法典」の事例にあるように、社会統治の事情とは別に連綿と続く文化歴史が存在するのも事実であり(非幻想的歴史や文化の実存)、だからこそ「時代の都合ででっち上げられる『共同幻想』のナンセンスさ(ドグマ性)」は必然的に”現実から浮く”のであって、
現代で言えば、中東に発生したISってありましたね?
イスラム原理主義を標榜していながらその実態は本家イラスラム教研究者などから「おおよそイスラム教と違うだろ」な解釈満載で運営されていたことは説明するまでも無く(ISの『共同幻想』はテロリスト国家を形成する事が目的であるため)、
本物の文化伝統と(非幻想的歴史や文化の実存)、ご都合主義の『共同減幻想』は全く違うものだってところも大きなポイント。
■「(昭和的)オンザレールな『共同幻想』適応自我」の特性は
『家族共同幻想』→『思春期から青年期学友などの共同幻想』→『職場の共同幻想』
上記のように、『反抗期』における現実アップデートが、レール上の”次の『共同幻想』への乗り換え”によりシステム的に行われ、同時に”それ以前の『共同幻想』への批判(反抗)”理論武装を提供するため、乗り換え先の『共同幻想』固有の強迫性に拘束され続けるのは事実だが、中身的に先に行けば行くほど世俗主義的大人の利害の社会となるため(社会学的変遷そのまんま)、「強迫性は残っても、権威性は先に行けば行くほど打算的社会的地位程度にダウン」するため、この「先に行けば行くほど権威が失墜していく流れ」こそが事後追認的『歩留り』選択を成立させる。
先に進んでも『共同幻想』との依存関係は切れる事は無いが(故に権威性を梃子とする不安や興奮のエスカレート構造も消える事は無いが)、
「神>偉人>先生>偉大な先輩>頼りになる上司>単に自分より一段ランク上の所詮同じサラリーマン」←と言う風に、強迫性もエスカレート構造も(関連権威の失墜度に比例して)ダウンサイズされ、同時に権威性の中身も(神話では無く)どういう意味で地位上位の人物なのか中身もわかる(ネタバレ)するわけ、(権威がらみの興奮ネタは残りつつも)実質的に自我実存の脅威では無くなるって流れにある。
※補足すると時代変遷の中で語られる権威のスケールと社会のエスカレート係数は比例関係にあるため、トンデモ権威の設定に成功すれば社会的強迫性も高く設定できる。
(ナチスドイツにおける社会のエスカレート係数みたいに考えるとわかりやすい。)
それに対して
■「現代メンタル問題にもなり得る自我」の場合、
ここがフロイト心理学エディプスコンプレックス論のキモなワケだが、
「権威、強迫性、不安や興奮のレバレッジ、自意識抑圧と主体性の比率」
などなどの構成は「(昭和的)オンザレールな『共同幻想』適応自我」と変わらないのだが、
結果として反抗期の状況に応じ『家族共同幻想』が現実アップデートされずに、無意識下などに残存する結果オンザレールケースの「権威失墜へのシフト」による強迫構造のネタバレ小規模化に乗っからない。
意味わかり難い人に具体的に説明してみると、
象徴天皇制下(人間宣言)で与党が政権後退すれば、新しい与党に普通に権威は移行するが、
絶対君主制の王家が権力を握っている場合(独裁者として君臨していなくても)、行政だけやっている政党がどこが政権取っても何かがアップデートされて権威が移行したり、新しいフェーズにシフトしたように感じるものはいないって話(故に立憲君主制だとか政教分離などが民主制のキモになる)。
潜在的な超権威のイメージは温存され、現政権の評価などを認知する場合など各所で超権威のイメージが投影(それを前提に反映)された認知になるって話です。
(※モスリム国家において常に民主化と世俗主義が論議になる理由。これに対し西欧キリスト教文明は宗教改革やフランス革命やらが『反抗期』に相当し、民主制が機能した。日本の場合は敗戦による天皇の人間宣言により民主化が機能する流れとなっている。←旧権威に対するネタバレ崩壊現実アップデートそのままです。)
(※勿論説明するまでも無く『単独者』の場合、『共同幻想』に代表される”幻想性”そのものを現実アップデートでネタバレ崩壊させてしまうので、強迫性そのものが消滅する。)
■物理的に年齢を経る流れは誰でも同じなので、
形式として所属する『共同幻想』は社会学的変遷と同じだが、
潜在意識、無意識下の『旧・家族共同幻想』の権威性がその都度当該『共同幻想』に”投影”(それを前提に反映)され続け、権威失墜の流れに乗っからないので、不安や『興奮』のエスカレート係数が「権威的親子関係同等のスケール」でそのまま進行する。
これが、派生するストレスがメンタル問題として『自意識』の存在を脅かすほどに乱高下する構造です。
●前述※にあるように、不安や『興奮』のエスカレート係数は「個別具体的な事象(政権交代の評価)の中身には”全く関係が無い”ところがポイント」で(個別具体事象はトリガーに過ぎない)、
旧権威に対する「ネタバレ崩壊現実アップデート(自我で言えば『反抗期』)」がプルーフしているのかってところに尽きるんです。
実際の話「平等論のジレンマ」じゃないですが、
動物も人間も100人いれば100様なワケで(上位権威の設定が無い限りそれを優劣で説明することはできない)、そこを個別事情で有利不利だとか幸運不運で語り出したらキリが無いのであり、
『単独者』的見解は「違いを優劣で論じるのはド・ナンセンスだから、それは個体差・個性差でしかない」となるんであって、
=生活上の個別具体論で、不都合やら苦手な事など”どんな面倒事や不運やその反対の幸運な事があったとしても”それは(エスカレート係数のレバレッジが効かなければ)「だからどうした」を超える話に及ばない訳です(派生するストレスがメンタル問題として『自意識』の存在を脅かすとかに至らない=メンタル問題は派生せず根絶する)。
↑↓
この認知によって(評価し得る上位権威の存在が消失していれば)「個体差・個性差があるだけで、動物や人間は普遍的に平等である(生き物である)」つー概念が実存証明されるワケです。
「それは感動の無い、無味無臭で冷酷な話なのか」←みたいな盛大な誤解をされるケースもあるでしょうけどね、
エスカレート係数で切れっちゃている状況は、感情でも感動でも”無く”、薬物の影響でおかしな事になっているのと同等であってですね、
松尾芭蕉が詩歌を詠む時に、そんなエスカレートやってんのかと、、
”権威幻想性の崩壊”ってのは=100%の主体性の回復なのだから、
完全な自由の回復(100%の自己責任=人生所有権証明)、
そこで初めて、人類ヒト科に備わっているナチュボーンなパフォーマンスも発揮されるワケで、
むしろ(立派だとか凄いとかそういうフラグを必要とせず)日常に感動できる豊かさを得るっちゅうことです(蕎麦屋のカレーライスのネタとかで1ヵ月感動できるとかね)。
●『趣味性』ってそういう事だから。
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