2017年12月07日

やたら語られだした「発達障害」系用語のメディア的逆効果

ある時には「マザコン、ファザコン」、ある時には「アダルトチルドレン」、ある時には「プチ鬱」、ある時には「なんとかハラスメント」、ある時には「ブラコン、シスコン」、ある時には「PTSD」、ある時には「LGBT」、ある時には「サイコパス」、ある時には「パワハラ」、ある時には「ブラック企業」、ある時には「アスペルガー」、ある時には「ヘイトスピーチ」、ある時には「モラハラ」、ある時には「PC(ポリティカルコレクト)」、ある時には「マタハラ」、ある時には「発達障害」、
●などなど個人の心理や社会心理から社会倫理に関する半ば”流行語”のような言語に何の意味があるのか、
(※思うに先進国化・高学歴化によって以下に説明する問題が拡大傾向にあるのかなと思われ)


時に「社会的認知」なんて言葉もありますが、
心理学的に言えば(ある程度の水準でも理解が進めば的意味で)個人の権利や尊厳的に啓蒙的意義があるケースもあるのですが、
「その副作用」も考えておかなくちゃいけません。

■政治学的に見ていくと”流行語”になっている時点で「もう怪しい」とかの判断もあります。
つまり、『デマゴーグ』だとか『プロパガンダ』とかの意味です。
喧伝される話の内容の精度や事実関係に間違いが無ければ問題ありませんが、そこが怪しいとなれば「謀略論」も疑われる話となる。←ここが鍵ですよね。

さて、そうなると(実にやっかいな事でもあるのですが)
フロイト心理学と、所謂現代の臨床系心理学や精神科の論議が「噛みあっていない」ところに突き当たってしまいます。
現代の臨床系心理学や精神科での論議を揶揄したり批判するつもりはありませんが(それこそ心理学の知識が無いところで模索を続けているのは事実でしょうし)、
「うーん心理学的には、そういうことでは無くって」な部分が多々出てくる。
『デマゴーグ』だとか『プロパガンダ』の意思は無くても、結果として同様の効果が出てきちゃうってワケです。

社会学的に見れば言語の流行は既に『共同幻想』なワケで、
(個別詳細に各論の文化的だったり学術的意味を簡略化した”イメージ”で、社会に対する”語彙の広範浸透”を図る。マスメディアなど言いだしっぺの社会的信用で《内容についての詳細な論議を省略し》「こういうものなんだね」のイメージだけが浸透する。)
しかも、現代社会において本来マスメディアの信用ガタ落ちですから(流石に小池知事のアウフヘーベンは流行り損ねましたねww)、
●本質的には(或はネット世論などにおいても)「そこにある意図を一部揶揄するブラックジョーク的意味も不可され」流通している側面もある。

しかしながら、
メンタル問題などがある場合(事の発端は子供時代『共同幻想』だったものが「強迫心理」化し残存するなどの問題とも言えるので)、
悩みを抱える個人は何かにつけ『共同幻想』に対して脆弱な側面を持ちますから(これ虚弱体質的意味では無く「そこ突かれると弱いんだよな〜」的意味です)、
■「ブラックジョーク的な批評性を欠き、そのまんま『共同幻想』が『デマゴーグ』や『プロパガンダ』みたいな事になり兼ねない副作用」を考えないといかんのです。


現代用語より、昭和の言語で考える方が(現代における影響力がダウンしているので)説明しやすいかなと思います。
■昭和における「マザコン」という言語にまつわる問題を考えてみましょう
語源といっては何ですが、フロイトの「エディプス・コンプレックス」に由来する事は間違い無いのですが、(ご存じのように『共同幻想』イメージ化するには難しい部分を一般的理解水準に落とし込んで要約する必要が生じる)、一般的に知られる「マザコン」などという言葉の意味が心理学的にまったく見当違いの意味になってしまいます。
 ↓
てか説明するまでも無く、
フロイト心理学はなかなか『単独者』的自我の持ち主しか理解できないという重大な傾向を持つ学問なので(理解できる=自分の自我を構成している『共同幻想』がネタバレ崩壊する)、『共同幻想』社会にその意味というか、イメージを浸透させる事からして論理矛盾もあり、
「だいたいこういうことだと理解してください」みたいな話があっちの方向に行ってしまう事も自明です。


■現代社会において臨床系や精神科が(どちらか言うと分類投薬心理学みたいな学派)「アスペルガー」であるとか「発達障害」などを(社会的必然性もあったため)言葉として流通させたことは社会的に大きな意味があるのは事実なのですが(症例を紹介する説明として)、
その狙いは「かくかくしかじかの名前の症例に一致する部分があれば、メンタル問題の存在を疑いましょう」であったり、専門性の高い判断が必要で「昭和の精神論みたいな対応は全くの間違いである」事を社会的に周知させるためのもので、
前述の「マザコン」事例同様に(そもそも論として臨床系や精神科にはフロイト心理学の知見は無いですから)、心理学的な理解の点で「あー発達障害ってこういうものなんだ」だとか「発達障害があるから(何々はこうなる)」のように自己判定する目的の言葉では”無い”ワケですよ。

もうちょっと言語や記号と『共同幻想』の関係を説明しておきますと、
●この世には数学ってありますね?
円周率の3.14を何故そうなるのか詳細を理解する事は(社会に周知する意味でも修学上も)あまり意味が無く、計算時に「円周率は3.14なんだね(難しい何故なんだは大学の頭いい人がわかっていればいいことだ)」を”知っていればいい”、社会的にはこの状態で十分に合理的です。
詳細にはれば難解な概念なりが、簡略化されイメージ化により『共同幻想』化され広く普及するって話です。


■ここで重要な事ですが、
その3.14が社会に流布される中で、「3.14と決まっているんだから」という一種のレトリックにより(権威性認知の成立により)何を説明するにも(一種の錯覚なんですが)まことしやかな意味があるように言葉として感じられる現象が派生します。
(『共同幻想』のジレンマそのまんまの話ですが)
専門性だとかその道のオーソリティーしかわからないから(難解になるので社会通念上説明されない)、価値論における希少性(鉱物で金や銀が高い価値になるのと同じ原理)から、その概念は自動的に権威性価値を有する事に”なっちゃう”ワケですから、
広く一般大衆が、詳細の理解が及ぶ筈が無いにもかかわらず(原理的にそうなってるワケで)、あたかもその詳細の理解があるかのような言いまわしや使い回しをすると、全く意味の違う話になっちゃうワケですよ。
「今日気分が落ち込んでいるのは、3.14だからだよ。」
「何故だって?馬鹿なんですか!円周率は3.14に決まっているんだよ!」
 ↑
このような用例みたいな使い方するとですね、、
専門用語などの(横文字攻撃みたいなさ)難しい言葉を織り込んで威嚇的表現するとかあるじゃないですか?
特に、特に『共同幻想』社会でこの手の「なんちゃって権威付け手法」は効果的だったりします。

小学生曰くの、
「法律に書いてあるんですか〜?何時何分何秒?」とかも同じロジックです。
小池知事の「アウフヘーベン」も同じ、
それ言われたら反論できない抗え無い(権威性にまいりました←水戸黄門の印籠状態)、
「そうと決まっているんだね」みたいななんちゃって論駁効果の事です。
 ↑
これもネタバレすれば、そもそも論として『共同幻想』権威認知成立は(仮想通貨のビットコインがPCスペック上の発生難易度から価値の裏付けを定義するように)、専門家やその道のオーソリティーしかわからない難解なものだから(権威付けが成立し)、強いなんちゃって説得力を言葉として持つのであって、
「そのこころは」→「言った側も言われた側も難しいところの意味はわかりません」
という事情により成立するものです。


■なのでー
メンタル問題系の用語などは特に(分類屋さんの臨床や精神科がまた心理学の知見が無いのに関わらず)、メンタル問題に悩む個人が「なんとかの症例に診断されているのだから」に始まる言語で何かを説明したり、自分の事を理解してしまうのは”最初から無理筋”なんです。
(そもそも論として『共同幻想』サイドは「それは3.14だからだ」みたいな概念を超える理解が最初からできない事を前提にしているんですから。)

勿論、各種の疾病や難題に突き当たった時、当事者が専門家顔負けにそれを調べ、かなり詳細まで理解する努力を行い、真意に限りなく近い水準で言葉を使う事も”驚く事では無い”のですが、
特にメンタル問題の場合「難しいところは専門家じゃないと本当にわからないのだ」と理解して(下手したら分類している専門家すら心理学的知見無いのですから)、症状としてのその特徴だけを理解していれば(社会的意味はそこまでなのですから)十分であり、
「アスペルガーだから発達障害だから」みたいな使用法で、当事者が個別各論を語るのは危険なワケです(逆効果になる可能性が高い)。
『共同幻想』言語の合理的な使い方で言うならば
「これは臨床や精神科が担当する、難しい症例で”ナントカ”みたいな名前で呼ばれている心理学的精神科担当の状況なんだね」←ここまでです。


<オマケ>
しつこいようですが(いい悪いの意味でも無く批判する意図もありませんが)
臨床系や精神科にはフロイト心理学の知見は”無く”
フロイト心理学も(『共同幻想』社会適応自我には真意を理解できない学問であることなどで)その後多数の学派に割れたり、論理的な決定打が証明されているものでは”ありません”。
(それでもフロイト心理学は、学問的原理的論争はともかく現象面において「強迫性」などの理解は一致しているため、実用上と言うとちょっとアレですが、学派問題部分がメンタル問題の理解において問題になる要素は少ない。→言うならば神学論争みたいな部分で分化していますから。)

●対処療法的部分には、臨床系や精神科には(少なくとも統計学上の)根拠のある判断がありますが、「なぜそうなるのか」という根本部分に関して臨床系や精神科は(成人病で言えば生活習慣病的対応やリハビリ過程など)心理学の理解が無い事には合理的な説明はできません。

●逆にフロイト心理学には(前述の生活習慣病的対応やリハビリ過程にあるように)、投薬のような即時対応力は”無い”ため、(投薬の善し悪しはともかく)即効性を求めるなら違うんだと、
(どうしたって解決に一定水準の期間を要する)
心理学の『一拍置く』法則じゃなですが、リハビリ過程における長期的部分もあり(数日後だけでなく1年後の理解はまた違ってくる的な)、そんなド・文系的部分もフロイト心理学の特徴です。
かといって(迷いがあるだけで従前から『単独者』的方向性が自我にあるなど)短期的理解が全く期待できないと断言できるワケでも”無く”、(文系的内容を含むが故に)個人差も大きいのだと、

ですから、
心理学に独学の余地があるだけで無く、(『単独者』論的に)実存主義哲学的なナントカでメンタル問題が解決する可能性もあるので、必ず問題解決に心理学が必要と言い切れるものでも無い。
(なぜそうなるのか論理的説明ができるのは心理学だけだが、問題解決をテーマとして見たた場合「原因の論理的説明」も一断面に過ぎないワケですから。)
 ↑
「この辺の背景を理解しておいて損は無いだろう」って事です。


なこんなですが、
もうね、こうなっちゃうと「何が言いたいのかその論旨がもうわからない」。
 ↓
発達障害(11)小学1年生1割は支援必要
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20171108-OYTET50040/

(先日国会でLGBTの数的把握みたいな質疑において、野党側から「人口の5%前後も」って話が提起されましたが、それも「どうだろ…」と思う部分あって、数字と言葉が背景事情抜きに一人歩きする方のが心配ですね。)



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