2017年09月30日

現実認知や事実認定と「認知速度」

個人が素で主張や証言する「所謂事実関係の説明」と「”事実の認定”」は別物です。
明解にこうなればこうと中身について云々あるのではなくって、そこに脳や自我がどのように関わるのか”そのプロセスが違う”のです。

時に「強迫心理」案件で、この現実認知や事実認定のプロセスがスルーされがちになります。
ここが「どれだけ体感される現実の大きな差異に至るのか」
段階をおって説明していきます。

■素で何があったのか語る部分は誰でも同じですから説明するまでもありません。
これに対して事実認定というのは「極端に言えば係争等の案件で裁判になっちゃったときに第三者も交えて認定される事実のこと」です。
勿論個人の自我に裁判所があるワケじゃないですから
 ↓
●”中の人”である『自意識』が『一拍置いて』から(頭冷やしてから)、「はてさて、一体どうなってんのかな」と一定の検証作業を経た後に語られる(『自意識』に認定された)事実関係の事です。

 この話は【極めて重要】なので、ゆっくり説明を進めますが
(今回も「用語解説」リンクに入れておきます)
●前述記載部分に「頭冷やしてから」って出てきますよね
そして『一拍置いてから(こちらは後日別途用語解説やります)』、
更に、世の中には「第一印象」って言葉もある。

人間の自我は即決即断が求められる”無意識的領域”があります
=「記憶や前例との連想による関連付けでオートマチックに再現されるストレス(刺激)認知」
この認知は「精度はアバウトでも(車の運転など)記憶や前例との関係で再現性と即応可能な認知速度の担保が優先されている状況」に応じたものです。
『自意識』出てきて、客観的な認定が行われる事項があった場合その情報処理は”後から”になります。
「えーと、さっきどこどこで何々のお店あったような、、」などなど、
 ↑
ここの説明に集約されているんですが、

●過去用例の無い(脳の記憶や前例などの分類ファイルフォルダに適合するものの”無い”)新規事項は、『自意識』が関与しなければ作成できません(素に戻って『自意識』マター立ち上げ以降の話)。
言い換えれば、「えーっとさて、どういうことなんかな」のプロセスが阻害されると、専ら初期認知の(ストレス(刺激)に起因する反射的認知)連想により記憶や前例と関連付けられるオートマチックな認知そのまんまに留まります。
それで何か困るのかって、大問題なのです。

■自分となんの因果関係も無い”歴史”論議で考えてみる
たとえばつらつらと「まず’時系列の説明」を聞いたとします。
これだけだと、その歴史の意味や自分なりの意見なんてものはにわかに答えられないものです。
時代背景やら、諸般の事情も検討し「えー何々時代におけるこの事件は」などなど、ここで初めて何があったのかが語られます。
勿論それで歴史に(判例のような)結論が出るとかの話ではありませんが、
そこから「歴史を語る段階に話が及ぶんだよ」とこういう意味です。

と こ ろ が ですよ、
■自分の利害関係に深く関係したりトラウマ論に代表されるような大きく感情的反射が伴う事項の場合
初期認知である「時系列の説明とオートで再現されるストレス(刺激)に応じた感情」
これだけで「こうなんだこういうことがあったんだ(結論部分は自身の感情説明)」と強い印象を伴って語られ、頭冷やさないと(感情的興奮が収まらないと)、
”後から”『自意識』立ち上げて「大変なことだぜって話はともあれだが、実際どういうことよ」って認定プロセスに移行できません。

●し か も ここに「強迫心理」が関わると
「強迫心理」は『自意識』を『抑圧』できるからそういう名前ついてるワケで(トラウマ論で言えば”想定外の重大事案”である”衝撃”により『自意識』による再検証なども難しい体験ですから)、
そもそも『自意識』立ち上げる事すら容易では無い状況です。
『自意識』立ち上げての認定プロセスは起動の機会を失い、「実際どういうことなのか?」という思考が経験的にも非常に少ない自我構成になります(それこそ認定プロセス立ち上げの過去用例が極端に少なくなる)。
=常に「過去用例とのリンクに起因する感情を伴った(オートマチックな)反射的認知(無意識的認知)」が固定化しがちな自我構成(脳の傾向)になります。

どうしたって現実を認知する精度が落ちてしまうんです。

●前述の歴史の話に置き換えると、
まず、つらつらと語られる「時系列説明」とした語られるエピソード毎に「なんとー!」「そんなー!酷いじゃないかー!」などの反射的興奮があれば、この刺激は初期認知において重要事項フラグとなります。
授業の終わりに「かくかくしかじかでスパルタクスの反乱について語ってみようと思います。当時の剣闘士とは何か、ローマ時代のなんとやらなど考慮しつつ考えてみましょう」となった時に、
(一段落したところで「ローマ時代と言えば云々」の思考を経た”後の”討議が予定されるのですが)
「悪いと思います、ひどいと思います」みたいな、、
意味わかりますよね?
『自意識』による事実認定のプロセスが立ち上がらない場合、歴史(事実認定)の話にならず、話を聞いて反射的に派生した感情的興奮や感想を述べるだけになってしまいます。

●「強迫心理」の関与により『自意識』立ち上げが阻害・抑圧される場合
あたかも「初期認知がそのまま事実関係決定事項となり」、
たとえば第三者が「ともあれだ(あなたの感想はわかったので)何があったのか各方面から冷静に考えてみましょう」などと投げかけすると、
「誰それの味方をするんですね、奴隷制度を肯定するレイシスト!」←みたいな…。
ええ、こちらは口ぽっかんで頭書くしか無いと言うか、ため息出るというか、、
(そもそも悪いだとか、酷いだとかの反射的認知を結論と関連付けているのは事実認定が行われていない証拠で「さて何があったでしょう」の論議と話のフェーズがまるで違ってしまう。)
「お前がスパルタクスなのかよ」みたいな事になるんです。

勿論上記の話が個人的体験云々となれば、
「誰それの味方をするんですね、奴隷制度を肯定するレイシスト!」←ここが
「誰それの味方をするんですね、全部私が悪いって言いたいですね」←となる



■確かに全ての人があらゆる事項に”事実認定プロセス”走らせるワケではなく
そこにも個人差ありますけれど(ジャーナリストやドキュメンタリー監督じゃないので)、
論理的に「強迫心理」が関係する場合(要の『自意識』が抑圧されるので)
「事実認定のプロセスを欠くことにより現実認知の精度が落ちるのは事実」です。

付け加えるなら
「いやいやいやいや、人の感情無視かよ」などの異論が予測されますが、
上記で使用されている感情は脳内オートマの連想反射によるものです(ざっくり言えば追体験的なもの)、トラウマ論のPTSD事例に置き換えるなら「フラッシュバック時の不安や恐怖」の事です。
初期認知に対し「それが俺の本心なんだよっ!!」ってのなら、、、
トラウマ論もPTSDも素の事実関係であり不安や恐怖も本人の感情なのだから「それがお前だお前のアイデンティティーだ」と言い放つのと同じでありナンセンスです。

或は
フェティシズムってありますね?連想性に強い好感が関連する事例ですが、
確かにこのフェチ的要因を自身は「好感」認定しますが、「なんとかに”弱い”んだよね」のように言語表現され(通常派生する『自意識』認定が初期認知の興奮に抵抗できず”弱まる”)、
信念だとか思想信条のような『自意識』マターでは”無いんだよ”がそこに織り込まれます。
(フェチを確信犯で自分のキャラと語る自我は『歩留り』選択をしているからなので別の意味になります。)

■ここで問題です。
(性差別となるような誤解を避けるため以下の表現は”女性的人格傾向””男性的人格傾向”の事で、性別による分類の話では無い事をお断りしておきます。)

若い人がよく言う友人への質問に以下のようなものがります(雑誌の特集にもよく出るネタ)。
「どんなタイプ(の異性)が好き?」
やれ背の高い人だ、おっぱいの大きい人だ、メガネをかけている人だ、性格のやさしい人だ、ぽっちゃりしている人だ、痩せている人だ、所得の大きい人だ、家庭的な人だなどなど、
 ↑
これ実際に生きているヒトの人物像から言えば、おおよそ正確では無いし(しかもフェチシズムのバネが効いてデフォルメされる)、それが「この人ってどんな人」を語る上でサブキャラ的な部分でしか無い事は説明以前の問題として誰でもわかっている事です。

※女性的人格の場合は、歴史的に参政権などなど「ついこないだまで差別されてきた」背景があるため、依然「結婚強迫」「出産強迫」など前近代的とも言えるメンタル問題を広範に抱えている場合が多く、現代社会においても『結婚願望』などという言語が普通に流通していることがその証拠でもあります。
故に、女性的人格の場合は「背の高い人やら、所得の大きい人」などの好きなタイプがそのまんま異性への人物像になってしまう場合があり(現実認知や事実認定プロセスが飛んで第一印象以外の人物像を対象者に見いだせない)、更に言えばここ言語学的な暗韻ですが「背の高い人」なんて統計的に男性は女性より平均身長が高いので、暗韻として「男性なら広範囲に誰でも」の韻も踏まされちゃっているワケで、この対象者の現実を認知できない話は社会学的にも洒落にならんのです。

●つまり「初期認知の反射的興奮を(それは体感情報的には感情に違いないが)大事にすべき感情です」なんて事になればですね、
正確性の無いファーストインプレッションの興奮以外はそれ以下のなんとやらになります。
じゃあなんですか?
松尾芭蕉が「古池や」とか詠んでいる横で、
「うわー池とかア‘ー!」みたいな感情?こそが「人として大事にすべきなんとか」だと、、
説明するまでもありませんね。



<話は戻りますが>
前述までの性対象に対する人物評の認知の流れを起こすとするならばですよ、
「ひゃー背の高い人」→「だけどこんなところもあるのね、ちょっとまてよどういうこと?」→「ははー背の高いとか”ともかく”、この人ってかくかくしかじかなところがあるのかも(ジャーナリズム的”推定”)」→「あの〜○○さん」→「えー推測と違う、だとするとどういうこと?」
 ↑
■「後から『自意識』認定プロセス」が深まれば深まるほど事実認定の精度は高くなっていきます。
(途中大きく間違う場合もあるけれど、そこは試行錯誤ですから、)
仮にこの時にですよ、
「強迫心理」が関与し『自意識』の立ち上げすら『抑圧』されているだとか、
トラウマ論的興奮を伴い(強い不快感などの再現ストレスによる『興奮』などにより)、『自意識』立ち上げすら不可能な場合、
「ひゃー背の高い人(即断で結論→連想脳内過去フォルダ関連事項と”同じである”)」
「誰々さんは(背が高いのだから)かくかくしかじかな人物に決まっている(終わり)」
 ↑
ここから先にいかないのです。

曰く、その派生として、
■「誰々さんには”あんな行為”がある以上(脳内リンク確定)、決定項として私は誰々さん一生NGですから」
(謙虚な人だと「”あんな行為”をする人を相手にわたしはどうしたらいいのでしょう」←などに転じるケースもある。)
この論旨に対しいかに事実ネタとして「誰々さんはそんな人じゃ無く(それだけの人では無くの意)、あの時やら、かの時やら、そもそも誰々さんは子供時代には、、、」←どんな話をしても受け付けられません。
前述で語られている現実認知の精度を高める”認定プロセス”は「強迫心理にとって都合の悪い事実」という構図になっちゃうんです。
(故にそれ系の話になると→「私が悪いって言いたいですか」などの謎展開となる)
 ↑
「強迫心理」は「本当はこうなんだよ」に関係する論旨を拒絶する概念です。


この状況を『抑圧』による自我下層域から覗いている”中の人”『自意識』がどのようにこの状況を表現するのかと言いますと、
「どうしても理解できない」
「意味がわからない」
「(言葉や文章はわかるけど)頭に入ってこない」
『自意識』が視線を逸らせてしまう
(この世にそんな説明が無かったかのように華麗にスルーされる)
 ↑
しかし、この「強迫心理にとって都合の悪い事実」の紹介は、何らかの、僅かでも、何かを『自意識』に届けますので、(リハビリ過程なら)繰り返し継続すべき刺激になります。
(※「刺激になる」の意味は=「ストレスになる」→「強迫心理に不都合な事実を(不評でも)伝え続ける」)


●上記のプロセスは『自意識』が事前に用意しておけば何も必ず他者が関わらなくてもできることです。
=自主的にトレーニングできる。
「あらゆる事項について100%『一拍置いて』から”ちょっと待てよこれどういうことだオイ”という言葉を発する決まりごとを自分に課せばいいのです」
加えて、初期認知で知覚されている感情などに対し、にわかにそれが自分なんですみたいに”思わない”ことです。



どうでしょうか、
今回の話、難解部分あるのは事実かも(ゆっくり読めば誰でもわかる話だと思っておりますが)、
関連事項として話し出せばキリが無いところもありまして、
それはそれで収集つかなくなりますから。
(かといって論理的にまとめると更に”難解風”になってしまいます)

●オマケ的にどうしても触れておかないといけない部分だけ付記しますが、
『自意識』を立ち上げない限り(やれadmin権限やroot権限のように)脳内に「新規印象フォルダは作成されません」。←昔々「歳とると頭堅くなる」なんて言葉ありましたがこれの話です。
現実なるものを詳細に観察すれば、今目にしている全てののものは個別に違いがあり新規のものなんです(時系列属性においても)。

連想による反射的認知による興奮や感情や感想ってものは「過去にあったもの」ですから、

仮の話、『自意識』を立ち上げて新規フォルダを全く作れないのだとしたら、その人は永遠に過去の住人と同じなのであり(やれどんなに逃げても過去が追いかけてくる的な)、
「強迫心理」の形成された世界が絶賛今現在も継続中であることを意味します。
(この流れでトラウマ論やPTSD関連の心理もご理解いただけるかと、)

強迫心理は(中の人みたいに)個別の存在では無く、『抑圧』などを成立せしめる論理構成みたいなものなので(プログラムで言えばモジュール的な)、
独自に言葉を発する事はありませんけれど、
仮に強迫心理が言葉を発しているのだとしたら、
「また同じだ、同じ繰り返し、私ばかり同じ事が繰り返され続ける(あの時に時間は止まった)」



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