『結果論』（基本用語のまとめでは無いのですがそれ系で）

心理学の原則論として時折取り上げている「結果論には関係が無い」ってのがあります。
（少々文法的に怪しい部分もありますがｗｗ）
その意味はかなり深いので別項で説明しておこうと、このような趣旨です。

●用語集リンクにもオマケ的に追加しておこうと思います。

話の始まりは「パスカルの賭け+人生は賭けである+賭け事の結果になんだかんだ言うものじゃない」あたりになります。

心理学というより生物学的な始まりは、人類ヒト科特有の過剰なまでの動機形成は（年中繁殖可能とすることにより繁殖期における過剰な動機形成を常態化し進化した）、
勿論その進化の意図は生存するためですが、文明化を得て先進国化に至る現代社会では全くその意味を喪失し、趣味や実益と言ってしまうとアレですが当初目的にあった方向にその動機形成を発揮する必要性は無くなりました。

経済学によれば、高度経済成長期を経て過剰な資産状況となった時点で（需要不足となり）、公的な所得分配による”金を回す”ことが求められ、所謂GDPで言う生産に従事する事が国家の生存に関わる状況では”ありません”。むしろ生産能力は需要に対し過剰であって、労働では無く消費こそが求められる時代です。

社会学的に言うと、前述までの背景事情は、勿論の事組織的安全保障・生存手段としての『共同幻想』の必要性と深く関係しているため、極論『共同幻想』の幻想性から言えば、それ以前から「本筋結果論に関係無い法則は成立している」んですが、、
ま、そこは話の筋として外堀埋めておくほうがわかりやすいだろうと。

■そして心理学です、
とりわけ実存主義哲学にも関係性のあるフロイト心理学の場合、
経済学同様に「この欲求をどうすんだよ」という循環する代謝の仕組みを注視しており、「その欲求に基づく動機形成により、その先何をしたのか」の部分には全く関心がありません。
実存主義的に言えば『シューシュポスの神話（神に命じられて意味の無い岩転がしを一生続ける男の話）』で何ら問題無いのであり、人類ヒト科が各人「どんなによかれと思ったとしても所詮それは主観であって（『共同幻想』を幻想だと論じている時点で道徳も倫理も”幻想”なのですから）、仏教哲学ではありませんが、何をやったとしても所詮煩悩の振る舞いを超えない」っつー判断です。

米国大統領になろうが、ホームレスであろうが、殺人犯だろうが、聖職者だろうが、その結末には何の意味も無い（所詮普遍性をどこにも担保できない幻想ですから）。
重要なポイントは「お前はその欲求をどーやってんだよ」って話なワケで、


●故に（ここでパスカルの賭けが出てくるんですが←最後まで存在の証明できない神を信じるか否かの場合における心情的確率論というか経済的損失の計算みたいな数学的推論）、
「今思う、この理想が実はアホアホじゃないかとかどうでもいい俺はこれに”賭ける”」ってのはアリなんです。この判断は＝この選択が最後に人類を滅ぼしたとしても（間違っちゃったってことで）、
「しゃーなしだな、さーせん」となる
（世の真理が人間ごときにわかる筈がないとお釈迦様も言ってます）

ここから逆算すると、
「最初からバカだと思っている事を断行する！」←これも”そこに至るプロセス（動機形成と実行による代謝の仕組み）”同じじゃネーかと。
「世界を救う理想」も「最初からバカだと思っていること」も（双方ともにギリギリの自己責任を担保にその選択に賭けているなら）欲求を代謝するプロセスは同じなのだと。

それこそこの”結果”ですね、
ますます「事の顛末としての結果にどれほどの意味があるというのか」となり、
自我が『抗(あらがう)』スタンスでさえあれば何をしようが自由であり（至極当たり前の話で）、その自由度（ある意味基本的人権）を担保する意味でも「結果の如何に関わらず」でなければ自我の実存を語れない。
受験の結果が合格でも不合格でも「受験勉強とかさどうなの」なそこに至るプロセス《実存部分》には変化が無い。←結果によって”そこに至るプロセス”の普遍的実存が書き換えられるようなタイムマシンも真っ青な物理法則は無い。

「結果に拘る様＝『結果論』ほど根拠希薄で意味不明なものはこの世に無い」
（その物理法則を証明してから言ってくれ）が証明されるワケです。

「お前はその欲求をどーやってんだよ」ってな動機形成とその実行に関わる選択（賭け）は永久に不滅ですと（その実存は結果に左右されない）。←お前は誰（何を思ってどうする人）の実存そのものだからです。

■「お前は誰？」と尋ねた時（既に結果論は意味が無い事は論証されているので）、
デカルト先生じゃありませんが、
「我思う故に我あり（Cogito ergo sum）」であって
「お前は誰？」の答えは「かくかくしかじかで俺はさ、こう思うんだよ。だから俺はなんとかかんとかの行動企画を行いそして実行したワケさ（その結果は？野暮な事聞くんじゃネーよ）」
「俺は、かくかくしかじかを思い、なんとかかんとかを行う者である。」
それ以上でもそれ以下でも無く、
その結果どうなったとかは（天気予報の結果より）どうでもいいことです。



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