2017年07月29日

基本用語のまとめ(5)『抗(あらがう)』

継続的読者の人はあえて説明を必要としていないのだろうけれど、
新規閲覧者の方にとっては「何のことですか」ともなり兼ねない頻繁に使用されるいくつかの用語を別カテゴリーでまとめておこうと考えたものです。
(重要項目なので予告なく編集される場合があります)

■そもそもの始まりは実存主義哲学だったりします。
「反抗的に生きる」でしたっけ(笑
元ネタとなる実存主義がどーしたこうしたって考えていたのもかれこれ30年以上前なので、記憶も定かじゃありませんが、不条理(現実)を前に実存する事は即ち反抗であり、すべからく能動的に生きる様というのは反抗する姿にあるのではなかろうか的なね、
まーそんなところからきておるのかなと(実存主義が盛んだった時代はベトナム反戦などもあり知らない間に左翼リベラルのなんとやらに化してしまうアレもあったワケだが)。
そんな訳で出典は実存主義哲学ですが、
心理学で使用している『単独者』に哲学的意味はありません。岸田心理学における『共同幻想』と思想家吉本隆明氏の「思想としての共同幻想」に直接の関係が無いのと同じです。

心理学的に反抗と言えば『反抗期』です。
この時に何が行われているのかといえば”既成概念”であるとか”鵜呑みにしてきた権威性認知”であるとか、子供特有の”現実との乖離(ヒーロー幻想やヒロイン幻想)”などなどの解体と再構成です(現実アップデート)。
この姿は「あるべき自分を模索し続ける様」そのものであり、
『単独者』の概念も実存主義からきてますが、
受ける圧力や不条理に対して(被害認知と真逆で)『抗(あらがう)』ってスタンスです。
勿論この姿は『自意識』がギラギラとなんとやらしているのであり、そこに実存があるのだと。

人間に関わらず全ての生物は、海流や自然現象や飢えや疫病や縄張り争いや水を巡る争いから空気を吸うことから寿命が迫ることなど何からなんでも「迫りくるものに対し抗(あらがう)こと」で、自由(生存や実存)を獲得し確認もする。
●極論、生きる(自然・ナチュラル・生物のデフォルトな状態)とは現実を前にして『抗(あらがう)』様である。

<語彙的には>
反抗的な様って事だけでなく、ニュアンス的には戦うだとか屈っせずだとか自ら川上へ風上へみたいな挑みかかる様子でもあるのですが、実存主義的に最も重要なのは「理由も無く」でなけばならないところです(単にそれが自然なことなんだと)。
金のためでも地位のためでも無く、風が吹いてくれば風上へ、波に押し戻されそうになればさらに沖へ、そこに山があれば山頂へ、
 ↑
そこまでやると「自然じゃネーだろ」と思う方多数でしょう。
「それは人類ヒト科だからら」なのです(以降詳細へ)。

<詳しい解説は以下>
『抗(あらがう)』を説明するにおいて、語彙のとこで疑問符をつけてますが、
ここから心理学の真骨頂且つ、実存主義とのリンクを派生させるとこになります。
どこやらでも既説と思いますが、
動物行動学のローレンツの説明を待たず、生物学の一般論から見ても人類ヒト科の生理現象には異常とも言える進化のポイントがあります。
哺乳類の中で唯一「年中繁殖期である(様々の動物が繁殖期に爆発的なモチベーションで牡同士の闘争や芸術的巣作り競争や美しい鳥がダンスで雌を誘ったりトンでも状況になるあの季節が年中無休になっている)」、人類ヒト科が異様なまでの生産性や文明化に至るその源泉、
フロイトがリビドーなんてへんてこな言葉で説明せざるを得ない人類ヒト科の性(サガ)、

■それは既に狭義の生殖行動の成功という目的を逸脱し(手段の目的の順序が逆さまになるかの如く)、牡同士の闘争はスポーツに、芸術家という生業が登場し、ダンスも芸術へ、
まさにフロイト曰くの「昇華かっ」て話にも取り違えそうな状況があるワケです。
(生物学的に地味なポイントですが、メスが繁殖期であることを告げるシグナルである赤く腫れた下半身をモチーフに、女性は年中赤い口紅のメイクをしているであるとか、人類特有の女性美の体形なども人類特有の性に沿う形で進化したのではないかという推測もある。)
人類の爆発的なこの仕事量は年中繁殖期ならではの爆発力であり、既に狭義の目的(性行為の実現)を逸脱するため、私は「広義の性欲」と表現し誤解を招きそうな(リビドーを性欲と訳している場合もあるため)フロイト先生曰くのリビドーを用語として使っていません。

■話は『抗(あらがう)』のエキセントリック過ぎだろ話に戻りますが、
人類ヒト科であるが故に(ファンダメンタルからして)少々誇大な仕事量を実現しなければ欲求不満になるんですよ、人類は。
かといってドン・キホーテのような誇大妄想を肯定しようってんじゃありません。
「誇大な行動を黙々と(無意味且つ不条理であると知りながら)ストイックにガチでやれる反抗心」
これこそが『抗(あらがう)』って事です。
(人類の性に対する反抗も織り込みつつの全方位反抗)

残念ながら人類ヒト科には「(憧れの)ネコのような怠惰な省エネな平和」は求むべくも無く、
それが死期を早めているかも知れなくても、ガンガンいかないと欲求不満でメンタルがパンクしてしまうんですよ(それこそキリスト教圏の方ならマジ原罪かよって話です)。
馬車馬の如く行かねばならぬのです。
この時実存主義の方は気が付いた、
てか自由(ある意味それが事故の実存・実像である)とは何かみたいなことを考えた、
個性の発現が無いのであれば、そらシステムの一部に過ぎない。
直属の中間管理職の姿しか見えないのでは、自分が存在しているのでは無く自分が演じるその役職が機能しているに過ぎない。
だとすると?(ここモチベーションやら人類の性含めてデカくいかないと帳尻合わない)
誰にも理解されないようなトンチンカンな事をあえてする(ぐらいの勢いで)かなりいい線までいけるようだと(笑

「天邪鬼上等、全方位反抗、無意味なことしかやらない、地位や名誉もクソくらえ」
『単独者』という概念の発見であり、
(自意識マター全開を意味する概念なので)
『単独者』に限らず、『共同幻想』適応人格な人の僅かなプラベートな時間においても、
『抗(あらがう)』時、自意識は実存する。
逆さに言えば「抗っていない時」自意識は抑圧されている(その働きは強迫的なものでしかない)。
と、証明したワケです。

●犯罪者顔負けのエキセントリックな事を模索するとか”全く違う”のでここ勘違いしないように。
「小石拾いとかさ、すごく今アレなんだぜ(全く何の役にもたたないが)」みたいな(笑
「知ってる?毎日ヤクルト飲んでいるとさアル中にならないんだぜ(絶対嘘なんだけど)」だとか、
「現代欧米の若者の間だと、そこはかとなく『抗(あらがう)』みたいな心情が”ゴス”とか言うらしいけど、ひねくれ方がパンクの時代からちーとも進歩してねーよな、大槻ケンジ君が”ダメ人間”の歌出したのいつだっけ(だからどうしたって何の役にも立たないうんちくなんだが)」

『抗(あらがう)』や『単独者』はなかなかわかり難い概念なので、
音楽など引用しつつ雰囲気をお伝えしてみましょう。


(是非大音量で再生ください)

ダメ人間の(アホみたいな)悪あがき」これこそスゲーカッコいい『単独者』の生き様であり、
『自意識』の自由(存在)を証明し
『抗(あらがう)』様そのものなのであります。


以下のカッコよすぎは、前述の現代西洋”ゴス”に見られるような(あまりに彼らの抗(あらがう)べき権威の姿が完成度高いとかで)カッコよくしてないといられないむずがゆさがあるのかなとも思う。
JAZZ界におけるマイルスの異様なカッコよさの追及にも似たような背景があるのかしら。

(ダメ人間になっちゃってどんな気分?ってな歌ですな)


この人はどうしていいのかわからない真っ只中の苦闘を混乱と混沌の中表現していらっしゃいます
「抗い方がわからないないぜ」

(最近の若い人にはわからないかも知れないけれどww、ちなみにThe Doorsの中で何故かこの曲が一番好きですね、3分10秒あたりからが強烈です”無駄にカッコいい”)


■対する『共同幻想』もこれぐらい夢(インセンティブ幻想)が無くちゃ(そんな時代もあったのですよ)
バートバカラック先生作曲のAlfie、歌うはDionne Warwick


先生自ら(『単独者』が聴いても泣けてきます)


白いJAZZの中でもどうしてもこの人は認めざるをえないBill EvansのAlfie
Doorsのジムモリソンもそりゃ悩むよね、



『共同幻想』終わりの始まり「それを捨て去るも(反抗ならず)未だ左翼だ」な方が、
その時代を(あの幻想はこうだったのよと)懐かしむみたいな偉大な名曲、
(左派も保守派も聴けるというところが凄い)
ヒラリー女史に捧げたいものですな(百も承知なところからの権力志向だったのでしょうが)



ロシアではこんなことになっており(Shostakovich)

(共産党の「革命記念日に発表しろと」いう圧力の中で作られた曲ですが、一部には体制へのそこはかとなく反抗する様が表現されているという話も、考え方によっては「タイトル『共同幻想』と『単独者』の相克」だったのかも)


●そして反逆の『単独者』カッコ良すぎ(西洋ならではの)
流石Bill Conti
映画『グロリア』のテーマです

こんな風にカッコよくなくちゃいけないのはあちらの事情もあっての事なので、そこは割り引いて。


『踊るダメ人間』を知らなかったジムモリソンの苦闘(『単独者』へのブレークスルーの道の途中で)
なかなかよさそうな歌詞訳もつけておきましょう。
『共同幻想』の姿を前に抗い続ける事を(ここも心理学的ななんとやらなんですが、『共同幻想』のネタバレ抜きに)そのまま”強迫性そのもの”と対峙してしまうように理解すると、実にめんどくさい事になる様がよく伝わってきます。
歌詞訳 https://blogs.yahoo.co.jp/zeppelin_2/62725504.html



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