2017年04月10日

「承認欲求」を掘り下げてみる

『依存問題』の説明に鉄板で出てくる話と言えば「承認欲求」です。
今回は、ここを掘り下げて考えてみる。

「承認欲求」は凄く簡単な構造に乗っかるもので、
どっかの誰かが(世間がも含む)権威上位者として当事者を”認める”という図式無しに成立しない。
主体的欲求では”無く”図式それ自体が依存的乃至従属的欲求となります。
(当事者スタンスも強制的に『被(こうむる)』形になってちゃっている。)

もっともわかりやすい台詞で言えば
「弟子にしてください」
「○○団の一員として認めてください」
「立派ななんとか役として上司や仲間に認められた」
「偉い先生に褒め”られたい”」
などなど、
いずれにしても自分が主体的にどうしたのかと全く関係無く、権威や(世論的意味の権威性)外部に自分が『被(こうむる)』側として、従属的に受け入れられたか否かって話です。

その反対は、孤高の芸術家などなど、
(ありがちなパターンは死後巨匠として評価されるとか、最後まで誰にもその価値を理解することができなかった謎のなんちゃら作家で一部マニアの間だけでカルト的人気だとか、、)
孤高の芸術家なんてものは”歩くエゴイズム”というか自主性の塊みたいなもんですから。
(周囲の意見を一切無視できるから独自路線なワケで=やれ誰かに認められるだとかそういうどうでもいい話には関心すらない。)

■つまるところ
「承認欲求とは”一歩間違えば”奴隷根性に過ぎない」代物です。
自分で自分の評価ができていれば、他者とか関係無いのですから。
一行前の”一歩間違えば”ってのは、認定者となる上位権威を当事者自体が「こいつスゲー」とか心底思っているか否かです(ここ所謂『共同幻想』確信犯的選択ってのと同義)。
 ↑
自分で自分の評価がでていればって部分について「所詮自己満足に過ぎないのでは」との見解もあると思いますが、そこは当該人物が「タイトルなどの”妙な快感獲得に関連する自己顕示欲”が目的化していないか」などでその是非が確認できるので、自己満足か否かの判定は難しくない。

勿論『共同幻想』社会適応社会の原理はこの「承認欲求」が機能したもので、
『共同幻想』社会において重要な欲求ですが、
そもそも論として、これが合理的に機能するためには「当該人物が『共同幻想』社会へ(確信犯的選択としてその権威正統性を自ら認め)入隊意思があること」、「入隊そのものが組織に承認済みであること(入隊意思が歓迎されている)」が条件となる。

更に付け加えると、
近代以降昭和初期まで文明発展論的に当時は(生存競争的・安全保障的に)『共同幻想』が社会学的意味で半ば無条件に合理的である時代もありましたから、その場合は当事者の確信犯的選択性は大きな論議とならなかったが、先進国化以降その意味合いは大きく変わり(ブラック企業などの判定)、『共同幻想』なら無条件に権威合理性があるって判定はあり得無くなっている。

話は戻って、
■極端な事例でたとえると、
一見ド・対立しているかのように見える「国家間の戦争」においても、
国際社会のプレーヤーとして正式に”国家”と認められていない限り、戦争行為として承認されず、戦闘行為の内容が仮に同じでも非正規戦闘員による軍事行動は「卑劣なテロリスト」になっちゃうワケです。
つまり「入隊意思(国連加盟)が歓迎」なる意味には「上等じゃネーか堂々と(国際法上の国家間戦争行為として)殺し合いしようじゃないか、俺も手加減しないぜ」な意味も含まれるワケです。

間違っても「権威側があたかも”保護者”のように、ニュカーカマーを優しく丁重に取扱います」なんて話じゃありません(それは相手がよそ者で”客人”の場合)。
むしろその反対で「認めたからには手加減しないぜ」ってのが歓迎されるって話の中身です。
(狼の群れじゃありませんが、仲間になる=苛烈な闘争によりヒエラルキー社会内の順位を決める洗礼を受けなければならないし、組織に加盟意思があるってのは自ら進んで闘争の場に臨むって事です。)

近代以降の”公共”であるとか”市民社会”なる『共同幻想』の建て前概念ですら、
「自由競争」であり「市場原理」であり、
友人なんて概念の始まりは「戦友」ですよ。
当該人物同士の競争や闘争もありますが、上部構造や同列組織間の闘争は更に優先されますから「同期の桜」が自動派生し、友人関係が成立する(下世話な言葉で言えば”同じ奴隷仲間”)。
仮に上部構造や同列組織間の階級闘争が”無い”場合、
友人関係は途端に眼前の競争相手となり「喧嘩仲間やライバルとして」再構築される。
(野球部にたとえるなら、「甲子園や地区予選」が上位の組織的階級闘争であり、眼前の競争とは「野球部内のレギュラー争い」のこと。)

家族社会が内部的に闘争関係になり難いのは、家族は世帯単位で隣の家族と闘争関係(競争関係)にあるためと同時に(戦友構造)、事実上年功序列で家族内のヒエラルキーは(闘争・競争の余地無く)普遍的であるためです。
主たる所得獲得者という意味でも権威順は親世代に偏重しますから、論議を待たずに親世代の権威も(権威としては小規模ながら)闘争無しに成立する。←故に子供手当やベーシックインカムなどが導入されると、ここの無条件認定の小規模最低限度の親世代権威設定も崩壊するため、メンタル問題リスクが自動的に低減するだろうと考えられるワケです。

<話は戻って>
たとえばの話、(それこそ『共同幻想』なワケだが)当該家族としての戦術上の目標(仮想敵設定を含む)が”共有”されていない場合、戦友構造は成立しないので途端に家族同間において家督権威をめぐる闘争が始まる場合があります→「戦国時代」の下剋上。
 ↓
争う家督(家族法人としての権益)すらない場合、
(前述の所得獲得における小規模最低限度の権威性は別として)
『共同幻想』論的に争う家督が無い事は=「既に当該家族社会はクラス(階級社会)として非成立」なのであり、血縁同士の同居程度の意味合いは残るとしても所謂『共同幻想』系家族としての実存は”最初から無いに等しい”ワケで、
(乱暴な言い方すれば「法的な親権が発生しているだけで、最初から家族ですら無い」)
 ↓
■この状況がどういうことかと言えば、
「何の同好会なのかもわからない、定義すら無い帰宅部みたいなサークルで、どこにも権威上位者もいないのに(そもそも何の種目なのかも未定義)、立派な構成員として認められたいのです」みたいに、依存的欲求のみが成立しちゃった場合、何をどうしたところで100%その欲求は満足しません。
てか、最初から禅問答並に無理な欲求になってますよね(いったい何をどうすりゃいいのさって)。
 ↓
本質的には「ここは帰宅部みたいな緩い同好会なので、特に決まりも共通する目標も、偏差値基準もありません。みなさん自由に好きにしてくださいね(誰かを認めるだとか認めないだとかの話は一切出てきませんから)」として運営されるのが正解なんです。

■ところが、
そこに強迫的な人物が関与して(=合理性のある戦術的目標の説明なども無しに)
「すっごくこうしなくちゃダメだ、(何の話か知らないが)認められない無い!」のような意味不明な行動を取るとします。
快感欲求的に親世代に幼児は依存せざるを得ません(稀に犬猫並に幼児期から原始行動のように主体性を発現する事例もあるようですが)。ともあれこの依存スタイルで幼児期を過ごします。
後に反抗期を迎え、「何をワケのわからないことを」と”なんちゃって権威性”を否定してしまえばどってこと無いのですが、

やっかいなのは、
強迫的人物の振る舞いがそもそも禅問答的に難解で(実は論理性がなかっただけってオチなんだけど)、小学生低学年などの理解も及ばず、有効な反抗アイデアを持てなかった場合。
カルト新興宗教の神秘主義じゃないけれど、「ただひたすら(なにをすればいいのかわからないまま)認められるまで従属的立場で依存し続ける」みたいな構造が成立してしまう。
 ↑
心理学で取り扱っている「承認欲求」ってのは、そういう話です。

(重要なポイントとしてこの幼児心理が反抗期によりプルーフされず、退行含めて強迫心理ととして大人年次まで残った場合、そもそも幼児心理の従属性は「従わないと死に関わる」とこから発現しているワケですから、「この強迫心理が叶わないなら死ぬしかない」みたいな謎設定の不安が台頭したりするとこです。)

<少し解説付け加えると>
■少なくとも幼児や子供は(生存する上でまだ自活できないため)、その禅問答な無理筋欲求を無理やり”幼児なりの忖度”をして(あーじゃないかこーじゃないかと)、何の同好会なのかわからないまま「(いったい何を認められればゴールなのか未定義のまま)やたらと認められようとする」という、出口の無い承認欲求を派生させてしまいます。
そんな欲求誰にも叶えられませんよね?「何にどうして」が抜けているんですから。
「漠然と認められたい(不安から逃れるため)」←もう国語的にあり得ない物語になっているワケです。

「銭湯同好会なら銭湯にまつまるスキルと特定もできるでしょう」
「数学同好会ならどんな勉強すればいいか迷うこともないでしょう」
しかし、
●「何をどうしてとかありませんけど、(漠然と)”とにかく”認められる人間になりたい。そうしたら(その成果が”なんとかほにゃららな理由”により)私は安心できるんです。」
 ↑
会話として成立するのかすら怪しい話になります。
答えに詰まりますよね。
そのまま受け取れば
「全方位に対してIDカードが欲しいって事ですか?(部活は”全部”ですみたいな)」
てか、そういうスタンスだと「どの特定部においても信用すら得られない」ですよね(二重国籍のなんとやらじゃないけれど)。

根本的な論理矛盾に陥ってしまうのです。



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