あるいは草食動物の子供が出産直後に草原で立ちあがった時、
「ここが現実ですか」を知るわけですが、本能がバリバリ現役の動物の場合そのファーストインプレッションはナチュボーンであり、種として”高いレベルで共有”されます。
言い換えるなら本能と自然の関係性における種としての”普遍的共有認識”(概念では無く『共同幻想』では無い)。
勿論全く同じ現実認知を獲得するワケじゃありませんが、個体差というより自然環境の気まぐれのが大きく(偶然水の無い気候変動期に生まれる場合もあるでしょうから)、そんな差異すら現実そのものにより支配される(社会の概念は無くその自然環境としての現実があたかも神に匹敵する絶対の権威として実存しているかのように)。
直立歩行が原因とも類推されている人類ヒト科の場合、
生存のために本能を壊して(或は摩改造して)繁殖期における特異なモチベーションを常時発動する格好の”哺乳類としての特性からの乖離”によって自然環境との親和性と申しましょうか、運命共同体的関係性が切れちゃっている生き物は、
母体内にいる時から奇妙な音楽聞かされたり、
「私がママよ」などという荒唐無稽な言語という『共同幻想』に速攻さらされたり、
「そこは戦場だった」まで、始めて視界に入る景色も千差万別と、
人類ヒト科は『現実の原風景』というようなイメージにべらぼうに個体差があります。
そりゃね、どこかで現実を認知する場合”ものさし”ってものがなけりゃ事の軽重を判断できません。
この初期的認知は(「驚く」というつかさつかさで何度も更新されますが)「原始トラウマ論」とでも捉えられる代物で、
なんだかんだとその後の現実認知を左右します。
特に、何事もデフォルメにより誇大視してしまう”幼児期”ともなれば、人類ヒト科大半の「原始トラウマ」はトンでも級に現実から乖離しているでしょう。
この辺を(大きな驚きが派生するポイントとして)各種反抗期に大規模アップデートするのはするのですが、
「潮の香が懐かしいぜ」なーんて日活アクションみたいな台詞部分は(成長期における認知修正項目外でもあるため)そのまま温存されもする。
■メンタル問題ともなり得るこの初期現実認知「原始トラウマ」ですが、
「すっごくあーじゃないか」のようにですね、どこかに感情的興奮を伴うエピソード記憶となっていると、リスクとなる可能性が大きい。
”エピソード記憶”がいかんのじゃないのですよ、
詩的情緒的な感動であれば興奮を伴っていてもメンタルリスクにはならない(デフォルメ係数かかってても対物評価ぐらいのものだから→どこにでもある木や石が誇大視され芸術的存在となっても自我構造の日常にほとんど関係が無い)。
人間関係などにおける(快体験でも不快体験でも)興奮伴うエピソード(或は幼児特有の勘違いによるデフォルメ)、こういったものが「三つ子の魂伝説」なんかのネタ元なんだろうと。
何事もケースバイケースなので(中の人が違えば結果も違う→双子が同じ人格とか無いし)、それが全てって意味でもありません。
「そこにも合理的根拠がある」って類の話です。
■さて経験値なんてものはですね、
「実体験である必要も無いのです」→「映画ナントカで僕の人生は変わった」とかありますから。
つまり『自意識』に自由度が高ければナンボでも”驚き”を伴う経験は実体験で無くても(映画や音楽などの芸術でも)獲得可能なんです。
↑
重要なのはココ
結局のところ、メンタル問題が面倒なのは『自意識』の『抑圧』に成功しちゃっているからで(文化や芸術などに触れて心底驚くような自由や余裕が『自意識』に無い)、
やれ生まれがどうだ、最初に体験したなんとか話があーだったからもう逃れ得ない運命だなんて事は”無い”のです(そういう個別具体論には一切何の意味も無い)。
それこそ「芸術体験みたいなものは想像だけでも可能」なのであり、
どれだけ『自意識』の自由度が重要かって話です。
「快感原則の問題は、快感原則で対抗し得る(芸術体験も快感であり興奮ですから)」
毒を持って毒を制すじゃないけども、
人間の現実認知ってものは、その時その時常に「こうだろうか、あーだろうか」と探求は続き(バッティングは奥が深いみたいに)、その都度アップデートされて幾分かのニュートラルな歩留りが成立するのであって、
↓
●抑圧状態や思考停止状況にある場合(修正アップデートプロセスも止まるのだから)、殊更に妄言などの状況が発生していなくても、
「その段階で現実認知は何らかの偏向をどこかに派生させている。」
(特にここは鬱症例における”抜け出せない悪循環状況”として確認できる。)
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