米国的には自衛隊の戦力向上を期待するのだろうけれど、
ここは言われるまでも無く(米国はリバランス政策で軍を再編成しますから)日本もやらなきゃいけないことなので、異論が挟まる要素最初からありませんでしたから渡りに船ってぐらいの話です。
■メディアなどがトランプ時代の米国をよく分断問題みたいな捉えで報道してますが、
(間違いとは言わないが)的外れであり、世界で進行しているのは国内の分断問題なんて話では無く「アメリカ(軍事プレゼンス)による平和の喪失」なんてレベルを超える、
●「近代以降なんだかんだと文明国家に存在してきたフランス革命以来の『共同幻想』の崩壊」に他ならないワケです。
たとえば、民主主義であったり政教分離であるとか自由主義であったり人権の尊重などなど、ほとんどの近代国家が憲法に書いているであろうお題目(そこにも勿論社会的無意識とも言うべき非公式な文化伝統の裏書がある)への信用崩壊です。
更に言えば、欧州に代表されるように巨大な権力を保持するEU官僚組織の存在と過剰な移民難民対応により国家という概念が文化的アイデンティティーから崩壊しかけている(なんだかんだ裏設定になっていたキリスト教文化圏のような国柄が後20年30年ほどで自然崩壊することが確定しています→移民の出生率が圧倒的に高く早晩有権者の半数に迫る勢いである)。
■時代は『共同幻想』崩壊過程ですが、
おおよそ普遍的と言える(実用上幻想では無い)「共通認識としての国籍や言語」という”地域アイデンティティー”において、何ら民主的手続きを経ず(グローバリズムとポリティカルコレクトのノリで)「地域アイデンティティーを否定するコスモポリタン混血政策」のような流れが(標榜される国際人的概念の提示や選挙による選択も無しに)暴走するのだとしたら、それはメディアや政治習俗による全体主義になるだけでなく「人権主義どころか文化的民族浄化に他ならない」のですから。
●しかも行きつく先はコスモポリタンどころか「その実態はカオス」でしかない。
↑
「これは大変な事になった」と、
「どうすればいいのか(崩壊後の世界を語る概念も無いワケで→そもそもカオス化《混沌化》なのだから構造的に”その後の概念など絶対みつからない”)もわからないのだが、何か変えなければ間に合わない、大変なことになる」認識の結果が、英国のEU離脱でありトランプ大統領の登場です。
↓
「とにかく思いつくところからなんでも変えてみよう(優先度は「アンチグローバリズム」としておけばそれなりにあたってんじゃないか)」
「オバマがやった事を片っ端から否定していけばいいのかな」みたいな現状です
(米国がTPPを否定した事影響はとても大きい)
結果、方向としては(相対論から)保守系となる。
それは自然変化による文明化リベラリズムと反対になってしまうので、迷惑至極の問題なのですが、現状の崩壊を放置するよりはるかにマシな選択でしょう。
■話を社会学的な意味の『共同幻想』崩壊原則論で考えれば、
発端となったグローバリズムなんてのこそ想定外であり、難民や移民インセンティブ無しによる自然な文明化国際化では”ありません”。
単なる資本主義の行き過ぎが発端です(メディアの人権主義などは後から相乗り的にくっついてきた話)。
経済学的にも(人件費の安い国に生産拠点を移すなどという愚作は)所詮焼畑農業程度のナンセンスであり、事の始まりは文明化による必然でもなんでも”無く”てですね、
ドル余りを背景にした米国金融セクターの珍発明と(信用し過ぎ取引拡大)、どこに投資しようかって→「じゃあワールドワイドで」みたいなところからなし崩し的に進行してしまったもので、
「そもそも真面目に金貸しやるならちゃんと担保ぐらい取れよ」ってww、
すっごくグダグダなところから始まったのが現代のグローバリズムです。
●左翼の人すっごく乱暴に見落としてますけどね、
最初に崩壊に追い込まれたのが「中東アラブ圏の『共同幻想』崩壊」だったんだっちゅうの。
(本質的解決は「中東の平和」であり、宗派対立もモスリム世俗主義論争も自然な文明化ベクトルの中で”中東”において固有に進行すべきもので、国を捨てて始まるものでは無い。世俗主義国家としてエジプトもトルコもいる上に、オイル安で産出国のプレゼンスは下がりつつあるのだから。)
話をグローバリズムに戻しますけれど、
結果として中国の経済成長に代表されるように「第三世界においてバブル経済が猛烈に拡大すると同時に、その成長が外国資本の投資に依存する」という、「タニマチと芸能人」みたいな経済が多国間に拡大しただけであり、
第三世界にとっても自然な成長率相応に自力を獲得したものでは無いので(ちょっと何かあって外資が逃げれば速攻政治も大混乱)、文化や民度の点がまったく追いついてない。
●壮大な世界規模のサブプライムローンに過ぎなかったのがグローバリズムの顛末です
かといって、大成長時代には(ここでも代表は中国ですが)分不相応な軍拡もできちゃうので「哲学無き勢力拡大だけが目的化した覇権主義」みたいなものすら台頭しました。
■「クローバリズムとは=勢力拡大だけを目的化した覇権主義のこと」なんですよと
(ある意味左翼の殿堂マルクス先生が最もいかんぜよと指摘した状況、中国鉄鋼の過剰在庫にマルクス先生も「俺が警告したじゃネーか」と泣いてますぜ)
日本がなんとなく世界の動向に関係無く行けた理由もわかりやすいもので、
「日米貿易摩擦以降なんとわなしに内需拡大経済政策が進捗した」
「大胆にリスクを取る投資銀行みたいな事が文化習俗的に苦手だった」
「極東の島国なので地域紛争の影響を直接受けない」
「なんだかんだと団塊世代が左翼政治思想に”ナイから”フラグを持っていた」
「世界から一周遅れで起きた民主党政権交代ズッコケで、オバマ的なものは随分昔からダメが出ていた」
という、”ほとんど偶然”によるもので(笑
流れの中で、本来なら石破政権だったものがひょうたんから駒で安倍政権誕生となった。
(民主党政権のズッコケが偶然アンチグローバリズム的視点を持つ政権を呼び込んだ→自民党も元々はTPP反対だったのですが、これも民主党政権がTPPを進めた時野党だったからで偶然とも言える→結果トランプ氏がTPPをご破算にしてもあんま困らない。)
●私は安倍政権支持者じゃないので、文句も多数あります。
原発政策であるとか、結局どっちなのTPPであったり、何故に経済政策として直接分配に踏み込めないのかなどなど、
それを割り引いても、現状の安倍政権は支持します。
「存在がタイムリー」だからです。
(安倍政権登場の偶然がそうであったように、野党民進党は原発廃炉やベーシックインカムを公約にしつつあり、この点からも好循環ともなっている。)
安倍政権の存在は、トランプ氏による挑戦のさきがけにもなっているので、両者は気が合うのでしょう(一部識者の判断ではトランプ氏は国際会議でその都度安倍氏の意見を求めるのではないかって話もあります)。
■日米同盟がガッチリしており、
同時に安倍政権がハブとなってロシアとの関係をこの両者が模索している。
これは「崩壊し過ぎもちょっと待て」に対して大きな安装置になります。
日米もロシアも「文明化による『共同幻想』自然崩壊リベラリズム」を否定してません。
安倍政権は時に左翼政権真っ青な経済政策を次々実施しているし、
トランプ氏もオバマケアはNGだが「もっと廉価な国民皆保険を模索」しているし、
ロシアプーチン氏も「最優先課題は(投資も否定はしないが)”自力経済開発”」です(故に日露交渉も技術的支援が大きなテーマになっている)、
日・米・露・英は何ら覇権主義を標榜して”おらず”、安全保障重視ですが軍国主義ではありません。
自国ファーストってそういう意味で、
(ロシアにとって安全保障上最も頼りになるのは軍事侵攻では無く”米国との関係改善”です)
何がおかしいのか認識はさておき(『共同幻想』崩壊論も社会学的定説化はされてないので)、
↓
「現状の瓦解は各国の基本的人権や自由に対する大問題に繋がる」という『共同幻想』を確認した
つーワケです。詳しい現状分析は政策打ちながら分析しようと、
結果として(各国もろもろの思惑から)安倍首相とトランプ大統領の関係は存在感をより高めることになるでしょうよ。
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