2016年12月29日

所謂ナントカ妄想というのは実態として妄想では無い(が、結果として妄想となる)

過去に公開掲示板過去ログで『性の嫌悪』系の相談事例の中で、男性全てに強い敵愾心が発生し(文中では殺意とまで表現され)何回かのやりとりでその認知の流れの矛盾を理解してもらったことありましたが、この件は所謂認知症における関係障害にも関わる話なので個別に論じておきたい。

■本筋、これに類する認知の偏向は「メンタル問題と全く関係無く誰にでも起きる」のです。
典型例が「(発表会やスポーツ大会などにおける)プレッシャー心理」であり、
ゴルフなどにおけるイップスも同じ。
それを不安心理と片づけてしまうのは簡単だが、認知のプロセスを追うと「その恐怖が脳内では(嘘では無く)事実である」ことがわかる(厳密に言えば不安とは言えない側面もあるワケで)。

どういう流れかと言えば、
プレッシャー心理とは「失敗した場合の観客や周囲の反応をシミュレートして、あたかもそれが本当に起きたかのように(教訓として重視すべき過去事例であるかのように)認知されている」。
人間は映画や小説をリアルであるかのように感情移入できるように、外世界にある現実をそのまんま認知することは不可能であり、その他の動物と同様になんやかんや五感などで取得された情報を脳内でイメージ化して認識している(凄く微小だけれど現実時間との間で僅かのタイムラグも存在する)。
言うならば現実認知の仕組みは取得された情報から脳内スクリーンで上映される形で認知されているワケで、
(絵の上手い下手があるように)元ネタを視覚情報で確認しているとは言え、脳内で認知されている情報イメージはそのままの現実では”無い”(直感像記憶は特殊症例ジャンルですから)。

二次創作とまで言わないが、監督なりプロデューサーなり『共同幻想』なり余談なり様々なフィルターがかかった映像でそれを理解している。
「ジャーナリズム的にだとか客観的に、中立的に」などの文言があるのは、意識的にフィルターを解除するように(自意識マターで)もっていかないとなんやかんやと偏向しているのが常態であり(好き嫌いや危険フラグや様々の付箋用紙もくっついている)、
「どの花が綺麗に見えるのか?」が千差万別であることからも推察がつく。
(その人が綺麗と感じる花は映像イメージの中で何らかの強調が行われていると考えるのが自然だから→故に絵画は芸術となるのであって、、)

話は戻るけども、
「失敗した場合の観客や周囲の反応をシミュレートして、あたかもそれが本当に起きたかのように(教訓として重視すべき過去事例であるかのように)認知されている」プレッシャー心理ってのは、一度脳内でやらかしてしまうと(ゴルフのイップスじゃないけれど)、事実認定ジャンルとほとんど違いが無い。違いがないから「二度あることは三度ある」心理から本気で強いプレッシャーの形で認識され、その恐怖は嘘でもなければ妄想でも無い(脳内スクリーンに上映されている形式は現実とほぼ同じなのだから)。

でー
プレッシャーと言えばそのまんま「強迫性」に関連付けられるのだし、
認知症の場合など失敗シミュレーションをやたら自分自身で反復してしまい(重要なのは失敗することそのものを気にしないことが肝要なのだけれど)、輪をかけて極度のプレッシャー下におかれているかのように(=あたかも「強迫心理」下の自我のように)、興奮状態になりやすくなったり次から次と些細なことまで重大事案であるかのような悪循環を生む。
スポーツなどのプレッシャー論で言えば「アレ失敗したらどうしよう、これも失敗したら」といくらでも拡大可能であり、一度陥ると際限が無い。

■心理学における「強迫心理論」なるところから考える場合、
強迫心理の手前、一般用語の語彙範囲の単純な”コンプレックス”さえあれば「結果論としての妄想」はなんぼでも発生してしまう。
その妄想とはスポーツなどにおけるプレッシャー心理のネタ元となる「失敗が連続する想像を現実と誤認する」形の結果論としての妄想だ。
スポーツ心理のところで説明したとおりで、そのイメージは嘘では無く脳内では現実とほとんど違いが無いのだから、当人にとってそれは「決して妄想などでは無い」のだが、理論的・結果論的に説明すればそれは妄想に他なら無い(まだ現実には起きていないのだから)。

■さて、この心理状態がまた二次派生をしてしまう。
典型事例がヤクザやDQNの「お前今俺見て笑ったやろ」に代表される因縁を付ける行為である。
(勿論彼らが暴力的威嚇性能のあるファッションしたりするのも”コンプレックス”が原因なのだが)
彼らが相手となれば、視線が偶然合ってしまっただけでも「お前誰にメンチ切っとんじゃワレ」に発展するのだから。
彼らの脳内では「俺を馬鹿にした」イメージはほとんど現実と差異が無く、嘘では無い。
 ↑
極論この状況に至ると、現実はどうだったのかなど確認取る事もできない。
(何せ当事者の片方の認知が”現実離れ”しちゃっているのだから。←しかもそれが嘘では無いから確認しようが無いのである。)

そもそもが、本当は笑ったのか馬鹿にしたのか?の確証を得ようとする行為からして無駄であり、
そんな必要は「あ り ま せ ん」。
何故って、
それはスポーツなどのプレッシャー心理における脳内上映された競技の失敗シミュレーションの可能性を論じるようなもので(可能性あるから想像しちゃうんだから)、意味が無いし、答えも出ない。

■生物にとってデフォルトの認知状態は『抗(あらがう)』です。
答えは全てここにある。
将来の可能性や、直面する可能性も「賭け論」で語るべきものですから(リスクを踏まえて勝と思う方に賭ける)、『被(こうむる)』(被害者認知=負けを確信する)になってちゃっている段階で認知状況としてもうダメが出てますから。
やれあれがどうだったなどの「個別各論を検証する意味などどこにも無い」のです。


わかりやすい事例なので、
●「ヤクザの因縁」をお題に考えてみましょう。
コンプレックスなど全く無いと上演設定「彼らの建て前こそ本物」と仮定してみる。
最強の男で誰もがビビってる俺に正面から視線を向ける度胸のある奴はこの街にはひとりもいない。
<終わり>
そうです、終わりなんですよ。
このヤクザは周囲で笑顔を見せる人物や自分越しに交差点に目をやる人、うっかり自分にぶつかりそうになる人がいても、周囲は最強の俺にビビっているという認知が揺らぎませんから何とも思わないのです。

仮に、
仮にですが、
とち狂ったチンピラが本気でそのまんま正面から目を据えて「メンチ切っとんのかワレ!」とヤクザに向けて発言したとします。
通路を塞ぐほどじゃなければヤクザはそれも無視し、
「オイオイ無視してんじゃないぞ、お前だお前」と肩を掴まれた瞬間(無視しているチンピラの言葉は頭にも入っておらず)、
「何か用があるのか知らないが随分気安く触ってくるもんだなオイ、何か俺に用か?(笑顔で)」
そりゃいつかはこのヤクザもブチ切れするのでしょうが、
いくらチンピラが「テメーに言ってるんだコラ」と言っても、
本気で驚いて「冗談だろ?○○組の○○相手にこの街でそんな発想が脳に浮かぶ人間はいないから、兄ちゃん歳いくつだ?冗談は顔だけにしておきな」となり、
「あれ?本気、本当に本気の話かよ、、エーーーー!!!マジ、考えられない」の後に、強烈な右フックなどなど展開するのであり、
 ↑
プレッシャー心理や、強迫系『被(こうむる)』認知状況との差異がどれだけのものになるか、考えるまでもなく誰でもわかる筈です。

(※似た事例は「容姿にコンプレックスのある人物の恋愛不安VS見当違いなぐらいに俺はモテると勘違いしている若者」などのケースでも大きな差異となる。)

■時にスポーツ心理学的に、プレッシャー心理発生を避けるため「あえてビックマウスとなる」ってのがありますが、着想は”当たり”です。
上記対応に名前を付けるなら「大きく『抗(あらがう)』スタンス時の人物像の模倣(このシミュレーションを脳内で行えば認知構造はそれを現実同様である風に考える)」でしょう、
但しこの方法は、当該人物に役者の心得というか(そこ脳内シミュレーション上手じゃなけりゃ演出負けで現実っぽいねと認識されないことにもなる)、できる人とできない人がいるんじゃネと思います。
心理学的には(面白くもなんともないかもしれませんが)、
「現実として語られる状況」の中から、認知状況から類推される”現実インフレ”を割り引いて、同時に認知状況が変化した場合無効となる事象は「なかった事も同然」と仕訳して(それはなんとか妄想であるなどいちいち説明する必要も無い)、
『被(こうむる)』認知に陥っていないのかをしっかり検証する。
そこに尽きます、
(被害認知の怖いところは、煽られた不安や不快への興奮が脳に快感分類と判定され、追体験を求めて更にエスカレートする悪循環・あるいは不快な快感依存状況みたいな事になる可能性があることです。「鬱で言えば、鬱が更なる鬱を招く」みたいな悪循環。)

この辺の認知の仕組みは広範な状況に発生するので、重要なテーマのひとつです。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コメント欄に問題となった同趣旨の投稿が続いたため、暫くの期間ブログのコメント欄トラックバックを閉鎖します。閲覧されている方には不自由となる部分もあるかと思いますがご了承ください。(再開までの期間は未定です)
詳しい経緯は下記リンク及びサイドバーコメントリンク表示の説明参照
コメント欄の削除があった件(関係障害について)
http://kagewari.seesaa.net/article/402054291.html


■私のミスで時折記事のコメント欄などが承認制になっていたりしますが(或いは昔の記事など)、現在のブログ運営方針が「コメント欄トラックバックの閉鎖」なので、仮に投稿があっても内容に関わらずもれなく削除となりますので宜しくお願いします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
posted by kagewari at 07:16 | 心理学テキスト「Why not」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【web投げ銭(記事リクエスト)】
amazonギフトカードによる『web投げ銭』の受付
amazonトップページより→ギフトカード購入→Eメールタイプを選択
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B004N3APGO/
「2. 詳細を入力する」に金額、配送Eメールあて先info@kagewari.sakura.ne.jpを入力
詳細は以下記事参照
記事リクエスト再開
https://kagewari.seesaa.net/article/500418743.html

<収益は当事務所運営経費に当てさせていただきます>

<利用料金の値上げ24.1/23,8/2>
値上げの経緯は以下
https://kagewari.seesaa.net/article/502153223.html
https://kagewari.seesaa.net/article/504221178.html
<送信先メールアドレスの変更24.1/25>
サーバ移転に伴い送信先メールアドレスが変更されてますご注意ください
→送信先info@kagewari.sakura.ne.jp


【注意事項】
・ブログタイトル下の利用規約を必ず読んでください
・プライバシー保護のためお名前は”HN”でお願いします
・メッセージ欄「記事リクエスト」が可能
※リクエストは”記事内において引用される可能性”がある点留意の上、プライバシー保護の範囲内で記載ください(記事内引用に合意したものとします)
※縁起物的なカンパは少額でも歓迎しますが、意味のわからない反論を”100円以下で連発する依頼”は偽計業務妨害に相当する準違法行為であることを理解できない方はご遠慮ください
■返信記事を予定する際の目安
24.8/2料金改定【ドトールコーヒーメニュー、ハニーカフェ・オレMサイズ410円から】受付します

・ガタガタ文句があるなら問い合わせメールなど利用すればいいわけで(着信拒否など対応可能なので業務妨害とは言い難い:それでも1回は送れるし)考えて利用してくれたまへ
※問い合わせ代表アカウント(レンタルサーバ提供)はGmailへの送信に安定性がないため、私から返信ある場合は予備のGmailアカウントから返信となる場合があります。

必ずリクエストに答えるなどの対応は”できません”が
(閉鎖された「コメント欄」や『公開掲示板』の補完として)
可能な限り質問等には答えていこうと思います

※送信にはAmazonのアカウントが必要です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■■■『有料相談』の依頼は以下Pから■■■
https://kagewari.sakura.ne.jp/kage2.htm

現在は基本的に『簡易相談(依頼文2000文字まで)7,700円』『簡易相談ハーフ(依頼文1000文字まで)4,000円』「テーマ限定300文字1,000円」のみの受付です
(※サポートの200文字500円は『簡易相談』の後に週に2回まで利用可能)
(『簡易相談』の利用は原則月1回のみです《ハーフは月2回まで》、テーマ限定は週2回まで)

■ご存知と思いますが、レンタルサーバアカウントの多くはgmailへの送信に安定性がありません(受信に関する障害報告はありません)。gmailからの依頼の場合にはセキュリティを担保した別途専用アカウントを用意しています。

相談のコースや方法などやり取りの後に、
有料相談専用アカウントのメールアドレスをお伝えします
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
comments他

・コメント欄は『公開掲示板』同様に原則削除禁止です
(基本的に削除依頼には応じられません、削除依頼は投稿禁止ワードとなってます)

・SPAM対策として一部キャリアからの投稿がIP規制の対象となってます
(同規制キャリアから登録抜けによる投稿がある場合、投稿は自動削除されると同時に規制IPに追加登録されます)



現在コメント欄閉鎖中 (2014.7.26〜)



タグクラウド