■本題の前にいじめ問題の概略おさらいしておきますが、
・(相対論で言えば)比較強者は「イジメられる側」である
・いじめは『共同幻想』の典型的な組織防衛安全保障機能のひとつである(極端に言えばいじめは『共同幻想』の専売特許)
・『単独者』のように組織外の門外漢認定された個人はいじめの対象とならないし、物理的にいじめという行為が不可能である(隣町の見知らぬ人をいじめるとか不可能ですから→しじめは組織内部でしかできない現象)
・何を理由にいじめが発生するかと言えば『共同幻想』の不安(『共同幻想』はその強迫性や神経質とも言える予定調和により成立しているものなので組成は非常に脆弱である)
・『共同幻想』は「誰それが何故そうなのか動機がわからない(そして組織内で共有できない)」だけで組織の存続に関わるような不安状態になる(この不安が共有されれば集団心理として形成される)
・基本的にイジメられる側が高度な自己紹介に成功しその共有に成功すればいじめは停止するが、そもそも『共同幻想』として共有理解可能な概念が低水準に限られており(そもそも『共同幻想』は機能限定のリミッター的抑制力無しに(集団で共有しなければならないから)成立しないので、高度な知見は理解されない→内部で限られた人物がその知見を理解するだけでも集団不安に繋がるケースすらある)
●実際にはあり得ないことだが、仮想上「仮にネタバレしていない強迫心理系メンタル問題が『共同幻想』に”共有されちゃった”場合」、その集団は集団としてメンタル問題を『共同幻想』に取り込んだことになるので(その集団にとって常識化された概念)、集団発病と言えば語弊があるが”そのような状態”になる(得意のインセンティブも機能せず組織構成上あり得ない)。
※それに似た『共同幻想』を挙げるとすれば「新興宗教などのカルト集団(教祖の存在によりなんだかよくわからないながらもインセンティブは機能するので集団化可能)」
■刑事事件に発展するいじめ問題のおさらい
・通常『共同幻想』基本性能のいじめは(最強の判断が下された場合)村八分に代表されるように対象者の殺害に及ぶほど苛烈なものだが、基本的にその目的は「職務質問のようなもの」である。
・故に”一般的”ないじめ条約は「”非公式”に非暴力的抑制のかかった行為」と考えることができるため、傷害事件に及ぶような判断が即決されることは”無い”(むしろそれ系の即決判断があり得るのは権威代表者による”体罰”)
●上記にあるように「社会面で報道されるような刑事事件に発展するような”いじめ”は『共同幻想』としても常識化された共有概念の破綻であり」=当該『共同幻想』それ自体が”事故っている”事を意味する(事故物件的な)。
このような問題を引き起こす組織は、封建時代「お上が廃滅措置」を下した。
それが「お家断絶」である。
極論になっちゃうけれども、封建時代であればレイプ事件を起こした「慶応大や千葉大は速攻廃校処分となってもおかしくは無い」ワケです。
大きなフレームの『共同幻想』ヒエラルキー全体から見た場合、そんな下部組織の存在が封建的ヒエラルキー全体の”不安要因”となるためで、
わかりやすく言えば上部組織が末端組織をいじめ(監査)し、最強の処分措置が決定された場合、躊躇なく「組織廃滅」が選択される。
現代社会は封建時代じゃありませんから(それもひとつの『共同幻想』崩壊レベルのひとつだけれど)、”お上”がいきなり「お家断絶」なんて事にはなりませんが、
少なくとも、学校などにおいて刑事事件に及ぶいじめ問題などが発生した場合、文部省が即座に(廃校は無理なら)「当該クラスの解体」を決定するのが(『共同幻想』の規約的には)正しい。
(※勿論個人の処罰はそれとはまた別に行われるのだが、運営上管理権限を持つ上部組織は”組織そのものの処分”を速やかに決定するべきなのが『共同幻想』の原則論)
●参考例は「暴力事件や喫煙などの非行が発生した時の”野球部”に対する処分」
↑
更に付け加えると、映画『フルメタルジャケット』じゃないけれど、全てを団体責任として懲罰を与える形の教練が「戦闘集団としての集団帰属心理(自意識抑圧と組織論のような合理化)を醸成する」のだけれど、そもそも職場や学校のクラス(階級)にそんな戦闘集団的な目的が現代社会に存在しているのか考えていただければ、「昭和の『共同幻想』はとっくに終わった時代なのだから」の理解もわかりやすいかと思います。
(※逆に言えば、最悪上官の命令で限りなく死亡する任務をこなさなければならない軍隊の場合、当事者があれこれ悩まずに済むためには、自意識抑圧も本人のメンタルにとって利益となるため(所謂合理化ね)、サムライという階級(クラス)が上位概念として自我構造を階層化するように、軍人という階級(クラス)が人としての存在より上位である構造が職業として現代でも合理的なのは事実。)、
などなど”本来あるべき処分のルート”を踏まえていただけると、
中段説明の、「共同幻想は実に脆弱な組織であり、なぜそうなるのか動機のわからない個人がひとりいるだけで組織の存亡に関わる不安が発生する」集団心理の背景もご理解いただけるでしょう。
(本来は前段説明にあるような”組織に対する廃滅措置”なんてのがあるのが普通ですから。)
『共同幻想』の遺伝子に刻まれた古い記憶じゃないけれど、『共同幻想』は基本組成からして大変脆弱な存在であり(口癖のように「だよね、そうだよね」を合言葉に管理しなければいけないほどに)、簡単に壊れるのです。
ヒエラルキー末端の『共同幻想』である「仲良しグループ」なんて事例で考えれば誰にでもわかることでしょう(しょうもない理由で簡単に壊れますよね)。
●たとえば「不倫で家族解散なんてのも簡単に起きます」
この場合ですね、
ある家族の隣にドエライ美人の(シャローンストーン的)氷の微笑な人物が引っ越してきただけで、当該家族は危機に瀕するワケで(ちょっとした疑心暗鬼で家族は不安心理に陥る)、
「美人過ぎる人間の登場(プライベート過ぎる特性)」←論理的にはこれだけで十二分ないじめ発動の理由となる。
(そして個人が存在するだけで組織全体に不安が拡散する原理もご理解いただけるかと、)
(更に文化的側面を考えた場合「何故モスリムが女性にベールを被せるアイデアを思いついたのか?」わかっていただけましたでしょうか。)
極論ですが、組織防衛上の判断として、
組織において自意識的なことを一切持ち込まないこと(メンタル的悩みを含むプライベートな心理の持ち込み禁止)、これは原則的な『共同幻想』の法則のひとつなのであって(故に制服や髪型など規制する校則があったりサラリーマン社会のTPOもモスリムの服装戒律しかり)、
端的に言えば、メンタル問題に関わる動機形成や行動の発現は「もうその段階で『共同幻想』の血の掟において違法」になっちゃうワケで、
(プライバシーの持ち込み←・→私物持ち込み規制校則違反と同列)
●プライバシー保護法の施行以来、
「こりゃ現代社会で『共同幻想』の存続難しいわ」と思いますよね?
故に現代社会はトレンド的に『共同幻想』崩壊過程時代なのです。
(逆に言えば「メンタル問題を発現する個人の自由」という可能性が担保される社会への変遷)
ちょこっと確信犯的『共同幻想』選択って心理も(ここも極論で)補足するなら
「個人としての存在も名も捨て、野球部員というクラス(階級)になりたい(丸坊主上等)」
「個人としての存在も名も捨て、僧侶というクラス(階級)になりたい(丸坊主上等)」
「個人としての存在も名も捨て、サムライというクラス(階級)になりたい(喜んでまげ)」
「個人としての存在も名も捨て、サラリーマンというホワイトカラークラス(階級)になりたい(即日1000円カットで七三分け→上位クラスになるとスーツ仕様がブルックスブラザースになる)」
「個人としての存在も名も捨て、何何っ子と呼ばれる地域住民ローカルクラス(階級)になりたい(地域のソフトヤンキー文化にも馴染む)」
間違いが無いか(二言は無いか)、この血判状に名を連ねてくれ、
これは「血の掟」だ。
(ほとんどトリビアネタかと思いますが、米国の暴走族ヘルズエンジェルズでしたか、入会の儀式に革ジャンパーに団員全員が小便をかけるなんて逸話もまことしやかに語られてましたね。)
ざっくり言えば、そういう事なんですわ、
(現代的には”コスプレ”で理解していただくとわかりやすいかもしれない。)
ここまで理解いただけるといじめ問題ってのも複合的に見えてくると思います。
次回は『共同幻想』から見たあれこれ的な話をやってみましょう。
<つづく>
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