主観的には「物足りない」だとか「焦燥感」であったり、表現はいろいろです。
このようなパターンの心理には共通して”理想像”や”理想形”や”想定範囲”みたいな前提ありきで発生します。
「本当はかくかくしかじかであるべきなのに」
「こう(その姿)でなければならないのではないかと思ってしまう」心理ですね。
実に馬鹿らしい話です(笑
「そんな事言ったら人の向上心はどうなるんだ」なんて声も聞こえてきそうですが、
「やりたいことがみつからないシンドローム論」同様に、本来的な向上心志向があればそんな風には考えないのですよ。→「(迷わず)もっとこうしたい、是非こうしよう」と動き出しているからです。
実は、前述の「こうでなければならないのではないかと」なる心理にはどこか途方に暮れるというか、それを実現する手法(実際の行動)を思いつけていないから出てくる台詞でもあるのです。
結論、それは「そう思うだけで(だからといってどうしたものか)実際どうしたものか思いついていない」のですから、向上心も何もその後というか次の展開に繋がる要素は皆無です。
とても外面の似た心理に『反省』というのがありますが、
反省というのはその文字どおり「省(かえりみる)」であって、ジャーナリズムのような第三者性のある話です。現象が反省であればその心理は「どうすりゃよかったのか」「この手はどうだだっただろう」のように鬱的に落ち込むような事にはならず、ひたすら事実関係の裏取りや方策を考える状態になります。
似ているようでまったく違う心理なんですね。
そこで
「本当はかくかくしかじかであるべきなのに」
「こう(その姿)でなければならないのではないかと思ってしまう」心理
こいつを掘り下げて考えてみましょう。
話の鍵は”設定”や”想定”されている(あたかも本当に自分像であるかのような)「こうあるべきだ」なる前提条件の方になります。
論理矛盾してますよね?
預言者でもあるまいし、結果に対して「事前にこうでなくちゃ嫌だ」のような設定が(いったい何を根拠にそう思うのか)行われており、人間は神様じゃありませんので、そういう想定は「限りなく100%達成されません」(未来を予言できる人など別の意味で”ちょっとどうかしている人”だけです)。
どことはなしに、そこはかとなく現実はどこかが違っているものです。
勿論、その原因の過半は(自分の思惑とは関係無く)外側にある現実の事情によってです。
さて「そんな心理は誰にでもあるものだ」と思いますよね?実際そうです。
(私にだってうっかりしているとそんな事を思う時あります。)
ところが、
以下のようなパターンだと圧倒的に「いやはやそういう風にはなかなか考えませんね」となっていませんか?
●「アイドルグループのコンサートに行った、大枚はたいて最前列だ」
(勿論当人、そのアイドルが好きな訳だから間違って視線でも合わないだろうかと期待もしている)
●そりゃだからといってコンサートにおいて何も起きず、間近で見られて大満足
↑
この状況でですね、
「ああ、こうなっていさえすれば、ここであーなって、そーなって、僕はこうなるべきなのに。」
通常思いませんよね?
仮にそんな風に考える人がいたら「完璧ストーカーじゃネーの」と誰しも思うでしょう。
さて困りました。
一体何が違うってのでしょう。
流石に脳内設定においても特定芸能人相手との関係を織り込むことができないからです。
(その代わりに誰もが既知の天皇陛下だとかローマ法王や、神様みたいなもっと漠然とした概念であれば何らかの設定が織り込まれる場合がありますから、対象の大小に関係しているのではありません。)
脳内設定は無意識に、現在より過去に設定されているため(当時は具体的芸能人の名前など知る筈も無く)、対象も期待される内容も漠然としたものである場合が多いのです。
何がきっかけかと問われても人それぞれとしか答えられませんが、
ひとつ参考になるのは「身近な人との関係」かも知れません。
身近な人との関係は、その対象者が個別具体的であっても「本当はこうありたい(ある筈なのに)」みたいな心理は発生します(典型例は恋愛感情や出世願望)。
ぶっちゃけ「幸福な自分の姿の妄想や着想」のような”無力だった幼児期(自力幸福追求では無く快感原則も幸運頼みが多い時期)などのイメージ”が投影機能を使って現在の自分を刺激(ストレス)しとるって仕組みです。
※幼児そのまんまでも創意工夫で何げに無力ながら自力で幸福追求していた個体は”幸運の妄想ネタ”が母数として少ないと言えるかも。
この「幸福な自分の姿の妄想や着想」ってのも一筋縄ではいきません。
「なんやかんや(今の自分にとって)幸福ってなんだろうな」認識とは大幅に意味が違っており、前者の妄想イメージは「”幸福”な自分の姿」というより「”幸運”な自分の姿」だったりします。何故って苦も無く自助努力で手が届くものじゃ”幸運感”による興奮が派生しません(妄想特有のエスカレーションがあるから興奮を獲得できている)。
ナンセンスな話になりますが(高値の花論と同じで)「実現しそうにない妄想だから」焦がれるのです。
さて、ここで話がぐるーっと回ります。
■そういう想定は「限りなく100%達成されません」
心底馬鹿らしい話です(笑
だって「実現しそうにない妄想」なのですから(実現しそうなネタだったらダメな訳で)、
自分の事を殊更「こうでなければならないのではないか」などと思ってというか、何か少々別の手段に切り替えようが結果が変化する筈がありません(冒頭説明のとおりこの心理は本質的に向上心では無いし反省でも無い→反省で解決する事案では無い)。
「そう(実現しないことを)思いたい」のですよ(興奮しちゃえるから)。
そう思えている間だけは「実現しそうにない妄想」に焦がれる興奮が継続可能だからです。
↑
この現象、微妙〜に『僕の夢』なんてケースと違っているのが、雰囲気的にご理解いただけていると思います。
(『僕の夢』と認識するケースは「実現性のなさ度」を自覚している場合です。←『僕の夢』であーでもないこーでもないとうじうじ考える人はいない。「夢だからできっこなくてもいんだけどさ」ってノリになります。)
人間ですね、うっかりよからぬ事を思ってしまったりするもので、
「本当はかくかくしかじかであるべきなのに」
「こう(その姿)でなければならないのではないかと思ってしまう」心理は、
心底馬鹿らしいこれ以上無い無駄な思い込みですから(笑
そんな馬鹿らしい事考えてる暇あったら今日の晩御飯のメニューでも考えるのが100倍マシです。
筋論的にそう思うキッカケなり事実関係なりに対して(妄想着想を現実化ダウンサイズして)、本質的な向上心ネタであるとか反省ネタに転じでもしない限り意味が無い。
「実現しそうにない度合い」に対し興奮している様は妄想そのものです。
(ちなみにこの現象は誰にでもあるってのも事実。だいたいが投影関係の現象=事実誤認です。)
動機形成可能範囲に興奮しなくちゃいかん訳で、向上心ネタとして努力目標を設定する場合ですら「本音そこまでの関心事項か?」ひとつふたつ疑うぐらいでちょうどいいぐらいなのです。
面白いもので、素で考えると「興奮のための妄想」としてはあり得ても、仮にモノ本にそうなっちゃったら嬉しいだろうかと(現実として)考えたら「いやいや本気でそんな事になったら大変」なんてのが本音だったりするものです。
(たとえば「大発明した僕がホワンホワンホワン」と考えるのは楽しいかもしれませんが、市井の民がいきなり大発明なんて話に及ぶと、実際の僕には何も裏付けが無いのだから「あーなんか全然違うかも」などなど、リアルネタで考えた途端に興味を失ったりするものなのです。→その反対に「ギャンブルで勝つ」みたいな想像だとリアルネタであるほど嬉しいので、ギャンブルにおける射幸心は法律で規制されとるワケ。危ないから。)
仮に話が本質的に反省や向上心ネタに転じているなら「迷わず動機形成に移行」していなければならず(なってなけりゃ「本質的にはやる気は無くできないネタで興奮したいだけ」って話し)、そこにあーだこーだ迷いやウダウダ思考ある事自体「話が違っちゃっている(現実から乖離しちゃっている=妄想である)」ってな証明ですからね。
「うーんと、それ(ウダウダ思考のアレ)はどうでもいんだけども(アホかと切り捨て)、」
「さて(そんなことはともかく実際の話)、どうすっかな」
てな感じで、文字どおりに切り替えて(切り捨てて)いかないと何も始まらないって話です。
(「妄想だろ」のダメ出しだけで、ことさら何もしなてくてもいい場合のが多いかも知れない。)
幸福欲求は大いに結構ですが、
幸運欲求は大変危険って話(他人を殊更”運がいい人だ”と見てしまう心理も同根)。
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