2015年10月01日

『平等論』(1)

なんだか、ワケのわからないナントカがあったので、書いておきますが。
(最近のエントリーはそういうの多くてスイマセン。)
「そもそも平等の概念を完璧に履き違える認識パターン」ってのががあります。
よくある典型例でもあるんですが、
考えてみると、この「平等論の誤謬」って相当多いのかもしれません。
これやっちゃうと、前提や定義や語彙がひっちゃかめっちゃかでしょっぱなから説明がすれ違う事もあるので(心理学の話を進める以前に)、ひとつ説明しておこうとそういう企画です。

■平等の概念ってのは、
歴史上に名の残るパイオニアはイエスあたりかも知れないけれども、
「特権階級に対して、無知な貧しい民衆であっても”平等に”礼拝を受ける権利がある」←みたいなところが始まりなワケです。
間違っても「不平等だから特権階級を貧困に落とすか、貧しい民衆を特権階級との平均値に総中産階級社会として上昇させなければならない」みたいな話じゃありません。←こっちは左翼共産主義における『階級闘争』で平等論では”無い”。
『階級闘争』的な概念が成立する要件は「貴族階級などが不平等に上位の暮らしをしている」という認識が無ければならず、自動的に貴族階級の生活が人類普遍の”上位権威”である事を追認しとるのね。前述のイエスの論法で言うと、『階級闘争』論者は「貴族階級にしか礼拝を受ける権利が無いのである」と定義しているワケさ(不平等論者だから=人種差別的論者)、故に貧しい階級を上昇させなければ人として平等になれない(=特定社会における上昇志向の権威性や正当性を妄信してるよね)と、自分が言ってることに無自覚だったりする。
『階級闘争』的概念ってのは無意識に→貧しい階級は金銭的事情により「ワインが準備できないので」礼拝の権利すらないと言っているのと同義なので(それが『階級闘争』派の言う”中産階級に上昇しなければならない理由”なんだからさ)、実は貧困階級などに対して強い偏見を持っているのが『階級闘争』派の平等意識って事になる(言い換えると『階級闘争』派の内実はとても権威主義的である)。
これは致命的な論理矛盾で、不平等主義者の詭弁です。

イエスが言っとるのは、権力者だろうと金持ちだろうと生活に困らず庶民気取りの市民だろうと、誰が上位も下位も無く(せいぜい「そんな趣味なのね」程度の差異で)、人間が実存する上において「全く関係が無い」と言っているワケ、故に人間は平等である(権力者も貧しき人にも”差が無い”=権力者は貧しき民衆と同格である)。
「王もド貧民もその価値は平等に同じである(暗喩は成功者だとか庶民気取りの市民だなどどいうことはクソの役にも立たないどうでもいいことである)」→これが後の「所得や身分に関係無く、民主主義とは全ての国民に平等に同じ一票」に繋がるワケですよ。
どうもね、以下の意味を理解していない層がいるようなので補足するけれど、
●「特権階級に対して、無知な貧しい民衆であっても”平等に”礼拝を受ける権利がある」
(この話のバックグラウンドは、礼拝に使用するワインを貧しい人は用意できないから。)
仮にイエスが『階級闘争』主義者だった場合は→「全ての貧しい人にも(平等に)ワインを!」という闘争になるのですよ。
しかし、イエスがやった事はまったく別です。
「私がこの水をワインに変えましょう」←信者の皆さん的には奇跡ネタとして有名な話。
実際に起きた事は→「水で礼拝して何か問題でも?」です。
(礼拝はワインでなければいけないなどという権威主義者が愚かなだけである。)
その貧者のバックグラウンドなどを全く問わないところがポイントで、
イエス曰く「ド貧乏でも”いいんです”(等しく平等です)」って話さ。
「私にはあなた達と金で着飾る貴族達の区別がつきません。神の前では等しく迷える子羊達です。」
だから、後の民主主義において「全ての人に一票を」となるのです。
(これが『階級闘争』似非平等主義になると「貧困層には投票権は必要無い(劣る)から→特権階級を打倒して総中流階級を約束する事で全ての人が”上級市民”的に投票できる社会にしましょう」ってな筋書きになる。→それが「全ての市民を党員に」になっちゃったんだけどさ、)

●いえいえ、投票権の闘争は”左翼”がやってきたことだろうって異論も聞こえてきますが(笑
そういう事いっとんのじゃなくて、
前述の『平等論』の概念があるから、女性の政治参加運動やっていた人も貧困層含む全ての国民が参加する民主主義運動も、はては米国の奴隷解放運動もですな、時のリベラル派がやってますけれど彼らは「不平等だからと『階級闘争』をやっていたのでは”無い”」ワケよ。
そのままで(大金持ちも昨日まで奴隷階級だった黒人も平等な人間なのだから)「同じ一票を」という概念から始まってる。
以下のように考えたのでは無い。
 ↓
「まず貧困層を全員中産階級化する、そうすれば一票の権利が行使できるだろう」←こうじゃないのだよ。
(※つまり共産党的な『階級闘争』の発想は、無意識に権威主義的な差別的不平等主義者の発想にあるワケ。言いだしっぺのマルクスもそういうつもりはなかったと思いますよ。彼は単に「過剰資本やら過剰生産やら過剰在庫の経済学」として始めた話だと思うんだが。)


■これでもわかんない人いるかもなので、念押しておくけども。
「奇病で亡くなる赤子も、貧しさで長く生きられなかった人も、障害ある人も、長寿を全うする大往生な人も、他所の国でとっぴな未開な暮らしをする民族も、所謂貴族的特権階級も、”全員同じ人間”で誰が上とか誰が下とか、誰が幸福で誰が哀れだとか、そういう差別一切無く平等に全員同じ人間だ」ってのが根本だから。
言わんとしているのは、
「やれ誰々は貧しい集落だから(劣るので)、そこに付随るる権利なども行使できない」←これは不平等主義の発想なのさ。
「やれ誰々には障害があるから(人間として劣るので)、あーだこーだ」←これが不平等主義なんだって話。
違うから、誰が上とか下とか無く”同じ”ですから。
劣るとか無いから(様々な人権も個人単位で憲法により保証されてますから)←これが平等主義。

●人間は平等です。
平等ってのは「人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」であって(どんな状態でもそうだってこと)。「全員が所詮人間なんだから」。
人に限らず、生命には「等しく生と死が約束されている」のです。
生き物の定義とは「生と死のあるもの」ですからね。
(その間何があってどうこうしたとか、本人の主観やら言い分あんだろうけど、そんな事は関係無いワケ。普遍的に「誰が上だとか誰が下だとか無いんだから→人間はどんな状態だろうとその尊厳は平等でなければならない=どちらが上とか下とか考えるのことこそが筋違い」→どっちでもいいことだからです。)
※心理学の原則「結果論には関係が無い」

実に簡単な方程式で、
「誰かのある状態をうらやましいと認知すれば、自分は不幸だ劣っていると感じる」
「考え方の違う人物は、同一人物を救いようのないバカだと思うので、自分のが幸せだと感じた」
 ↑
両者の差異は、当該人物の考え方で(容易に180度逆さまにも)決まるのであって、個別具体的な事実関係の事象により「誰が上やら誰が下やら」が定義されることは”無い”。物理的にも科学的にも不可能です。

■首相だから偉いとか無いから(そういう定義があるのは『共同幻想』の幻想だけ)。
首相は幸福だが、ホームレスはどうせ不幸なのだろうとかが”無い”から。
「どちらも人類ヒト科の生態であって、それは人のやることであり(仮に人類を観察している宇宙人がいる場合)そのどちらも”等しく人類の習性”」です。
(宇宙人から見れば首相だろうがホームレスだろうが、サンプルAかBかの違いでしかない。単なる個体差で特別重要な差異は”どこにも無い”。せいぜいが趣味性やら社会額的テーマで論議される分類。)

■時にさ、
「やれ私は、友人があーだ、結婚がこうで、仕事もあーで、全く”不幸”で”被害者だ”」みたいな本末転倒な話しを言い出す人いますけどね。
話が事実に基づいてもそれは完全な『妄想』です。
根底から(『階級闘争』主義者などにおける典型的な)論理矛盾しているからです。
上記人物は「人は友人関係があーで、結婚がこーで、仕事もこうなってなければ”普通じゃない”」と宣言しとるわけで、、、
あのですねガチ『共同幻想』適応な人の妄言ならまだわかりますけれど(そりゃその定義を洗脳されてナンボなのが『共同幻想』だからね)、
『共同幻想』適応再選択どころか、前述的内容から「私だけ被害者だ(=自動的にそうであるべき状態に私を遇さない『共同幻想』は悪い加害者だと発言したことになる)」みたいな事を言い出すとなればですな、
「あなたは(人間の普遍的な生きるべき姿を自ら定義する)神様なんですか?」ってことになる。
あなたの言う、友人関係がどうたら仕事がどうたらとかの標準の定義だかなんだか知りませんけど、違う意見の人が山ほどおるワケでさ、異論反論多数ですよ。←この異論反論ある『単独者』の言う事はキチ外だから聞く耳もたなくてもいいって話なワケかいな?
「あなた王様なんですか?」

現状、偏差値的認知や権威性認知を集落で定義する多数決的『共同幻想』を選択してないのであれば、
「こうあるべき」みたいな話は”個人的意見”に過ぎない。
それを”当たり前”だとか、”普通だ”みたいな発言する(権威的確定事項論)のは論理矛盾なワケです。
どう論理矛盾なのか説明すると、
●第三者性が担保されている『単独者』目線で言えば、
「やれ友人がどうこうなどひとそれぞれだし(むしろ単独行動のがうれしいのも多数)、結婚など非婚派も半数いる時代で、スローワークだノマドだ言われている昨今、何がその個人の幸せなのかなんて誰にもわかりゃしない」のです。
(『幸福論』とかやるとまた面倒なのでその辺は次回に書きます。)
前述人物の「私にはそういう”普通”が保証されず”被害者”だ、不平等だ」なんてトンチンカンな話されるとですね、もう頭クラクラしてくるんですよ。
「そもそも、あんたの言っている事が普遍的に保証されたら、俺は大迷惑なんだが!!人間かくあるべしと強制するなど一体どこの封建主義の軍事政権なんですか。」
 ↑
おそらく、こう説明すると「選択できる人はいいですね、それを選択できないから被害だと言っているんです」てな返しになるんでしょうね(そこらへんは嫌ってほどわかってます)。
 ↓
結局→『共同幻想』選択するかしないかまだわからないまま、仮にそう選択した場合『共同幻想』適応状態を社会が私に保証してくれないのであれば(障害などを理由に)、それは不平等だし私は被害者だみたいな事を言ってるワケで、、、
(国を挙げてそういう事言っている某国もありますけどね、、)
倒錯してんじゃん。

何が倒錯しているかわかりませんか?
 ↓
『共同幻想』な生活は、『共同幻想』選択するからそれがあり得る(認知できる)ワケで、
(外国の個人に唐突にどこかの国の国籍を授与しろみたいな話と同じですよ。)
構造的にも論理的にも不可能です。
「サッカーに参加するつもりはまだありませんが、みんなと同じようにシュートを決めて賞賛される権利を保障されていないなら不平等で私は被害者だ」、、、
サッカーに参加しないでどうやったらショートを決められるんですか、物理や科学の法則を超越する魔法みたいな話がこの世にあるのであれば、是非聞かせていただきたい。

きっとこれでもわかんないと思うので、、、
更に補足します。
 ↓
■あのですね、
「人には友人関係がこんな風に〜、恋人やら結婚がぁ〜、仕事も〜」みたいな様は、
『共同幻想』ってゲームの中における「オフサイドや、ペナルティキックや、センタリングや、シュートなどその競技ならではの”プレイ”なワケ」、
その埒外な『単独者』にとっては、その概念からして存在しません(認知もされない)。
たとえば、
『単独者』は、いかにも『共同幻想』な人から「あれ誰々さんはご友人ですか?」とか聞かれると凄く困るワケです、友人とかの概念が無いから(それは『共同幻想』用語なので、自分から安直に”友人”などの単語を使用したら、うっかり私も『共同幻想』仲間かと誤解招くこともあるのでして)、
なんつーかその言葉は『単独者』の耳に「あれ誰々さんも同じ党員の同士ですか?」みたいなニュアンスで聞こえているワケ。
「いやいや、、友人って(同士って、、)業界用語(『共同幻想』概念)で言われても、なんとお答えすればいいか。」
(※『単独者』にとっては「誰々さんとの関係は、個別に誰々さんとの関係」であって、それを包括的に説明する”属性”的な名称や分類は”無い”」←それぞれ個別の関係性だから。)
更に「会社員になれるから仕事ができるので」とも思わないのが『単独者』です。
(※仕事の概念も物理の法則における”仕事量”的なことであって、企業に正社員として勤務して労役する事をがいかほどの仕事量なのか”さっぱり不明”なのが『単独者』ですから。→「それは拝金主義を奉じられているどこぞの宗教教義でしょうか」程度だったりもする。イエス的に言うと「唐突にワイン自慢」されても口ぽっかんなワケですよ。)
 ↓
■何も『共同幻想』を批判しているのでは無くですね、
『単独者』から見ればそうなるって話をしているのであって(両者は構造論的に対象性のある関係だから→単純化すると「企業法人VS自営業」)、事象の見え方が違うんです。
『共同幻想』を選択するのであれば(そういう競技なんだから)、そらありますよ「人はこうあるべしみたいな標準が(『共同幻想』は偏差値的権威主義なんですから)」、
しかし、この場合も、
「参加する事に意義がある」じゃないけれど、『共同幻想』って競技において「もっとも価値が高い事は”参加の意思と権威に対する忠誠”です」、
「サッカー部に所属したところで最上位の価値を手にしている」のです。
(だから以下が成立する。)
 ↓
内部的なレギュラー争いとかは「(経済成長のための)インセンティブ」に過ぎず、
ぶっちゃけ参加個々人にとってはその差異に意味は無い。
どこやらの心理学テキストにも書いたけど、
『共同幻想』を選択して、その所属身分を得る事が彼らの最上位の幸福であって、以降は枝葉末節なワケです。
ぶっちゃけ「一生補欠とか不平等で、私は被害者だ(=自動的に「それ以外の周囲は加害者だ」と同じ意味になる)」こんな事を言う奴を一番『共同幻想』は嫌います。
何故ならその発想は『共同幻想魂』(サーカー部魂)を穢す事ですから、
補欠選手も(そこは言いっこ無し・身分を得たことで平等に最大の利益を得たのだから)自分の事のようにレギュラー選手を称え”一体となって”応援するのが『共同幻想魂』(サッカー部魂)であって、
そこで自分がレギュラーになれない世界は不平等で私は被害者みたいな事をさ、、、←もっとも許しがたい『共同幻想』構成員とは認められない発言ですよ?これ。 
 ↓
わかります?
『共同幻想』適応選択ってのは、レギュラーで活躍している選手も”自分のことのように一体化”するので(群れてひとつの生命のように振舞うのが『共同幻想』だから)、個々の地位やら活躍度は”関係が無い”のです。→個を捨てて”レギュラー選手と一体化する”んだから。
それが「愛社精神」や「ナントカ部魂(集団で魂はひとつ)」とかの真実です。
『共同幻想』を選択適応する時に、交換条件に「自分の一部を”賭ける”(『共同幻想』に支払う)」事によって、「共同体一群としてひとつの魂を体感し、喜怒哀楽を”共有””共感”する(レギュラーの活躍も自分のことのように体感する)」のが『共同幻想』適応選択です。
だとしたら?
「自分がレギュラーになれない世界は不平等で私は被害者」みたいな発想自体を彼らがもっとも軽蔑するのわかりますよね?
(『共同幻想論』から言えば、信じるものは救われるじゃないけども、「参加してみなければ何も得られない」のが『共同幻想』です。=『単独者』には彼らの話はさっぱりわからない(その体感は得られないのだから)。)

まず、日本語を大事にしましょうってことですよ。
(自分の中では意味が通じる感じがしているからと、安易に”そのまま”考え無しに言葉にしてはいかん場合があるんです。)
●言葉として意味が通じていると思っているんだろうけども「内容が無茶苦茶」ですから。
言いたい事があれこれあるのはわかりますが、「まずそれは、日本語として・概念としてあり得る話なのか?」そこ考えて発言しないと。
(自分で自分にレトリック攻撃かましてどうすんだよ。)
●人間はなんのために考えるのか?
今の自分では思いもしない事を”思いつく”ために考えるんですよ?
少なくとも、答えの出ない現状の認識じゃ(これから思いつこうと考える方向に)「それは通用しない発想だ」と定義していかないと何も始まらない。
何も完結・解決する事の無い現状のまま、グダグダ同じ事言っていたら、
それ以外の言葉(論理や概念)を何も思いつけないのと同じです。
インコやオウムじゃネーんだから。

■一番最初に考えるべきことは、
今思っている答えの出ない現状の認識じゃ「現実に通用しない発想だ(概念だ)」と定義しないと何も始まらない。
そのダメ出しがあってこそ→「こりゃ何か考えなくちゃいけないぞ」となるからこそ、
「何故どうしても先に考えが進まないのか、どこに強迫心理や反動形成がどのように介在しているのだろう」などという心理学に話が及ぶのです。


<間違いなく、ここまで説明しても>
「私は特別な待遇を求めていない」だとか、
「かくかくしかじかな希望なんて”普通”の事で、”誰だって”そういう目標があるんじゃないですか?」だとか、
「個別の結果論に意味は無いことはわかるが、特定の結果しか得られない状態は被害と言うのじゃないのでしょうか?(選択の余地が無い)」などの反論が(鉄板でその間違いが論証されていても)、ずらずら洪水のように出てきているのだろうから、次回にpart2としてもう少し具体論を書きます。

たとえば、被害実体が疑いようも無く介在するPTSD事例あたりから話しを始めると(今回の『平等論』と話の前提は同じになる事が証明されるので)、幾分かわかりやすいかもしれない。


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