2015年08月06日

抑止力の心理学

事を起させない、やめておこうと思いとどまらせる心理。
何かにつけてそういう戦術は使えるものでしょう。
少々インチキ臭い抑止力は「はったり」かな。
効果だけ言えば「はったり」も「抑止力」も同じでは無いかもしれないが、まー似たようなものでしょう。

安全保障における定番「抑止力」におきましても、
「こうなったら本当に使う」事を公開してみたり、「ほとんどその存在バレバレなのに”有るとも無いとも言わない”」と宣言してみたり、「有りそうと思わせたのはいいが、本当は無くて、後から困って無いと言っても誰からも信用されず」ガチで攻撃されたり、まー顛末やその運用もいろいろです。
中には「マジものがあっても誰も真面目にとりあってもらえない」なんてケースもあったりします。
つまり、
「抑止力」と言っても運用面における「はったりやブラフの手法」がコケちゃうと「相手に警戒させようと思った根拠が本当に存在してもクソの役にも立たない」のであります。
(インチキどころか「はったり」こそが「抑止力」運用の本質と言えるかも、)

だとするなら、
「抑止力」なんて代物は「根拠となる具体的中身は”実は嘘でもいい”のである」。
(この論議もガチのレトリックですけど、、)
逆パターンを考えてみると?
「根拠となる具体的中身に拘り続けて全く抑止力を獲得できない」となります。
■さて、お題が二例出たことになりますね。
前者で言えば「嘘がバレたらどうすんの?」
後者で言えば「根拠となる中身に拘るとするなら、安心する水準を失うってことにならないか?」

なかなか面白い話になってきたので、その先を考えてみましょう、
●前者の「根拠となる具体的中身は”実は嘘でもいい”のである」から、
「嘘がバレたらどうすんの?」
「嘘じゃなければいいのでわ?」
「嘘じゃないものがあるのなら実は嘘でもいい”のであるなどと言うのは間違いだろ」
これやると完全なレトリック話になるのので大概にしとかんといかんのですが、、
たとえば、
「我が方には命中率100%の対艦ミサイルがある」と宣言したとします。
上記の言葉には「何に対しての命中率なのか、ミサイルが何発あるのか」この二つに触れていません。仮に「発射台直上の紙の的に命中率100%の対艦に向ければそうならないでもないミサイルを(ロケットとも言う)一発だけもっている」を省略しただけなら、嘘でもいいのでありつつーの、嘘では無いとなります。
何も敵方に懇切丁寧な注釈つけて説明する親切さなど必要ないのですから。
典型的っていうと政治の世界なんかが実際そんなもんでしょう。
(ほぼ同じような言った言わない話が「大阪都構想の自民代用案」で起きてます。)
日本社会特有の「前向きに善処します」みたいな「何を言ってるのかさっぱりわからない煙幕言語法」みたいなんもありますしね(笑
いかに”賭け”(自己責任担保)の重さが増す力がデカイのかがわかります。
究極の”馬鹿賭け”は(貯金なんか1円も無いのに)「全財産賭ける」って宣言する奴でしょうか。
上記のように”喧嘩上等”「抑止力強そうな人」に共通する特徴は何でしょう。
 ↓
「根拠も無いのに自信家だ」あたりかな(或いは堂々としている)。
まさに逆説、
この人物が何故に自信家なのか?
「根拠となる具体的中身は”実は嘘でもいい”のである」と思っているからです。
自信の根拠を彼は必要としないのですから「そりゃ”常に”堂々としていられるワケだ」。

●後者の
「根拠となる具体的中身に拘り続けて全く抑止力を獲得できない」
「根拠となる中身に拘るとするなら、安心する水準を失うってことにならないか?」
この論議となれば、以下の展開が鉄板の流れかと思います。
 ↓
「拘るぐらいですから中身は具体的です。具体的中身って言ってるじゃないですか、馬鹿ですかあなた」
「それは”あなたが”拘っている具体的事象でしょ。それが相手に対して効果的であるって根拠はどこにあるの?エスパーですか?」
「私が、それがあれば安心できるんです。それでいんじゃないですか?」
「いやいやいやいや、周囲がそれを警戒して始めて抑止力でしょ。あなたの論議は自分が安心する兵器を装備したら安心できるのであって、仮にそれを周囲が馬鹿にしていても構わないって事になりますよ。」
「いんです、抑止力って話になっているから、こういう話になりましたけど、私はそもそも抑止力とか重視してないし、普段から考えた事もありません。」

つまり「根拠となる具体的中身に拘り続けて全く抑止力を獲得できない」←これ正解なんです。

■結論、
「根拠となる具体的中身に拘り続けて得るものは、個人的目標の深度だけである(抑止力とは無関係)。」
意味が無いとかではありません。
大いに意味はあります→『単独者』の場合なら、それが全てでもアリアリです。
今回の話の要点は「抑止力(社会など対外的な立場において相手に警戒させる力)」なので(『単独者』は社会にどう思われようが関係無いし関心も無いので例外)、所謂世渡り上手の話でもあります。
人間関係や社会との関係において、心理的に優位に立つなどの事項において「根拠となる具体的中身に拘り続けても得るものは何も無い」という事です。
確かに、
「預貯金100億円」みたいな(笑
トンデモな目標を達成すればガチ相対評価となるでしょう。←しかしここが重大な落とし穴なんです。既に「終わりの無い過剰化フラグ」が立ってしまっています。
たとえて言うなら「大発展したベンチャー企業の創業者として有名になる」とかね、中身に拘るのと同時に有無を言わせず周囲を圧倒する(相手の心理など尊宅しなくても)影響力を発現できるのは「よっぽどトンデモな大成果」じゃなければ「抑止力まで約束される内容とならない」事になります。
しかも、
この考えを持っている人物は、対外的不安も意識するあまり「根拠となる具体的中身に拘り続けている」のですから、心理的に100%「過剰化係数」かかります(余裕感じるぐらいの実績でなければならない)。
「どこまであれば安心というよりも、”安心できる数字(常に不安感から更に上に変動する)”に拘っている」、この心理はですね「無意識に100億なければ安心しない」と言っているようなもので、そんな無意識的認識に当該人物の『自意識』は気がついておらず、
前述の「安心する水準を失うってことにならないか?」なる投げかけにも、
「具体的中身って言ってるじゃないですか、馬鹿ですかあなた」と逆切れしてしまうワケです。
 ↑
●何か変?どこか変ですよね。「どこかに論理矛盾がある」。
「拘っている具体的中身を得られなければ安心できない」←自我がこういう強迫心理下にあるって事ですよ。
しかもその「拘っている具体的中身は効力のある水準として本当に具体的だろうか?」とても怪しいワケです。
しかし当人自我は「それさえれば」のような心理状況に置かれているのも事実です。
 ↑
この心理的背景何があるのかと言えば「承認欲求」です。
 ↓
語られていない部分に「それがあれば私は”権威者”に認めてもらえる」のような思いが関連しており(果たしてその”権威者”が誰で何故それがあれば認められるのか根拠も不明瞭)、
手段が目的化している論理の典型です。
心理分析として、この状態にある人は「目先どんな実績を積んでも満足しません(下手したら余計に不安になります)」。
理由は簡単で、上記心理「承認欲求」ってな代物の本来の発生要因は、「謎の理不尽な”誰かの権威性”を守るため(注:この”守る”の意図は=承認される受益者としての自分も含む)、自分が不当に扱われる原因が求められる実績をあげていないからだ」という無理筋の解釈をしたためであり、
(本来は最初に「権威者設定のところからして何をトンチンカンな事言ってんの?承認とかも全く無関係だ」の判断があるべきなんですが、何らかの事情でそこはスルーされ、「自分こそが承認されるべき受益者である」みたいな変遷に深化してしまう。)
 ↓
究極「自分が現実社会から承認されることで解決しては”いけない”」設定になっとるんです。
この説明だとちょっと意味わかり難いでしょう、
「無意識に社会契約的な現実との折り合いを拒絶している」という意味です。=”承認話”のネタ元である過去の脳内家族社会の延長で外界を認知している。
ですから社会契約的な意味合いや、戦術的なコアである「抑止力」そのものへの興味も失ってしまい→更に他者との関係が構造的にこじれていく三段論法みたいな展開に発展します。
(脳内の”権威者設定”や””承認受益者設定”は無意識的であると同時に権威性認知タブー領域でもあるので、反抗期的着想無しに自意識に積極的に認知される事も無い。「強迫心理とは自意識にとって常に漠然としている」。)


「根拠となる具体的中身に拘り続けて全く抑止力を獲得できない」
●このようは発言する自我の深層心理には「自分はまったくダメで、努力などにも意味無い」みたいな事を考えていたりするワケです。
(いきなり、そこから転じて整形手術みたいな飛躍をする場合もあります。←正攻法では無理に決まっているという深層心理があるため。)

さて、ここで前者の結論を対比させてみましょう。
「根拠となる具体的中身は”実は嘘でもいい”のである」
自信家で”喧嘩上等”「抑止力強そうな人」
●このような発言する自我の心理は『自意識マター発』で「まーどうにかなるってか、自分は自分だからどうにかしかならないのだ。やりようによっちゃ今もっていな手札もあるぞあるぞと言うこともできる。」みたいな事をベタにバレバレで考えていたりします。

■この話は「結果論には意味が無い原則」にも被っているのですが、
・結果に拘るのは「個人的目標の範囲」であって、そこに対外的な意味は全く無い。
・対外的な意味で効力を発揮するのは、”素”の『自意識マター』を運用である。
・対外的な意味で「結果が」効力を発揮するんだと思っているのだとしたら?
「それは強迫心理である」(敵は自我内部にアリ)。

ということがわかります。
(最後に『日高義樹のワシントン・リポート』調てまとめてみました。)



<オマケ>
「前者は何故承認欲求(強迫心理)が無いのか?」
中断で説明のとおりで、最初っからやれ何かに承認とかの必要がありません。
(中断記載の:本来は最初に「権威者設定のところからして何をトンチンカンな事言ってんの?承認とかも全く無関係だ」の判断があるべきなんですが、、、の部分。)
前者は既に「根拠となる具体的中身は”実は嘘でもいい”のである」などという適当さで、「既に『抑止力』を持っている」からです。=それは『反抗期』における”権威性認知”がガチでネタバレ崩壊しているって事です。
(脳内に『自意識』を脅かす”権威的なもの”がありませんから。大人の社会契約説的には『共同幻想』適応も何も”『共同幻想』オンタイム”以外は「法律守ってれば後は何をしてもいいってことだろ」程度の事ですし、”『共同幻想』オンタイム”と言ってもその時間大人しくしてりゃいいって契約ですから。)
つまり、対外的に影響力の及ぶ具体的中身や結果に拘らない人(『共同幻想』過剰奉仕しても損なので下手に具体的結果を出すのも迷惑でしかない)、
この人物が「妙に自信家で勝負強そうな好きこんで下級市民な人」となります。
(植木等の昭和のサラリーマン映画主義というか、)
そんな人生幸福なのか?
いえいえ、『共同幻想』論においてもその幸福は(自由時間を売り渡す)不快選択により獲得される”身分”だけでオッケイなので(インセンティブ設定により内部的競争にいそしむ人もいますが)、当人は権威性を崩壊により(自身の能力的内容に関わらず)コンプレックスなども発生しませんので「笑顔の下級市民」で”『共同幻想』オンタイム”は十二分に幸せであり(気のいい末端同僚の身分でお腹一杯)、『共同幻想』適応に割く意欲を最小化している分「アフター5はとても元気」ですから(笑、
『共同幻想』適応幸福(社会的身分の獲得)がボチボチでも、私利私欲のプライベートな自意識発の快不快原則時間を確保しているので、トータルでお釣りがくるぐらいでしょう。
(植木等じゃないけれど、昭和のサラリーマン処世戦術の典型ってこれだったようにも思います。)
つまり、
個人が実存する上で「対外的な影響力のある具体的事実や、結果がどうこう」などはは全く関係が無い。
鉄板の論証です。
あまり誠実な人にも見えないでしょうから(笑
言うならば「確信犯的『歩留り』犯」って人格パターンでしょうね。
(この人物は『単独者』や『共同幻想』社会との間を行き来できる特性もありそうです。)

更にオマケ
「じゃ誠実な人は?」
毎日朝6時に起きてジムに行ってから出勤するようなこの方は(実存します)、普段から何かにつけて努力を惜しみません。そもそも誰に承認されれば認められた事になるのかなんて不確定な要素では無く、自分が(隠れて)どれだけ人より努力しているののか、この不快投資量で『共同幻想』に対峙するため『共同幻想』との取引にもケチケチしません。バリバリ働き残業も平気です。
周囲も押されるバイタリティーがあるので、『(結果では無く努力という根拠となる具体的中身という)裏づけのある抑止力保持者』になります。
この人物のバイタリティーがどこからくるのかって、『共同幻想』社会内部のインセンティブ的競争もハードワークも、障害物競走じゃないですけれどこの人物にとって「トライアスロンの競技」のようなものであり、限りなくゲームですね。
障害がハードであるほど面白がる(努力のネタ満載に燃える)。←ここも燃えるのは結果に対してでは無く、努力という不快自己投資の部分に燃えるワケです(ゲーム性が不快投資額に比例して高まる)。
言うならば「昇華系」(勝負強いというより豪快)。
(この人物はあまり『単独者』への理解を示しません。「もっとできる筈」が口癖だからです。)



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