2015年07月26日

「総じてメンタル問題なるものの誤解」

この件に関しては完全に臨床系や医療系と見解異なるのですが、
文系心理学から言わせていただくと(公的には病気申請でOKですが)メンタル問題は病気ではありません。←労災申請や障害者申請が誤りだという意味ではありませんよ。
心理的な誤解を招くので、(言語学的に)病気病気言わない方が合理的だという見解です。
時に、高齢者の痴呆症ですらメンタルケアの介在で症状の改善が見られる場合もあるんですから、
概念として病気とは何かって部分にも関係しますが、
「逆さまに考えてみましょう」
心理学的分析であるとか論理サイドからのアプローチの有効性(レスポンス)が高ければ「現在症状として何がどうなっているのかそれはさておき」心理学系に出番のある「メンタル問題だ」と言えるのであり、それこそ臨床系であるとか医療系の「対処療法的有用性の検証」と同じでしょう。
(彼らの場合原因の理解がさっぱりなままでも「それでも可」で押している水準です。)

心理学的アプローチに有用性が確認されるのですから、
「心理学はそれを固定的だと考えない」
同時に個別具体論として何か能力的にどうこうを論じない(なんちゃらセミナーじゃありませんから)。殊更文系心理学となれば事実上哲学的な要素をどこかしか内包してますから、そこで合理性が担保されているのか否かがクリアであれば(そもそも人類ヒト科としての日常生活が営めれば能力的問題はどこにも無いのであり)、個別具体論や能力的にどうこうなどは無関係ですから。
(少なくとも心理学は『共同幻想』に対して批判的乃至中立的であることが条件としてマストでしょう。)
 ↑
どうにもここを誤解される方もいるので突っ込んで説明しておきますけれど、
■「所謂『共同幻想』社会適応する状態を標準とする」なんて事を心理学がやったら「もう思想的な洗脳バリバリ」になりますから。
その後当事者が何を志向しようと干渉しませんが、
何か特定の人格構造を優位であるとか、人として標準であるとか、それが可能になる事がやれ社会復帰であるかのような予断は単に『共同幻想』の論理に過ぎず、
人間個人と対峙する心理学が軽率に発言したり示唆したらイカンのです。
(※別段人類ヒト科が「働かなければ云々かんぬん」なんてのも一切意味の無いプロパガンダのような代物ですし。いろんなところから論議はあるでしょうけどね「ぶっちゃけ昭和の専業主婦」自営家事労働以外は働かないのが当たり前の事だったんだから。そこはパートでどうこう言う人もいるかもしれませんがね、当時受験戦争なんてアホな『共同幻想』なければ随分とそこのところも違っていただろうと思いますよ。)

実際の話、世界的にもかなりデカイ宗教のキリスト教系では(少なくとも旧約から新約まで)「人類ヒト科の労働ってのはアダムとイブのりんごがどうした事件における神罰」であって、囚人の労役と認識変わりません。
それが無い方が人して正しいって話を盛んにやってる『共同幻想』だってあるって話です。
(この辺あまり突っ込むのも建設的では無いのですっ飛ばしますけれど。)

■重要な転換点は「やはり寿命がどんどん延びているところ」でありまして、
高学歴化も合いまって、現代社会の人類ヒト科は「ざっくり人生100年と考えた場合、労働力年次を30年から35年と見てもだね、70%近くは働いていない状態」なんですよ?
所謂仕事量を派生させていないって意味じゃありません(子供時代の部活だって立派な仕事量に至る活動ですから)、
「いかにも正社員でございますって労働が”人間としての働き”のデフォでは無い」って事です。
心理学は財務省や経済産業省の回し者じゃありませんので、社会適応「職場復帰(中高生なら就学復帰)を回復の前提とする」なんて馬鹿話に付き合っていたらインチキ心理学です。
(そこは個人の自由なワケで、)

「いやいや能力的ななんとかも問題だろう」と拘る方もいらっしゃるかもですがね、
あのですね、『共同幻想』適応人格ってのはここのところ書いてきたエントリーで鉄板の論証したように「完全に個人の能力にリミッターかける仕組み」です。
つまり「いかにも『共同幻想』適応な社会復帰をどうたら」みたいな話をされてもですね、いやいや個人の能力的なものをスポイルする人格構成の話になってしまうんですがって「ガチの論理矛盾」に突き当たります。
それは「どうすれば宝塚に入れますか?」みたいな話と同じになるワケですよ。
心理学は「そんな事しらんがな」となるスタンスで「心理学的に矛盾の無い証明」となるのであって、いくら横槍入れられようとも「いかにも旧来の『共同幻想』が言いそうな”社会復帰ネタ”」には組しません。

■以前のエントリー
ワーグナーとへヴィメタル
http://kagewari.seesaa.net/article/422011240.html

こいつを更に補完しますけれど、
『演劇』で考えてみましょうか。
ぶっちゃけ能力的云々を問われるのは「主役級だけ」です。
(また更に「国営ナントカ芸術劇団」みたいな上位権威劇団の在り様ってのは”昇華”話になるので例外、この事例はあくまでも「市民劇団スケールの話」ですから誤解の無い様に。)
その主役争いってのも「完全な実力主義か」って聞かれたら違うワケだし、
その演出家がどう考えるのかなんてのは100人いれば100人違うワケです。
しかも、主役でなければ社会的地位として何かがどうするのか?と言えばそこも違います。
「そんな事言ってたらトップ1名以外の『共同幻想』適応者は全員敗残者なのか」ってアリの社会みたいな話になってしまいますからね。
心理学が語るべきことは(例外的な)演出家や主役級以外の”端役や裏方の在り方”になります。
『端役や裏方』、勿論当事者の拘りは自由であり一市民劇団でありながら芸術家真っ青の背景を描くと努力してもアリアリなのであり、『端役や裏方』=適当にって意味でもありません(そこは本人の意思次第)。
さて、ここから本題ですが、
「劇団や演劇にたとえるなら『共同幻想』ってものは、好き勝手に自分の言葉を話してはいけません」台詞は決まっているのですからね。裏方をやる場合もその出来栄えを芸術的領域まで努力するのは自由ですが、仕様と納期は決まっており、好き勝手な絵を描いてもいいって事にはなりません。
「台詞も、仕様もシナリオで決まっている。」
=今自分で私的に発言したいことを勝手に舞台で発言してはいけません。
発言が許されるのは「指定の出番と決まった台詞だけ」です。
「自分をスポイルし、リミッターをかけ、(言いたい事も言えない)不快選択を行う事で、上演される舞台の役(身分)を得る」←これが『共同幻想』適応の原則です。
自ら劇団に所属希望する理由は(目的)→「劇場で名作のハムレット上演に参加したい」などの上位概念(自意識による超自我・憲法解釈宣言みたいな)選択によるものです。
つまり、目的は「演目に何らかの役(身分)を得て参加できること」であり、「端役でも、ADでも、大道具でも切符売りでもパンフレット作成でも何でも可」が前提になります。
●「能力的に少しでもいい役をもらえますか?」←こういう問いはもうナンセンスなワケです。
 ↓
『共同幻想』適応選択をするのであれば、大原則が「自らの不快選択により獲得された参加身分」これに幸福を感じなければならず、その先の『共同幻想』内部のインセンティブ(ヒエラルキー構造により上位者こそ偉いという設定)←ここは努力を促進する”エサ”まきであって(経済成長原則)、それは『共同幻想』の本旨では”ありません”。←原始共産制なら「各人の能力問わず完璧な年功序列制」もあり得るんですから。
(『共同幻想』をネタにやたら内部的地位や能力的差異に固執するのは「既にメンタル問題」である。)

『単独者』なら?
単独者的演劇ってのは、ストリートなので個人的なパフォーマンスやるみたいな話なので、役名も地位も技能もへったくれもありません(誰にも理解できないキテレツなのでもアリアリなんだから)。
そもそも一般的な評価を拒絶するから『単独者』なのであって、
そこに出来不出来があるとするなら、それは「誰の意見にも振り回されず、思ったようにやっているだろうか」に尽きます(そもそも個人でやっていて被る同様ジャンルが無いのだから「偏差値的出来不出来」という認識があり得ない)。

つまり、
●「能力的に少しでもいい役をもらえますか?」←こういう問いはもうメンタル問題特有の発想であり、ガチ強迫心理です。

(やれ発達障害だとか臨床系で分類される認知系の問題は、スピルバーグやブラットピットやトムクルーズが同症状で有名ですが、それ系の現象が発症する背景にも『共同幻想』特有の”認知や情報の共有”が強迫的である側面が関係していると推測するのが妥当で、見方を変えれば「共同幻想適応症(過度に『共同幻想』を意識するあまり付随して二次的に発症した神経症の一種)」とも言えるからね。←大きな枠組みで言えば「関係障害」です。それを「シナリオ拒否症」と見た場合だと自我内部で『共同幻想世界観』が偏向(肥大乃至誇大化)していると考えるのが筋論でしょう。)


■同時にメンタル問題とは「あくまでも自己申告」であり、
心理学は何か「人類の正常な自我モデル」みたいな認識も持ちません。
心理学は「そんな事しらんがな」となるスタンスで「心理学的に矛盾の無い証明」となるのであって、そんな話は個人的に哲学でも宗教でも研究して考えたらいいのであって、心理学には関係がありません。そりゃ「こうなったら強迫心理ですから大変な事にもなりまっせ」と何時でも誰にでも(その事実関係があれば)分析できますが、本人別に何も困っていないなら「エキセントリックにエキサイティングに生きる人」ってだけです。
そこに心理学は(論評でも求められない限り)何も言いません。
本人が「自我内部で『自意識』の立場が無いなど困惑している」などの依頼があって初めて「だったら説明します」が成立するんです。
このブログの執筆も(あくまでも自己申告なのだから)「全く心理学的知見が無くて、あれれそういう事なの」みたいな情報提供の公益性があるからやってるのであって(「そうとわかっていたら相談していたかもしれない」とかあり得ますから)、興味が無ければスルーするなりそもそもアクセスするなよってスタンスです。
所謂広告活動みたいなこと何もしてませんしね。
テキストのログが(その人の思いついた言葉で)検索されてヒットしない限りサイトの存在も知られる事は無い(システムの事はよくわかりませんが、検索したら見つかるような設定はいちおうブログ実装のものをONにしてますが特段の意味ありません)。
『公開掲示板』もOTD閉鎖の後、所謂どこやらのポータルに乗っかるような事してませんし(そもそもがOTDの利用も私に掲示板システムの実装知識が無かったからなんだし)、諸般の問題と当初目的の完了をもって、現在閉鎖中です(ここは再開云々の話もありますが当面再開の予定ありません)。

■岸田『唯幻論』心理学の面白さは、メインの『共同幻想論』であるとかメンタル問題と関係の無い社会学的分析にあるのだし、
その論旨は下手したら一部に「一般健常者」みたいな扱いとなっている『共同幻想』社会適応選択の病理性みたいな話になってます(極端に言えばね)。
私は「であるが故に『共同幻想』崩壊過程の現代社会に公益性のある情報」と考えて(何も公的な貢献をしたいみたいな善意なんてありません)、わざわざ個人で隠匿するような話じゃないだろうと、建前「情報の公開」という趣旨でブログも書いてます。
●完全無料で対応していたら物理的に過労死もあり得るので、有料コンテンツもありますけれど(ここは10年目ぐらいに事実上有料コンテンツの廃止に相当する大幅値上げも検討してます)、
「タダで読めるテキストで好き勝手に考えていただければいい」のでありまして、
結果的に時代の趨勢である『単独者化』(『単独者』になるべきという趣旨では無く確信犯的『共同幻想』選択や『歩留り選択』も含む「人格選択における『自意識マター』介在の事」)、それが進行するのであれば「風通しもよくなってよろしい」事ですからね。

アフェリエイトもサイドバーに置いてますが、「ほぼそんなもん無収入」ですし、
後から設置した「バリューコマース(勿論無収入)」も、2chなどの論調で「審査のあるアフェリエイトを受けてる方が信用置ける」なんての読んで、あった方がよかろうかと置いてるだけです。
(自分のブラウザはADブロック入れて表示されていないとか、、。)
■ここのところのサイト運営としては、
『簡易相談』のAコース廃止にあわせて「心理学テキストの更新頻度を上げれば同じ事だろう(閲覧できる人も多くなるし)」とやっとるワケですが、
この趣旨も、
心理学は究極の第三者であり、個人がどう生きようが知った事ではありませんから、
間違っても「やれこう生きるのが正常な人間」みたいな事を決して言わない(それ言ったら心理学の死ですよ)、
心理学は個別具体論として何か能力的にどうこうを論じない、
「そんな事しらんがな」となるスタンスで「心理学的に矛盾の無い証明」となるのであって、
あくまでも本人が「自我内部で『自意識』の立場が無いなど困惑している」などの依頼があって初めて「だったら説明します」が成立するんです。
心理学的分析の後、
●「なるほど。(バックグラウンドは理解した)さて、どうすっかな」となれば、心理学の役割は終わりです。
そもそも心理学を当事者が勉強する意図なければ、心理学的知見などさっぱり忘れていただく方がいいのであり(字幕無しで映画が観られるようになったからといって翻訳技術を学びたいと希望した事にはならないし知る必要も無い)、

■メンタル問題を抱えるって事は、それだけ人間ってものを深く考えるキッカケでもあり、
心理学の知見の有無に関わらず、『共同幻想』社会に対峙する個人の図ってものに突き当たります。
少なくともその時、予定調和で恭順的に(いわばナチュボーンで)『共同幻想』適応人格になってちゃっている人より(『共同幻想』リミッター論)、人間世界を深く知ることできますから、
メンタル問題の幸不幸論を云々するのも無茶過ぎます。
それもひとつの個性であって、
だからこそ冒頭論議に被りますが「やれ病気認定だからどうした」って話は”あまり合理的では無い”のです(役所に申請する時の”病気認定”とかは別として)。
実際の話ですな、人生のナントカ時代なんて話も10年後には「あれですね人生60歳からが本番」なんて事になっているかもしれずでありまして、
私ももうじき50朗ですが(年齢を忘れていて今年頭から自分を50朗だと思い込んでいた)、メンタル問題を軽視するのも問題ですが、過剰視するのも間違いです。


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