2015年06月29日

メンタル問題を煽ってきた”恋愛なんとか”が数字としても減衰

時にメンタル問題の背景が「性愛がらみの承認欲求」である事が少なくない(男子の場合は過去に出世願望的な社会的地位にからむ話メインの時代もあったが)、メンタル問題局面において「やれ普通はこうだ、一般の人はこんなにこうだ、私だけがかくかくしかじかの被害者で」のような自家発電的な不快再生産の状況が展開する場合も典型例のひとつ。
この設定の場合「所謂『共同幻想』社会適応者」があたかも勝者であり幸福を満喫している前提が必要となる(でなければ”そうではない自分”を被害者認定できないからだ)。

故に、
メンタル問題の論議の中心がなんだかんだ「どうしたら『共同幻想』社会に適応できることで勝者となり幸福を満喫できますか?」みたいな倒錯しな内容にもなりがちで、トンチンカンな『共同幻想』適応一部外野席がこれまた「いっしょに頑張ろうね」なんて見事な合の手を打つなんてことになれば、、もうね状況から抜け出す事は大変厳しくなります。←ちょっと収拾付かないみたいな。

■勿論この状況で重要なのは(それこそ『共同幻想』社会適応している当事者たちの口癖がそうであるように)「そもそも『共同幻想』適応というのは”苦労の連続”であり、どこにもやれ勝者だとか幸福を満喫などの世界は存在しない」事を知る事に始まる。
(『共同幻想』社会適応者こそ誰よりも「休日が大好き」なのだから。更に言えば彼らの実存証明はその”苦労”により証明されるのだし。)
●ここが強迫心理でトンデモとなる背景は、幼児期などの権威性認知が誇大化したまま反抗期によりリサイズされず、幻想としてそのままのスケールで残るためで→その後の展開先社会に「凄く上位の存在」のようなイメージが無意識に投影されてしまうため話がややこやしくなるのです。
 ↓
桶屋が儲かる話のように、どこにも自意識に「『共同幻想』社会適応者こそが勝者であり幸福を満喫するのである」なんて信念も・思いも・想いも”無い”のに関わらず、自分の悩みを説明しているさなか無意識に「『共同幻想』社会適応者」はあたかも勝者であり幸福を満喫している」設定を顔真っ赤に主張している自分がいたりするって展開にもなるのです。
(自我がその時置かれている設定上の力関係に”強迫”される言動を「あたかも自分の感情」のように誤認・錯覚してしまう。←「勘違いして詐欺的営業会社の社員になってしまった時のジレンマ」みたいに設定があり得ない感情的興奮を演出してしまう、みたいな。)

■さて、このような状況で「いかに『共同幻想』適応社会とはどんなものか」現実論を説明し、不快現象のバランスを減衰させようと考える場合(前述のこの世に存在しない「勝者であり幸福を満喫している人」設定を壊す必要があるのだから)、
いくら「いえいえい世間の人全般が何の苦労も無く幸福な生活を謳歌しているだとかそもそも『共同幻想』論的にあり得ない」事をどれだけ説明しても、必殺「雑誌にこんなことが書いてありました」「TVドラマのなんとかのように」「身近な人の話ですが」なんて無茶な根拠で前述の『自家発電的な不快再生産の状況』が”自我防衛”されてしまう事があります。←わかりやすく言うと「聞く耳持たず」状態。
●勿論そういう進行になった場合(いくら説明しても聞き手の論理性が破綻しているので)、統計の数字なども出すんですが、権威性認知をバックグラウンドにする『共同幻想(メンタル問題の場合強迫心理系認知)』にとって統計DATAはそこそこの説得力・到達力を持ちます。
※そもそも強迫設定の破壊は心理学的対応の”導入部分”であって、本題は「人間は何がしかの権威による承認などそもそも必要が無い・自己の実存と関係が無い」って原則論と併行し、発端となる幼児期などの『権威性幻想のネタバレ崩壊』に話を進めるところですが、リハビリ過程のリバウンドで今回のような”導入部分”論議が再燃することも少なく無いので抑えておくべき論議です。

凄くベタな表現なんですけれど、
「それは法律に書いてあるんですか!」と興奮する状況に対して統計DATAとかってのは”公(おおやけ)”のものなので(権威性フラグが立つためカウンター効果がある)、
「かくかくしかじか民法何条によるとなにやかんやで、なんとか訴訟の判例ではたしかに、、」と返すような説得力を持つワケです。

「結婚したくない」女性31%で男性のほぼ2倍 日生が独身者に調査
http://www.sankei.com/life/news/150615/lif1506150014-n1.html
恋人いない20〜30代「出会いの場がない」55% 「恋愛が面倒」回答も
http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/150622/cpd1506221124005-n1.htm

以前のエントリーで書いた「孤独が平気」だとか、都市部の男性将来4割非婚か?みたいな論議もあったように着々と「昭和の社会適応幻想」がガタガタと壊れ始めています。
今回の統計には「いよいよ『恋愛幻想』も壊れてきたかな」と思う部分もあり(昭和の「恋愛幻想」の始まりはひょっとすると60年台のミニスカートブームあたりかもしれません)、更に崩壊は内容的にも前進してきたのかなと思います。

「素で考えたら(恋愛?)、う〜んどうだろ」←調査結果が表しているのはこの辺の心理かと。

言うならば現代社会において『共同幻想』とは「一種の営業トーク的なかなりインチキなもの」と認識される事が増えており(『共同幻想』ネタバレ崩壊過程)、原始時代における共同体のような「集落の生死を賭けた必然性・真実性」に及ぶはずも無く(なんつーか安倍政権の日本の存立に関わる危機設定に「流石にホルムズ海峡は無理あるわ」みたいな乖離でしょうか)、
各人「素で考えたらどうだろ」とネタバレして気がついちゃうことを容易に止めることは難しい。
時系列で言えば「男女雇用機会均等法」以来ほとんど『恋愛幻想』の捏造は無理筋過ぎるネタとなっておりまして、極論20年後の世界では「男女などの性別表示がプライバシー保護上NG」となっとるのかもしれないのです。←流石にそれな無いかな〜と思いますが、、、
などと考えてみれば『恋愛』幻想が現代社会において蜃気楼状態になっていく様も理解しやすいと思います。
※HPの心理学テキストに『恋愛論』がありますが、基本的に恋愛現象というのは発明者である紫式部の時代から「単独者の無頼な様子の一局面」であって(言うならばドラマや小説の話)、昭和の『共同幻想』が設定した恋愛幻想は「実のところ家幻想をバックにした”異性の斡旋”のこと」だったので(むしろニュアンス的には浮気の方が恋愛っぽい位置づけにあった)、
おおよそ本質的に恋愛でも何でもなかったのでネタバレ度合いも激しいものあると思います。
(逆説的には『単独者』の時代を迎えて恋愛論が本質的に開花する可能性もありますが、それは個人の趣味性に及ぶものなので、恋愛という共有可能な一般論でくくられる世界とはまた別の気もします。)


■話は「昭和恋愛幻想の崩壊」に戻りますが
ここの崩壊が進めば「メンタル問題の運営も更にまたいくつかがネタ切れを起す」のですから、メンタル問題の社会的拡大現象も長期的に見れば今後収斂していく方向性にあり、連動している社会的「単独者化」が鍵となっている事がわかります。
(※社会的単独者化:全ての人が「単独者」になるという意味では無く、確信犯的『共同幻想』保守選択や歩留まり選択を含む「個人の自立的方向性」の分析。)
それは「現代社会のメンタル問題が、先進国化の果てにある”社会学的な過渡期の現象”」を多くの背景としている証明であり、ともすれば個人心理学に傾斜するフロイドから社会学的背景を組み込んでいく岸田『唯幻論』への変遷と意図するものを表している。
(岸田『唯幻論』がああるからこそ次の「単独者論的心理学」へ繋がる。)

※勿論今回紹介したような傾向は都市部の方が更に顕著ですから、メンタル的に思い悩む傾向ある時には環境的に「都会の一暮らしがベターである」ところも(この辺は昭和にも着想あったと思いますが)、留意しておくポイントでしょう。

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<おまけ>
■ちょいと恋愛幻想崩壊ネタと被るので以下も追記しておきましょう。
先日2chかなタモリ語録みたいな記事のスレッドありましたが、
元記事はこちらでしょうか、
心に響くタモリの名言ランキング
http://ranking.goo.ne.jp/column/article/1339/

アンケート結果のランキング1位は
1位: 「今はね、友達を作ろう作ろうって言い過ぎるよ。友達なんかいなくていいんだよ。」
2位: 「真剣にやれよ!仕事じゃねぇんだぞ!」
どうやらこの話はもう少し詳しいバージョンがあるらしく、
【エンタがビタミン♪】タモリの名言は本当か? 林修先生が『いいとも』で真相を追及。
http://japan.techinsight.jp/2014/02/tamorimeigen-hayasisensei-iitomo20140210.html

リハーサルで林修先生が聞いたという『友達はいらない。諸悪の根源である』について、タモリは「これは言った覚えがある」と認めている。
「『友達100人できるかな』とかいう歌が嫌いだ」というタモリは「何が誇りなんだ! 友達の数が多いと人生が豊かになるなんてとんでもない勘違いだ」と持論を展開。彼は友達が集まって団体になると楽しいことは認めながらも「結局、その“輪”以上のことができない気がする」と1人になった方が可能性が広がると説く。
さらに、「今は1人だと人間の価値が低く見られるようだ。学食で1人でごはんを食べていると『あいつは最低の人間だ』と見られるのが嫌でトイレでご飯を食べるらしい」と若者の間で1人でいることを“ぼっち”と呼ぶことや“便所めし”という風潮を嘆き、「1人がイイ! 1人で十分だ」と林先生と意気投合していた。
続いて、『やる気のあるものは去れ!』はタモリがラジオ番組を持っていたときに言ったものだという。彼の仕事に対する姿勢にも通ずるところがあり「“頑張ってしたいと思います!”という奴は暑苦しい」と指摘する。「やる気のある奴は物事を中心しか見ていない。面白いことはその周辺にあることに気づかず、視野が狭くなる」というのだ。

(ご存知かと思いますがタモリ氏は早稲田の西洋哲学科中退です)
言わんとしていることは「恋愛幻想の崩壊」と同じです。
●最初の名言「友達なんかいなくていいんだよ。」←これは逆説ですよね。
「友達なんかいなくていいと思う奴(個として自立している奴)にしか友達はできない。」
そりゃそうです、本質的な友人関係は「個VS個」の対等の関係のものですからね(その関係も趣味性である)。
(そこは恋愛幻想なんちゃらと同じオチになっている。「昭和の友人関係」などというものは基本社会適応維持のための方便としての同僚幻想のようなものです。事実社会心理的バッググラウンドに強い権威性問題を抱える韓国では「クラスメートは全員友人関係で”なければならい”」みたいな縛りがあるそうです。)

●後半の話に出てくる「やる気のある奴は物事を中心しか見ていない。」←これもまことしやかな『共同幻想』系の宣伝する意義なんてものを真に受けている奴は使えない(面白くない)という意味でしょう。前半の2位の「真剣にやれよ!仕事じゃねぇんだぞ!」も同じ意味。
仕事や社員的『共同幻想』の道徳的説得力なんてものはとっくにネタバレ・ダメ出ししており(んなもんプロパガンダだろうと)、食うためなど「もう仕方なくだな」と(確信犯的『歩留まり』選択)わかっているようなう奴じゃないと実際仕事で使えないって逆説。
(『共同幻想』の道徳的説得力を真に受けているような奴は、思い切り認知能力に『共同幻想』リミッターかかって使えないと。)

勿論タモリって人物がアング芸人に始まる「立ち居地アウトサイダーな人」ですから、所謂「真性『共同幻想』適応保守系人格」を例外と見ているところは織り込み済み。
むしろ、この話の重要なとこは、
■最初のリンクにおけるアンケート調査で、実際のネット世論一般がランキング1位2位を選んでいることです。「恋愛幻想の崩壊」同様に「現代社会の単独者的変遷」をよく表してます。
(※さらに追加すると表面的に『共同幻想』適応している人達の間ですら、友人関係がどうたら仕事がどうしただの「その建前にもうウンザリしている人達が多数潜在化してる」って事でしょう。)


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