『単独者』の概念ってなかなか事情のわからない『共同幻想』サイドからの風評として(そりゃ当初『共同幻想』適応のが多数派なのだから)孤独だとか孤立だとか我が道を行くB型人間みたいな捉え方がどうしたって多くなるので、単独者当事者すら時折誤解する事もあと思うんですが、まったく違いますから。多分この話って定期的に念押し必要だと思うので、折に触れてしつこく書いておこうと思う。
たとえばだね、アフリカのサバンナで習性として群れを成さないネコ科捕食獣を孤高だとか孤独だとは言いませんわね。或いは街中でご存知の野良ネコ達もさ、
また皆さんご旅行されたときでも外食でもいいけどさ、「寂しいのでどうしても相部屋にして欲しいだとか相席マストで」なんてトンチンカンな人はどこにもいないのです。タクシーでひとり帰るのは寂しいので「誰か相乗りする人いませんかー」と銀座で絶叫する人も見たことありません(経済事情で終電終わった後に三鷹の相乗りタクシーの運ちゃんが誰か乗る人って声かけするのはあるかもだけれど)。
※勿論その基礎的変遷に「貧乏時代の家族相部屋」から近代以降の「子供部屋など家族社会における個室化(プライバシー権の発現)」って部分があるわけで、
ネカフェでマシンが寂しそうだと片っ端から隣りのマシンと共有フォルダやら共有設定しまくる人もいないし、土地付き戸建てはコミュニティー崩壊させるからこの区の住居は全部長屋にするとか叫ぶ政治家もいません。
実に単純な話で、重厚長大製造業などにおける大企業が巨大なイントラネットやら大型汎用コンピューターを使って、デスクの上は端末機能だけって時代は存在したけれど、パーソナルコンピューターの普及でなんらかのネットワークに接続するが、単独でも機能するって分化の方向にあるわけです。
サービス業なんかも細やかなニーズに対応するためなんとか部門を子会社化するとかさ、
更に言えば、最も高級な接客は「個別対応」なワケでしょ(個人授業とかもあるよね)。
人権(個人固有の権益でもいいけど)考える場合、プライバシー保護なんて最上位の話になるワケですよ。その裁量権・自由決定権・自己完結性(=単独行動可能性)これらが個人に帰結するってのが『単独者』であって、権威性社会などでその行動が規制なり干渉される(事にその判断を依存する)ってのが『共同幻想』自我だから。
つまり、『共同幻想』自我はその構造上(大型汎用コンピューターで考えれば実にわかりやすいけど)端末単独で起動するOSが無いのだから、接続切られちゃうと何もできなくなってしまうので、この状態を孤立とか孤独とか言う訳ですが(電車の1車両を切断すると客車だけでは走れない)、PCを起動なり管理する場合アドミンどうこうだとかさ、パスワードの管理やら自己完結性のが重要になります(自家用車のキーをやたら複製して近所に配る人などいない)。この単独性の事を『単独者』と呼ぶ訳。
古代文明時代から近代まで公衆衛生の知識なんかも(権力者サイドの知識人以外は)「告知される情報なり法に依存」する訳で、誰にも管理される事が無い自由な情報カオスのネット情報を各人がそのリテラシーなりで自由に取得する現代社会と自我の構造が根本的に違うんです。
うんでー、近代から現代社会への変遷の中で構造論としては「社会学的に『共同幻想論』から『単独者論』への変遷期」であって(勿論全員が『単独者』になるべきとかの意味では無く)、『共同幻想』適応人格の選択にしても『単独者』人格の選択にしても(或いは『歩留まり選択』でも)、単独者時代の在り方がその合理性として半ば自然発生するんだよって話です。
(※同じ『共同幻想』適応選択でも、近代と現代では違うって話。←現代は単独者時代の『共同幻想』選択自我になるんだと、)
てなわけで孤立や孤高ってのは『共同幻想』社会における内部事情なワケだが、
『共同幻想』社会における”接続事情”ってのはどうなのと言いますと、
近代までは「同じ制服やら○型のバッジを付けた舎弟やら、なんちゃらエンゼルスの刺青だ、常になんとか血盟団の集会に参加だとか、同じ方言を共有だとか」かなり形式主義的な『共有性』が重視され、言うならばその共有フォルダの量的存在感で接続が確認されてますが、現代化の中でその『共有性』は更に概念化していくワケです(制度的なものから任意性のものへの変遷)。
だから殊更「単独者論」など交えなくても、『共同幻想論』単体でもその変遷は確認できます。
(※よって、反動が起きると「原理主義」みたいなのが台頭する。)
目に見える制度から概念的なものって事だからさ、
端的に言えば「自覚性」だよね。
現代になればなるほど「なんとかの一員って概念の内容は各人の判断に任されている」事になる。
(勿論その判断なり内容は個人で偏差が発生する)
時にさ、政治論でリーダーの資質なんて言葉あるじゃないですか。これってのは「その概念的なものを権威性から引っ張る(糾合する)力量」ですよ。まー限りなくソフィストに近いんだけれど、、よく言えば説得性や合理性だよね。力学的に「分化(偏差)傾向」をビルドインするのだから、社会はそれを(或いは保守思想は)どううんぬんするのかとかの論議はそりゃ出てくる。
結果『共同幻想論』としても現代においては「伝統文化なるものをいかに(概念的に)各個人が考え、母数として共有する社会に対してうんぬんするか」みたいな論議抜きに存続できない。
多様性(必要に応じて分社化するような弾力性)の保証無しに『共同幻想』は生存できんのです。
(メジャーレーベルのごり押しではもう流行歌はうまれない)
故に「住み分け論」の台頭となる。
(※逆に言うと近代なんかだと後に間違いが確認された「社会的ダーウィニズム」なんかがうけたワケ)
つまり、たとえばあなたが『共同幻想』適応人格を選択した場合、
分社化でも多様性でもいんだけれど、社会的合理性のある概念を自分なりに語れないといかんワケ(『共同幻想』を自認しているなら)。これはだね「地方議会の選挙時における選挙演説と同じ」です。このとき全く集票できず自分に投票する人が誰もいなかった場合を孤立・孤独と言う。
しかし『単独者』は何か殊更社会的合理性を標榜しているわけじゃないのだから(代議員として立候補するような行動原理が無い)、その存在は「同じ民主主義でも住民投票的・直接民主制的」な世界観になります。このとき個人の判断ですっごくマイナーな選択肢に投票してその票が1しか無くても孤立とは言いません。少数意見だったり、場合によっちゃ誰も思いつかない選択肢を発明した”ユニーク”だとか”独創性”って意味になる。
「俺は絶対サラリーマン」を志向した場合、個人の実存っては組織改革だとかその所属母数に対する概念的関係性の発現無しに語れないのだけれど(説得性や説明性や糾合性やらさ)、現代社会の場合は『共同幻想』選択であっても、そこを所属個人が考えていくってプロセスが求められる(近代までなら信者であるだけでもよかったんだが)。
「俺は個人商店で」を志向した場合、生き残りの方便として様々な独創性が求められるわけよ(仮に模倣者であればその分個人の実存率は下がっちゃうから)。
『共同幻想』選択人格における孤立や孤独の不安ってのは「自ら考える組織改革の概念的なものが大ハズレした場合(概念としてトンチンカン過ぎる場合)」の話であって(会議において何を発言するかみたいな話です)、
仮に当事者が『単独者』選択の場合、反対に(著作権的に)パクリや模倣では無く独自性・独創性の担保って事になり、この成功者を(小規模店舗のオーナーを)「孤独で不安ですね」とか言わないのだよ。→「このユニークな発想は凄いですね」になる。
(※この商店主の発想を『共同幻想』がなんとか自身の世界に取り込もうとする場合、広告会社などがキャッチなコピーで売り出して、妙ちくりんに命名されるんだが、どうにも『共同幻想』がここ取り込めないと判断してもその実存に普遍的な雰囲気を感じた時には対処に困り(『共同幻想』が壊れないための抑止力的に)「俺流」みたいな格好で「異端だが価値がある」という意味不明な例外事項の判定となる。←注:ここも『共同幻想論』から見た場合の話で、『単独者』の実存とは何ら関係が無い。どんな風に『共同幻想』社会に呼ばれようが『単独者』固有には関係が無いのだから。)
似通った方向性ではあるのだけれど、
根本的に違う話なので、ここを混同しちゃうとワケわからなくなる。
■つらつら書いているうちにちょっとわかりやすい説明モデルを思いついたので、近いうち次回エントリーで続編書きます。
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