前回の補足です。
医師の心理学サークルなどで目的も無いまま自己分析すると『共同幻想』適応者は事実上”依存型”でもあるため『共同幻想』の分析で拠り所となる帰属性アイデンティファイが大崩壊するリスクなんとやらの話に触れましたが、更に突っ込んでこの状況を解説すると「急性のメンタルリスク」という論議になります。=突発的に自我が破綻する可能性という話です。
これに対し、メンタル問題を既に抱えている自我は分析等の過程を経ても急性状態は論理的に発生しません。ある意味その耐性を獲得しているとも言えるのであり(そこには何らかの状況に対する自覚はあって「疑問の余地なく依存性の存在すら視野にもないという状況には無い」ので)ある意味「無問題に『共同幻想』依存型の社会適応しているパターンのような急性崩壊リスクが無い」という事です。
(分析過程においてもメンタル問題がある場合なら、たじろぐこと無くガンガン防衛行動が発動されるケースの方が珍しくありません。)
てか急性崩壊が起きるリスクが存在する自我は極論すると依存の最適化が成立しているのだから、慢性的なメンタル問題に至る事は無い。言い換えればメンタル問題が存在する=急性崩壊に対する耐性があるという話です。
(勿論現象として災害や戦禍などのような急性の事象というような突発性のものは誰にでもあるリスクなので例外とします。)
ある意味メンタル問題のある自我の特徴に”高い論理性”が挙げられるのは、表現は適当じゃ無いかも知れませんが矛盾する問いに恒常的に対峙する中で鍛えられている部分あるワケです(ここが問題を恒常化させてしまう原因のひとつでもあるんですが)、そこが結果としてメンタル問題を抱える自我は「(当事者には自覚は無いのですが)社会適応型自我に対し相対強者である」所以でもあるんです。
なんだかこんな話をすると「自我の最適化された依存状態なんて表現を聞くと『共同幻想』適応は随分と脆弱なメンタルって事になるんだろうか」と思われる方いらっしゃるかもですが、ある意味「そのとおり」なんです。
あくまで”ある意味”ですけれど。
(現代社会に歩留り論的余地の無い『共同幻想』鵜呑み的な適応自我って滅多にありませんから。どこかに疑問含めて感じつつも反抗期プルーフで『歩留り的』に選択されるのが現代社会の『共同幻想』適応となるため=事実上崩壊予備軍。)
そんなワケで”ある意味”ですが『共同幻想』適応自我には固有の脆弱性があるので、保守政治家などが国家の一大事などの時「社会が大混乱になってしまうのでこの情報は公開できない隠蔽するべきだ」なんて判断の根拠となるんです。
保守政治家の目には「個の存在と依存関係にある社会秩序(幻想性・神話性)は一蓮托生であり不可分のもの」と写っているからです(戦前で言えば『国体』などの概念がそうでした)。
では「なんだかんだと歩留り的なアイデンティティー論も依存的なものになるのだろうか?」とくれば、そこはそういう意味にはなりません。
前回説明したとおりで、本来歩留りってのは『選択的』あるいは『確信犯的に状況などに対し受容的なもの』だったりするので(もろに依存が成立するための条件はそのスタンスが『被(こうむる)』場合となるため)、諸行無常的とでも言いますか(笑、もっと世俗的に打算やネタバレも織り込みつつなものです。
(ここが昭和のドラマにおける反抗期青少年の台詞「大人は汚い」なんて台詞のポイントであり、勿論打算的世俗的であるところが『歩留り』論のキモです。社会学で言うところのゲゼルシャフトであり、イスラム社会などでは世俗主義と呼ばれるものです。)
端的に言えば「同じ保守でも戦前より戦後の保守の方が(歩留り選択率も高くなり)耐性がある」ちゅうワケであります。「強い保守」って意味じゃないですよ、その反対に『共同幻想』崩壊耐性があるって方向の意味ね。
皮肉な事に、保守政治家の判断とは”真逆”で『選択的アイデンティティー』は当人にとって強固なものだと理解されているため(だから無理に抵抗せずここは歩留りでいいかって判断しているのだから)、少々のネタバレや『共同幻想』の崩壊に備えて保守が必要だとも思ってません。
「そういう脆弱なものでは無い(俺にはかなわない)」という理解が織り込まれているからです。
なんだか矛盾しているように思いますが、相対論なんでそういう話になるんです。
聖域的認識は後退しているが、普遍的認識が高まるって言うのかな。
それは=幻想性や神話性の後退ですよね。
ですから現代社会の場合には「自己分析には急性崩壊のリスクがある」って言うほどの話でも無いのだろうと思うんですけどね。
(つまりメンタル問題における耐性部分も、強固にそれを防衛しようとする事をもって『選択的ではない』証明となる。中段の保守政治家の誤解と流れ的には同じですね。)
「それじゃ保守政治家にはメンタル問題があるって事なのか?」となるかと思いますが、
ある意味あたってます。
どこの哲学だったか、社会学だったか忘れちゃいましたが「政治思想」なんてドグマは所詮なんちゃらかんちゃらだって論議がありまして(端的に言えば新興宗教みたいな眉唾もの)、政治思想全体をそこまで言い切っちゃうのはどうかと思いますが「そういう側面もある」のは確かでしょう。
先ほどのイスラム社会における世俗主義でいれば、前述の保守政治家の振る舞いは原理主義者のそれと同じという事ですね。
(皮肉な事に原理主義者の振る舞いは神話性を保守しようとするあまり、その行動が保守すべきなんとやらに対する普遍性に疑問を証明している。)
↓
ちょ〜っとめんどくさい話をします。
「乱高下感」
えとですね、『歩留り』ってのが選択である場合当事者はその”何か”を強固なものだと理解しているって話をしましたね。或いは諸行無常的だとか「普遍性フラグ」的に。
だとすると?その概念は「普遍なのだから上にいったり下がったりなどの騒ぎが起きない」となります。
仮に『歩留り』的概念だと思っているものが「乱高下感」を伴って興奮を演出するようであれば、そりゃね〜(相対論における脆弱なので言論統制しても保守すべしみたいな着想と同様に)「その概念のナントカ性の話では無く、その関係性が依存的でありなんとも危なっかしいからである」って話なんですよ。こいつが前述の「普遍性に対する疑問や不安」の正体。
結局テーマになってる概念の話じゃなくて、依存性など内容つーか「選択性の有無など」スタンスの問題です。
(いいかえりゃ「乱高下感」を躁鬱と訳してもいいでしょう。)
勿論『被(こうむる)』だとそれは不安を呼び、『抗(あらがう)』だと一見概念に対して不遜な振る舞いに見えるんだけれど不安は発生しない(実は普遍性を信認している)。
(やっぱこの話はどうやっても難解になっちゃんですよ、うーんとここもパスカルの賭けみたいな不条理込みになってるから、わかりやすく説明するのは無理ってもんです。)
多分、概念の普遍性を相対的に高めているのは自らの実存性なんですよ。
(概念の普遍性ってのは一種の鏡像論なんだと、)
哲学における「歴史の終わり論」じゃありませんが、
「真性保守と真性左翼は多分友人になれる。(行きつく先が同じ”終わり”)」
ここの概念もですね、それこそ「頭で考えたらそうなるよね」的な暗喩的なしろものでありまして、
実際にそういう事があるとか、それが真実だみたいな話ではありません。
俯瞰で見たらそういう事なんかな〜程度の話です。それは相対論だから。
『歩留り論』が成立している以上、保守と左翼の間に違いは残るのですが、
『歩留り論』に何か制約だとか限界があるのでも無いのです(終わりも定義できちゃう)。
ですが、前回の話のフリーJAZZのように「無秩序が目的化しちゃったらそれはカオスで自由とは言わないパラドックス」があるように、終わりは定義できるだけで『歩留り』がある以上「決して無制限ではない」みたいな(笑
(ダメだこりゃ、自分で書いていて意味わかんネ〜)
↑
いよいよめんどくさい話になってますが、、
殊更たいした話をしてませんから「難しく考えないでください(笑」
■「ネコは何故昼寝をするのか」なんて事を考えても意味が無いって話です。
ロシア風のジョークじゃありませんけれど「昼寝をするからネコなんです」。
(その時「昼寝をするべきだ」と興奮する人はネコでは無い。俺はネコは無いと歩留りを否定する事もできるがその人は「俺が誰であるのか名乗らなければ存在できない」。)
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