2014年04月03日

メンタル問題関連の勘違いとか

臨床系は症状に応じていろんな名前をつけるもんだから、固有名詞に弱い人は”そういう病気が固有にある”と思っちゃうから困る。←これはあくまで彼らの処方上の分類だから。
(うーんと「固有名詞に弱い=キャッチコピーに弱い」となるので=リテラシー(『共同幻想』ではなく個人的検証性)に弱いって事にもなるので、それも強迫心理の一種ではあるんだけど、)
実際『適応障害』なんて言葉もありますけが、専らそのストレス要因とされる事実関係が何故過度のストレス要因になってちゃっているのかって部分は医療界は管轄外ですから。
自然に考えれば、何々が固有にストレス要因になるってところがポイントなのだから(後遺症的に併発した症状への対処療法は別個に考えるとしても)、そこ心理学的なアプローチをほとんど検討しないってのも”そういう病気が固有にある”と思っちゃう誤解を更に助長するところがある。
(※勿論医療行為に属さない心理学的なんとやらを医療界に求めるのは根本的に無理なのだから、医療界として「そういう文系部分は自主的」にって立場に問題あるとするのもアレなんだが。)
ここを説明不足って言っちゃうのも酷な話で(そもそも医療行為に属さない学問的説明をする知見が無いのだから)、平たく言えば『心理学』なんて往々にして一般教養科目だったりするのだから、建前は自分で勉強なり情報収取してくださいって事になっている。

この点、インチキも多分に含む学問である経済学だと「ナンチャッテ心理学」を市場の均衡予測の根拠に使っていたり(ナンチャッテでいいのかってアレじゃないかって話は置いておくとして)、文系仲間ならではザックリ心理学的研究を学説に織り込んだりしているので、こういう融通が医療系にも少しあってもいいのかなと思う部分はある。

■それはともかく、ザックリ言えば医療界の受け持ち範囲は「派生する症状に対する個別対処」なのね(たぶん医療法的にもそれで正しいんだと思う)。
しかし、メンタル問題ってのはフロイド以降明快な「自我構造上の偏向なり偏重」として研究されてきたもので(フロイドは精神科医だったのにね)、専ら症状への対処では無く「原因となる”そうなっちゃう理由”」の方が担当分野になる。
(逆にこの場合対処的な部分にニーズあるなら診療内科なり市販薬を使うなりしてね的な、)
線引きすると、原因となるポイントが自我問題でありそれを病気であるとか病名分類するとかそういう建前になっていないのだから、根本的にはメンタル問題は病気では無いワケですよ。
(その派生症状が医療界受け持ち範囲で病例的に認定されているっちゅうこと。)
社会的にそれを説明する時には(誰しも心理学的知識豊富とか有り得ないのだから)「病気です」と堂々と説明するのが誤解の無い説明になるんだけれど、
自分自身に対しては「根本的には病気では無い」と考えなければならない。
概念としては「生活習慣病とほとんど同じ」です。
緊急性のあるような派生症状があれば「それは別問題」なのだから医療的対処が必要な場合もあるだろうけれど、それは原因となるポイントに対処しているのとは違う話なんであって、
重要なのは「厳密には病気ではない部分」が(生活習慣病的に)本丸なワケです。

■それこそ冒頭の「固有名詞に弱い」なんてところから書いていくなら、
(この面では臨床系の貢献が大きい)
『メンタル』であるとか各種病名分類が巷に普通に流通するようになっている現在、
そっち方面の認識も十分深まっているのだから、冒頭の「『心理学』なんて往々にして一般教養科目だったりするのだから、建前は自分で勉強なり情報収取してくださいって事になっている。」的な話の有効性はある程度担保されている話だとも言えるでしょう。
(更に付け加えると「人間が心理学的な矛盾の無い自我でなければならない法律」なんてありませんので、自分で『歩留り選択』的に「心理学とかで自我がどうたらとか俺は御免だ」という判断があればそれはそれでOKなのであり、)
 ↓
思えば昭和に比べれば、随分とこの辺の認識は一般的になってきたものです。

■時系列的にこの部分の社会認知が進行した背景を考えると
巷で『心療内科』という言葉が一般化したキッカケは阪神淡路大震災だと言われています(PTSDの診断)。ここは米国における現代の戦争などの後遺症事例と同様に「事件内容により拡大したのでは無く、現代人の自我が『共同幻想』崩壊に応じて変化しているから増加している」と考えるべきところで、こういう表現はどうかと思いますが「メンタル問題が発生する自我」はある意味時代のフロントランナーな訳であり、
「『共同幻想』社会適応の回復が治るを意味する訳では無い時代」がようやく社会にも認知され始めた背景でもあります。
(昭和であれば「治る=現場復帰」でしたが、流石に現在の米国の戦争後遺症的PTSD事例で「軍に現場復帰して元気に戦争に参加しなければ治ったと言えない」とか考える人はいないでしょう。)

この話を知っている方はかなりの昭和生まれだと思いますが、
何かって昭和を代表するボクシング漫画「あしたのジョー」です。
力石徹との一戦(この一戦により力石は死亡)によるショックから矢吹丈はPTSDとなり、リングの上で嘔吐したりボディー以外のパンチが出せなくなります。そこから彼は這い上がり頭部へのパンチを出せるようになる回復過程が描かれますが(お嬢さんが矢吹の野生を取り戻すためにカーロスリベラを呼ぶ)、この時代はね「現場復帰しなけりゃ治ったと言わない時代だった」のですよ。
(現代社会であれば、ボクシングを捨て自給自足の農業に目覚めた矢吹の元に数十年後お嬢さんが有望な若手を連れてきて「彼にボクシングを教えて」なんてストーリーになっていたのかも知れません。)
しかしいかんせんまだまだ一般社会には『共同幻想』崩壊過程が「そんな時代じゃなくなったのね」としてしか理解進んでいないので(そんな時代ってどんな時代だってね)、何が起きているのかわからずにいきなり「右旋回」考える人も少なくありません。
(みんなをリングにあげれば解決するとかそういうことじゃないっちゅうに。。)
右旋回の誤解の気持ちもわかるっちゃ〜わかるんですけどね。

話は逸れるのかも知れませんが、
現代日本のサブカルの代表「2ch」、
先日記事のその後がトンデモ展開になってます。
何やらまとめサイトが問題になっているらしい
http://kagewari.seesaa.net/article/390707021.html

(その後)
2ちゃんねる「違法な乗っ取り」状態? ひろゆき名で声明、新サイト「2ch.sc」6日にも開設
http://www.j-cast.com/2014/04/02201024.html

これもまさに「こういう時代になったのね」ですね。
予想外の展開を見せているのは事実で、2chはどうなっちゃうんでしょうね。


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posted by kagewari at 05:56 | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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