http://twitter.com/iwakamiyasumi
http://anmintei.blog.fc2.com/blog-entry-999.html
俺自身web関係でアレしてきた経験上岩上氏が有料サイトを立ち上げる云々の話出た時に「いやぁこれは厳しい」と正直感じていた。フリーエコノミーにおけるビジネスモデルはほとんどコレというのが存在せず(唯一の成功例はホリエモンのメルマガぐらいじゃないか)、大手メディアがやる場合も「当面は採算度外視」がデフォだったりするので、経験というか直感で「岩上氏有料サイトに切り替えるならフォロワー30万は越してからじゃないと無理じゃないか、、」と思っていた。
数字的根拠はアレとして、
『フリーエコノミーからの有料化』には構造的な矛盾があるんですよ。
(根本的にこれまでと違う概念のビジネスモデルが必要だと捉えるべきで)
米国におけるフェアユースに始まる無料流通の概念は殊更ネット社会における情報拡散などに適合性が高く、専らそれは「無料である正当性」みたいな部分に論拠するワケですよ。
実に簡単な話で、2chなどの掲示板でもそうだけれど始まりは”会社や学校や井戸端会議などで”「ねぇ奥さん昨日のニュース観た、大変よね〜」に取得された情報が自由に語れる、又公開後その情報の再確認なんかも基本的には無料ベースだったりするってどこにでもある日常で(まさか世間話をする時に著作権があるから昨日のニュースを口にしてはいけないなんて無茶な話は無い)、インターネットがメディアとして機能している部分においてそれはさ公共放送じゃないんだから(そこに自分で聞きにいかないと聞けないワケだし)広告性もってそれが拡散するとかの表のメディアとは構造からが違っていて、各ユーザーにしてみれば「世間話と感覚的な違いが無い」のです。←その世間話が口コミで広まるって機能性をネットが担保しているだけ(ダイレクトに到達させるメディアでは無い:だからある意味旧ビジネスモデルでも成功できたのが有料メルマガだったのだと思う)。
そこをさ(勝手に拡散する機能性)、有料にしちゃうと水道の蛇口を占めるように「秘密の世間話」になるんだよね、
拡散してナンボの報道メディアにとって一歩間違えばそれ致命的な話になり兼ねない。
(日本の大新聞なんか事実上公取違反か独禁法違反を前提に昭和なんかでは半ば”マストの町内会費”的な感覚だったので、無料じゃないがその既得権を使ってフリーペーパー感覚でどこの家にも新聞はあるみたいな話になってたんだし、勿論ご存じ民放TVは無料だしさ、)
シンプルに言えば、ラジオでヘビーローテーションさせたいような「新曲の販促」、
これがさIWJはニュースを(新曲同様に)売り込みたいワケだがそのラジオ番組は有料なので一般人は聴けませんよみたいなことだとさ、この段階でもう無理なんだわ。
(だから有料化前に一定規模以上の安定母数を確保しておかないと新規会員を呼び込めない。)
webなんとかの運営ってさ「とにかく金かけない」「できれば個人で」みたいなところからじゃないとまず難しい。
更に取材を受ける側にとっても「そこで語ってもどれだけの人に浸透するの」って威力が有料化で落ちちゃうと、これは何のための取材ですかって事にもなり兼ねない。
(昔話みたいになりつつあるスポーツ新聞ってのもさ、アダルトなナントカとかがある意味稼ぎ頭ってのかな〜、販促的にそういう部分あったワケじゃん。web広告だってアダルトのアフェリエイト無しに考えられないでしょ。)
随分昔の話になるけれど、所謂ひとつの悪質系某アダルトサイトってさDoCo○○だとかも裏で推奨してたんだよね(通信費儲かるワケだから)、SONYのベータ潰しでパナがVHSを田舎で売り込んだ時にもアダルトビデオ無料でお付けしますとかさ(笑
インターネットの販促って「無料であること」なんだわ。そこを有料にしちゃうことは常に一歩間違うと自滅の道になってしまう。
(webの動画やTVの有料チャンネルなんかも販促ってさ「今なら一か月なんとかが無料」とかでしょ。あのリクルートなんでフリーペーパーを武器にあそこまでいってるんだし。)
勿論IWJも一部のコンテンツは無料のまま開放していたんだけれど、報道メディアで「一部無料方式」は馴染まないと思うんだよね。
(黒字化成功している珍しい例と知られている神保氏の『ビデオニュース・ドットコム』も拡散性という点では成功しているとは言えず、同人誌的なメディアみたいなもんだし。)
■だから言ってんのよ『フリーエコノミー社会にはベーシックインカムが必須だと』
少なくとも岩上氏も生活の保障が無条件にあれば、その活動を逆算してさ「可能な範囲」とか探りやすいじゃん。(ジャーナリストとしての知名度や信用は既にあるんだから)
これをだね、十分に公共性ある価値を持つIWJがなんとか自力でビジネスとして成功しようと足掻いてやっぱり潰れるとかになるとさ、何か間違っていると思う。
需要と供給の概念から言えば『社会的需要はある』のだから。
↑
ここ勘違いして欲しく無いんだが、「金払うほどの需要じゃないのじゃないか」とかって意味では無いんだわ、公益性として「こんぐらいの活動スケールの需要」が社会的に存在していてもこれに現実が追い付かないってか「融資の審査がヘボで潰れてしまった有力な企画」みたいな話さ(こういう経営状況の法人で解決方法はカンパだ個人からの集金額の問題だってならんでしょ)。
かといってIWJにバリバリのアダルトサイトの収益性高いアフェリエイトを実装すべきだってのも違うような気がするし(笑
(昭和モデルならマジに孫崎さんのインタビューDVD販促する時に「無修正AV同梱」なんてーな話になったのかも知れないけどさ。)
<話は戻って、>
2chの場合もニコ動も有料のサービスはあります。
だけれど、体感的に無料の登録ユーザーが殊更有料会員に比べて利便性を欠くというか「ネグられている感」とか無いようになっているんだよね。「通常使用は無料ですけど、+αのオプション希望の人は幾ら幾らでそれが手に入りますよ」って感じで、
そこを報道でどう担保すればいいのか軽軽には語れないけれど、「一律にコンテンツの有料化」って単純なアレはまず成功しないんだよ。
(うーんどうだろ、ニコ動なんかの「再放送閲覧は有料会員のみ」みたいなやり方が参考になるのかな。←IWJも同様の方式導入しているんだけどさ、、)
■特に原発事故の件やTPPであるとか小沢氏への謀略関係など、ここ数年でIWJが果たしてきた役割が大きいだけに、潰れちゃうとかになってしまうのはあまりにも惜しい。
しかし、厳しい事言うようだけれど俺はさ前述のとおりで「危ないからみんなでカンパして」みたいな流れで延命するような形では一過性というかそれ解決にならんと思うワケ、
間違っても岩上氏にこのブログが目に止まるとか無いと思うけれども(俺Twitterやる気無いし)、根本的なところから考えていかないと難しいと思う。
基本は「”表向きの部分”がいかに無料のまま続けられるか」をメインにしなければならない。
「金稼ぐとこはそれとは別個に考える」ような構成が好ましい。
(て、そこが一番難しいんだけどさ、)
ほらいついだっけあったじゃない、通信社だけれどAP○ナントカが事実上芸能人の愛人さん援助で運営されていたとかね(表現悪いけどむしろこの方が”生き残り方”としてアングラメディアには相応しい部分ある←大手だってさ結局広告会社に依存するヒモ付き的なところあんだから人の事言えた義理じゃないだろうと)、
うーんたとえばですね、
「一時情報的報道時は全部無料として(一般的にニュースサイト的にはこれで十分ぐらいの幅で)」その続きの深い取材レポートとかのある段階から「有料会員だけ閲覧可能」とし(できれば当該ニュースのばら売りも可)、
更に「無料の一時報道記事に有料枠まで取材希望するか否か投票可能(アカウントあれば無料会員でも投票可能とする)」にしてさ、更にどこまでそのネタを追いかけるべきかって部分に”何らかのインセンティブだとか市場性のようなもの”を成立させていけば(取材する記者が評価される部分も出てくるけれど)、割とスムースな有料制実装方法になるかもしんない。
有料利用者と取材の主導権を共有するってのかな、
こうすればIWJとしてもその予算配分が合理的に分配できるでしょ。
↑
ついでに言えば、上記サイト運営となるとだよ?
IWJでジャーナリスト養成講座受けた人に限り「個人で自由にサイト内でニュース発信可能とし」視聴者の投票で自ら(有料報道投票集に応じて)報酬を前提とした後続取材ができるとかのシステムも可能となる。
あんまし品性よろしくないイエロージャーナリズム的方法かもだが、やじ馬的というかのぞき見的というかそこんとこのキャッチアップにもなるし、
そこの「投票機能」んところにアップした記者だけ閲覧できる「報道に関する情報提供やタレこみ機能」付ければだよ?
■IWJリークス的方向の可能性もあるかも。
(後やっぱ営業的なとこ言えば、会員獲得的に政治経済以外のウイングも必要かもしんないかも)
余計なお世話ながら(自分のweb運営なんてサッパリなんだけどさ)「こんな風に考えてみた」的な話でした。
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有料化以外にも会員登録には個人情報を入力しなければいけないなど、個人的には敷居が高く感じられました。有料部分はもっと簡単にカンパできる仕組みが必要かもと感じました。
そんなサービスあるのかと思ったら、意外にあるものです。まとめてみたので、よろしかったらご覧ください。
http://summary.fc2.com/summary.php?summary_cd=222550
Cyginさん情報有難うございます。
拝見したところポイントになるのはAmazonギフト券の利用方式みたいですね。
これ思うんですが、Amazonが同サービス始めれば一番話早い感じしますよね。
フリージャーナリストの方って、必ずしもネットに強いワケでは無いのでシステム設計とか業者に投げてECサイトみたいな話になってしまう場合もあるみたいで(確か岩上氏も一度そんな風な流れでうまくゆかず業者切った事ありましたね)、ここIT系ソフト開発会社から見たらねぇ、稼ぎどころみたいになっちゃいますから、サイト管理人がそこ工夫しないと運営資金どころかサイト設立コストが尋常じゃないスケールにもなってしまいますからね。
「webの有料化」と「フリーエコノミー」の関係にはまだまだ技術的というか(前述のAmazonがそういうサービスしてくれればみたいな)、社会的な民間インフラが十分整っていないんだって結論になるような気がしますね。
「webの有料化」と「フリーエコノミー」の関係の前に「webの有料化」自体がまだまだのような気が個人的にはしています。(笑)
kagewariさんがおっしゃるとおり、どこかがそのようなインフラを整えて欲しいものです。そうするとフリージャーナリストとメディアとそれらを応援する人々との関係に新しい形が見えてくるかもしれません。