2013年10月09日

精神分析的アプローチにおける『抵抗』

(「抵抗」はそのまんま字の意味ではなくって、用語的な意味の話ね。)
『単独者』の概念のとこの実存主義における「反抗」と似ているのでわかり難いかもしれなんだが、まーここでも「抵抗はパッシブで反抗はアクティブ」という事でまとめておく。

さて本題の『抵抗』でいうとですね、
通常『共同幻想』社会適応人格な人が心理学を理解できない云々のくだりが「抵抗の代表選手」と言ってもいい。現象としては「受け付けない」って趣かな。
昭和の口語調で言えば「頑固オヤジ、わからずや、頭の硬い(堅い)人、真面目人間」
ちなみにその反対『共同幻想』に反抗する単独者を昭和の口語調にすれば「天邪鬼(あまのじゃく)、(普通と違う)個性的な人、変人(昭和には「自分を持っている人」なんて変な言葉もあった)」
メンタル問題の場合もそれに類する強い抵抗ナントカが論じられる場合もあるけれども(カウンセリングなども無効になる的な)、それは根本的に日常会話が成立するレベルを逸脱したしまったりする人格破綻状態の場合で、「受け入れがたい感がある」だとかのレベルを(手遅れ的意味の)強い抵抗話に理解するのは違うと考えてる。

■「強迫心理」の元ネタは『共同幻想』であり(ザックリ言えば『幼児心理など過去の共同幻想』なんだけども)、勿論自己保存的防衛反射あるのが当たり前になる。
専らメンタル問題を自覚して相談するであるとか通院するって行為にシフトした段階でそこんところのハードル(防衛反応)を越していて、『自意識』も「もういい加減にしろ」的にそのスタンスを与件化していると見てもいんだけれど、
当人がメンタル問題などへの自覚が中途半端だと(端的に言えば目先の問題が他人のせいだと効果的に認識されていて恨みや怒りや暴言で代謝されてしまっている場合)、『問題意識』認知によってハードル(防衛反応)を越せないというか、ハードルの上に乗り上げてどうしたもんか状態だったりすることになるので、見掛け上の抵抗は激しいものになる。
(ここは前段の注釈との対象で言うと「見掛け上」ってところがポイント)
『共同幻想』適応人格で何不自由無く生きている人と心理学論議になった場合の「何言ってもダメだ感」みたいな抵抗は普通にあり得るので、それは織り込み済み的に考えておいて丁度いい。。
(『共同幻想』適応人格との共通性はあくまでも”準ずる”であって、『共同幻想』適応人格と同じでは無い。←メンタル問題がある場合に心理的側面への問題意識が全く無いって事は有り得ないため。『自意識』としても認めざるを得ない何らかの不都合が顕在化しているって事だから。)

かといって『共同幻想』適応人格とその「抵抗」が同じかと言えば前述括弧書きにもあるように全く違うものになる。
▲『共同幻想』適応人格で何らメンタル等に問題無い場合、
『共同幻想』に付き従う『自意識』との関係も合意による強固な構造になっているので、大人の論理として「これこれこのような、かくかくしかじかの理由でそんな事は有り得ないし、間違いである。何故なら道徳的にも○○は、、、」←などのように保守系の大人の政治思想みたいな論理がガッチリ定着しているので「自信満々に受け入れない」というか(笑、
無理に論議進めようとすれば敵性認定されて「本物の防衛出動」になってしまいます(昭和の頑固オヤジが暴力に訴えても自分の信じる道徳を守ろうとするように)。
まーわかりやすく言えば、「クラッシックを愛する昭和の頑固オヤジ的な『共同幻想』適応人格にとって、心理学や精神分析ってのは”ビートルズのウルサイ音楽など理解できない”的反感のような形」で抵抗が発生するワケだ。
(『共同幻想』適応人格の場合、フロイド心理学はある程度の水準超えると構造的拒絶で理解できない。←典型的な『共同幻想リミッター』の一種。)
現代社会に近づくほど「心理学が学問としてタブーでなくなってきた」背景はそのまんま『共同幻想』社会が崩壊過程にあるからで、前述のたとえ話も「昭和の」と枕詞があるように(実はこれ昭和には「明治の」という枕詞がついたものだった)現代社会でそんな鉄板の『共同幻想』人格なるものは探す方が難しいと考えていい。誰しもどこかで迷う時代に突入している。

▲これに対して「強迫心理」系の『抵抗』ってのは、
『自意識共犯的』に自意識がこれを(無意識に)追認する事はあっても「両手を携えて確信犯的共犯者として構造化しているワケでは無いため」、大人の論理としてそれを大演説で語るって状況にはならない。
(たとえば「微妙に根拠が疑問形的だったり」)
構造的に正当性認知が不安定なので(てか真剣に考えれば「強迫心理」などに正当性や合理性などある筈も無いので)、更に言えば自意識は「それは『共同幻想』に含まれる関連事項じゃないか」的に受け身で騙されているかのように事後的な共犯関係となっているのだから、表向きは普通の『共同幻想』だというのが建前になる。→しかし、その表向きの『共同幻想』との関係さえ前述のとおり強固なものでは無いから、表面的というか根拠に対する認識が小学校の学級委員長が言うような水準を超えないワケで、ここでも「構造的に不安定」なわけさ。
実際どうにかこうにか『自意識』を抑圧する事で均衡しているに過ぎないのだからね。
だからメンタル問題において(その発現理由はともかく)『抵抗』が発生する場合、
その反論は、
「論旨が疑問形レベル」だとか、
「そもそも論理的にというか文脈的にも反論にもなっていない」だとか、
「事実関係すら取り違えている」だとか、
「誰も言っていない事に反論している」だとか、
所謂行為としては抵抗が起きているようだけれど、そのほとんどが無理筋になる訳で(これ勿論自分自身ある程度自覚できることだからさ)話の通じない『共同幻想』適応人格のそれとは同じでは無い。
=精神分析的なアプローチはメンタル問題を発現する自我だからこそ有効って事になる。
これを勿論いい悪いで論じるのはナンセンスなんだけれども、『共同幻想』適応がガチっと入っていないから(反抗期からそのまま『単独者』ルートとは別に)「社会全体に拡大しつつある『共同幻想』崩壊の先端」として心理学への理解が可能なポテンシャルがある事になる。
ここには重要なポイントがあって、「建前上は『共同幻想』的根拠って”事になっている”」ため、当事者が『共同幻想』社会になんだかんだと関係続けていると(所謂「取り巻きスカウティング」みたいなケースも多発するんだけれど)、周囲は表向きのスタンスが『共同幻想?』なものだから「そもそもメンタル問題の存在などを疑う事も少ない上に」このマスキング効果が当事者へのメンタル問題認識を後退させる。←逆抑圧とでも言えばいいのかな、、
(※確信犯的『共同幻想』の再選択をした場合も鉄板級の『共同幻想』適応を志向することになるので、後期先進国社会において誰もが何らかの形で同様に通るルートの一種には違いなく、『共同幻想』そのものが崩壊過程にあるのだから、現代社会においてこれにどう対峙するのかって部分を避けられる人格は無い。)

■ここまで書いたところで気が付いた人いるかもしれないが、この話にはもうひとつ別の方向性があってだね、
所謂一般的知識として(そのとっかかりは『共同幻想』的知見に始まるのだから)、いかにも自律神経失調の状態があるだとか、どっから見ても鬱だろって自覚的状態があれば、避けようも無く(「強迫心理系の問題あるって事は=『共同幻想』的知見を有するってことだから現代社会で病気認定のあるような呼称を無視できない」)「こりゃメンタルだ」と認知できるんだが、
その問題の出方がさ、いかにもな自律神経失調だとか鬱症例のようなものでは無く「何か表面上の問題が連続する(端的に言えば過剰な認知や行動が起きている)」方向に出ちゃっているとだ(いきなり症例としてそれを人格障害傾向と言うのは軽率かと思う)、とっかかりの「避けようも無く当事者がこりゃメンタルだと自覚するのである」って導入が起きないワケだよ。
表面上は摂食障害やら対人恐怖やら過緊張やらパニック症例だとか鬱状態とかに「本人大問題と感じるほどそこに至っていない場合」いろいろ別の意味で大変な事になるというのが予測される。
ひとつの典型事例が思春期における”不良化”だよね「暴走族や不良グループに所属する事で『共同幻想』適応を死守しつつ過剰な行動を「あたかも特殊な『共同幻想』に所属しているような幻想の中で代謝してしまおうという試み」であり、目的は『共同幻想適応の死守』になる。←この構図は岸田心理学で仮説されている『無理やり共同幻想に取り込み』ナントカと近いかも。
(少々の「強迫心理傾向」なら過剰な行動をあたかも正当化する団体への所属で、それを見掛け上強迫心理として成立させない効果が期待できてしまう。)
「アウトサイダー(単独者)とアウトロー(無法者)」なんかの関係でこれ説明される事もあんだけどさ、
話を「暴走族や不良グループや暴力団や新興宗教などの極端な『共同幻想』社会への帰属アイデンティティー」で語るとさ「そこには過剰なぐらい激しい所属団体への正当化や肯定意識」が散見される事は誰しもが知っていると思う。
(笑い話だけれど、不良やDQNに限って真面目に成人式出たりさ、暴足族の初詣の爆走とかお祭りで騒ぎを起こすとかさ『共同幻想』社会の公式行事に頻繁に顔出すんだよ、)
これは勿論”間接的”な「強迫心理に対する防衛」となるのであり、本人には守るべき『共同幻想』に奉仕しているような感覚になるんだが、実際の行動と「強迫心理」の狙いは専ら「強迫心理」自身の保守である。

(モチ「真性の任侠ヤクザのお方だとか民族は右翼の方など、強迫心理云々では無く昇華の領域の本物のアウトロー人格」というのも定義できるんであって、同列団体などへの所属者が全員「強迫心理問題を抱えている」という意味では無いし、そもそも人類全般に「強迫心理」の無い人などいないのであって「強迫心理」単体が異様な現象でも無い。←個別に”ノリ突っ込み”的に「強迫心理を切る」って『自意識マター』の活動によりそれは取捨選択されているだけ。止めるどころか確信犯的美意識で「モア爆発的に!」ってなればもう昇華(文化:サブカル)だからさ。こうなってくると『単独者級』に突き抜ける『共同幻想』適応人格って表現になってもおかしくない。)

<えー話は戻ってだ>
■これは勿論間接的に「自分自身の問題に対する防衛」となるのであり、
不良化だとか暴走族だとか新興宗教だとか(右翼団体や左翼運動も同じかな)極端な『共同幻想』社会への帰属アイデンティティー」で抵抗論を語るとすれば、
「それはもう確信犯的な(自己責任の発生する)『歩留り選択』のひとつ」になる訳です。
(極論「もう戻れない」→仮に戻る事ができるとするならそれはカタギの『共同幻想』社会適応の世界だけ)
考えてみれば、メンタル問題などの発現があれば「その次」を考える事もできるんだけれど、これは言うならば先進国と自由主義における選択肢であって、アウトロー的な世界は(現代というか若干近代とか昔の世代がメインかもしれないが)そういうその次って選択肢が非常に限られてくるんだよね。
ここ先進国化と『共同幻想』の崩壊過程と、世代的な往年の『共同幻想』が生きていた時代など様々な要因で派生しているのであって、
ことほど左様に「伝統的任侠ヤクザが消え、ヤクザ社会もフロント企業的な現代化を経過している現代」を考えてみると、そっちその側面の『アングラ共同幻想』も崩壊過程にあるのは間違いない。
スキマ産業的に新興宗教がそこに入り込んでいた様もあったんだが、これもあれでしょう「オウム事件」をターニングポイントにガチで崩壊過程に入っていると思う。
(ナントカセミナーみたいな形に崩壊した分トーンダウンして生き延びてはいるんだけれど、)

つまり、
心理学的意味における『抵抗』ってのは、中二病的表現すると「時代の抑止力(保守的自己防衛)」みたいなもんだとも言えるんで、
(その時アレでも実際社会の『共同幻想』は次から次と崩壊していくので、「抵抗」をなんとか演出している『共同幻想』的建前も長い目でみれば『共同幻想』の方からダメ出しされていく流れとか変わらないから。)
なんてか、「それも幻想」なんだわね。唯幻論的に言えばさ、
だから精神分析的なアプローチの場合、ここさ思春期における読書なんかで「意味わかんなくてもひたすら読んでる」世界のように「その時理解に及んだのか否か」までゴリゴリに確認するとかいらないんだと思うんですよ。とにかくログが残っていればいつでも読めるんだし。(そういう意味でメールカウンセリングはかなり有効だと思っている。)


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