経済学においては(てか社会経済学とでも言えばいいのかな)、「先進国化でモノが溢れると総需要が落ち込む」って案外やっかいな問題がある。
(これが理由で先進国になればなるほど成長政策を打っても土地バブルだとか金融市場に金が流れるだとかなんだかんだで住宅政策で無理やり市民に分譲マンション買わせてとかの現象が起きる。)
逆に日本で言えば高度経済成長期その総需要に困る事は無かった、その代表が白物家電だ。
つもるところそれ以前は「不便だった」ので、これを文明化で「どうすっかな〜この手がありますが」のようなハマリ方すると爆発的な需要になる。
ここを以前広告業界は「不安や深いを煽るマーケティング」みたいに利用した時期もあったぐらいで(まーその典型が保険会社のCMですな)、
所得分布的に勿論低所得階層が可処分所得の絶対量が少ないのは事実なんだけれども、その可処分所得で高い消費性向があるってのはだね、不足感だけでは無いのじゃないかと考える訳さ。
(もっとも効果的な調味料が”空腹だ”みたいな関係の派生だわね、)
経済学で言えば潜在需要っての?
ここを俺は心理学的に「人はなんだかんだで先進国化の果てに不老不死欲求に行きつく」と考えているんだけれども(それこそ潜在需要としてね)、
■動機形成が案外力技であるのと同様、潜在需要の製作的喚起なんてのも(言えば不安煽りの一面もあるのだから)「似たような概念なのでめんどくさいものだったりする」と考える事ができる。
営業さんはみんな大変なワケでだね、
社会現象で言えば「戦火の中でこそ平和は希求されるが、平和ボケ始まると右傾化だのきな臭い話もポンポン出てくる」という都合のいい連中こそが人類なのでありまして、
まーそんな話はともかく、
不便な不都合や心理的に簡略化すれば「不快」ってのは「動機形成の発端」となるので(動機形成を単体でエイヤとやるのは力技的にけっこうしんどいものなので)こういう表現はどうかと思うが「不快ってのは案外必要条件だ」と定義して間違いでは無い。
↑
それを「需要」と見るのか「それだけで一個の完結した”業”に集約しちゃうのか」この差異だよね。
前者は「現実」だか後者は「ルサンチマン」である。
経企庁的には「ルサンチマンはねーだろーよ」ってなる構造。
話わかり難いかね?
たとえ話にすればだ、
「お隣さん洗濯機買ったのよ〜、あらいいわねぇ」というお題に対して、
1「負けちゃられないわね家も洗濯機買いましょ。明日からお父さんのタバコ代半分だから。」
2「このタライ洗いで洗濯機を超える可能性を追求できるのではないか?」
3「洗濯機持っている奴を恨む妬む」
1が「需要化」で、2が「オルタナ」で、3が「ルサンチマン」
戦争で言えばば、
「○国の侵略は凄惨を極め、X国国民は非戦闘員を含めて女子供に関わらず殺戮された」というお題に対して、
1「命をかけても恒久平和を目指してこの戦いを終結させる」
2「この話の発端は○国の内情における○○問題であり、ここを潰せば全てが逆さまにさえなるのではないだろうか」
3「何世代も恨む、○国の事は200年後も許さない」
1が「需要化」で、2が「オルタナ」で、3が「ルサンチマン」
(まーね経企庁的には「ゲっオルタナ系」でもあるだろうね、)
心理学でこれ補足すると、
1「反動形成(アクティブ)」、2「昇華(斜め上)」、3「内向性ナルチシズム(パッシブ)」
(まとめ方的にはかなり乱暴なんだが意味が通じればいいだろ、)
経済学的に解釈すれば「反動形成」なんてさ「経済成長における乗数理論みたいなもん」ですよ。
■経済政策的に俺は再三「ベーシックインカムが切り札」と発言してきたんだが、
なんつーかその背景にはですね、
カウンター表現込みで言えば「政策的貧乏化誘導」みたいなとこもあるのじゃないかと思い始めている。いやね、国民総所得の方で言えば「貧乏化」なんてのはナンセンスなのであくまでも「心理的側面」なこれ。
何時誰でも仕事を辞めてもいい状況を恒久化するのは確かにギャンブルには違いないのだがー
想定として「いくら口酸っぱく政府が行政指導しても有給休暇の消化を余らせる」「誰か育児休暇とかとった人いますかー」な背景に似たものを感じるんですよ。
(その癖「政策的GWの拡大」のようにマジ赤日にすると全員笑顔で休みやがる、「だから『共同幻想』って奴は、、」なんだが。)
ベーシックインカムってのはさ、「自主的な需要を”何ですか”と突きつける」要素があるのじゃないかと思うワケさ。
こうなんてーか働く理由ってやつを「社会がどうした人がこういったから」みたいに「他所のせいにする」ってパターンは(『共同幻想』的には一面正しいんだが)どこにでもあるんだが、
この台詞をさ、
ベルセルクじゃないが「戦う理由を誰かのせいにしていいのか。」と考えればだよ?
(その追従する行動が各方面にリスクの高いものに置き換えると背景や構造がわかりやすくなる。)
「いやいや日常生活は戦いじゃネーだろ」なご意見も多数に思いますが、
心理的にはそういうことにならないんでございますよ。
(動機形成なり欲求の興奮代謝などのプロセスの根っこは哺乳類における生存競争にあるのでありまして)
脳内でも”やる気出たぞどーん”なんて時には暴力的状態に発生する脳内物質とか出てんでありまして、人間なんてものは「所詮立って歩く奇妙なサルの亜種」に過ぎない事を忘れちゃいけません。
モチベーションでどーんなんて現象は脳内では「戦いみたいなもん」なんですよ。
そこで思い出した。
昔この禅問答まがいの皮肉話をネタにあれこれ考えた事あったんですよ。
↓
「人間は平等か?」
「平等だと思いますね。」
「だったら?」
「俺とあんたも平等ってことさ。」
「不平等に苦しむ人はいますか?」
「いたらおかしーだろ、人間は”普遍的”に平等なんだからよ。人類ヒト科以外の人間いるならここに連れてきてくれよ。全人類は平等に普遍的に”人類ヒト科”じゃないのか?」
「実際不平等に苦しんでいる人がいるじゃないですか、」
「何が言いたいのかわからんけどさ、あんたの宗教の事なんざ興味もネーし、ひとつ言えてる事はあんたは「人間は平等では無い」と思っている事だな。」
ベーシックインカム政策ってのはさ、
「ほらみろ人間は平等だろ」って奈落に(不平等論者を)突き落とそうって政策でもありまして、
その時の「あんたか隣の人では無い」”差異(レーゾンデートルでもアイデェンティティーでもなんでもいいが)”はどこにあるんですか?というですね、
これって実に基本的な『民主主義』のアレでしょ。
投票が一票であるのは普遍的に有権者において平等(だから裁判で有権者比率を憲法違反だと云々してるわけで)。
ところが思った以上に(平等ってのが『共同幻想』にはよっぽどご不満なのか)「投票率であったり有権者の政治意識やら政策への関心がうなぎの滝登りとはいかない」。
総需要の横上げにならない。
そのまんだと「ベーシックインカムも先進国の投票率みたいなことになるだけじゃないか」と思う人もいるでしょう。
てか前述の流れだとそういう結論になります。
これも一種のパラドックスでありまして、
「え、だったら現代日本も全部自民党通じて霞ヶ関丸投げの55体制でいくの?」
(オイオイいつの時代の話かっての、)
これを突きつけているんですよ。
そういう命題の突きつけ方ってのは「総需要の落ち込みに汲々としている後期先進国にとってあるべき潜在需要政策なのじゃないかと(通るべき道みたいに)」考えられる。
「不便不足に困りだしている(次のフェーズいかないとどうしようもない)」
「かといって『共同幻想』の時代は終わった」
社会心理的にも「ベーシックインカム」お勧めだなと思う。
(非効率だから『民主主義』などやめてしまえという事にならないのとニュアンスとしては同じかな。)
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