一時アメリカは、中国ロシア(そりゃ北朝鮮空爆となると、陸続きの国が一番困る)に配慮して、柔軟姿勢を見せるんだけれど、これは一定の外交姿勢に見える。
そうなると、核実験=空爆って線が現実味を帯びるのだが、ここのとこのアメリカの路線は、軍事力による民主主義国家の実現に他ならなくて、アメリカの安全保障を考えるときにテロ支援国家になりうる非民主主義国家は危険な存在なわけで、今「世界の民主主義」ってのは=アメリカの安全保障を意味しちゃっている。
事の始まりは、冷戦後「CIA発の軍事政権」であった親米系国家を次々と民主化させて、アメリカなりの責任を取るって動きからきているのだけれど、所謂『旧東側』として取り残された北朝鮮は、政治的な圧力で民主化を促すのが難しい、現実親米系でも軍事政権の国に対しては、米軍の軍事オプションが行われてきたのであって、ロシア(このロシアの民主化にもアメリカは相当不満らしい)や中国(ここは民主国家じゃないし、、)による北朝鮮の民主化が望めなく、反体制派の援助するにも反体制派すら存在しないこの国に、軍事オプションが使われる可能性は高い。
一番その可能性が高くなる背景は「世界的にも批判を受けにくい」からだ、
一般民衆に餓死者のある国に経済制裁しても、元々経済力のある国へのそれとは効果や意味が全然違っちゃうので、意味があるんだか無いんだかもよくわからない。経済制裁の最中国連から食糧援助するのもおかしな話になる、
困った事に、「核はマズイだろ」と文句言いに言ったロシアの高官が、相当嫌な思いして帰ってきたらしく、ロシア辺りも「仕方ネーか」な世論形成が行われてもおかしくない勢いになっている。
何が怖いって、核がテロリストの手に渡る可能性について、危惧するのはアメリカもチェチェンを抱えるロシアも同じワケで、日本は拉致問題があるから北に同情する世論は少ない。
アメリカとしては「民主化」という命題があれば、国内世論に対して整合性が取れる(大量破壊兵器の無かったイラク攻撃が問題だとすれば、自分で「核兵器がある」と宣言している北朝鮮への空爆についてその類の批判を心配する事も無い)。
アメリカの経済力がスーパーパワーで無くなっている今、アメリカをスーパーパワーたらしめているのは軍事力と金融(国際的な市場の自由化も大命題)なのであって、この力が無力であるって「共同幻想」が成立すると、アメリカの実存自体が瓦解する(これは世界的な不安定要因になる)、最近の風潮は「世界におけるアメリカを守るためのアメリカの軍事力行使の容認」てな風景にも見える。
実際EUにも日本にも、アメリカの崩壊を前提にした将来像など無いのであって、、
少なくとも「アメリカは北朝鮮を空爆したい」のは間違いないだろう。
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