(アバウトな話なのでリアリズム的にはボチボチかもしれないが)
■この話のコアは「反動形成」だと思う。
「反動がついてあっちの方へ」の反動であり、振り子の法則そのままではない。
どちらかと言えばシーソーや計り(秤)で、どちらかの方に傾く事に対して不安係数があると(急ブレーキの法則)『反動つけてバランス取ろうとする』ちゅう原則だわな。話のキモは「結論傾きが反対側になって更に当初の反対向きの傾きを上回る傾きになるまでいってしまう」とこにある。
関数で言えば「反動形成”係数”」つーところか、
つまりこの反動現象は正比例では無くって、梃子の原理が効いて乗数効果もって反対側まで行くのであり(予見性と不安係数からそうなる:災害などに対する過剰な準備や暴力事件に備える過剰武装心理と若干似ている)、心理的には「反動つく形にならないと収まらない(納得がいかない感じ)」という事になるワケだ。
■簡単に言えば『そんな恰好で常に現実と心理的認知(感覚)に乖離が起きる』現象であり、誰にでも普通に日常起きている。
(カウンターとして逆説的に『自意識』が文法的対抗法で意図的に使う事も可能)
端的に言えば「ありもしない話であっちの世界まで興奮してしまう」とか普通に起きるんだわ、
これが日常起きる普通のなんでもない現象のひとつで、
(うーんたとえばカサカサ音に反応して脳内初期認知フォルダから「げっゴキブリか!」の単語が最初に引かれちゃうと、「ギョエー!!」って反応が(本当にゴキブリを確認する前に)起きちゃうとかな。←みたいな話はあちこちにある。)
ここも『唯幻論』の幻想なる部分の一部を構成している要素でもある、
※脳内認知は結局シミュレーションのような、或いは脳内バーチャルであって、リアルにリアルをそのまま認知なリする事は不可能であり←てか脳内ロジックにリアルを情報化して認知可能なフォーマットなりプロトコルにした時点で代用なんだからさ、脳内認知ってのは情報化されたコピーでしかなくリアルと乖離しているのが原則であって、ここに「リアリズム」として(事前に現実と乖離していることを前提に)その修正というかリアルの回復的な補助的ロジックを組み込んで「少しでもリアルの韻を踏んだものへ」と務めて機能するもんで、仮にその修正プログラムを走らせる事が出来ない場合「鉄板で常に100%脳内認知は現実と乖離する」。
■誰にでもっつーところは極論「人間に関わらず」と表現してもいい、
小動物なんかの防衛意識が過敏すぎるほどだし、哺乳類などの縄張り監視意識もご多聞に漏れずです。過剰認知によって現実から乖離するってのは自然界でも一般的に見られる話だと考えていい。
事実、ワイルドな環境の生き物とペット化された場合とで寿命が倍ほども違うのは、ワイルドな環境における動物なりの認知は(植物にもあるのかもしれない)、ごく自然に過剰化を織り込んでいて、現象としては『神経症』と判定されてもおかしくない場合も”ごく自然”だったりする。
(ワイルドな環境で寿命が短くなる背景は勿論衛生環境や栄養的側面もあるのだが、ストレスも有力な原因だと考えるのは自然。→自然界の動物は”絶滅危惧種だから保護しよう”なんて理由で棲家を移動されただけで死んじゃうとか普通だから。)
人間の場合、まーフロイド的に言えば(人類は性欲的側面で異様な進化を遂げており潜在的欲動値がそれ以外の霊長類の比では無い←終日繁殖期興奮下に自我がさらされているような状態)「はなからリビドーが半端無い」とかなので、あたかも人類は異常なストレス下で自我なり動機形成をやりくりしているようにも見えるんだが、
逆さに言えばだね、
このストレスは半ば慢性化しておりまして、他の動物とは比較にならんぐらいの『耐性』を獲得しているのが人間だとも言えるのだよ。
(そらワイルドまんまなら「キーッ!」となって町中で頻繁に殺し合いとかなっててもおかしくないんだから、)
人間なんてのは大航海時代じゃないが、自ら進んで得体の知れないところに冒険とか好きでやってるぐらいで、
↑
ここの動機形成も『反動形成』によるんだな、
(エベレスト登っちゃったりするのも)
つまりだ、
こう考えられないかね、生き物なんてものがリアルをそのまま認知する事は不可能な訳で(この場合物理や化学の法則なども含む自然科学全ての知識も必要なのだし)、「不安係数なり未知係数でも無知係数でもいんだが」これをロジカル(言語的)に『反動形成』って行為で置き換える事ができる機能それ自体によって、『乖離をのみ込んでいる』と考える事がでる。
そして、その乖離を主体的に飲み込む反動形成があり得るとしたら?
(エベレストでも大航海でも『自意識』が望んでバカさ加減も勿論知ってそれを選択したら?)
これをフロイドは『昇華』と言ったワケよ。
必ずしもリアルがリアルでなければならないって話では無く、
■ここの論法は「性悪説」の方法と似ている。
性悪説はwikiによれば、
紀元前3世紀ごろの中国の思想家荀子が、孟子の性善説に反対して唱えた人間の本性に対する主張。「人の性は悪なり、その善なるものは偽(ぎ)なり」(『荀子』性悪篇より)から来ている。ここで言う悪とは、「(人間は様々な意味で)弱い存在」という程度の意味である。
荀子は、人間の本性はこのように欲望的存在にすぎないが、後天的努力(すなわち学問を修めること)により公共善を知り、礼儀を正すことができると説いた。
故に「幻想であることを知る(現実と脳内認知の乖離を知る)」
偽物である事を知っていれば、後天的にこれをガチンとだね、反動形成でやっつけるような昇華があり得ますぜって話に置き換える事もできないじゃない。
正に”逆説”だわね、
リアルであろうとすることは「バカであろうとすることで」幾分その方向なりがいい線になっているというナンセンス論で、
(勿論だからといってエベレストに上る事の合理性が担保されるのではないところがミソなんだな、なんて馬鹿な事をと認識されるような選択を堂々といけしゃーしゃーと『自意識』が行う時、その自意識には(バカな行動選択によって)リアルがかすかに見えるような気がするちゅうような話です。根源的な不安係数をガチでやり返すワケだから。)
■つまり元からのストレスを体感後に、反射的というかエイヤッと過剰アクセル踏む時もあれば、不安係数からビクッとパニックブレーキ踏むのもまた人間で、現象的には微妙に違うんだが背景で自我が機能している原理原則は同じ『反動形成』なワケだわな。この場合『昇華』ってのは、本来”逆ハンドル”なのに(単純に考えれば馬鹿を通り越して完全に間違っているかのような愚かな行為)、コーナーでリアがブレークした時にカウンターあててドリフトで抜けるって”選択”があるって話ですよ。
「何か起きているのか(現実を)知る(見える)」図式はどっちにあるのか?
■メンタルな問題なぞで登場する「強迫心理」
(ここも前述同様に「強迫心理」自体は誰にでもある話)
まずもって、この「強迫心理」っつーのをだ、考える時前段までの話でほとんどの人がなんとなく予想ついていると思うんだが、
自分の脳内認知(初見で何か起きているのかの情報処理と認知や判断)をだ、「誰でも初見は100%現実と乖離してんだよ」をすっ飛ばしてしまい、「本当に自分の見聞き知った事が現実に起きた事だと”思ってしまう”」ところに起因する。
(論理的にそこには100%現実との乖離があることは証明されているんであって、)
そのままいったらアウツなワケだ。
人間の自我がどうやらこうやらある程度の歩留りで現実との接点が成立してんのは、「その人なりの”リアリズム”でどうやって初期認知に修正かけたんか」で決まるのであって、
なんつーか何事も初めて接する時に、
「まーなんだ今思ったとか感じた事は100%誤解であって、妄想と言ってもいいぐらいのレベルの正確性なワケだが」←こういった台詞が自動的に常に脳内再生されるようなところから『自意識マター』は始まる。
(前述の認知が無けりゃ『自意識』呼び出す理由もないわな、つまり前述の「俺は今日も100%間違っているワケだが」って台詞が『自意識登場時の決め台詞』と考えてもいい。)
しかも困った事に、
よっぽどエベレスト登るみたいなナンセンスというか馬鹿みたいな答えを出した自我こそが何かしらの”リアル”との接点を獲得するのであって、
つまり見掛け上「馬鹿といかいいようのない行動」みたいな状態(常識的に考えれば全くもって間違いみたいな)、それが「よりマシな人間らしさ」だったりするのであって、「馬鹿な選択をマジな表情で選びきる」←このスゲー馬鹿状態がなんていうかアレなんだわ。
↑
「強迫心理」が勝っている時にはまずあり得ない。
(脳内幻想(ステレオタイプな現実論)に囚われていて、妄想(いかにもマトモそうな現実論)をあたかも本当の現実だと思い込んでいるのであって、)
かといってだね、
手当たり次第にバカみたいな事ばかりすればアタリなのかってチゲーよって事だし、
『昇華』と『ただのナンセンス』を見分け方は難しいんだけどさ、
(※ある意味それを見分けてはいけないのだと思う。←人生は賭け論的に。「そこわからなくてもいいのが、それが人生だ」のなんたるかだろう。「わかったような気がする」方がむしろ問題だろう。←今度は性悪説的に、)
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