時々外交問題で穏健派が口にする「法と秩序にのっとって」という認識がナンセンスだという話です。
国家はそれ以上の権威の無い最高位の存在なので、これを取り締まる法的上位機関は存在してもいけないし、事実存在しないので国家間の紛争における法など無く「やるかやられるかだけである」という認識。
(どうやら保守派では国連は”所謂インチキな調整機関でしかも従米”な社交クラブ的な意味しか無いというのが疑いようの無い常識になっているらしく、国連がらみの話は前提条件にも登場しません。)
ところが保守派の認識は勿論『共同幻想の原則論』に依拠するので少々というか、かなり大規模に無茶な話になるんです。
確かに『共同幻想』の”はじまり”は”富国か強兵”であり比重的には「安全保障のために群れる」という生物特有の性質に起因するものです。
(この点では草食動物の群れと同じ)
なので「安全保障」であるのは確かですがね、
流石に「攻撃は最大の防御とばかりに核兵器」なんて事になれば”○チガイ”かって論理矛盾になるのであって(下手したら核世界大戦大会なぞやれば人類が地球上で暮らせないだろうって話なのだから)、『共同幻想の原則論』からも逸脱しちゃうんですよね。
注意すべきは、あまりにもベタな国家権力論で、
政権に求心力が無い時や世論に政治に対する不平不満がある時には、どの為政者でもナショナリズムを煽るっていう定番の(これはね下手スッとステスルマーケティングみたいなもので公取違反だよこれ)、政治力学の話ね、
大概の国際間のなんとやらなんてのはほとんどこういった政治権力の求心力を発端に始まっているのであって(大国がそのスタンスをグローバリズム(覇権主義)に置くのと同じ構造)、「攻撃は最大の防御」なんて方便がもうね壊れちゃってるワケです。
↓
「共同幻想社会の正当性に求心力を発生させるために(実はこの段階で「その『共同幻想』には瑕疵がある」ってことなんだが)、攻撃的ポーズを取る(抗議的興奮)ことこそ”怪しくなってきた『共同幻想』”生命維持のための割とみっとも無い広告違反(プロパガンダ)である」
実際の運用は上記のようなね、
あたかも「強迫心理」保守で抗議的興奮状態にある”ひとりナショナリズム”状態のメンタル問題における一断面と同じじゃないですか。
これをですな、
(前述の「その『共同幻想』には瑕疵がある」ってことなんだが←これは既に「その『共同幻想』は半ば「強迫心理」的局面に変貌しつつある」って意味なんだから)
いかにも本道の保守論みたいに真面目な顔して語られるとかワケわからんのですよ。
大国や帝国の覇権主義ってのはですな、大国故に『共同幻想の普遍性(世界を自国へ)』を半ば宿命のように負うワケで(宗教における布教不安のような心理←世界全員が信者でないことによる普遍性への不安)、辺境の小国における『共同幻想保守』とは成り立ちが違うワケよ、
こういう表現はどうかと思うけど、大国特有の覇権主義は「お家芸」のようなもので、「はいはいいつもの出ましたね、わかります。」のような認識でちょうどいい代物で、これが暴発しないように各国は武装しパワーバランスを保つってのが国際関係ですよ。
↓
「毎年ナイルが氾濫するワケだがから集落としてはどうしますかね」←これとあんまり違わない。
なので殊更大国の覇権主義やら陰謀ってものを”法廷用語の悪性格”みたいに左翼が批判するのもピント外れな話で、
(そもそも善悪の根拠は(宗教除けば)『共同幻想権威』であって、川下の集落がナイルの氾濫を”悪性”とか判断しないワケだよ、むしろ(共同幻想的上部構造はそっちにありとか思ってしまって)”神の意志である”のように集落側は昔考えたもんでさ。)
なんていうかな〜
「増えすぎては困る外来種の小麦から自国の植物を守るために何植えたらいい?」のようなものがパワーバランスって話で、
↓
攻撃は最大の防御とばかりだね、相手国に対抗麦を植えちゃえとかさ、、
或いは興奮して「自国の麦こそ麦中の麦」みたいな(どんな麦なんだよ)。
そら『共同幻想保守』には帰属性のアイデンティファイがからむから、この正当性と自分自身の帰属構造権威の正当性は対の関係にあるので、ナショナリズム的な興奮それ自体は「あって自然」なんだけども、
あのさ「ナイルに悪態ついたり、ナイルを神だと崇めない限り状況のわかっていない愚か者でしかない」みたいな興奮あるとしたら間違いだから。
(無抵抗貫くような反動出ちゃうのも同じ穴のムジナ、)
陰謀でもなんでも無く放っておけばナイルは氾濫するのであって、ナイルになんとかしろとか抗議しても無理筋で(ナイルとしてもさ自分じゃどうにもできん自然現象なんだから)、ナイルがあたかも氾濫ブラフで圧力かけてくるとかそういう政治的側面は抗議するにしても、
二度と汚染して川の水が使えなくなるかもしれない核兵器で攻撃って発想はだね、
「中二病ですか?」でしか無いっつーか、、。
地味〜に土塁積むとかさ、堤防ちょっとでもしっかりさせるとかさ、氾濫を前提に避難と原状回復の効率考えるとかさ、「現状認識そのまんまで考えるが筋論でしょ」。
ある意味そこが『保守本道』のあるべき道で、
『保守本道』ってのはさ、『共同幻想』に呑まれてたら違うワケさ、
『保守本道』はこの権威の根拠となる文化伝統ってものをしっかり体現なり会得して、そこを守るのが本籍なんだから。不安から興奮してたらどこの本道ですかって話になる。ビクともしないから本道なんだろうがよ、
つまり国連なんてものの機能不全論はだね、『共同幻想論で見るから幻滅する』のでありまして、元からが国連なんてものは「せちがない世の中で公取違反やら独禁法違反やらこれぐらいは守ろうよっつかーか基礎知識な」などのコンセンサスを調整するNPOみたいな代物で、その機能がフル活動されていれば「十分機能すんだよ」。
(少なくとも国連なぞが当該国のマスメディアなどに影響及ぼすネタになるのは結構意義が大きい。)
国連軍が無いなら意味が無いなんてミリオタじゃないんだから。
言えばだね、ここ個人心理学と同じ。
そらあれだよねレーゾンデートル的に言えば同じ共同幻想論なワケだから。
(時に『単独者』がその対比からアナーキスト的なリバータリアンに見えるのも一種の相対現象。)
その組成から言えば『共同幻想』が不安って瑕疵を織り込む時、『共同幻想』を『共同幻想』足らしめている神話的正当性(幻想部分)が欠落しているわけだから、この時起きる反動(反動形成)ってのは仕組みとして「強迫心理」でしか無い。
(ザックリ言えば、依拠する神話が無いのだから、空想の従属を善であるように呑まれていく構図は→「強迫性だけになった」つー原理ですよ。)
放置すればナンボでも出てくるんですよ、
「やれ先制攻撃だ」
「核武装だ」
「軍拡徴兵制だ」
(しつこいようだけれども俺は政治的には基本スタンス保守なので(左翼じゃ無いよって意味で)、安全保障の要である自衛隊運用における法的部分の交通整理だとか基礎中の基礎である弾薬等の備蓄など最優先項目であると思ってますよ。ここ、)
もうね現実認知と乖離出てるから。
20世紀にあった世紀末論なんてのも社会心理的鬱症状ともとれるワケで(微妙に興奮ともなって時にエンタメにも化けるところが重要ポイント)、
逆さまに考えて見る方があってんじゃないかと思う。
↓
■「国際関係も個人心理と同様に考えてみればいい」
実際の暮らしの中で法と秩序なんかね誰も考えませんて、
事ある事にしょっちゅう警察呼ぶ人とか、何かと弁護士がくっついてくる人なんて探す方が難しい。
むしろ個人間の紛争仲裁で力を発揮するとすれば、殊更権限であるでなし、何気に仲裁人として”それらしい立場の人”って事だろう。
(又、この仲裁云々とは別に個人の安全保障なるものは法と秩序も結構だが、事が起きてからは遅いワケで、ベタに普段から身体鍛えているとか逃げ足早いとか声が大きいって実に重要な事で→この辺は右翼的じゃなければ自衛隊を軽んじているワケじゃないよってとこと同じ。)
だとしたら国連に必要なのは国連軍ではなくって、どこに踏みこんで行っても紛争中の当事者が「まーこの人の話は聞くか」って”それらしい立場があるか”って信用みたいな部分になる。
この辺の機能なり第三者性を国連として強化するってのなら全く期待できないとかって話にはならんだろうさ。
『心理学的第三者』ほどの機能性は無理だとしても、「まーまー双方『一拍置いて』」的な干渉地帯的存在感は示すことができるかもしれない。
国家間の全面戦争なんて無茶な話がおおよそ考えられなくなった現代だからこそそういう可能性はあり得るんじゃないだろうか。
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