俺は人と人の関わりを実存だと思っています。話しているのは自我同士ですから、その関わりの曖昧性は実はとても深く、そこをはっきりさせるために、現代社会は属性優先(役名)なワケです。
確かに属性での関わりは効率もよく、語り口調もおのずから決まってくる(上司には敬語)ので自我にも楽と言えば楽なんでしょう。その代わりにその関わりが「属性関係の流れ」に支配されて(この反対が「無礼行」)話が回りくどくなりがちです。
最近「ぶっちゃけ」という表現が広く使われている背景も、そこいら辺へのストレスと思われます。ここには危険性も含まれます、オフレコじゃーないですが、「ぶっちゃけ」として無防備になる準備が出来ていないと、「ちょっと待ってくれ」となるからです。
俺は思うんですが「俺だけ俺だけ」という公開性が自分にだけある的な、雰囲気があれば、この危険性も表に出る事が無いので、いんじゃねーか、、と個人的には考えています。
ともあれ、礼節とフォーマルな取り決めは、文化全体の表現力が問われている部分でもあるので、「ぶっちゃけ」が広まっている背景は、表現へのストレスなのでしょう。
ここが難しいとこです、全く無防備って事は単独の自我にもあまりありえない事なので、一定の基準を自分自身で考えなくちゃならんのですが、雛形になる個人がいるワケでもなしで、コミュニケーションとして言葉はどこまでいけんのかって言うと、難しい面が様々あるように感じます。
実際俳句や詩には、「基準と制約があるからこそ、より豊かだ」という逆説が成立しているからです。
「ぶっちゃけ」が所謂「ためぐち」で終わってしまうと、ストレスの開放は自分の側にだけあって、会話はよりギクシャクするでしょう。
目の前の人物を「役名の人」と勘違いする事だけは、「こりゃどうか」と思いますが、自分がどこまで「俺だけ俺だけ」で話していいものか、、
俺自身まだ決まった話し方を持っていないのです。
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