そもそもそのプライドや尊厳ってものはいかなるものか?
果たして自我の存在意義に関わるものか、或いは自我における自意識の存在価値を決定するロジックなのだろうか。ここにも多数の論議があるのだと思うけれども少なくとも心理学的には”自我の存在意義”と捉える話になる、
何故なら自身の尊厳を考える時には、無意識の領域ともいえる超自我(道徳心や象徴化された権威性)の関わりが大きいからで、どちらかと言えば現場対応が中心の自意識にとっては(超自我から見れば優柔不断な存在)、プライドの平均値なるものは低い方が都合がいいのであって、本質的に自意識のプライドってものは「自己の言論としての立場」に限定される(=自意識リードの覚醒的な人格の場合には”自尊心”が超自我を上回る場合があるけれども、それはレアケースだろう)。
つまり、自意識にとって自己のプライドとは(上記のレアケースを除き)「自分ではどうにもコントロール出来ない感情的な反射」となるので、見方を変えればやっかいな存在でもある。ここいら辺は昨今のいじめ自殺問題とも絡んでくる部分なのでちょっと詳しく説明しておきたい。
自尊心(自覚的な自分自身の尊厳)と違い、無意識的な尊厳やプライドは常に合理的な現実に照会されない深層心理の”イメージ”であるため、場合によると「たいしたことじゃないのに」過剰に反応する事もある。その時には自意識ににもその自覚があるもので(これは抑えられないとか)、こういう事例に触れる関係者にも「この人の微妙な部分に触れてしまった」と感じるもので現実その無意識の尊厳の非合理性それ自体は問題ではない。むしろその現場の人間関係上の「配慮」等の運用面になるので、現場社会の風通しさえよければトラブルに発展する事は無い。
問題に発展するのは、現場社会の風通しの悪さ(問題が常に隠蔽されたり、抑え込まれるような閉鎖性)と、同時に社会を構成するそれぞれの自意識に当事者能力が欠如するケースだ。
昨今目立つのは現場社会の閉鎖性で、小泉改革じゃないが昨今の個性化民主主義の社会変革に現場社会(職場環境とか学校社会)の運用が追いつかないととたんに所属する個人にとって現場環境は個人の尊厳を保障できない硬直的なものになってしまう。丁度都合良く昨今労働環境が流動化して非正規社員が増加した分(フリーターの登場はその先駆けだった)バッファーも増えているのだけれど、社会保険周りの法律上の問題もあって同時に労働条件の悪化にも繋がっているのと同時に既成社会の変革の足を止めてしまうので(ライブドアじゃないが進行企業による倒木更新的入れ替えも遅れ始めた)、ここには政治の介入も必要になっている。
自意識の当事者能力はどうだろう、
ここはむしろ共同幻想の崩壊過程として、広く一般的に低下中で(個性を優先するにはまだ個人の自立へのアイデアが進んでいない)それを補完する独立型の人格の進出も既成社会と同様文部省以下法律回りの問題もあって足を引っ張られている形だ。こちらは下手に政治介入すると方向性の違う保守化へ逆周りしてしまいかねないので(理念として保守であっても別段問題ないが、システムや組織の保守化は現場社会の閉鎖性を助長しかねない)、非常に微妙。そこまで安部ちゃん以下の政治を信用してもいいものかまだ判断は出来ないし、ましてや旧来の組織しか体験の無いPTAには何も期待できない。
民主主義の概念から言うなら、ここは内からの改革を期待したいとこだが会社の平社員や学校の生徒諸君にはこれまたその権限が無い。
となると、果たして個人で何かやれる事はあるのだろうかってとこがテーマになるだそうしそこいら辺こそ心理的なテーマでもある。
現実共同幻想の崩壊過程によって、無意識周りの尊厳の非合理性は誇大な方向に寄っているため個人個人の問題としてもそれは不安定化の方向にあるのであって、少なくとも自分自身の当事者能力(自我における自意識の主体性)を回復する事で「完全じゃ無いがやれることはある」。
話の最初の”レアケース”である自我における主体性を完全に自意識によって掌握するなんてのは行き過ぎた話になるので、
ここは「プライド(尊厳)マターの大半は個人的な問題でもある」という”解釈”が必要になるだろう。重要なのはそれを社会的(評価とか)関連性に結び付けない事だ、
しごく簡単な話だが「自分に恥じる所が無いなら、どんないわれ無き扱いがあったとしても自分の尊厳は一切犯されていない」=「不当な環境についていかに対峙するかは(尊厳とは)別問題の戦術論だ」と考えるアイデアだ。
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