2006年09月30日

堀江の裁判がえらいことになってきた

冷静になって考えると、堀江弁護団が押しに押していて検察の重要な証人宮内が完全にズッコケたワケじゃ無いのだけれども、自殺なのか殺人なのかの疑惑を呼んだ野口と宮内がLDの金を個人的に着服していた事は間違いないようだ。

弁護人「その金でファエラーリ買ったろ」
宮内「買いました」
(同時に起訴されて検察の証人となっている部下にも「フェラーリ」)

着服した金を宮内は「借りた」と言っているようだけれども、こりゃどうにもならんでしょう。
そもそも今回の国策捜査の始まりは、「三井環不当逮捕」事件(それ関係の本を出した出版社の社長まで逮捕拘留されている)であってひょっとすると則定衛検事長の女性スキャンダル辞任辺りからかも知れない。
検察内部には前から「検察の調査費の裏金着服汚職事件(これを内部告発した検事が三井環)」と「京大閥VS現在の原田・松尾派東大閥」って派閥抗争もからんでいる。検察に食い込んでいるパチン○系団体とそのバックの警察系政治家、
ライブドアが金融当局の依頼で買収に動いた武富○がらみの京都駅前再開発不動産のなんちゃらやら、ライブが回収して宮内の社長就任が決まっていた不動産会社の元社長が明らかに怪しい所からのタレコミで覚醒剤容疑で逮捕されている件
(ちなみに村上ファンドの弁護人がこの「則定元検事」。件のインサイダー取引事件も公判では徹底抗戦の方針)
まー関係者や登場人物多すぎで、俯瞰から全体像を見る事はほとんど不可能。。

ただこの間の国策捜査と思われる事件だけに絞ると、ちょっとだけわかりやすい。
「三井環事件(検察内部の裏金を告発した検事逮捕)」
「日歯連でっち上げ事件」
「ライブドア事件」
全て物的証拠に欠け、立件は犯罪者と確定している人物の証言による事(三井検事の立件は暴力団員の証言、日歯連の村岡先生のでっち上げは裏金の授受に直接関わった経理関係者の証言、ライブドアでは明らかに横領を働いている宮内証言)、
マスコミリークによる意図的偏向報道を利用している事、

ここでなんとなく、野口事件の背景も推定できる。
宮内の証言から野口は両者の横領事件の共犯である事がわかる(容疑だけれど)、そして中国にいた宮内は、家宅捜索で携帯を没収された野口と連絡が取れずに大慌てで出張先の中国から帰国する。その後野口は行方不明となり「自殺or他殺」、
その後の検察のコメントは「野口氏の自殺で、捜査が1ヶ月前倒しせざるを得なくなった(急がなければならなくなった)」⇒何がなんでも宮内を落とさなければならなくなり、ってか堀江の立件を部下の証言によって立証するってストーリーは最初から決まっていたって意味か?
○暴系の関与云々が「深い闇」とかそういった事はあまり捜査の全体像に関係は無い。何故なら検察的には○暴系の捜査はある意味「しょうもない分類」であって、エリート意識の強い東京地検としては「○暴関係は所轄の警察の仕事でしょ」と見下しているところがあるので、元々興味が無いからだ。
なので野口関係の死に少々○暴関係の疑惑があったとしても、ライブドア捜査には関係の無い話。
ところが堀江弁護団は「野口事件」に重大な関心があるだろうし、宮内・野口横領事件が”事件”だとすると重要なキーパーソンって事にもなる、

大鶴検事部長の部下で副部長の北島検事(マスコミリーク担当、民主党ガセネタメール事件で「そんなメールはありません」とコメントを発表したのもこの人)が、”出世”による地検特捜部からの更迭後に栄転先で健康上の理由で辞職している(アル○による辞職という噂も)のも不可解、これは官邸筋からの意向なのか検察内部の人事抗争かはっきりしない。とにかく日歯連事件(村岡先生は無罪)で東京地検は裁判官から「ほとんどでっちあげとも言える捜査内容を厳しく注意されている」後のライブドアなので、ま〜何があってもおかしくない。
村上に続いて逮捕の噂があった楽天が、警察官僚を大量に天下りで受け入れたって噂も聞く。こうなってくると何が起きているかさっぱりわからない。
そして「何故松尾邦弘検事総長は任期を残し、村上逮捕を花道に勇退したのか?」、
この松尾邦弘検事総長は、”日経シンポジウム『法化社会の企業責任』”で、面白い発言をしている。

<以降抜粋>http://sports.nikkei.co.jp/wc2006/seminar/
検察の現状を少し申し上げると、まず守備範囲が非常に拡大している。ライブドアとニッポン放送の事件では、初めは商法の世界なので検察庁は関係しないだろうと思っていたが、やがて企業買収の防止策が論議される中で、あまり行き過ぎると商法上の特別背任罪が成立する可能性があるということが議論の中に出てきた。検察庁としても法務省民事局の担当者から新しい動きなども教えてもらいながら勉強してそれに備えていた。

ライブドアがニッポン放送株の買収を通じてフジTVの買収を目論んだのには何処も違法性は無く、元から鹿内家とのお家騒動があったためで、これは誰でも知っているフジサンケイグループの構造的問題で、あの時フジ自身TOBによるニッポン放送子会社化によってこの構造を解消しようとしていた。これに地検特捜部が片方の当事者の側から介入する事が公正だとはとても思えない
端的に言って、最後に申し上げた制裁・救済型社会で、制裁・救済が実効性がないとなると、国のかたちが崩れてしまう。つまり法律の網の目をくぐってうまくやってもうけた者が勝ち、カネさえあれば何とかなるということに続いてしまうような社会になりかねない。我々はそれは許してはならないと考えている
。そういう事件が起きたらきちんと捜査する。このような状況なので、検察庁は当分の間は大変忙しいと思う。

市場経済社会の中で、法律を上回る特務機関として地検特捜部が超法規的存在と言っているとも読み取れる。
そういう中で先ほど申し上げた国民のコンプライアンス意識、あるいは企業のコンプライアンスの意識が広がり、事件が少なくなっていけば、やっと我々が安心して寝られる時代になると思う。ここに企業の方がおられたらぜひそういった社会を目指してもらいたい。

ライブも村上も、法律を犯さないように注視しながら市場経済のルールの中で取引をしているんだが(違法性があってパクられたら終わりなんだから)、これを検察は意識的に「問題視していた」事になる。
つまり(村上もライブも逃げも隠れもしない有名どころなんだから)「こいつらをなんとかパクれないのか」という立場で、買収される側(フジTV・ニッポン放送)の防衛策が違法性があって難しいという部分を「検察が補完しなければならない」という立場で研究していた事になる。

これを読んで(松尾邦弘検事総長は妙に経済事案に熱心な人物であったとも聞く)、金融当局による市場の監視を飛び越えて「俺が法律だ」と言っているように聞こえるのは俺だけなんだろうか?
「企業のコンプライアンスの意識」とは、検察官僚を○○○させる意味なのか、
ライブ捜査の発端は、日枝配下のフジ顧問弁護士(ヤメ検)が例の”ニッポン放送買収騒動の手打ち”の結果始まった「フジTVとライブドアによる業務提携」の作業中に盛んに内定調査を進め地検をつっついたのが始まり。という話もある、
これにGOを出した人物がいる、

とにもかくにも堀江弁護人の追及でしどろもどろになった宮内の証人尋問を体調が悪いと打ち切った後で、詰め寄った記者団に「うるさい、体調が悪いんだ」と怒号を上げたのは検察で、
堀江弁護団は「公訴棄却を申し立て、捜査の経緯を明らかにするため東京地検特捜部の大鶴基成部長や取り調べ検事ら三検察官の証人申請を求めた」
堀江の弁護人(この人もヤメ検)は
高井康行弁護士:元東京地検特捜部検事。司法制度改革では、 政府の検討会の委員を務め、裁判員制度や公判前整理手続きの制度設計を手掛けている。
相次ぐ痴漢冤罪(えんざい)事件に関するシンポジウムなんかを企画してたりする人物。東京高検刑事部検事を最後に退官後弁護士登録(第一東京弁護士会)。政府の司法制度改革推進本部裁判員制度・刑事検討会委員。同推進本部公的弁護制度検討会委員。日本弁護士連合会犯罪被害者支援委員会委員長

『検察VS検察』って構図は結構マジな話で、高井康行弁護士の「大鶴基成部長や取り調べ検事ら三検察官の証人申請」も結構真剣な話なんじゃないのだろうか、
この高井康行弁護士が手がけた司法制度改革による「公判前整理手続き」によって裁判がトントン拍子で進んでいるものだから、見ている方は相当面白いわけで、
報道管制か、というほど淡白なTVのニュース報道の裏で一体何が蠢いているのだろう?

とにもかくにも、このライブ捜査で市場から2兆円がぶっ飛んだって事だけは「何が何」だろう。
posted by kagewari at 16:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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