社会のムードに合わせて人が交わす会話の内容は変質します。『共同幻想』が実存してる証のひとつなんですが、ともかく個人がこのコトバ達の影響を受けないワケはありません。
「アメリカンドリーム」は国是でもあり、形を変えた「富国強兵」とも言えます。
この世間の雰囲気を「洒落のひとつ」として受け流すのか、「聞いたまま」真面目に受け取ってしまうのかで、人の思考は180度変わってしまいます。
ということは
社会で交わされる言葉の雰囲気に「敏感か否か」という違いが有り得るのかって問題ですが、「自分がどう思われているのか」に敏感な状態の時に、この雰囲気に敏感でいられない筈は無いでしょう。
つまり、(それこそ逆説なんですか)「個人的に悩んでいる時ほど、社会的な雰囲気に感情が左右されやすい」のであって、感情を振り回す『ネタ』は、社会的なコトバであって『個人的な理由』ではありません。
皮肉としか言いようが無いのですが、これは事実です。
「みんなこうしているのに僕は」の「みんなこうしてる具体的推定」は流行語程度のムードや雰囲気であり、肝心の『みんな』はこれを面白がって「洒落で使っているだけ」なのにです。
構造が見えてきます、「僕を苦しめる嫌なキーワードで、彼らは楽しそうにしている」
デ・コードします
「僕が実現できなくて苦しんでる事を、みんなは余裕でできるので笑いながら話してるんだ」
完全な事実誤認ですね。
これが連鎖すると『みんな』はなんでもできてるように仮想されるので、自分の自分自身への評価は急降下します。
完全に前と後ろがさかさまな話が始ってしまいます。(実は「ほとんどの人は流行を真面目に実現していない」からです)自分自身の
望とはまったくかけ離れた流行に追いつこうと邁進しているのは、悩んでいる人そのもので、、、「流行の先端を目指してる事の挫折を勝手に感じている」と同じです。
そこで、
「こんなバックじゃバカにされる」
と思うのですが、
そのバックより著しくチープなバックを持っている人が山ほどいても、もう眼中には入りません。(知性の抑圧)知らない間に差別的な人格へと流れは傾斜し、「これで十分でしょ」な投げかけに「こんなじゃダメなんだ!」と激高するに至ります。
俺は、この現象を、「結果的に『みんな』を見下している」ところから「無意識の特権階級主義」と考え「自己中心的発想に繋がる構造モデルそのもの」だと思うんです。
それこそ一般の「自己中心的(「ジコチュウ」って呼ばれた時代もありましたが、、)」という言葉の解釈は意図的で偏ったものに思います。物事を判断する上で「比較を用いない」なんて有りえません(「アリエナーイ」ってコトバもありましたねぇ、、)から、自己中心的に考えるためには哲学者や悟りでも会得しない限り(これらの人物は「ジコチュウ」と呼ばれません)判断する元が無いんです。判断材料が自分自身だけであることが前提になっているのでしょうが、もし判断材料が自分自身なら、同じ人間の『みんな(実はきけんなキーワードです)』は、自分と同じ事になり、周辺に極端な行動を取る筈無いのであって(これが俺の「エゴたいして悪くないぞ論」の根拠です)この人物がこれまた「自己中心的」と呼ばれる事は無いのです。
つまり、「自己中心的」と呼ばれるためには「みんなはこうにきまってるの推定が完全に間違っていないと成り立たない」という事です。
『無意識に特権階級になってしまい、周辺から特権階級気取りと評判が立つ現象』=『自己中心的』
なのです。
社会が提示する流行語は、ほとんど皮肉で(「違う違う」って意味が大半で)その意味合いは、考えなくても「社会の風」を掴めるためのキャッチコピーなのであって、本気でそうするつもりなど無いのです。
「アメリカンドリーム」これ米国人全員が達成すると「アメリカンドリーム」とは呼ばれません。「突出した成功」を意味しているからです。つまり「アメリカンドリーム」の正体は「成功できたらいいね=めったに成功しないよね」なんですから。
社会的に感じると癒し、個人的に感じると危険、危険なコトバとはそんなものかも知れません。流行してる時点で(他者とコトバの意味が通じる時点で)コトバは(コミュニケーションツールですから)社会的(共同幻想的)なもので、個人的なものでは無いからでしょう。
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「可能性はモチベーションの亜種」ですから。
文字通り受け容れると、いつでも脅迫になります。
キャンプのテーマが「スピード」だからって、野手全員が盗塁したら大変です、「意欲でOK」がほんとのとこで、キャッチは戦術じゃないんですよね。