秀逸なのは(経済評論家でいんでしょうかね)池田信夫氏の記事で、
コチラ
↓
「無縁社会」キャンペーンの恥ずかしさ
http://news.livedoor.com/article/detail/5340108/
(記事中の論点はともかく「馬鹿じゃなかろうか」的視点がポイント)
ハイエクも論じたように、どんなコミュニティも自生的秩序として維持されるかぎりにおいて続くのであり、コミュニティを政府が作り出すことはできない。個人主義にもとづく市民社会は快適ではないが、日本が自由経済システムをとった以上、後戻りは不可能である。政府の役割は縁を作り出すことではなく、個人の自立を支援する最低保障だ。未練がましい無縁社会キャンペーンは有害無益である。
さて、心理学的方向から言えば(もちろんですが俺もこんな番組は観てませんブログ伝聞情報ですよ)「流石に共同幻想エスタブリッシュメントもその崩壊に気が付いて揺れ始めている」って事に尽きるでしょう。
これを典型的に表す言葉が『屋台骨が(グラグラと)揺れている』、
構造的な崩壊って事です、
この現象が社会全般あらゆるところで顕在化してきている。
こういった現象を先取りするのは、社会現象としてはメンタルの問題であったり、個人で言えばジャーナリズムや単独者などとなるので、その次に所謂共同幻想の本体、ましてやその支配階層(エスタブリッシュメントであるとかノーマンクラツーラ)がこれに気が付くのにはタイムラグがある。
で「ついに(てか今頃)気が付いたの?」って現象です。
よって「無縁社会」なる番組の内容には殊更意味が無くて、
NHKがそういう番組を特集しているところが重要なワケです。
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共同幻想崩壊過程も山を越して終盤の大崩落みたいな状況に突入したというメッセージでしょう。
社会現象的には「オープンソース」「フリーソフト」「ハッカー」「フリーエコノミー」「フェアユース(著作権に対する自由度や転載の規定)」「ソーシャルコミュニティー」「クラウド型のなんとやら」「ネットワーク系のOS」「記録媒体の大容量化(低コスト化)」「モバイル通信端末の拡大」などなど猛烈に進行中の”広義のインターネット社会ALL”のような世界に展開中の現象の総和というか『大転換』が起きようとしてます。
何の大転換って共同幻想の崩壊と合理性部分の機能代替です。
この雪崩現象はどっちが先であっちが後とかではなく、潮の満ち引きのようにあっちがドーンといけばこっちが(引力の法則のように)ゴーンと引くってな具合に(研究好きの人ならなんちゃら力動論とかまとめられそうな)大きなうねりとなって顕在化してきてます。
文明論的に大注目なのは(ここは俺も以前エントリー時には気が付かなかった)モバイル通信端末の普及が先進国インフラより先行して第三世界などで普及しやすい素地があるため、国家経済分類の第三世界であるとか先進国であるとかの枠組みを無視して進行しているところで、
■ある意味第三世界では文明論的な意味での共同幻想の崩壊が(先進国プロセスをすっ飛ばしているので)「あたかも敗戦後の日本」のように急激に”さらされている”ところにある。
この辺は社会心理も込みの(経済学でいえばマクロ経済とミクロ経済を合わせて経済学みたいな)「総合的な心理学」として見ていくのか、より「個人自我心理学(いわば自我論)」として見ていくかの差異に似ているんだけれど、
心理学的に重要なのは共同幻想的に「かなり深い社会」と想定される”モスリム・アラブ社会”で連鎖しているところです。
今回のエジプト政変はアラブ社会の中でも学問的には先進国的位置づけの(それこそカイロ大学を中心とする)エジプトで起きたんだという主張もあるんでしょうが、今回の連鎖の発端はチュニジアであるとか地中海沿岸で連鎖している状態で「今エジプトだから」と見る方が中立的じゃなかろうかと思います。
象徴的な絵として、
「ムスリム達が祈る間、人間の鎖で守るクリスチャン達」があります。
http://imgur.com/NhC4m
・伝統的(所謂共同幻想の崩壊と無関係な自立独立する”文化的習俗”)習俗を堅く維持しつつ現実世界においては”近代特有の経済原則を行動原理とする似非共同幻想の否定”
考えてみれば先進国過程をすっ飛ばしていると考えるよりも、先進国化の過程で表面化する「実は経済合理性でしかない幻想の似非っぽさ(幻想バレ)」の過程が一個欠落しているだけで、見破るのが早まっているだけかもしれません。
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【カイロ発】反ムバラク派、国営放送に突入図る
http://tanakaryusaku.seesaa.net/article/185464371.html
(狙い間違って無いですよね(笑、『似非共同幻想の殿堂マスメディア』)
※思いつき程度の乱暴な推定ですが、ひょっとすると「フリーエコノミー(裏コードがベーシックインカム)」をコアとするネット社会的な”次のフェーズ”にはモスリムな国の方が適正高いんじゃないかと思います。あくまでも勘なんですが、、、
イスラム教哲学は限りなく「厚生省的見識」だから、みたいな。
(連合赤軍とかの時には間違ったが、今度は間違わないかも、とか→彼らが”テロリストを排出するような時代は終わった”として闘争の概念自体根本的に間違っていたことに気が付くかもしれない。ジハードや自爆テロは欧米文明論の反動形成に過ぎなく、本筋は”インターネット民主化デモである”。)
戦略的に言えばインターネットの台頭により体制側は既に情報戦における謀略が根本的にできなくなった事は大きい。
(今度のエジプトで中国政府はブルっているワケですから)
政治的な世界で言えば、
「フリーエコノミー(裏コードがベーシックインカム)」をコアとするネット社会的な”次のフェーズ”では、国家主義的な軍事的プレゼンスを維持できないんですよ。
(自己崩壊とまで言わないが)
簡単に言えば「議会の予算が通らない」。
主権国家的なレガシー(過去の遺産)と言うか、伝統性としての普遍的象徴として英国の近衛兵のように儀礼的な組織としての所謂軍事組織(大相撲も同列でしょう)と、場合によると戦闘行為に及ぶ可能性もある中間的な実務組織(日本の自衛隊と通常軍隊の間のような存在)に分離するかもしれない。
実務組織は戦闘能力を保持するが国家間の全面戦争を継続するほどの戦力を保持しないような(あくまでも予算的合理性として)着陸点です。
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社会構造論的には「個の自立と民主化」は、情報社会をプラットフォームとすることで『共同化による仮想正当性(合理性)の担保』を必要としないので、「共同化」の上に乗っかる国家主権による社会資本としての軍事力が個人レベルの認知に還元される(大陸間弾道弾の所有権を債権化した金融商品営業マンが自宅を訪問する図を想像すればおのずと答えはわかる筈)、仮に個人が武装する場合「最大でもショットガン程度」というミニマル化はひとつの社会心理上の帰結に過ぎず、それほど特別な事では無い。
※ナショナリズムや愛国心なるものが、共同幻想崩壊後の社会で自立する個人を前提として個人の哲学や信条というもので再獲得される前提を考えれば「社会資本としのて合理性も個人レベルに還元される」ことが特別な話じゃ無いことが認識できる。
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この部分に対する危機感が、一種のパニックのようにエスタブリッシュメントにとって「無縁社会」というキーワードで認知されているって事で、
(支配階層にとってはあたかもその社会資本が”自分のもの”とか錯覚されているんでしょう)
まーご都合主義というか、品性を欠く話ですよ。
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追記編集(そして17日午後に続報)
NHK「無縁社会」で過剰演出 ネット軽視だ!出演者から苦情相次ぐ
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110217/dms1102171206001-n1.htm
人間関係が希薄で、孤独死が増える日本。この現状をリポートするNHKのドキュメンタリー企画「無縁社会」の取材手法に批判が相次いでいる。番組にかかわった複数の出演者が、意図的に「無縁」を演出されたとして、過剰演出と不満を募らせているのだ。
《「ネット縁」に対して前向きに考えて出演を承諾したのに、「無縁だからネットに逃げ込んでいる」ような演出をされてしまった》
NHKスペシャル「無縁社会〜新たなつながりを求めて〜」(11日放送)に出演した女性がこんな内容をあるサイトに寄せた。
女性はネットを通じた「縁」を前向きに伝えるために出演を承諾。もともと女性には家族も友人もいて、そもそも「無縁」ではなかった。
だが、実際の放送で、女性は《父の看護で疲れ友人もおらず、現実逃避のためネット生放送を利用(中略)現実には人と触れ合いの少ない「無縁」な人》(女性が寄せたサイトから)にされ、非公開と伝えていた実年齢も明かされた。
やっぱりね〜
私も少なからずTV関係やら制作会社関係に(仕事やら)付き合いありますから「そんなことだろう」と思いましたよ。
昨今のマスメディアの劣化は目を覆うばかりですな、
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