この言葉には複合的な意味があります。
1「説得力」
一般に、精神的に悩んでいる状況から身体的な症状を引き起こしていると、「たいしたことないんじゃないか?」との誤解を招きます。しかしこの誤解の根拠となる一般常識は「病気」と言う言葉に『弱い』です。どういう意味かっていうと「病人を気遣う」という事は一般常識の側のかなり上位階層のアイデアなので、「たいしたことない」等の、根拠のないいいかげんな事が言えなくなるって事です。
2「納得」
自分自身のこころにいったい何が起こっているのか?という疑問に「そか、俺は病気か」と一定の結論を得る事が出来ます。これ以外と(ケースバイケースですが)「病気=処方箋がある」との連想が起きて、ちょっと状態が落ち着く。ってワケです。
3「抵抗」
悩んでいる事は認めるが(「一般論ですが、悩む傾向=強い常識的判断が存在」連想として「病気=劣等=敗者」に至る事が多いからです)「私が病気だっていうのか」的反発が起きる事もあります。又同様に、「俺は病気だったのか、、」との落ち込むって事もあり得ます。
他にもいろんな事が言えるのですが、自分自身に「病気」という言葉を向けるとあんまりいい事がない、周辺他者に「病気」という言葉を向けると関係はスムーズになる。 でしょうか。
この「言葉の二面性」に危険性があります。
何故かって、
これが悩んでいる状態の「現状維持」に強い力を持つからです。
そして肝心の問題です。
カテゴリーとしての「病気」って言葉の意味はどう定義されるのだろうって事です。
次回はこの「病気」って言葉の意味について考えてみようと思います。
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私は病名はその病気を表すものですので、
しかたがないと思います。
私は統合失調症です。
とても軽度で車も運転できますし、
バイトもフルタイムでしています。
が、
以前の「精神分裂病」という病名には、
ショックを受けていたので、
病名が変わって少し安堵しました。
苦しんでいた当時の戦いは他に代えがたい何かだった筈で、それが「治った」と表現されたら?
「前の自分は何か間違えていたのか」
そうではありません、理由無く苦しむ人はいないからです。その苦しみの理由は、自分のアイデェンティティーの一部であってその気持ちを受け入れてこそ、「もういいのか」と人格を結ぶ新しい言葉も掴む事ができます。
しかし「病名」が無いと周辺他者に状況を説明する事はほとんど不可能ですから、しかたがないと思うより他ありません。
ただね、その実情を知る人間は何かそれに代わる「あの時はこうだったんだ」をもっと上手く説明する術が無いものか、と考える事を続けなければいけないのだと思うんですよ。
「病名狩り」では無くもっと根本的にね。
俺はそれを「自己嫌悪」という言葉で、大体自分の頭の中ではなんの不都合も無く説明できるのだけれど、それでは社会の側に説明する力が弱い、そこが難しい所なんだと思う。