そんな心理的なバックグラウンドで問題になるのは過渡期における「妙な流行現象」だ。
これ熱が冷めると「ありゃなんだったのか?」ぐらいに無自覚で、経済的な流れや広告、メディアによる風説によって「なんとなく発生する」。
大多数は場当たり的で一過性のものなんだけれども、これが恣意的に行われ結果的にとんでも無い事になると自我(責任)問題って事になる。
代表的なのは政治だ、
日本の場合政治といえば=政治家ではない、政策立案はほとんどキャリア官僚の仕事になるので(ここが日本的社会主義と呼ばれる所以)、天下り以外には私利私欲が絡む事はほとんど無い。
『私利私欲』っていうと何か悪い事じゃないか的な見方があるが、こりゃ大いに間違い。
『私利私欲(実は個人主義の重要な要件)』が関係しないなら、こりゃ当事者意識(サービス受給者のニーズに実感が無い)に欠けるし、失敗しても個人的になんら不利益(個人的利益がまったく関係していないので)を感じないのだから、モチベーションとして「それを自分の事のように考えられない」からだ。
さて、精神分析は第三者的な関与が特徴なんだけれども、これは「分析者」であったり「政策的助言」をするのが機能なのだからそれでいい(政治におけるシンクタンクに似ているポジション)んだけれども、政策の実行行為者としても第三者的なのは反対に問題点になる。
昨今の地方分権に対する考え方も「当事者における判断」が重要だと言う考えで、中央集権的な(全然関係無い人が機械的に考えてしまう)政策立案に対する批判から来ているのだけれども、わかりやすく言えば「当事者=私利私欲が関わる」って意味だ。
「地元が栄える事は自分の利益である」
「地元の納税者が期待するサービスは、同時に自分の期待するサービスである」そんな着眼点になる。
ところがこれが常に計算どおりの結果を生むかというと、そうもいかない。(竹下政権下での「ふるさと創生」の大失敗を思い出して欲しい)
集団心理っていうのもは個人で考えなくてもいいって効率性がポイントなんだけれども、伝統や文化には知恵があっても経験の無い政策立案には手段はなんらアイデアを持たない。
ここが重要で、この集団心理が地域で支配的だと、地域には自立的(新規のアイデア)に考えるって機能が存在しない事になってしまう。
皮肉にも集団心理のアンチテーゼは個人主義だから、個別に違う考えをもっていたり異端の存在を由としたりする『弾力性=いいかげんさ』なんてものが無い社会は転換期に没落してしまう(結果的には地域性自体が崩壊する)。
「健全(そんなもんがあるのか無いのかは別にして)な集団心理のためには異端に肝要であること」
つまりさ「集団心理に拘束されない人間が何人いるの?」って話。
果たして現代の地方に、異端である事を由とする野蛮(野生)さってのは存在するのだろうか?
戦国時代なら「とんでもない殿様」とかあり得たんだけれども、一億中流なんて歪んだ開発の結果、なんとなく合わせるって無責任な集団心理は地方でより加速されていいるのじゃないか?
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