2010年07月27日

違う意味での『経済や心理学』

本来こういう報道はもっと大規模でもいいと思うのだけれど

英グラクソ:抗鬱剤「パクシル」訴訟、10億ドルで和解
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920012&sid=alIkuT.iZNig

7月20日(ブルームバーグ):英医薬品最最大グラクソ・スミスクラインは抗うつ剤「パクシル」が利用者の子供に先天性の異常をもたらすとして800件以上の訴訟を起こされている問題で、10億ドル(約870億円)以上を支払って和解することに合意した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

同関係者によると、グラクソは障害のある子供を持つ家庭に対し和解金として平均120万ドルを支払うが、その後もこの問題で係争中の訴訟は100件を超える。同社は今月15日、パクシルと糖尿病治療薬「アバンディア」の訴訟費用として24億ドルを計上することを明らかにした。
(2010/07/21 bloomberg.co.jp)

抗鬱剤「パクシル(Paxil)」は日本では『パキシル』の名前の方が一般的かもしれません。
このブログはあくまでも文系に属する心理学・精神分析系のものなので、専門外となる投薬や特に精神科医療関係への批判に関係する話は特に慎重にやってきました。
ほとんどノーコメントに近いぐらい慎重にやってきたつもりです、
ですが、ここを経済学や政治って世界から見る分には一定の範囲は踏み込んでも大丈夫だろうと考えるので、この報道をどう考えるかってところを今回のテーマとします。

医療全般にも関わる事なんですが、80年代以降から日本では「国際化」という名の下で実質「米国標準」を政治的に受容していく時代背景があったのであり、医療や年金に関してもそれは「外資薬剤メーカー」であるとか「外資系保険会社」の存在抜きには語れないのであって、実際の現場云々とは別に政治が優先して左右されてくる部分はあるワケです。
医療の現場についても当然医師はジャーナリストでもありませんし政治的な判断など大学で教わるものでもなく、そこに巻き込まれる当事者としての立ち位置もあります。性善説や性悪説的な一元論で語れない背景はそれはあるワケで、
その全ての責任を現場の医療当事者に求めるのも酷な話です。
(※インフォームドコンセントには利用者の自己責任を担保しこれを保障する的に、医療行為が恣意的に行われない形で結果当事者責任を片方だけに偏向させない狙いもあるでしょうから。)

根本は報道なんですよね、
情報開示なんですよ。
ジャーナリズムが機能しないと本当に困る話になるんであって(だからマスコミは”公器”なんですが)、一般庶民のメディアリテラシーってのだって限界がある。
(※ここは心理学やメンタルな問題への知見ってものが一般社会にも”民度”としていかほどに求められるのか的論議にも似ているけれど、)

現代社会ですから、そりゃ”手慣れたネット検索手”であれば情報取得に困る事も無いだろうし、アングラ情報の陰謀論もあれこれ考えて「ここまではアリか」的に多角的視点の一部に検証前提で取り込む事もできますから「相当のことはわかる」のは確かですが、毎日仕事に追われる一般社会においてどれだけ時間があるかって限界はありますし(腕がよければササっと情報見つけられるでしょうがその腕前に到達するまでの時間的投資も必要なワケで)、『幾分かの見方』ってところだけは押さえておきたい。

■「政治的スタンス」「経済(誰が儲かるのか)」「メディアの偏向(や広告・スポンサーとの関係)」
この辺の前提は個別の事実関係を知らなくても”冷静に検証”のフラグを立てることはできる。
更に慎重に「西洋医学の仕組み」って要素を合わせて『自分自身がインフォームドコンセントを前提として選ぶ準備をしておく』意識は重要でしょう。

心理学的に言えば『言語論的暗示』も重要で、
特に日本のような”表意文字系言語”ではそのリスクは顕著に思う。
若干補足説明するならば(強迫心理の作動原理にも被る話)、「言語が既に認知の枠組みを”事前に決定”するフラグになっている」ことで、
不快感なり不調なりなんでもいいんだけれどもこれを『病気』と読んだ時点で脳内認知フォルダが自動的に振り分けられるような話。
(※脳内フォルダ分類の典型例といえば「性」だとか「仕事」だとか「趣味」だとか誰にでもそのつもりで考えてみれば思い当たる節のある様相あると思います。)
言語論的な意味での『病気』には他の意味もあるんだけれどそれは何度か書いてきている事でもあるので今回は省略。
文法的な意味や齟齬はともかく「治る」と「直る」じゃないけれども、結果的に『無意識に判断終わっている』ようなカテゴリーがかなりあるのであって、
そこんところに古典的な共同幻想の弊害でもあるけれどもマスメディアであるとか権威的組織であるとか、専門外の分野における説明などが関係すると「もうお客さんだ」みたいに社会的な『被(こうむる)構造』にもなりかねない。

日本語には「言葉を選ぶ」なんて言葉もあるが(同系列に「横文字に弱い」とかもある)、自我自体が”ロジカル”な代物なので俺はコレ系の話は相当深刻に考えていて、時に”韻を踏む”ことが=「スイッチが入る」級の拘束力というか固定観念の形成を促す話はゴロゴロあるんであって、「常識を疑え」以前に「言葉を疑う」ような認識も重要なんだと考えている。



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