※プロ野球用語で言えば「ルンバ」
更にプロ野球的に言えば、
野村的『3連戦+3連戦作戦』が成功一歩手前だった。
『3連戦+3連戦作戦』→意図的に強いチームとの対戦を捨て試合にすると同時に捨て試合だからこそできる嫌がらせに徹して(バッティングフォームだけを崩すための目的だけに継投してワザとフォアボールを投げる・追いつかない程度の得点と割り切って気楽に無意味な得点でも拘って”勝ち組リリーフを連投させる”等)、後ろの3連戦で対等戦力のチームに全力で勝ちにいき(3連勝狙い)、前回ワザと負けた相手を3連敗させて結果タイにする作戦。
※これが成功するポイントはいくつかあって
「捨て試合をやっている事に気づかせない(隠し玉的先発投手起用をリークする:腹案)」
「エース級投手を”先発させる”(重要な試合イメージを宣伝する)」
「負けるつもりなのに必死の継投(事実上右には右・左には左シュートの多投)」
「実は主力投手の温存(名前ではなくて次対戦チームとの相性)」
等々基本心理戦の事。
ほとんど成功していたと言ってもいい
ワザと負けているのに、夜のスポーツニュースで「痛い敗戦ですね」と報道させる事にも成功していた。
しかしこの『3連戦+3連戦作戦』は非常に高度な作戦であると同時に危険な賭けであって、一手の失敗で全てが裏目に出る事もある。
そのあるポイントで首相は致命的な失敗をした。
どういう局面かと言えば、
■捨て試合の3試合目8回裏の攻撃で、3点差なのに盗塁を仕掛けて相手チームのリリーフエースを引きずり出す事に失敗。
※この盗塁失敗は当然試合の勝ち負けにはほとんど関係無く、その局面だけで言えば瑣末な”仕掛け”なんだけれどこれがとんでもなく重要なプレーになる。
↓
「全てがパーになるかもしれない」
勝ち組リリーフ三連投に失敗(相手チームが次の3連戦で連敗しない)するだけでなく、自チームの戦略ミス(サインで指示した盗塁は限りなく100%の成功率でなければならない)が次の自チームの3連戦に影響してしまう。
■実際どうだったか?
『米国・基地移設国内派』を3連勝させて、夜のニュースで鳩山政権迷走の報道を流させて、米国からマスコミから疲弊させ(外野席は大”ヌカ”喜び)、相手チームのコーチに「Loopy失言」までさせて、裏では着々とグアム・テニアン移設プランを進め、3連戦に起用した投手は名目エースで(岡田・北沢・枝野や前原)、手札として謀略専門のスコアラーがいる(小沢)。
ところが、ヘッドコーチの平野官房長官の進言で8番打者(ではあるが控え中心の準レギュラー組みまとめ役)の福島大臣に意味の無い盗塁を指示(政府方針への署名を指示)して拒否されるだけでなく「監督批判のコメントをされてしまった」。
閣僚として福島大臣は、はっきり言ってそれほど大事なポストでも無いし政局を動かせる力も無い。しかし鳩山政権にとっては『非常に重要な閣僚』だった。
福島大臣を罷免する事は、3党連立を危うくさせ、連立などの政治的枠組みにおける責任者である小沢幹事長と首相との関係にも亀裂が生じかねないキーパーソンである。
小沢幹事長は相談に来た社民党に「それは官邸に(文句)言ってくれ」と、その後の福島大臣罷免にも繋がる行動に間接的に”同意”しているのであって(采配に関しては首脳陣を批判してくれ)、、、
※福島党首もコメントしているが基地問題に関して社民は鳩山の味方だった。
(閣内の移設国内派を黙らせる理由として、連立政権を壊す事は鳩山政権への倒閣であると、福島大臣の意見を尊重する形で→国内派を押し返す事ができた:実際鳩山自身も確信犯的な海外移設派)
3党合意で福島大臣の方は非武装中立などを引っ込める現実的妥協しているのだし、党としての筋は通している。
確かに社民離脱への布石として小沢幹事長は自民から数名の議員を引き剥がしているので、『社民切りのカード』は用意されていたけれども、ここ使うところじゃ無いでしょ。
(そのカードは社民から合意を引き出すために使うのが一番効果的なのだし)
結果鳩山の周囲に残ったのは”移設国内派閣僚中心の布陣”になってしまい、
この面子は、党内多数派でもなければ3党連立からの支持も失った。(閣内でも当然移設海外派と思われるNo2の菅大臣も”ノーコメント”)
はっきり言える事は、小沢幹事長なりを閣僚として政権に入れるなど何らかのテコ入れしない限り鳩山政権は崩壊してしまう可能性がある。
■今回の『政府方針』は(首相も記者会見でコメントしているように連立・地元との合意は無く)対米事務方同士(外務・防衛)の合意であり(米国にも同時並行で沖縄を含む軍の再編成作業があり予算も組まなくてはいけないので5月合意が必要なだけ)、最終決定案では無い。
そもそも沖縄の合意が無いのだから最初から実現性が無い、
どの道今後更に移転先を「オプションとして」交渉し続ける事になるのだから、政権運営上(そんな中途半端な文書に)閣僚の署名など必要無かったワケで、
※しかし社民党首でもある福島大臣や社民党にとってその署名は踏み絵となり、別の意味の決定的な社民党公約の撤回となる。
それが必要だったのは「首相に5月決を着間違いなく約束する」と、何か立場を勘違いしていたヘッドコーチ(平野官房長官)だけである。
(誰もあなたに頼んでないから)
「閣僚も署名した立派な政府方針文書を5月にまとめました」
■相対的に言っても『鳩山内閣の奇妙な安定』(不思議と3連勝しても野村ヤクルトとのゲーム差が開かない現象)は壊れた。
最後の一手は、平野官房長官の辞表(署名の必要な政府方針取りまとめの失敗責任)を差し出して福島大臣を引きとめ、米国との合意は「実現性が非常に困難」である事を確認して、その合意を”代替案も含む形で約束する”方向で米国の対面を保つ事だったろう。
(所謂米国に対する”違約金の保証”)
米国には特約事項として「オプションを含む様々な方法で(沖縄基地同等の戦略的性能を保証する)代替基地の建設を担保し約束する」と書けばよかった。
※先送りという意味では無く(元から5月決着の意味は米国内の予算策定なり事務手続き上のポイントだから)、米国に対する合意措置として引き続き移転の約束をした候補地の協議を日本主導で行う形になるだけ。国会に対しては5月決着が中間措置となった責任として平野官房長官の事実上の解任によって一定の説明となる。
やはり検察の一手が効果をあげ、本来政治主導の方針のもとヘッドコーチ格の入閣があるべき党幹事長が挙党一致の名目でベンチ入りさせなかった(選挙専任)ところが致命傷となったか、
かといって「政治とカネ」などマスコミ捏造のキャッチコピーで攻めどころ満載の小沢氏を起用すれば予算委員会はえらい騒ぎになっただろうし(かえってその方がよかったようにも思うが)、難しい判断ではあったけれども「小沢自由党合流前の旧民主党寄りの組閣」は限界があった。
かえすがえすも平野官房長官起用は大失敗。
この失策を取り戻すには最低一ヶ月かかるでしょう、
建て直しには「内閣改造」が必須になるかもしれない。
月曜日の幹事長定例記者会見が注目です、
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※5/30編集後記
やはり社民党連立離脱ですね。
マスコミ報道には社民内部では連立維持派が多数で福島党首が孤立しているみたいな報道もありましたが、、
「ガセ」でしたね(笑
官邸は情報を読み違えてたんだと思いますよ、
(或いは恣意的に偏向した情報があがっていたのか)
亀井大臣まで(今回関係無いのに)社民に留まってはどうかと声をかけて慰留に努めてくれたのに、
この官邸の情報分析能力の問題には(首謀者が別だとしても)鳩山首相もその結果責任において免れない。
時計を少し戻して見ると、
菅副総理・財務大臣も国家戦略局(元は室)が当初機能せず、後に菅大臣が藤井財務相辞任の後を引き継ぐ横滑りにより戦略局も仙谷行政刷新相の手に渡り、半ば政権内でパージされていた側面もある。
そうなると「旧民主党主体の政権」は足場として「鳩山側近+民主内保守派+反小沢」だけになってしまうのであって、
菅副総理が閣内において半パージ状態(唯一目立ったのは亀井大臣とのやりとりだけ)となって以降、政権基盤のバランスを欠いてきたのかもしれない。
首相だけは小沢氏と密接な関係があったが政権としての連携には乏しかったのだから、閣内における有力者と言えば菅副総理となるんだが、閣内権力闘争のなか(鳩山政権が4年続く前提で)次期首相の可能性も高い菅副総理の影響力を削ぎたい勢力もあったのではないか?
この近視眼的な権力闘争の結果「その上部構造である3党連立をすっ飛ばしてしまう」という愚かな選択になったのかもしれない。
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