葛藤は、感覚としてその本人には「超自我」として確認されるので、見かけ上道徳的判断としての拘束力(結果として「脅迫(強迫)性」)を持つ。
つまり、その存在を感じる時には「従わざる負えない(或いは許せない)」なので、この状態自体が苦しみであり、ハムレットの話にも似ている。
この被る構造は、葛藤が成立する環境をそのまま人格構造に置き換えた(その反対が「投影」だから、この葛藤が追体験的に別の人間関係に投影されやすい事もここからわかる)と言ってもいい。
「超自我=自分の自我を超越する自我=親やそれに相当する権威」
超自我は、親との依存関係から「反抗期(印象としての親の「現実的」感の現実の親からの反抗=自分の考えとして取り込み=聞く事から自主的判断へ=自分の力になった事の興奮から、それを試したくなり、親に意味も無くつっかかる)」を経て自分の考えとして、その概念(=関係)を取り込んだ結果なのだが、葛藤は皮肉にも同じルートで取り込まれる。
「葛藤=自分の自我を脅迫(強迫)可能な自我=親やそれに相当する権威」
葛藤は、親との依存関係から「反抗期(印象としての親の「現実的」が親の不安の結果わからずこれを「愛されていない」と想像=自分の考えとして取り込み=聞く事など恐ろしくてできる筈もなく自主的判断=自己嫌悪の不快感から、それを解消したくなり、怖いので親の不安と関係の無いところで自己嫌悪を証明したくなり、親にいろんなテストを仕掛ける)」が不完全で自分の考えではなく、その概念(=関係)を強く「被る」として取り込んだ結果である。
ここで疑問を感じる人も多いだろう。
「自己嫌悪を証明したくなり」の部分、
これが欲求として感じられる事に疑問が多いと思うので、説明しておきたい。
前にも触れた事があるのだが、ストレスというのは「行為としての結論」を求めるもので、必ずしも主体的には『快』である必要性が無い。ある種興奮を伴った行為は=即ち欲求の代謝として、生理的には広義の快になってしまい、この判断を自我が超越する事は「確信犯的」である時だけになる。(この「犯」と、犯罪者でもあるように表現するのが適当なのは、もっぱら自我にとって「葛藤」は道徳的な超自我に属しているので、構造的には、そのアンチテーゼは「反道徳」だから。ある意味自我の自立的判断は、その判断が超自我的なオートマチックなモノではない事を証明する事を兼ねるので、その場合も「確信犯的」や、実存主義的「反抗」という言葉が似合う、オルタナもここに含まれてくるだろう。)
シンプルな例は(葛藤の説明ではなく、快不快についての例)
※「ダメだこんな作品じゃ」引き裂かれるキャンバス
これは快?不快?
しかし、あるストレスはこの行為で行動(結果)選択され現実となる。
精神的な悩みに付き纏う「不快感や、辛さ」は、超自我の領域に反動として存在する葛藤のストレスだと言っていい。
だからこそ『葛藤』へのアプローチは2方向となる。
◆見かけ上「道徳的判断」に属する概念への確信犯的反抗
(行動療法には思考も含まれる)
◆反動として現れる無意識の不快な記憶自体への自由連想による再解釈
(悩んでいる事象とは無関係な部分からでも、その存在を認知して「理由」を分析する事で「抑圧と反動」の関係を「認識」の領域へ変える。=「ノスタルジーを過去へ還元する」)
しかし、実際のところ葛藤は強く「被る」という感覚であるからこそ「自分でそう思っているのでは無い」とも言えて、そう思う当事者性の回復からして難しい話で、実際「悩み(辛い事を被っている事の不快感)」の形で表面化したり「現実の人間関係の不都合(投影)」として表面化するので、入り口からして、ハードな問題には違いない。
これ又「なんで悩んでいる上に、そんな目に合うのか」として精神分析自体が「被る線上」に認識されやすく、自我防衛を間々引き起こすのだが、大事な事だけれど、
「悩みや不快感」とは、自我がそれを拒絶している証であって「あなたはそう思っていない」という確信も同時に証明されている事を忘れてはいけない。
既に戦いは始まっている。
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