2009年12月08日

『フリーエコノミー』とかって話がある(後編)

利益確保のビジネスモデルが妙なタイムラグを意図的に造ってしまうと「飽きられ現象」というかそもそも忘れられてしまう事もあるのであって(コンテンツが膨大なのも先進国だからなのであって)、既に劇場公開が始まっている映画コンテンツのDVD発売を意図的に遅くしすぎると「観たい人がいるのに版元の都合で観られない状況を意図的作ってしまうのと同じ」でこれが購買動機の腰を折る可能性も無いとは言えないでしょう(DVD専用に再編集するなら別だけど)。
※ここは音楽業界におけるコンサートライブとCD販売のケースで考えるとわかりやすい

仮にDVDのみを期待している人はコンテンツの楽しみ方とし映画館がマストではないのであって(反対に映画好きはDVDの発売時期が何時だろうと必ず映画は映画館で観る)、単に営業目的で発売時期を遅らせるのはコンテンツを趣味として楽しむ人のライフスタイルを意図的に営業目的で干渉している事になる。
昨今はDVDの販売価格も安いので、気軽にDVDを購入する人は「忘れるぐらいのほどほどの評判でも買っちゃう」方向にいっても不思議じゃない。共同幻想の崩壊過程で超大作やカリスマ的監督なる存在は構造的に分散化個別化するので、昔書棚が山積みになったようにDVDがずらっと並んでもおかしくない。
(映画のスケールとしても棲み分けはある→劇場公開もそうだけどDVD販売で収益計算する時代なんだし)
しかも高齢化時代で必ずしも自由に映画館にいける人ばかりでは無いのにだ、
※映画館の生命線は『大画面・高音質大音量・暗い空間によるパーソナルスペース』など基本を重視すべきで、本来なら最初からDVDと被らないエンターテイメントの筈だから。
(ピュアオーディオ黎明期には映画館で使用されるPA用スピーカーが高級機種だった)

豪勢に70mmフィルムで撮影した大作だとしても昨今のシネコンの上映設備はデジタル化されているんんであって、、
DVD単体での販売を考えるならオーディオ同様に高性能のハード普及によって更にDVDの売り上げを伸ばすことを考えた方がいい。
(インターネットで視聴可能なコンテンツは視聴の域を出ない→昔レコード屋さんに視聴室があったのをJASRACは忘れているんだろうか。)
■しつこいようだけれどJAZZ喫茶を潰す事に何の意味があるのかさっぱりわからない

注)米国の場合『フェアユース(fair use)』としてよく知られる概念
といっても米国でも特にP2Pを利用してのファイル共有は違法の判決がある:P2Pは通常のストリーミングと概念が違う元ファイルそのままの大容量ファイルが交換されるケースもあるため規制や管理そのものが難しい(ソフト自体が違法だし)。

当然『海賊版』は断固取り締まるべきでしょう(お金をとって流通させるのは完全に版元に実害与える)、海賊版に関してはユーザーだってそれと知らす被害にあうこともある。
重要なのは「どこからどこまでが視聴に相当するのかガイドラインを定める」ところにある。ダウンロードのファイルサイズ規制や形式等技術的に担保できる方法はある。

『先進国化・最新技術化』これはパッケージであって、
一部の高画質マニアにおいてはブルーレイを特別に楽しみにしている層もあり(高画質接続端子もマストの機材使用)、無料でネット上に流通するコンテンツ(軽さに意味があるのであって昔著作権協会がコピー使用時に設定したクオリティーの劣化規約と全く同じ方向性)とは全く抵触しないワケで(満足する筈が無い)、
ここは音楽市場において、ハイエンド器材を使用する文化の低落が結果音質に拘らない視聴を促進してダウンロード音源を主とする生活に至ったのと同じであって、
ここハード込みの世界があって初めてビジネスモデルになる(なのでビクター等がハードソフトの両方持ってたことには意味があった)。

ダウンロードにはダウンロードの課金のビジネスモデルだってある。
通常のネットファイルは圧縮により情報劣化を前提とする、サーバーのレスポンスなり圧縮レベルの高さなり(軽ければ軽いほどユーザにとってもサーバにとってもダウンロードの負荷も軽くなる)技術なり速度なりどこかで利便性と引き換えに廉価な課金は可能であって、
この場合も無料で視聴可能なサイトは有力な宣伝媒体になる(ストリーミングからのDATA保存にはそれなりの知識も必要なので著作権的に問題になるようなレベルではない→クオリティ的に昔のTV番組のVTR録画と概念は同じ:著作権を明らかに侵害するのは海賊版の有料販売)、小額であればダウンロードの利便性だけでも十分利用額における合理性を担保する。
何が言いたいのかって、視聴は無料のサイトを利用してもプロバイダ経由等で課金し簡単な方法で版元から水準以上のダウンロードが可能なら「面白かったら版元からダウンロードするって」。
クオリティに応じて価格を変えるのはこの世界のデフォなので、広く関心度に応じて収益を確保できる。これなら著作権侵害課金じゃなくて公正に印税の形でアートストに還元される

自分のところのインターネット対応ビジネスがしっかりしていれば現在のインターネットの状況は版元にとっても有利な環境になっているって事、
ニコニコ動画がそれに近いサイト構成になっているけれど、アフェリエイトとして各コンテンツにDVDの通販リンクだけで無く版元ダウンロードも紹介可能にすれば、莫大なインセンティブとなり「彼らが積極的にページのリンクに入れ込むのは当たり前」なんだし。
ポイントは合理性のあるコストで簡単に料金が支払える版元ダウンロードのシステムができあがって無いところにある。
(ワーナーなんて自ら宣伝用として無料ストリーミングを自分で提供しているんだし)
訴訟すれば利益を確保できるって発想自体に生産性が無い(縮小経済になる)、
あくまでも違法合法の線引きを→規制緩和と利益確保が両立する方向(拡大経済)で考える事が筋論でしょう。

付け加えると、CD・DVD販売小売店の利益も新たに考えられる。
ダウンロード販売のファイルをメディアで受け取れるようにするとか(ダウンロード廉価版)、当然通信販売の受け取りサービス等(直接買えばいいとお思いでしょうが特にDVDは探し物が無いって体験が多い)。店頭で利用のポイント対象になればコンビニ受け取りより有利な選択肢となる。


■実際アメリカの某映画は、無料のストリーミングやダウンロードサイトの閲覧数記録を”売り”にして後追いで劇場公開の拡大を行った低予算映画もあって、
(製作会社はストリーミングやダウンロードに対して感謝のコメントを出している)

『フリーエコノミー』の概念をビジネスモデルとして確立できているのかって、ここはビジネス上のノウハウって事になるんであって、ただ漠然と取り締まってしまうのは間違いでしょう。現在のストリーミングサイトは既にインターネット上の社会資本であることを忘れちゃいけない。末端インフラが自主的運営で”タダ”で版元にも提供されているのだから。
※メディアとして旧経済時代に彼らがその宣伝活動をラジオ・TVに頼っていたことを忘れている。今その旧メディアが衰退しているのだから→新興メディアであるインターネット社会と親和性を維持することが生命線になると考えるべきでしょう。


まず最初に自分のところ含めて業界全体で全てのコンテンツ(廃盤も掘り起こして)をダウンロード可能なサーバを立ち上げようよって話。
サイトの構成の中で通信販売によるCDやDVDの販売も同時に行えるのだし、大規模な宣伝広報は『フリーエコノミー』が膨大な尽力で”やってくれる”のだから、本来この環境はビジネスチャンスでしょうに。


実際PCの利用そのものが、膨大なフリーソフトの下支えの元に進化していることを忘れちゃいけない。
posted by kagewari at 19:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神分析時事放談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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